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第13話 土屋愛菜

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 メイが起きるとしばらくぼーっとしていた。
 メイは夜型で昼まで調子が出ないのだ。
 その後マイペースにスマホをいじる。

「……今から友達が爆発音を鳴らします。爆発音が聞こえた方向に走りましょう」

 パアン!
 ダンジョンで位置表示機能は使えない。

「急に? あっちか!」
「走りましょう!」


 1人だけ、人影が見えてモンスターと戦っていた。

「あ、あっちに行きなさいよ!」

 パンパンパンパン!

 ツインハンドガンでウサギを倒していく。

「到着です!」

 3人でウサギを倒すとツインテールのツインハンドがメイに抱き着いた。

「メイ! やっと会えた!」
「もう大丈夫ですよ、1人で怖かったですね」
「もう一人は?」

「時間が無くて言わなかったですが、迷子です」
「お、おう、ま、迷子、か」
「でも、リツカはCランクなので大丈夫です。それより、紹介しますね」

「私は土屋愛菜ツチヤマナよ。よろしくね。アキラ」
「自己紹介は必要ないみたいだな」
「メイから聞いているわ」

 マナは青空のような淡いブルーの髪をツインテールで結っている。
 同じく淡い青色の目と話し方で頭がよさそうに見えた。
 制服姿で太ももにはツインハンドガンを装備しており。背中にはマガジンが8つ取り付けられていた。 

「マナはガンナー系か?」
「いえ、錬金術が一番得意で次に銃ですよ」
「ちなみに、弾丸は何発残っているんだ?」
「大丈夫よ! 弾丸はまだ100発以上持っているわ! 回復のカードも5つ! 非常食3日分とキャンプセットもあるわ!」

 マナがふふんと胸を張った。
 胸はあまりないが言ったら危険な気がする。
 
「……銃弾は温存しよう」
「……そうですね」

 昨日600体以上のウサギを倒している。
 100発は足りなくなる可能性が高い。

「ちょっと、アキラの剣が折れているのよね? 貸してみなさい」

 マナが折れた剣を持つと剣が光り輝いて剣が接合された。
 光を浴びるマナは幻想的な美しさがある。

「出来たわよ」
「ありがとう、報酬は」
「いいわよ。前に出て貰うんだから。それに修理しても剣の耐久度は下がっているわ」

「十分だ。所でパーティーを組むか?」
「お願いするわ」
「でも、きゅうもパーティーに入れたい」
「いいわよ」

 3人で手を重ねるときゅうが上に乗った。

「「パーティーを組む」」
「きゅう!」

「マナ、まだ言ってなかったですが、アキラのソウルランクがEになりました」
「ふ、ふーん、そ、そうなのね」

 マナが焦りだした。
 マナはFランクか。
 錬金術が得意ならよくある事だ。
 スキルの技量は高いがモンスターをあまり倒していない為ソウルランクが低いパターン。

「もし、戦闘が厳しいなら後ろにいていいぞ」

 その瞬間にマナがムキになって騒ぎ出した。

「出来るわよ!」
「アキラ、ダメですよ、マナはかまってちゃんなので」
「違うわよ!」
「メイの言い方の方が酷くないか?」
「私は戦えるわ」

 でも、なんとなく分かった。
 あまり傷つけないように、重要感を持たせつつも前に出ないでいて貰おう。

「……分かった。でもここぞという時の為に弾は温存して置いて欲しい。俺はスティールソードを使えて雑魚との乱戦は得意だから」
「そうですね、私も蹴りがありますから」
「マナはここぞという時に備えて欲しい」
「……分かったわ」

 すぐに話を変えよう、この話はしない方が良い。
 即話題を変えた。

「所で、迷子はどうやって見つければいいだろ?」
「リツカに連絡してみますね」

 メイがリツカに連絡する。

「もしも、はい、分かりました」
「どうした?」

 パアン!

 遠くから爆発音が聞こえた。
 電話中に花火!
 ピンチなのか!

「向こうにリツカがいます! 走りましょう!」
「分かった」
「ちょ! ちょっと待って! 追いつけないわ!」
「マナは遅れてもいい! 後からついて来てくれ!」

 俺達は爆発音のする方向に走った。
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