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第102話

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 第二階層・矢の道でアシュラに矢を放った。

 アシュラに小さい傷がつく程度。
 雑魚なら相性が悪くてもごり押しで来た、だが矢の道は殆ど効果が無い。
 突破されるだろう。
 こいつは、グレートオーガキングよりも強い。

「砦では有効なダメージを与えられないでしょう」
「いい、時間を稼いでくれ、皆、息を整えてくれ」

 特級冒険者は息を整える者。

 回復カードを使う者。

 武器を交換する者と様々だが、皆アシュラを倒す為の用意をしている。

 第三階層・門の部屋にアシュラが入る。
 門のゴーレムはアシュラに簡単にやられてワープの魔法陣が出現した。
 そして第四層に入って来た。

「シャドーとテスラゴーレムがやられるまでは時間を稼げます!」

 特級に対して砦の力はあまり役に立たない。  
 せいぜい足止めか時間稼ぎが関の山だ。

 簡単にシャドーがやられ、テスラゴーレムは一方的に攻撃を受けていく。
 圧倒的だ。

「そろそろ頃合いだ!行くぞ!」
「「おおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」

 俺はみんなを見送った。

 特級全員でアシュラを囲み、剣の攻撃がヒットするが剣が思ったよりも食い込まない。
 まるで金属に斬りかかっているようだ。
 しかも剣の刃が斬る度に悪くなっていく。

 アシュラの剣が光り、剣を振ると飛ぶ斬撃が発生し特級冒険者が斬撃を受けて吹き飛ばされた。

「斬撃にはタメがある!一気にみんなで攻撃するんだ!」

「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」

 アシュラは攻撃を受けながら六本の腕を後ろに振りかぶると全身が光った。

「何か来るぞ!」
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

 6本の剣で突きを繰り出しながら突進攻撃を繰り出して来た。
 前にいた特級冒険者が連撃を受けてコロシアムの観客席に吹き飛んだ。

「魔法攻撃は出来ないか!?」
「もう無理いい!」
「刃の攻撃は効果が薄いぜ!魔法がダメなら打撃しか有効打が無い!」

「スズメ!2人で抑えるぞ!」
「分かった!」

 ハンマさんとスズメさんがアシュラを挟み撃ちにした。

 ハンマさんがハンマーを振りかぶって叫んだ。

「スタンプ!」

 アシュラは6本の剣でガードするが強い衝撃でよろめいた。
 その隙にスズメさんが後ろから攻撃を繰り出す。

「ギア3!」

 速度と防御力を10秒だけ上げるスキルだ。
 速度と体の硬さを上げる事で攻撃力も増す。

 スズメさんはアシュラの上で何度もジャンプするように蹴りを放った。
 アシュラが頭や肩に攻撃を受けて轟音を鳴らす。

 ギア3を使っている時のスズメさんはハンマさんより強い!

 ハンマさんがその隙にスキルを使う。

「スタンプ!」

 ハンマーが光って高威力の1撃を肋骨に叩きこんだ。
 スズメさんの蹴りとハンマーは打撃武器だ。
 斬撃と違って効果的だ。
 行ける!

「スタンプ!スタンプ!スタンプ!スタンプうううううううううううううううううううううう!」


 アシュラが黒い霧に変わって消えていく。

「みんな、無事かい?」

「大丈夫よ、でも、もう余力はない」

 みんながドローンの前に集まり、血だらけのまま配信を続けた。

「回復カードがもう無いぜ。それに血を流しすぎた。連戦はきつい」

「武器もボロボロだ、耐久力回復のカードが欲しいな。スペアの武器もこのありさまだ」

 武器が刃こぼれしていた。

「フトシもこっちに来て欲しい」

 俺は皆の元に向かった。

「フトシ、客観的に戦いを見ていてどう思う?」
「連戦は無理です。撤退以外の選択肢は無いと思います。武具がボロボロで皆もボロボロ、血を流し過ぎました。回復アイテムも使い切りました。いったん下がって回復と補給が必要です」

「俺も、同意見だねえ。血が足りない」
「私も。バトルブーツが割れてる」

「撤退、ばいば~い」

 俺達はダンジョンを2つ残したまま撤退した。

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