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第7話
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俺は放課後の訓練場に立っていた。
「それでは、これよりフィール選手とゴーダー選手の試合を行います」
女子生徒が魔道マイクを構えて皆を盛り上げる。
「「わあああああああああああああああああああ!!」」
この世界には娯楽が少ないせいかみんな集まって来る。
主人公のファインは俺に手を振り、ヒロイン3人はファインの近くにいる。
ファイン、ハーレムルートおめでとう。
そして俺は、よくあるテンプレラノベ展開か。
でも俺は主人公ではない。
負ける可能性もある。
でも……おかしいのは、俺は何の因縁もつけられていない。
何かがおかしい。
後俺はやると言っていない。
なんで決まった?いつ決まった?
放課後になると急に教師に呼ばれてこうなっている。
色々おかしい。
「あの、何でゴーダーと闘う事になってるんだ?意味が分からない。学科が免除されて訓練ばかりだったから情報が入ってこないんですけど?」
「へっへっへ、お前の化けの皮を剥してやるよおおおお!」
こいつ、質問に答えないだと!
ワンモアだ!
こういう事はよくある。
2回聞けば解決する事もある。
「俺何かしたか?身に覚えが無いんだけど?」
チンカウバインが空に飛んで光った。
風魔法で声を増幅している。
「「ゴーダーの好きな子がファインを褒めていたんだよ。だからゴーダーはファインを逆恨みして試合をする事になったよ」」
最近俺はチンカウバインを自由にしていた。
そうする事であいつの世話をしなくていいし、オートで恋愛相談をしてくれて、魔力を鍛えつつ金も手に入った。
いい考えだと思っていたが、失敗だったか?
いや、どっちにしても結果は同じだったのかもしれない。
あいつは制御不能だ。
「やっぱりね。ゴーダーの焼きもちか」
「俺は分かってたぜ」
「ゴーダーは分かりやすい」
「おい、見て見ろよ!ははははは、ゴーダーが真っ赤だ」
「て、適当な事を言うなよ!フィール!精神攻撃とは卑怯だぞ!」
「俺は何もしていない」
「そうやって精神攻撃をして心を乱そうとしても俺は倒せねえよおおおおおおおおおおおおお!!!」
俺は話す事をやめた。
チンカウバインはずっと話を続けている。
怒っている時に話をしたらダメなんだよなあ。
「あそこまでムキになるって事は、やっぱり」
「お察しだな。あいつは不器用で怒りっぽい所がある」
「ゴーダー、黙ってフィールの恋愛相談を受けたらどうだ?」
生徒がゴーダーを追い詰める。
「ゴーダー、フィールに挑むより彼女に愛を告白した方がいいよ」
チンカウバインがゴーダーに言った瞬間ゴーダーの表情が変わる。
「ほ、本当か?いや、精神攻撃はやめろおおおおお!フィール!痛い目に合わせてやるうううううううううううう!」
俺じゃないんだよなあ。
「ほら、彼女も赤くなってるよ。その叫びを今彼女に伝えよう!」
「黙れエロ妖精があああ!フィール!てめえのその手には乗らねえ!」
「すとーっぷ!試合を始めますよ!」
「その前に、チンカウバインはどうするんだ?妖精が俺に憑依すればずるいと思われるし、自由にすればさっきみたいになる」
「妖精が憑依しても強くなるわけではありませんが、後でフィール君が色々言われるかもしれないので憑依は無しでお願いします」
「チンカウバイン、試合中は黙っていてくれないか?」
「私は風に乗せて愛を運んでいるだけだよ!」
響きのいい『愛』という言葉をさわやかな笑顔で言うが、愛=エチエチだ。
言葉の響きだけは良いんだよなあ。
「てめえ!精神攻撃を続ける気かああ!!」
「違う!チンカウバインが俺の言う事を聞かないだけだ!」
「盛り上がってまいりました。それではフィール選手とゴーダー選手の試合スタートです!」
審判、いい性格をしているな。
「フィール、俺の事をただの剣術バカだと思うなよ!」
「そんな事は1度も言っていない」
「俺は土魔法すら使いこなす!いでよ!ゴーレム!」
地中からゴーレムが出現した。
「おお!本当に剣術バカじゃなかった!」
「まだ1年でゴーレムを使うのか!あいつ強い!」
「ゴーダーは1年の中じゃ上位の実力を持っている!ゴーレムとゴーダーの剣技で挟み撃ちにしてくる。しかもゴーダーは土魔法を飛ばしてくる厄介な相手だ!」
「そう!離れれば土魔法を飛ばす!近づいても剣技で倒す!そして敵は俺だけじゃない!ゴーレムも同時に相手にする必要がある!どうする!フィールううううううううううううううううううううううう!」
「ゴーレムだと!何と言う事だ!」
「へっへっへ、絶体絶命ってやつだ」
「フィール君がどんなに頑張っていても訓練の成果が出るまでに時間がかかるわ!」
「一カ月の努力じゃ、超えられない壁がある。フィール!降参していい!誰もお前を責めたりはしない!」
「そうよ!今回は相手が悪かったわ!」
「降参はしない。ゴーレムと戦いたいと思っていた!俺の求めていた相手だ!」
俺はゆっくりと両手持ちのサーベルを抜いた。
「な、何を言っているの!危険よ!」
「無理すんなって初日みたいに死にかけるぞ!」
俺はゴーレムに飛び込んだ。
「フィールの奴!速い!馬鹿な!走っている時はそこまで早くなかったはずだ!だが俺のゴーレムは固い!斬っても斬れるもんじゃない!」
「そうか!風魔法で速度を上げているのか!」
「いや、それだけじゃない。体も鍛えている!」
「そうだ、動きを見れば魔法の力だけじゃないって分かる」
「速力と魔力、そして風魔法を鍛えたか」
「だが、早くてもゴーダーの言う通り、ゴーレムは固い!」
「速さだけでゴーレムは倒せないわ!」
「やっぱり一カ月の訓練じゃ無理なのよ!」
「おい!フィールのサーベルが光っていく!」
「あの魔力は!まさか!上級魔法に到達しなければ使いこなせないあの!」
風の魔力をサーベルに込める。
「震えろ!振動剣!」
ギュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!
「やはり魔法剣か!」
「大気が、震えている!」
「剣が、緑色に光っているわ!風魔法よ!」
「間違いない!フィールは!風魔法の上級を覚えている!」
「でも、振動剣?聞いた事が無いわ」
「魔法剣と何が違うのかしら?」
「分からない。何もかもが異質だ。オリジナルの技だろう」
サーベルで斬りつける度にゴーレムが砕けていく。
解体現場の振動工具で壁を壊すやつ、あれと同じだ。
ゴーレムが完全に砕けた。
「ば、馬鹿な!訓練中のフィールはそこまで速くなかった!何をした!それにその剣技は何だ!お前は器用貧乏の初級止まりだったはずだ!」
入学時のステータスだけは研究の為開示する義務がある。
確かに俺は弱かった。
だが、その事で俺の急成長に戸惑っているようだ。
「すげえ!ゴーレムが砕けるように割れていった!」
「フィールは1年の中じゃ最強じゃないか?」
「だが、1年にはファインもいる。今は二強状態だろう」
「上級風魔法の、しかもオリジナルスキルか!フィールは強くなっている!」
「たった一カ月であそこまで強くなったのか!」
「おかしい、成長が早すぎる!」
マッチョ教師がリングに入って来た。
「それは俺が説明する」
「いや、今試合中」
俺の言葉を無視してマッチョ教師とそのパートナーが更に前に出る。
「フィールは毎日、重力魔法を受けながら訓練をしていた!それによって訓練を効率的に進めていた。だが周りから見れば弱いフィールがヘロヘロと無理をして走っているようにしか見えなかっただろう!ゴーダー!お前はフィールを見誤った!降参しろ!」
「く!だが、あの剣術は何だ!おかしい!あいつは器用貧乏だったはずだ!」
「前はそうだったかもしれん!だが、あいつはこの俺の剣術訓練に一カ月近く耐えきった!」
「あ、あの地獄を一カ月近くも続けたのか!俺は3日持たなかった」
「俺は初日でギブアップした」
「それなら、強くなって当然か」
「そうか、俺達には走っているフィールしか見えていない!風魔法も見えない所で努力していたんだ!」
「あれに耐えられるなら短期間で中級まで伸びてもおかしくはない。だが耐えられればの話だ」
「ふ、その通りだ。誰でもやれば出来る。だが耐えられない事をフィールはやって来た!フィールは口だけじゃない!口だけじゃなく行動で、地獄に耐える事で結果を見せた!」
「あの、試合中なんですけど?」
「ゴーダー、お前は1年の中では確かに強い。だが上には上がいる」
「今試合中」
「フィールは大幅に強くなった!」
マッチョ教師は話を聞かない事がある。
俺は無言でステータスをチェックした。
フィール・バイブレーション
体力レベル 110(+80)
魔力レベル 105(+85)
速力レベル 100(+82)
生産レベル 10
知力レベル 151(+51)
魅力レベル 450(+300)
スキル
『☆秀才』『☆風魔法の才能』『☆イケメン』『☆妖精契約・チンカウバイン』『剣術:【下級→中級】』『炎魔法:下級』『水・氷魔法:下級』『風魔法:【中級→上級】』『土魔法:下級』『聖魔法:下級』『闇魔法:下級』『生産魔法:下級』
内政力
爵位:男爵家の息子
兵力レベル:無し
収入レベル:無し
領地レベル:無し
「フィールは体力・魔力・速力、オール100越えだ!」
あ、ばらされた。
「「な、なんだってー!」」
「更に剣術を中級まで使いこなして、風魔法は上級!風魔法は化け物クラスだ!」
マッチョ教師は語りだした。
俺の情報が洩れていく。
「フィールはなあ!体力・魔力・速力オール100になったんじゃない!それを狙ってやったんだ!みんながやりたがらない泥臭くて地味なダッシュと筋トレで自分をいじめに苛め抜いた。そして治癒力を高めた上でステップ訓練で速力を上げて、恋愛相談で魔力を消費しながら更に風魔法を訓練した。地味で泥臭い事を積み重ね続けた結果今がある!ゴーダー、降参しろ!」
「まだ終わっていない!」
「ゴーダー、フィールの引き締まった体を見てくれ。これが努力だ!更にその事で魅力レベルも上昇している!お前がやるべきことは何だ?答えはチンカウバインが言っている!愛を告しろ!ダメなら学園で努力しろ!自分を磨けば魅力も高まる!お前はもっと強くなれる!勇気を持て!!」
「それでも!俺はフィールに挑む!負けてもいい!これは俺のけじめだ!」
マッチョ教師がゴーダーの肩を叩いた。
「ゴーダー、良い目になったな!フィール、遠慮はいらない!倒してやってくれ!」
「や、やりにくい!」
「本気で来い!フィール!」
「ウインド!ウインド!」
剣術を使わず魔法を放つ。
初級風魔法のウインドが2発、ゴーダーに命中した。
「ぐふお!」
ゴーダーが倒れる。
そして、倒れたゴーダーの前に女子生徒が押されて前に出る。
「回復してあげて!」
「早く!」
「ヒール!」
女子生徒がゴーダーの手を取って起こした。
「俺、カッコ悪いよなあ、フィールに嫉妬して、カッコ悪く負けて、う、ぐうううううううう」
ゴーダーが泣く。
「そんな事ないよ」
「う、ぐうううああああああああ!」
女子生徒がゴーダーの頭を撫でると、ゴーダーは号泣した。
拍手が鳴り響く。
チンカウバインが羽音を鳴らして俺の肩に乗った。
「また新しい愛が、始まったね」
爽やかな風に髪をなびかせながら言った。
このシーンだけ切り取ればいい絵になるだろう。
2人は結ばれたように思う。
だが、その前段階でゴーダーをぼこぼこにしすぎた。
「……いや、公開処刑だろ」
ゴーダー、あんなに泣いて、可愛そうに。
俺はチンカウバインが怖い。
「それでは、これよりフィール選手とゴーダー選手の試合を行います」
女子生徒が魔道マイクを構えて皆を盛り上げる。
「「わあああああああああああああああああああ!!」」
この世界には娯楽が少ないせいかみんな集まって来る。
主人公のファインは俺に手を振り、ヒロイン3人はファインの近くにいる。
ファイン、ハーレムルートおめでとう。
そして俺は、よくあるテンプレラノベ展開か。
でも俺は主人公ではない。
負ける可能性もある。
でも……おかしいのは、俺は何の因縁もつけられていない。
何かがおかしい。
後俺はやると言っていない。
なんで決まった?いつ決まった?
放課後になると急に教師に呼ばれてこうなっている。
色々おかしい。
「あの、何でゴーダーと闘う事になってるんだ?意味が分からない。学科が免除されて訓練ばかりだったから情報が入ってこないんですけど?」
「へっへっへ、お前の化けの皮を剥してやるよおおおお!」
こいつ、質問に答えないだと!
ワンモアだ!
こういう事はよくある。
2回聞けば解決する事もある。
「俺何かしたか?身に覚えが無いんだけど?」
チンカウバインが空に飛んで光った。
風魔法で声を増幅している。
「「ゴーダーの好きな子がファインを褒めていたんだよ。だからゴーダーはファインを逆恨みして試合をする事になったよ」」
最近俺はチンカウバインを自由にしていた。
そうする事であいつの世話をしなくていいし、オートで恋愛相談をしてくれて、魔力を鍛えつつ金も手に入った。
いい考えだと思っていたが、失敗だったか?
いや、どっちにしても結果は同じだったのかもしれない。
あいつは制御不能だ。
「やっぱりね。ゴーダーの焼きもちか」
「俺は分かってたぜ」
「ゴーダーは分かりやすい」
「おい、見て見ろよ!ははははは、ゴーダーが真っ赤だ」
「て、適当な事を言うなよ!フィール!精神攻撃とは卑怯だぞ!」
「俺は何もしていない」
「そうやって精神攻撃をして心を乱そうとしても俺は倒せねえよおおおおおおおおおおおおお!!!」
俺は話す事をやめた。
チンカウバインはずっと話を続けている。
怒っている時に話をしたらダメなんだよなあ。
「あそこまでムキになるって事は、やっぱり」
「お察しだな。あいつは不器用で怒りっぽい所がある」
「ゴーダー、黙ってフィールの恋愛相談を受けたらどうだ?」
生徒がゴーダーを追い詰める。
「ゴーダー、フィールに挑むより彼女に愛を告白した方がいいよ」
チンカウバインがゴーダーに言った瞬間ゴーダーの表情が変わる。
「ほ、本当か?いや、精神攻撃はやめろおおおおお!フィール!痛い目に合わせてやるうううううううううううう!」
俺じゃないんだよなあ。
「ほら、彼女も赤くなってるよ。その叫びを今彼女に伝えよう!」
「黙れエロ妖精があああ!フィール!てめえのその手には乗らねえ!」
「すとーっぷ!試合を始めますよ!」
「その前に、チンカウバインはどうするんだ?妖精が俺に憑依すればずるいと思われるし、自由にすればさっきみたいになる」
「妖精が憑依しても強くなるわけではありませんが、後でフィール君が色々言われるかもしれないので憑依は無しでお願いします」
「チンカウバイン、試合中は黙っていてくれないか?」
「私は風に乗せて愛を運んでいるだけだよ!」
響きのいい『愛』という言葉をさわやかな笑顔で言うが、愛=エチエチだ。
言葉の響きだけは良いんだよなあ。
「てめえ!精神攻撃を続ける気かああ!!」
「違う!チンカウバインが俺の言う事を聞かないだけだ!」
「盛り上がってまいりました。それではフィール選手とゴーダー選手の試合スタートです!」
審判、いい性格をしているな。
「フィール、俺の事をただの剣術バカだと思うなよ!」
「そんな事は1度も言っていない」
「俺は土魔法すら使いこなす!いでよ!ゴーレム!」
地中からゴーレムが出現した。
「おお!本当に剣術バカじゃなかった!」
「まだ1年でゴーレムを使うのか!あいつ強い!」
「ゴーダーは1年の中じゃ上位の実力を持っている!ゴーレムとゴーダーの剣技で挟み撃ちにしてくる。しかもゴーダーは土魔法を飛ばしてくる厄介な相手だ!」
「そう!離れれば土魔法を飛ばす!近づいても剣技で倒す!そして敵は俺だけじゃない!ゴーレムも同時に相手にする必要がある!どうする!フィールううううううううううううううううううううううう!」
「ゴーレムだと!何と言う事だ!」
「へっへっへ、絶体絶命ってやつだ」
「フィール君がどんなに頑張っていても訓練の成果が出るまでに時間がかかるわ!」
「一カ月の努力じゃ、超えられない壁がある。フィール!降参していい!誰もお前を責めたりはしない!」
「そうよ!今回は相手が悪かったわ!」
「降参はしない。ゴーレムと戦いたいと思っていた!俺の求めていた相手だ!」
俺はゆっくりと両手持ちのサーベルを抜いた。
「な、何を言っているの!危険よ!」
「無理すんなって初日みたいに死にかけるぞ!」
俺はゴーレムに飛び込んだ。
「フィールの奴!速い!馬鹿な!走っている時はそこまで早くなかったはずだ!だが俺のゴーレムは固い!斬っても斬れるもんじゃない!」
「そうか!風魔法で速度を上げているのか!」
「いや、それだけじゃない。体も鍛えている!」
「そうだ、動きを見れば魔法の力だけじゃないって分かる」
「速力と魔力、そして風魔法を鍛えたか」
「だが、早くてもゴーダーの言う通り、ゴーレムは固い!」
「速さだけでゴーレムは倒せないわ!」
「やっぱり一カ月の訓練じゃ無理なのよ!」
「おい!フィールのサーベルが光っていく!」
「あの魔力は!まさか!上級魔法に到達しなければ使いこなせないあの!」
風の魔力をサーベルに込める。
「震えろ!振動剣!」
ギュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!
「やはり魔法剣か!」
「大気が、震えている!」
「剣が、緑色に光っているわ!風魔法よ!」
「間違いない!フィールは!風魔法の上級を覚えている!」
「でも、振動剣?聞いた事が無いわ」
「魔法剣と何が違うのかしら?」
「分からない。何もかもが異質だ。オリジナルの技だろう」
サーベルで斬りつける度にゴーレムが砕けていく。
解体現場の振動工具で壁を壊すやつ、あれと同じだ。
ゴーレムが完全に砕けた。
「ば、馬鹿な!訓練中のフィールはそこまで速くなかった!何をした!それにその剣技は何だ!お前は器用貧乏の初級止まりだったはずだ!」
入学時のステータスだけは研究の為開示する義務がある。
確かに俺は弱かった。
だが、その事で俺の急成長に戸惑っているようだ。
「すげえ!ゴーレムが砕けるように割れていった!」
「フィールは1年の中じゃ最強じゃないか?」
「だが、1年にはファインもいる。今は二強状態だろう」
「上級風魔法の、しかもオリジナルスキルか!フィールは強くなっている!」
「たった一カ月であそこまで強くなったのか!」
「おかしい、成長が早すぎる!」
マッチョ教師がリングに入って来た。
「それは俺が説明する」
「いや、今試合中」
俺の言葉を無視してマッチョ教師とそのパートナーが更に前に出る。
「フィールは毎日、重力魔法を受けながら訓練をしていた!それによって訓練を効率的に進めていた。だが周りから見れば弱いフィールがヘロヘロと無理をして走っているようにしか見えなかっただろう!ゴーダー!お前はフィールを見誤った!降参しろ!」
「く!だが、あの剣術は何だ!おかしい!あいつは器用貧乏だったはずだ!」
「前はそうだったかもしれん!だが、あいつはこの俺の剣術訓練に一カ月近く耐えきった!」
「あ、あの地獄を一カ月近くも続けたのか!俺は3日持たなかった」
「俺は初日でギブアップした」
「それなら、強くなって当然か」
「そうか、俺達には走っているフィールしか見えていない!風魔法も見えない所で努力していたんだ!」
「あれに耐えられるなら短期間で中級まで伸びてもおかしくはない。だが耐えられればの話だ」
「ふ、その通りだ。誰でもやれば出来る。だが耐えられない事をフィールはやって来た!フィールは口だけじゃない!口だけじゃなく行動で、地獄に耐える事で結果を見せた!」
「あの、試合中なんですけど?」
「ゴーダー、お前は1年の中では確かに強い。だが上には上がいる」
「今試合中」
「フィールは大幅に強くなった!」
マッチョ教師は話を聞かない事がある。
俺は無言でステータスをチェックした。
フィール・バイブレーション
体力レベル 110(+80)
魔力レベル 105(+85)
速力レベル 100(+82)
生産レベル 10
知力レベル 151(+51)
魅力レベル 450(+300)
スキル
『☆秀才』『☆風魔法の才能』『☆イケメン』『☆妖精契約・チンカウバイン』『剣術:【下級→中級】』『炎魔法:下級』『水・氷魔法:下級』『風魔法:【中級→上級】』『土魔法:下級』『聖魔法:下級』『闇魔法:下級』『生産魔法:下級』
内政力
爵位:男爵家の息子
兵力レベル:無し
収入レベル:無し
領地レベル:無し
「フィールは体力・魔力・速力、オール100越えだ!」
あ、ばらされた。
「「な、なんだってー!」」
「更に剣術を中級まで使いこなして、風魔法は上級!風魔法は化け物クラスだ!」
マッチョ教師は語りだした。
俺の情報が洩れていく。
「フィールはなあ!体力・魔力・速力オール100になったんじゃない!それを狙ってやったんだ!みんながやりたがらない泥臭くて地味なダッシュと筋トレで自分をいじめに苛め抜いた。そして治癒力を高めた上でステップ訓練で速力を上げて、恋愛相談で魔力を消費しながら更に風魔法を訓練した。地味で泥臭い事を積み重ね続けた結果今がある!ゴーダー、降参しろ!」
「まだ終わっていない!」
「ゴーダー、フィールの引き締まった体を見てくれ。これが努力だ!更にその事で魅力レベルも上昇している!お前がやるべきことは何だ?答えはチンカウバインが言っている!愛を告しろ!ダメなら学園で努力しろ!自分を磨けば魅力も高まる!お前はもっと強くなれる!勇気を持て!!」
「それでも!俺はフィールに挑む!負けてもいい!これは俺のけじめだ!」
マッチョ教師がゴーダーの肩を叩いた。
「ゴーダー、良い目になったな!フィール、遠慮はいらない!倒してやってくれ!」
「や、やりにくい!」
「本気で来い!フィール!」
「ウインド!ウインド!」
剣術を使わず魔法を放つ。
初級風魔法のウインドが2発、ゴーダーに命中した。
「ぐふお!」
ゴーダーが倒れる。
そして、倒れたゴーダーの前に女子生徒が押されて前に出る。
「回復してあげて!」
「早く!」
「ヒール!」
女子生徒がゴーダーの手を取って起こした。
「俺、カッコ悪いよなあ、フィールに嫉妬して、カッコ悪く負けて、う、ぐうううううううう」
ゴーダーが泣く。
「そんな事ないよ」
「う、ぐうううああああああああ!」
女子生徒がゴーダーの頭を撫でると、ゴーダーは号泣した。
拍手が鳴り響く。
チンカウバインが羽音を鳴らして俺の肩に乗った。
「また新しい愛が、始まったね」
爽やかな風に髪をなびかせながら言った。
このシーンだけ切り取ればいい絵になるだろう。
2人は結ばれたように思う。
だが、その前段階でゴーダーをぼこぼこにしすぎた。
「……いや、公開処刑だろ」
ゴーダー、あんなに泣いて、可愛そうに。
俺はチンカウバインが怖い。
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彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
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僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
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世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
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大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
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大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
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潔く諦めることにした。
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