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第126話

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 夢を見ていた。

 レンが、皆を助ける為に、

 みんなに、魔石を渡している。

 そしてレンは、どんどん痩せていった。

 俺は皆を無視して魔石を食べ続けた。
 俺はどんどん太って、一人になっていく。

 痩せたレンの周りには人が集まる。
 レンはいつも人気だ。
 でも、レンは、あんなに瘦せて、モンスターを倒せるのか?

 アシュラが現れて、レンが皆を助ける為に前に立った。

 駄目だ!

 行ってはいけない!

 レン!
 
 レンがアシュラに吹き飛ばされた。


 目が覚めるとダラダラと汗をかいていた。
 起き上がって水を飲む。

「俺は、レンの事が、気になっている」

 高校1年の夏、レンの家に遊びに行った。
 縁側でサツマイモを飲み込むように食べて本気でダイエットを決意した。
 剣をプレゼントして、回復カードを渡して、俺はレンを助けたと思っていた。
 その後アシュラ災害ではスケルトンの群れにレンが走って行き危ない目にあった。

 そう、俺はまだレンを助けられていない。
 また同じ事が起きる予感がした。

 レンだけが前衛の不安定なパーティー

 レンは1人だけ無理をするところがある。

 レンはパーティーで平等に魔石を分ける。

 レンのパーティーはその事に気づいていて、でも言っても無駄だと諦めている。

 今、俺がレンのパーティーに入ろうとすればレンは俺の意図に気づいて加入を断るだろう。
 俺が困っている時は助けようとし、俺がレンを助けようとすると遠慮する、それがレンだ。

 ユイと、いのりと、ヒトミを助けてみんなを助けたような気になっていた。

 でも、レンはまだ助けていない。
 レンは俺と違って優しすぎる所がある。
 みんなに危険が迫れば無理をしてまた前に出る確信があった。

 ガチャリ!

「ヒトミか」
「起きてましたか」
「眠れなくてな」
「凄い汗です」

「レンが、危なくなる、夢を見た」
「コーヒーを入れましょう」
「リビングに行こうか」

 2人でリビングに降り、コーヒーを飲む。
 早めの食事が終わるといのりが来た。
 父さんが椅子を持って来てテーブルにはケーキが置かれた。

「お父さん、進行お願いね」

 父さんは少しだけ渋い顔をした。
 会社の事を思い出して嫌な気分になっているように見えた。

「おほん、それでは会議を始める」

「はい!」
「ヒトミ君、何かね?」

 お父さんは裁判官のような口調で言った。
 
「フトシ君はレン君の事が気になっています!」
「フトシ、具体的に言ってくれ」
「実は……」

 俺が夢の話をすると、いのりがノートを取り、書記を始めた。
 更にユイがレンに連絡を取り家に来て貰う事になった。

「椅子を2つ持ってこないとだわ」
「母さん、1つで良くないか?」
「2つよ、ほら、フトシ、部屋から椅子を持って来て!」

「もう一人は誰?」
「早くしましょう。お客さんを待たせちゃうわ」

 ヒトミが椅子を持って来るとレンが家に来た。

「ほら、もう1つ!」
「分かったから」

 俺が椅子を持って帰るとリビングにはレイカさんがいた。

「フトシ君。おはよう」
「え? なんで?」
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