雑魚で貧乏な俺にゲームの悪役貴族が憑依した結果、ゲームヒロインのモデルとパーティーを組むことになった

ぐうのすけ

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第30話 ファンタジーソウル

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 報酬で混乱した俺は皆になだめられつつ車に乗った。
 きゅうが俺の肩に乗って佇む。

「リツカの家でゲームをしましょう☆」
「うん、面白そうだね」
「私は、弾丸を作りたいわ」
「アキラもやりましょう。ヘッドセットは全員分有りますから」

「そうだな、いいタイミングだ」
「マナ以外の3人でプレーしますか」
「……私もやるわよ」
「4人でやりましょう」

『俺が悪役貴族になっている所を見せろ』
「クラックが悪役貴族の所を見たいって」
「序盤なので丁度いいです、4人プレーでクラック討伐までやりましょう」

「クラック、ブチ切れるなよ」
『ふ、俺を誰だと思っている? お前より過酷な人生を歩んできた自負がある』
「ふ、俺を誰だと思っている? お前より過酷な人生を歩んできた自負がある。だって」

「クラックって、アキラよりも中二病ですよね?」
「そうだな、それより、気になっていたのは、クラックは3人を殺さないと言った。それは信じよう。でも、クラックは3人をどう思っているんだ?」

 3人が一斉に俺に振り向いた。
 家の前に着き車が止まるが皆が俺に注目し続ける。

『恨んではいない。それに、皆前世の記憶が無いのだろう?』
「恨んではいない、それに皆前世の記憶が無いのだろう、だって」

「皆記憶は無いよ。でもゲームみたいに領地を奪ったのに?」
『まずはそのゲームを見せろ』
「まずはそのゲームを見せろだって」

「そうだね、どこまで前世と一緒か分からない」
「あ、皆前世のキャラで、名前は今の名前にしましょう。そうじゃないとアキラとクラックは混乱しますよ」
「アキラはVRゲームをした事はある?」

「無い」
「ええええ! 一回も!?」
「一回も無い」
「じゃあ、家に入ってサクッとキャラクリしましょう」

  屋敷に入り部屋に入ると背もたれが少し倒れたコックピットのような椅子がずらりと並んでいた。

「皆座って」

 椅子に座るときゅうが俺に膝に乗る。

「ヘッドセットを被って」
 
 俺は皆のマネをする。

「ファンタジーソウルスタートって言って」
「行きますよ、せーの☆」

「「ファンタジーソウルスタート」」

『このゲームは魔道具の力で魂の記憶を読み取り、その内容を改変したものです。このゲーム世界はあなたの前世かもしれません』

 きれいなお姉さんの声が頭に響く。

『キャラクタークリエイトをスタートします』
「サポートしますよ☆」

 黒髪清楚モードのメイがノーマルメイド服を着て現れた。
 頭の上に『メイ』と表示されている。

「見た目がほぼまんまなんだな」
「ですです、まず名前はアキラにしましょう」

『キャラ名を決めてください』
「アキラ」

『次にキャラクターを選択してください』
「スペシャルアバターを選んでください」

 押すと選択肢が出てきた。

「クラックを選択です」

 クラックが目の前に現れた。

「くっくっく、暗黒の力を見せてやる!」

 クラックが中二病のポーズを取った。

『俺はこんなことは言わない』
「クラック、今は黙っててくれ。最期に感想を聞くから」

「決定です」
「ほい」
「詳細変更は無しでそのまま決定です」
「終わった」

『ファンタジーソウルの世界へあなたを導きます』

 俺はワープした。

 目の前には自然が溢れ、そして、コスプレをした3人がいた。

「コスプレか」
「アキラもコスプレですよ」

 俺は黒い貴族服と腰にはいつもと違う剣が装備されていた。
 実際は途中から目立たない外套を着ていたんだけどな。

「普通にやると他のキャラもいるのか?」
「普通にやると私達3人と、プレーヤーアバターでゲームが進むわね」

「お前ら、まさか……」
「アキラ、どうしました?」

「ヒロインクラスか!」
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