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第25話 リツカパパ
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私は13ゲート市で一番高いビルから地上を見下ろす。
私の名は姫菱王政、姫菱財閥のトップであり、リツカの父でもある。
そして、リツカと同じ前世の世界を生きた王でもあった。
私には前世の記憶が残っていた。
その記憶から魂に刻まれた前世の記憶を読み取り映し出す魔道具を再現する。
そして魔道具と科学技術を融合したVRアクションゲーム【ファンタジーソウル】を開発し、それがヒットした。
もっとも今の世界はモンスターの影響でグローバルに活動する事は難しい。
日本の人口は1000万人まで減った。
魔道具の力で魂の記憶を読み取り、キャラデザや世界のグラフィックコストをほぼゼロに抑え込んだ。
少ないゲーム製作者で作る事で、コストの削減を図りつつも売り上げを伸ばす事に成功し、今や日本でファンタジーソウルを知らない者の方が珍しい。
護衛の2人から連絡か。
「入れ」
腰に剣を装備しスーツを着た無骨な男性、柳
杖を持ち、スーツを着た物腰の柔らかい女性門松
2人が入ってきた。
「リツカが血を流して帰ってきたようだな?」
「その通りだ」
「ヤナギ、リツカを護衛するように言ってあるはずだが?」
「成長の為に手を出すべきではないと判断した。オウセイ、お前は娘に甘すぎる」
こいつは思ったことを遠慮なく言うが、そういう男だからこそ信頼できる。
2人はソウルランクBで戦闘能力も十分、尾行も得意だ。
「まあいいだろう。カドマツ、他に報告はあるか?」
「そうですね、ファンタジーソウルの悪役、クラッククラウドとそっくりで、クラックの魂が憑依したと言っている高校生男子とその兄が3人とパーティーを組みました」
ピキ!
「そいつの名前は?」
「クラックとそっくりな稲生アキラ、兄が稲生気道です」
「2人はアキラをどう見た?」
「いい奴に見えた」
「悪い子には見えませんでした。詳しくは配信の映像をご覧ください」
「気になるならアキラの魂を魔道具で読み取ればいい。今パーティー全員がオウセイの家に来ている」
ピキピキ!
「オウセイ、怒るならすぐに魔道具で魂の記憶を読み取ればいい。あの兄弟は貧乏だ。金を積んで魂を読み取ればいい」
「何度も言わなくていい、すぐに用意する」
私はスマホを取り出した。
「家にイナセアキラがいるな? すぐに魔道具で魂の記憶を読み取りデータを送れ。なに? ボロボロになって気絶している? 起きてからでいい、ああ、そうだ。金は惜しみなく使っていい……そうだ、起きたら最優先……栄養失調、分かった食後でいい。食後すぐにだ」
スマホをしまう。
「他に気になる事はあるか?」
「無い」
「ありません」
「下がって休め」
2人が出て行った。
私はすぐに配信をチェックする。
私はリツカを娘として愛している。
リツカに危害を及ぼすようなら、
「イナセアキラ、正体を暴いてやる」
私の名は姫菱王政、姫菱財閥のトップであり、リツカの父でもある。
そして、リツカと同じ前世の世界を生きた王でもあった。
私には前世の記憶が残っていた。
その記憶から魂に刻まれた前世の記憶を読み取り映し出す魔道具を再現する。
そして魔道具と科学技術を融合したVRアクションゲーム【ファンタジーソウル】を開発し、それがヒットした。
もっとも今の世界はモンスターの影響でグローバルに活動する事は難しい。
日本の人口は1000万人まで減った。
魔道具の力で魂の記憶を読み取り、キャラデザや世界のグラフィックコストをほぼゼロに抑え込んだ。
少ないゲーム製作者で作る事で、コストの削減を図りつつも売り上げを伸ばす事に成功し、今や日本でファンタジーソウルを知らない者の方が珍しい。
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「入れ」
腰に剣を装備しスーツを着た無骨な男性、柳
杖を持ち、スーツを着た物腰の柔らかい女性門松
2人が入ってきた。
「リツカが血を流して帰ってきたようだな?」
「その通りだ」
「ヤナギ、リツカを護衛するように言ってあるはずだが?」
「成長の為に手を出すべきではないと判断した。オウセイ、お前は娘に甘すぎる」
こいつは思ったことを遠慮なく言うが、そういう男だからこそ信頼できる。
2人はソウルランクBで戦闘能力も十分、尾行も得意だ。
「まあいいだろう。カドマツ、他に報告はあるか?」
「そうですね、ファンタジーソウルの悪役、クラッククラウドとそっくりで、クラックの魂が憑依したと言っている高校生男子とその兄が3人とパーティーを組みました」
ピキ!
「そいつの名前は?」
「クラックとそっくりな稲生アキラ、兄が稲生気道です」
「2人はアキラをどう見た?」
「いい奴に見えた」
「悪い子には見えませんでした。詳しくは配信の映像をご覧ください」
「気になるならアキラの魂を魔道具で読み取ればいい。今パーティー全員がオウセイの家に来ている」
ピキピキ!
「オウセイ、怒るならすぐに魔道具で魂の記憶を読み取ればいい。あの兄弟は貧乏だ。金を積んで魂を読み取ればいい」
「何度も言わなくていい、すぐに用意する」
私はスマホを取り出した。
「家にイナセアキラがいるな? すぐに魔道具で魂の記憶を読み取りデータを送れ。なに? ボロボロになって気絶している? 起きてからでいい、ああ、そうだ。金は惜しみなく使っていい……そうだ、起きたら最優先……栄養失調、分かった食後でいい。食後すぐにだ」
スマホをしまう。
「他に気になる事はあるか?」
「無い」
「ありません」
「下がって休め」
2人が出て行った。
私はすぐに配信をチェックする。
私はリツカを娘として愛している。
リツカに危害を及ぼすようなら、
「イナセアキラ、正体を暴いてやる」
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