痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件～痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました～

第130話

　ハザマの前に走るとシンさんが立っていた。
　うわ！　
　目立つ！
　しかも大きな荷物を背負っているし！
　シンさんはメガネイケメンで冒険者オタクでもある。
　中級以上の冒険者はすべて暗記している。

「フトシ君か、僕はシン、上級冒険者をしている者だ」

　ドローンで配信をしながら笑顔で挨拶をした。

「あ、はい、よろしくお願いします」
「配信状態で構わないとの事だったが、間違いはないかな？」
「大丈夫です」

「ではハザマに行こう。砦が進化中なのは聞いている」

　シンさんは楽しそうにハザマに向かった。

「所でフトシ君、特級冒険者の中では誰が好きかな？」
「これもジャッジですか？」
「違う違う、聞いてみたかっただけだ」

「好きなのは、スズメさんですかね？　でも、特級の人はレベルが高すぎて何を考えているか分からないです」

「チュンチュンジャンプのスズメさんか。ギア1からギア3までの使い分けと天才的な戦闘センス、そしてあの速度は素晴らしいの一言だ。更にパーティー名の由来ともなったチュンチュンジャンプは彼女の戦闘スタイルそのものと言って良いだろう。だが、チュンチュンは少しばかり、いや、かなり謙遜し過ぎではないかと！　フェニックスジャンプ位が丁度いい！　しかしそこが、その謙虚さがチュンチュンジャンプを高みに至らしめたとも言える。僕もモンスターを踏んで飛ぶように戦えないか試したことがある。でも無理だった。あの動きは天性のものだろう！」

「シンさん！　シンさん！！」
「……おっとすまない、僕の悪い癖でね、冒険者の事になるとつい熱く語ってしまう。今日も楽しみにしていた」

『来た来た来た来た来たあああああ！』
『シンのおしゃべりモードが始まったぜ！』
『イケメンなのにオタクなんだよなあwwwwww』
『だがそこがいい！』
『フトシ君ドン引きで話を止めてて草』
『急に話し出すからな、知らなかったら怖いで』


「そ、そうですか、一旦ハザマに入りましょう。周りから見られています。シンさんは有名人ですから」
「君の方が、いや、そうだな、では、スケルトンのハザマに入ろうか」
「はい」

　2人でスケルトンのハザマに入った。

　スケルトンが迫って来るがシンさんは銃を構えた。

　パン！パン！パン！パン！パン！パン！パン！パン！

　スケルトンが消えた。

「よし、色々な悪い噂がながれているが、僕は良い事も悪い事もそのまま口にする」
「はい、大丈夫です。何をすればいいですか？」

「まずは握手をして欲しい」
「はい」

　ジャッジが始まった。
　握手をするとシンさんが言った。

「中級レベル1」

『いきなり中級が出たぞ！』
『最初の簡易ジャッジは最低限持っている実力を控えめに言う。最初で中級レベル1はかなり高い！』

「あ、ありがとうございます。自信がつきました。所でその背中に背負った荷物は何ですか？」
「これはオーガの金棒だ。悪い噂を完全に判定するために持って来た。これも持ってみて欲しい」

　ズル防止のための武器か。
　シンさんは荷物からオーガの金棒を取り出した。

「本当はグレートオーガの金棒を持って来たかった。でも、大きすぎて諦めたんだ」
「そうなんですね」

　俺はオーガの金棒を持って構えた。

「中級！　レベル6！」
「え？」

『おいおいおいおい！上がるペースが早すぎるぜ！』
『持っただけでこんなに高ランクになるってあるか！』