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第73話
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【5年後】
小さな女の子が椅子に座って絵本を覗き込む。
グランドは絵本を読んで聞かせていた。
「こうして英雄イクスは幸せになりましたとさ。お終い」
「グランドおじちゃん、次の絵本は無いの?」
「絵本はこれでおしまいです」
「えー!もう終わりなのお!?」
「絵本はこれでおしまいですが、英雄イクスは今も戦っています」
「今イクスは何をしてるの?」
「今はドラゴンを倒しているか、ポーションを作っているか、武具を作っているかどれかでしょう」
「続きが知りたいなあ」
「気になるでしょう。でもそろそろおやつの時間です。甘いホットサンドを食べに行きましょう」
「ピーナッツバターは入ってるの?」
「入っているものもあります。色んなパンサンドがあって好きな味を選べますよ」
「ホットミルクもあるの?」
「ありますとも、行きましょう」
私はグランドおじちゃんに抱っこされてパンサンドのお店に入った。
「人がいっぱい」
「ええ、そうそう、このお店も英雄イクスが作ったんですよ」
「イクスは何でもできるのね」
「ええ、イクスさんは万能の救い手ですから」
「ばんのうのすくいて?」
「何でも出来てたくさんの人をたすける人の事です。さあ、座りましょう。ピーナッツサンドとホットミルクがいいですか?でも、色んなホットサンドがあります。甘いホットサンドだけでもカスタードクリームにブルーベリージャム、いちごジャム、オレンジジャムと色々あります。飲み物もサイダーやコーヒー、は苦いかもしれませんね。フルーツジュースもあります」
「う~ん、いっぱいあって分からないわ」
「まだ食べた事のない味がいっぱいあります。また何度でも来る事が出来ますから、失敗してもいいんです。自分の好きな味を探すのも楽しいですよ」
「……この青いのにしようかな」
「ブルーベリージャムですね。飲み物はホットミルクでいいですか?」
「……うん、そのままにする」
「分かりました。注文をお願いします。ホットサンドセットのブルーベリーとホットミルクと、卵とコーヒーでお願いします」
「かしこまりました」
「グランドおじちゃんはいつもコーヒーね」
「好きなんですよ」
「飲んで見ていい?」
「苦いですよ」
「ちょっとだけ、飲んでみたいなあ」
「分かりました」
「お待たせしました」
「ありがとうございます」
私はコーヒーに口をつけた。
あまりにも苦くて口を開けた。
「はははは、甘いブルーベリーサンドを食べましょう」
「グランドおじちゃん、よくこんなに苦いのを飲めるね。すごい」
「大人になれば好きになるかもしれませんよ」
「えーーー!絶対にならないよ」
私はブルーベリーサンドを口に運んだ。
そしてホットミルクを飲む。
「甘いものが一番ね」
「卵サンドも中々美味しいですよ」
「苦くない?」
「苦くないです」
グランドおじちゃんが卵サンドをちぎって私に手渡した。
「……おいしい。卵サンドも美味しい」
「あ、そうそう、絵本の続きですが。英雄イクスの絵本は終わりですが」
「……イクス」
「どうしました?」
「お父さんと同じ名前なんだもん。なんか変」
グランドおじちゃんがニコッと笑った。
「絵本の英雄イクスはあなたのお父さんですから」
終わり
あとがき
久しぶりの更新で自分で書いた設定を忘れていましたが何とか完結まで持ってきました。
時間を置いて書くと更新がきついですね。
新作投稿開始しました。
タイトル:無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
キャッチコピー:帰ると玄関でペットが待っている「お前、痩せたか?」
URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330657217584101
それでは皆様、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ではまた!
小さな女の子が椅子に座って絵本を覗き込む。
グランドは絵本を読んで聞かせていた。
「こうして英雄イクスは幸せになりましたとさ。お終い」
「グランドおじちゃん、次の絵本は無いの?」
「絵本はこれでおしまいです」
「えー!もう終わりなのお!?」
「絵本はこれでおしまいですが、英雄イクスは今も戦っています」
「今イクスは何をしてるの?」
「今はドラゴンを倒しているか、ポーションを作っているか、武具を作っているかどれかでしょう」
「続きが知りたいなあ」
「気になるでしょう。でもそろそろおやつの時間です。甘いホットサンドを食べに行きましょう」
「ピーナッツバターは入ってるの?」
「入っているものもあります。色んなパンサンドがあって好きな味を選べますよ」
「ホットミルクもあるの?」
「ありますとも、行きましょう」
私はグランドおじちゃんに抱っこされてパンサンドのお店に入った。
「人がいっぱい」
「ええ、そうそう、このお店も英雄イクスが作ったんですよ」
「イクスは何でもできるのね」
「ええ、イクスさんは万能の救い手ですから」
「ばんのうのすくいて?」
「何でも出来てたくさんの人をたすける人の事です。さあ、座りましょう。ピーナッツサンドとホットミルクがいいですか?でも、色んなホットサンドがあります。甘いホットサンドだけでもカスタードクリームにブルーベリージャム、いちごジャム、オレンジジャムと色々あります。飲み物もサイダーやコーヒー、は苦いかもしれませんね。フルーツジュースもあります」
「う~ん、いっぱいあって分からないわ」
「まだ食べた事のない味がいっぱいあります。また何度でも来る事が出来ますから、失敗してもいいんです。自分の好きな味を探すのも楽しいですよ」
「……この青いのにしようかな」
「ブルーベリージャムですね。飲み物はホットミルクでいいですか?」
「……うん、そのままにする」
「分かりました。注文をお願いします。ホットサンドセットのブルーベリーとホットミルクと、卵とコーヒーでお願いします」
「かしこまりました」
「グランドおじちゃんはいつもコーヒーね」
「好きなんですよ」
「飲んで見ていい?」
「苦いですよ」
「ちょっとだけ、飲んでみたいなあ」
「分かりました」
「お待たせしました」
「ありがとうございます」
私はコーヒーに口をつけた。
あまりにも苦くて口を開けた。
「はははは、甘いブルーベリーサンドを食べましょう」
「グランドおじちゃん、よくこんなに苦いのを飲めるね。すごい」
「大人になれば好きになるかもしれませんよ」
「えーーー!絶対にならないよ」
私はブルーベリーサンドを口に運んだ。
そしてホットミルクを飲む。
「甘いものが一番ね」
「卵サンドも中々美味しいですよ」
「苦くない?」
「苦くないです」
グランドおじちゃんが卵サンドをちぎって私に手渡した。
「……おいしい。卵サンドも美味しい」
「あ、そうそう、絵本の続きですが。英雄イクスの絵本は終わりですが」
「……イクス」
「どうしました?」
「お父さんと同じ名前なんだもん。なんか変」
グランドおじちゃんがニコッと笑った。
「絵本の英雄イクスはあなたのお父さんですから」
終わり
あとがき
久しぶりの更新で自分で書いた設定を忘れていましたが何とか完結まで持ってきました。
時間を置いて書くと更新がきついですね。
新作投稿開始しました。
タイトル:無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
キャッチコピー:帰ると玄関でペットが待っている「お前、痩せたか?」
URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330657217584101
それでは皆様、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ではまた!
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