無能の料理人と言われ領地を追い出されたが、何故か料理じゃなく戦いで頭角を現し無双します。俺を追い出したあいつは没落していくが、仕方ないよな

ぐうのすけ

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キュキュクラブはさらに強くなる

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「ダークスフィアが消えたぞ!」

「周りの魔物を倒したら終わりですね。」

 こうしてブック領に帰還した。





「着いたよ!懐かしいよね!」
 エステルはテンションが上がっていた。

「もう昼か、食事を取ったら今日は休みな。俺は素材の納品をしてくる。」
 俺は人通りの少ない場所を選んで食堂を出す。

 食事が終わり、エステルはブック領ですぐに友達を作ったようだ。

 魔物の納品をしつつ話を聞くと、カイは内政で大忙しらしい。




 夕食をキュキュクラブで食べるが、エステルは興奮気味だった。

「ゲンさんは大工レベル8になってブック領の建物や防壁の門の修理をしてるんだって。」

「流石、カイは仕事が早いな。もう呼んだのか。大工レベル8はすごいよな。」

「ハルトの料理レベルは9ですよ。」

「そうだけど、俺は成長率を上げるスキルを持ってるし、ステータスが高いから何度も料理を作って練習できるんだよ。」

「そこまでもっていくのが大変なんだよ。私とメイだってハルトが居なかったらこんなに強くなれなかったよ。」

「ハルト凄いよ。」
 きゅうはなぜか得意げだ。

「キュキュクラブだけでダークスフィアを消滅させたのが、今でも信じられないです。」

「後、魔物の素材なんだけど、全部受け取ってもらえなかった。処理能力をオーバーしてるみたいだぞ。ブック領は受け入れ能力がまだ低いよな。カイには強化してもらうよう連絡したぞ。」

「ハルトの納品量が多すぎるんだよ!」

「ホワイト領のギルドが優秀すぎるんですよ。ハルトの魔物を倒すペースが早すぎるんです。」

「そっかー。でも明日からダンジョンの40階を目指したい。」

「カイさんが過労で倒れるよ!」

「はっはっは!大げさだな。ま、溜まってきたらホワイト領に売ればいいだけだ。」

「カイさんは大変だと思いますが、食料が足りないので、魔物を狩るのは良いと思いますよ。」






 次の日、ブック領ダンジョン

「久しぶりに入ったよ。」

「学校の時以来ですよね。」

「1階はさすがに魔物は多くないな。上を目指そう。」





 10階
「凄い!まだ10階なのに魔物が多いぞ!たくさん狩っておかないと危ないよな!」
 あまりにもダンジョンに魔物が多く発生すると、入り口の結界が破れ、ダンジョンから魔物があふれ出てくるのだ。」

「テイカーは魔物狩りを怠ったようですね。」

「ブラック領は強い人がいっぱいいるのに、おかしいよ。」

 アサルトボアの群れがこちらに向かってくる。

「疾風迅雷!」
 俺は疾風迅雷のレベルを上げる為、無駄にスキルを使う。

 俺は全力で駆け出し、一撃でアサルトボアを仕留め、俺の肩に乗るきゅうは風の刃で斬り倒していく。
 敏捷アップのレベルを上げたいのだ。

「ちょ!ちょっと待ってよ!」

「私たちの分も残してください!」





 20階

「やっぱり魔物が多いよ!」

 アサルトブルが群れで襲い掛かってくる。

 100体を超えている。

「言ってなかったけど、俺『疾風迅雷』と『敏捷アップ』のレベル上げをしているぞ。」

「だからあんなに全力疾走してたんですね。」

「その通り!疾風迅雷!」
 無駄にスキルを使い、オーバーキルで魔物を倒していく。



 40階

「あっという間だったね。」

「ハルトが居れば、簡単に到達できますね。」

「エステルとメイも強くなったと思うぞ。」

「ハルトには追い付ける気がしないよ。」

「一旦帰って納品しましょう。」




 そしてギルドに大量の納品をしようとした。

「こ、こんなに大量の魔物は受け取り出来ません!すいません!今体制の強化中です。」
 受付嬢が謝る。

「カイにホワイト領からの支援を要請していたと思うが、まだなのか?」

「まだホワイト領に連絡が届いた頃だと思います。う~。本当にすいません!」

「そっか。怒っているわけじゃないんだ。カイに現状の連絡だけはしておいて欲しい。」





 カイはギルドの納品問題をすぐに受け取る。

「やってくれますな!こちらも負けられません!」
 カイは笑顔になる。

「俺はストレージ持ちと解体スキル持ちのダンジョン合宿を行う。根本の受け入れ態勢を強化する。」
 ジークは堅実にブック領の発展に貢献する。

「よろしくお願いします。私はホワイト領への支援以外に、王都ギルドへ、解体前の魔物の受け取りをお願いします。さらに、ストレージ持ちの者を王都から定期的に行き来してもらえるよう調整します。」

 カイとジークは忙しそうだったが、どこか楽しそうでもあった。

 こうしてカイとジークは対策を進めるが、しばらくキュキュクラブの納品攻撃に苦戦した。

 それでもキュキュクラブは早く受け入れを強化しろよとばかりに定期的に限界まで魔物を納品した。



 ◇





 王城
「王よ、キュキュクラブが2つめのダークスフィアを消滅させたようです。」
 側近が報告する。

「確か、ロック率いるホワイト領の軍が動いていたと聞いたが?キュキュクラブだけで倒したのか?」

「いえ、途中までホワイト領の軍も戦っていたようです。ですが物資や、武具の劣化で途中から撤退し、そこからキュキュクラブだけで消滅させたようです。更に、1つめのダークスフィアはキュキュクラブだけで消滅させる直前まで鎮圧したとの事です。」
 本来ダークスフィアの消滅は1つの軍、もしくは騎士団1つを総動員して動く。
 軍を動員するには大量の食料、武具が必要となり、終わった後の武具の修理代も馬鹿にならない。
 倒した魔物の利益の多くが軍の運用費で消える。

 だが、キュキュクラブだけで消滅させられるとなれば話は変わってくる。
 少ない食料、物資で消滅が可能。
 つまり高い利益率となる。

「キュキュクラブのダークスフィアの消滅速度はどの程度だ?」

「詳しい時間は分かりませんが、1つの騎士団と比べ、数倍の時間がかかるようです。」
 時間がかかるとはいえキュキュクラブだけでダークスフィアに対処できる。
 1つ発生するだけで大騒ぎになるダークスフィアをだ。

「ハルトのおかげで多くの命が救われたな。」

「更にブック家から大量の解体前の魔物が運ばれてきております。」

「原因はキュキュクラブか。」

「キュキュクラブです。」

「どう考えても近衛より強い。ダンジョン50階には到達したのか?」

「いえ、運び込まれる魔物の肉はレベル43が最大との事です。今のところは43階と思われます。が、時間の問題で到達するかと。」

「ハルト一人なら今でも50階に到達できるのではないか?」

「そうかもしれません。なんでも、ハルト君は他の者のレベルに合わせて魔物狩りをしているようです。」



 ◇

 キュキュクラブは、レイドボス戦・シーフ家討伐・ダークスフィア鎮圧、と戦いを積み重ねた。
 更にブック領のダンジョンを何度も行き来し、力を増した。

 ステータス

 メイ 女
 レベル43
 職業 上級メイド
 ノーマルスキル
 睡眠学習      レベル10
 ショートスリーパー レベル10
 職業スキル
 短剣        レベル7
 メイド       レベル7
 操作魔法      レベル6
 生活魔法      レベル6
 補助魔法      レベル6
 リジェネ      レベル3


 エステル 女
 レベル48
 職業 上級木こり 
 ノーマルスキル
 健康        レベル10
 回復力アップ    レベル10  
 職業スキル
 斧         レベル6
 採取        レベル5
 木材加工      レベル7
 テイム       レベル5
 筋力アップ     レベル4
 防御力アップ    レベル4

 ハルト 男
 レベル 63
 職業 特級料理人
 ノーマルスキル
 経験値上昇・超   レベル10
 職業スキル
 包丁        レベル8
 料理        レベル9
 ストレージ     レベル7
 感知        レベル8
 敏捷アップ     レベル9
 敏捷アップ     レベル9
 みじん切り     レベル4
 疾風迅雷      レベル7


 きゅう メス
 レベル 59
 スキル
 経験値の祝福    レベル10
 風魔法       レベル 6
 水魔法       レベル 6
 光魔法       レベル 3
 土魔法       レベル 1
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