痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ

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第154話

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 希望のあった中小型ハザマ施設を巡りサードプレイスに戻ると黒服の男たちが一斉に俺を見た。
 カメラやスマホを構えたマスコミが俺にレンズを向ける。

 カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!

 俺はすっと出口に戻ろうとするがレイカさんに止められた。

「これは!」
「今から緊急記者会見です」
「聞いてないんですけど!」
「言っていませんから」

「え?」
「言ったら出ませんよね?」
「全力で逃げますよ」
「だから言いませんでした。大丈夫です、フトシ君にも恩恵がある話なので」

 レイカさんは配信を始めた。
 総理大臣が俺に小走りで近づき笑顔で握手をした。

 カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!

 そして手を引っ張られて記者会見の会場に連れて行かれた。
 俺は椅子に案内され、サイダーが渡された。

 カシュ!
 とりあえずサイダーを飲む。
 そして置いてあるお菓子を食べる、これうまいな。

「フトシ君はリラックスしてもらって構わない。今から緊急記者会見を始めます!」

 総理にシャッターのライトが光る。

 カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!

「政府では、ハザマ施設の大型化による効率アップを進めてまいりました! しかしそれだけで改革は不十分です! そこで、異次元の冒険者支援政策を今ここで発表します! まずは1つ目の改革を発表します!」

 モニターに文字が映し出された。

『冒険者の最高税率を55から45%に下げる』

「総理! 質問させてください!」

 マスコミが食い気味で質問をして来た。

「まずはすべての支援策を発表してから質問に移る流れでお願いしてあります」
「逃げるんですか! 総理! 答えてください!」

「……まだ途中ですが、どうぞ」
「アメリカの場合、最高税率は37%です。これが十分な政策と言えるのでしょうか! 総理、答えてください」

 うわああ、質問が容赦ない。
 圧迫面接じゃないか。
 後、マスコミは段取りを守らないんだな。

「お答えします。アメリカと日本では税の仕組みが違います。現状アメリカの場合は非課税制度を除く投資も合算して累進課税されます。しかし、日本の場合非課税枠を除いた投資税率は20.315%と、優遇されています。よって、45%は決して高い数字とは言えません。そして、この税率は今後修正をする可能性もあります。よろしいですか?」
「……はい」

 多分、あの質問者の人は投資の事をよく分からないんだろうな。

「えー、先ほどご説明した通り、まずはすべての支援策を発表してから質問に移る流れでお願いしてあります。まずはすべての説明をしてから質問に移ります。次に行きます」

『冒険者の一夫多妻制、一妻多夫制の導入』

「総理! 総理! そのような制度は日本の制度と合わないと思います!」

 うわあ、凄い、マスコミが全然言う事を聞かない。
 俺は黙って総理とマスコミの質問を眺めた。


 ◇


 他にも冒険者すべての年齢制限を15才から大人扱いにする表示が出た瞬間にマスコミが食い気味で相手を困らせるためだけの質問をしていた。
 まるで総理が困ったり怒ったりする絵を期待しているように見える、そして自分の意見は一切言わないのが凄い。

「えー最期の改革を表示します」

『冒険者に対する過度な取材を制限するチームを編成する』

 その瞬間にマスコミが騒いだ。

「報道の自由を侵害しています!!」
「民主主義の否定だ!!」
「ふざけるなああああ!!」
「強権政治だああああ!」

 総理は自分たちは叩かれるのは許容している。
 冒険者だけの人権を守ろうとしている。

 一度に10人ほどが騒いで怒鳴った。
 だが総理はそれを無視して大きな声で説明を開始する。

「政策の根拠をお伝えします!! ここにアンケートのグラフを示します!!!」

 冒険者アンケート
 冒険者が望む制度改革
 ※中級冒険者以上複数回答可

 1位マスコミの迷惑行為79%
 2位世界標準に遅れた冒険者の規制 67%
 3位高い税金66%


 マスコミが怒鳴る中、総理は更に大きな声で言った。

「このように! 冒険者にアンケートを取った所、最も望まれる制度改革はマスコミの迷惑行為が1位の79%となっております!! 2位、3位の改革案は先ほどお示ししました!! 今は有事です!! 優秀な冒険者に出て行かれるわけにはいきません!! 報道の自由を優先する事で国民の命が脅かされる事があってはいけません!!!」

 総理が俺に目を向けて握手をした。

「どうか日本にいてください! フトシ君には日本の未来がかかっています!!」
「今出て行く気はありませんから」
「今と言わず今後もここにいて頂きたい!!」

 総理が土下座をした。

「制度は何度も見直します! どうか! 時間が欲しい!! 野党に負けず、反対をするマスコミにも負けず! 抵抗勢力に打ち勝ち、最速で法案を通過させる!!!」

 カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!

「命がけでやり遂げる!!! 異次元の冒険者保護が、国民の命を守る事に繋がると確信している!!!」

 キリッ!



 こうして緊急記者会見(総理劇場)は幕を下ろした。
 批判ばかりの野党とマスコミは政府のカウンターを受けて勢いを失った。

 政府が一人勝ちした状態で総理劇場は幕を閉じた。
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