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第140話
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【ゼンさんのハザマ施設】
「着いたわ。ゼンさんも来たことだし、すぐに配信を始めるわね。2人で並んでください」
「はい、今日はハザマの名物オーナー、善行成さんのハザマを」
「フトシ君! 来てくれてありがとう! 報酬は弾ませて貰う!」
ゼンさんが会話に割り込んできた。
「いや、報酬はいいのでハザマを消していきますね」
「はい、ゼンさんはハザマを閉める決断をしました。ハザマ施設を閉める為にはすべてのハザマを消滅させる必要があります。そこでフトシ君にはハザマを消していってもらいます」
「よろしくお願いします」
「今、フトシ君は砦のスキルを使えません。それでもハザマ狩りをやりたいと言ってくれた理由を教えてください」
「レンに魔石をあげたいので、今貯めています」
「頑張ってください!」
俺はオーガのハザマに入って金棒を伸ばして瞬殺し、魔石を拾った。
そしてボスの居る拠点の扉を金棒で破壊して真っすぐボスに金棒を伸ばすとボスオーガが魔石に変わった。
俺は魔石をアイテムボックスに入れると景色が変わりハザマに戻って来た。
「おし! とりあえず後99回!」
「あ、いえ、無理はしないでくださいね」
「次に行きます!」
「無理はしないでくださいね!」
俺は中級のハザマを全て消すまで動き続けた。
◇
「終わりましたか、もう夜中の2時ですよ。あんまり無理をしないでください」
「大丈夫です」
「フトシ君、どうしてここまでしてくるんだ? 助かるが、眠る時間を削っているだろう?」
「補足しますね、フトシ君はマスコミが毎日のように家に来るため眠れなくなっています」
「はい、元々夜型になってしまっていたので大丈夫です!」
「だが、普通ではありえないペースだ。砦無しでもこれとは」
「フトシ君には想いがあるのよね?」
「ゼンさんは立派な人だと思ったからです。他のオーナーは利権を守る為にハザマを閉める事に反対したり、訴えたりしています。自分が損をすると分かって、それでもみんなが良くなる決断をするのは中々出来る事ではないと思います」
「フトシ君は報酬を受け取りたくないのよね?」
「はい! ゼンさんは自分が損をしても、皆の為に動こうとしています! 応援したかったんです!」
ゼンさんは上を向いて目頭を押さえた。
周りのスタッフも拍手をした。
「助けてもらって、その上感謝までされるとは思わなかった。ありがとう! 本当にありがとう!」
ゼンさんが泣きながら俺と握手をした。
「皆さん、ご視聴ありがとうございました!」
「フトシ君、スマホの連絡ですか、出てもいいですよ」
「……ゴウタさんからです。俺が世話になったハザマのオーナーです。ハザマを閉めたいから手伝って欲しいと」
「行きますか?」
「はい、連れて行って欲しいです」
「今日はダメです。一旦家に帰りましょう」
「いや、マスコミが来るので、家はちょっと」
「マスコミですか、分かりました。ビジネスホテルに行きます」
俺は、レイカさんに送って貰ってホテルで眠った。
次の日配信をしながらゴウタさんのハザマを消すと悲しい気持ちになった。
このハザマには思い入れがある。
ダイエットをした記憶
ゴブリンを倒せるようになった記憶
ゴウタさんが面倒を見てくれた記憶
最後のハザマを消すとゴウタさんが俺に声をかけた。
「そんなに悲しい顔をするな」
「ゴウタさんは、悲しくないんですか?」
「思い入れはあった、でも、時代の流れだ、仕方がない」
「ゴウタさん、今の気持ちを詳しく聞かせてください」
ゴウタさんは俺を向いて話始めた。
「フトシ、思い入れはある、だが、ほっとしている自分もいる。雇用を守り、スタッフの教育をして、問題を解決する。責任もそれなりにあった、だからな、本心からほっとしている気持ちもある」
ゴウタさんは俺を気にかけている。
ユイに似ている。
俺は思わず頭を下げた。
「ゴウタさんには助けてもらいました! そのおかげで一人でモンスターを狩れるようになりました! ありがとうございます!」
こうして、配信は終わった。
「着いたわ。ゼンさんも来たことだし、すぐに配信を始めるわね。2人で並んでください」
「はい、今日はハザマの名物オーナー、善行成さんのハザマを」
「フトシ君! 来てくれてありがとう! 報酬は弾ませて貰う!」
ゼンさんが会話に割り込んできた。
「いや、報酬はいいのでハザマを消していきますね」
「はい、ゼンさんはハザマを閉める決断をしました。ハザマ施設を閉める為にはすべてのハザマを消滅させる必要があります。そこでフトシ君にはハザマを消していってもらいます」
「よろしくお願いします」
「今、フトシ君は砦のスキルを使えません。それでもハザマ狩りをやりたいと言ってくれた理由を教えてください」
「レンに魔石をあげたいので、今貯めています」
「頑張ってください!」
俺はオーガのハザマに入って金棒を伸ばして瞬殺し、魔石を拾った。
そしてボスの居る拠点の扉を金棒で破壊して真っすぐボスに金棒を伸ばすとボスオーガが魔石に変わった。
俺は魔石をアイテムボックスに入れると景色が変わりハザマに戻って来た。
「おし! とりあえず後99回!」
「あ、いえ、無理はしないでくださいね」
「次に行きます!」
「無理はしないでくださいね!」
俺は中級のハザマを全て消すまで動き続けた。
◇
「終わりましたか、もう夜中の2時ですよ。あんまり無理をしないでください」
「大丈夫です」
「フトシ君、どうしてここまでしてくるんだ? 助かるが、眠る時間を削っているだろう?」
「補足しますね、フトシ君はマスコミが毎日のように家に来るため眠れなくなっています」
「はい、元々夜型になってしまっていたので大丈夫です!」
「だが、普通ではありえないペースだ。砦無しでもこれとは」
「フトシ君には想いがあるのよね?」
「ゼンさんは立派な人だと思ったからです。他のオーナーは利権を守る為にハザマを閉める事に反対したり、訴えたりしています。自分が損をすると分かって、それでもみんなが良くなる決断をするのは中々出来る事ではないと思います」
「フトシ君は報酬を受け取りたくないのよね?」
「はい! ゼンさんは自分が損をしても、皆の為に動こうとしています! 応援したかったんです!」
ゼンさんは上を向いて目頭を押さえた。
周りのスタッフも拍手をした。
「助けてもらって、その上感謝までされるとは思わなかった。ありがとう! 本当にありがとう!」
ゼンさんが泣きながら俺と握手をした。
「皆さん、ご視聴ありがとうございました!」
「フトシ君、スマホの連絡ですか、出てもいいですよ」
「……ゴウタさんからです。俺が世話になったハザマのオーナーです。ハザマを閉めたいから手伝って欲しいと」
「行きますか?」
「はい、連れて行って欲しいです」
「今日はダメです。一旦家に帰りましょう」
「いや、マスコミが来るので、家はちょっと」
「マスコミですか、分かりました。ビジネスホテルに行きます」
俺は、レイカさんに送って貰ってホテルで眠った。
次の日配信をしながらゴウタさんのハザマを消すと悲しい気持ちになった。
このハザマには思い入れがある。
ダイエットをした記憶
ゴブリンを倒せるようになった記憶
ゴウタさんが面倒を見てくれた記憶
最後のハザマを消すとゴウタさんが俺に声をかけた。
「そんなに悲しい顔をするな」
「ゴウタさんは、悲しくないんですか?」
「思い入れはあった、でも、時代の流れだ、仕方がない」
「ゴウタさん、今の気持ちを詳しく聞かせてください」
ゴウタさんは俺を向いて話始めた。
「フトシ、思い入れはある、だが、ほっとしている自分もいる。雇用を守り、スタッフの教育をして、問題を解決する。責任もそれなりにあった、だからな、本心からほっとしている気持ちもある」
ゴウタさんは俺を気にかけている。
ユイに似ている。
俺は思わず頭を下げた。
「ゴウタさんには助けてもらいました! そのおかげで一人でモンスターを狩れるようになりました! ありがとうございます!」
こうして、配信は終わった。
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