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第92話
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「スキル検証って、俺まだまだですから。大した事無いですよ」
「もし、大きな力が無いと判断しても怒られる事はありません。フトシ君、お願いします。スキルを検証させてください」
「い、いや、その配信ドローンは、もう配信が始まってますか?」
「始まっていますよ」
「それは分かりますけど! 今? 忙しい今ですか?」
「全体的な流れを説明しますね。今スケルトンのハザマが大量に出現して特級冒険者ですら苦しい状況が続いています。国の決定は時間がかかります。ですがモンスター省は変わろうとしています。慎重に一番いい方法を熟慮していては状況に対応できません。少しでも早く、打てる手を出来るだけ早く何度も打つ。時間をかけた慎重な一手よりも80点を素早く何手も打って行く必要に迫られています。
それを受けて私、氷月レイカは権限と責任を頂きました。私の判断では、プライバシーより国民の皆さんへの迅速なフィードバック、つまりプライバシーより配信を重視しています。
オオタフトシ君、あなたはネットで噂になっています。
『国が逸材を隠している』
『フトシ君の能力がよく分からなくて気味が悪い』
『フトシはコネで強化合宿の推薦枠を取った』
などなど、ありもしない噂に溢れています。
人は分からない人間や知らない事を叩こうとします。
そこで、配信をしつつ現状把握をしていきたいです。
フトシ君、ここまでで何か質問はありますか?」
「話が、長い」
「質問は無し、そう取ってもいいですか?では行きましょう」
「い、いや、俺まだまだなので」
「それは自分の実力が足りないので、スキル検証をする意味はない、その認識でいいでしょうか?」
「そうですね」
「大丈夫です。間違っていたら私のせい、それだけです。他に何か質問はありますか?」
「レンは、スキルの検証をしないんですか?」
「はい、レン君のスキルも実力も皆分かっていますから。他に何か質問はありますか?」
「ハザマのモンスターを倒しすぎてしまったら、皆の迷惑になりませんか?」
「いえ、今は多くの冒険者が犠牲になりました。どのハザマ施設も今は冒険者を呼び込みたい状況です。むしろ、そんなに倒せるんですか?」
「いえ、そこまでじゃ、無いですかね」
「では問題ありませんね。他に質問はありますか?」
「特には」
「さあ行きましょう」
レイカさんが俺の手を取って歩き出した。
「あの、私もついて行っていいですか?」
ヒトミが手を挙げた。
「残念ですが、今回の配信はアマミヤ先生とフトシ君だけで行います」
「そ、そうですか」
俺・レイカさん・アマミヤ先生、そして後ろからドローンが配信を行いつつハザマに入った。
「もし、大きな力が無いと判断しても怒られる事はありません。フトシ君、お願いします。スキルを検証させてください」
「い、いや、その配信ドローンは、もう配信が始まってますか?」
「始まっていますよ」
「それは分かりますけど! 今? 忙しい今ですか?」
「全体的な流れを説明しますね。今スケルトンのハザマが大量に出現して特級冒険者ですら苦しい状況が続いています。国の決定は時間がかかります。ですがモンスター省は変わろうとしています。慎重に一番いい方法を熟慮していては状況に対応できません。少しでも早く、打てる手を出来るだけ早く何度も打つ。時間をかけた慎重な一手よりも80点を素早く何手も打って行く必要に迫られています。
それを受けて私、氷月レイカは権限と責任を頂きました。私の判断では、プライバシーより国民の皆さんへの迅速なフィードバック、つまりプライバシーより配信を重視しています。
オオタフトシ君、あなたはネットで噂になっています。
『国が逸材を隠している』
『フトシ君の能力がよく分からなくて気味が悪い』
『フトシはコネで強化合宿の推薦枠を取った』
などなど、ありもしない噂に溢れています。
人は分からない人間や知らない事を叩こうとします。
そこで、配信をしつつ現状把握をしていきたいです。
フトシ君、ここまでで何か質問はありますか?」
「話が、長い」
「質問は無し、そう取ってもいいですか?では行きましょう」
「い、いや、俺まだまだなので」
「それは自分の実力が足りないので、スキル検証をする意味はない、その認識でいいでしょうか?」
「そうですね」
「大丈夫です。間違っていたら私のせい、それだけです。他に何か質問はありますか?」
「レンは、スキルの検証をしないんですか?」
「はい、レン君のスキルも実力も皆分かっていますから。他に何か質問はありますか?」
「ハザマのモンスターを倒しすぎてしまったら、皆の迷惑になりませんか?」
「いえ、今は多くの冒険者が犠牲になりました。どのハザマ施設も今は冒険者を呼び込みたい状況です。むしろ、そんなに倒せるんですか?」
「いえ、そこまでじゃ、無いですかね」
「では問題ありませんね。他に質問はありますか?」
「特には」
「さあ行きましょう」
レイカさんが俺の手を取って歩き出した。
「あの、私もついて行っていいですか?」
ヒトミが手を挙げた。
「残念ですが、今回の配信はアマミヤ先生とフトシ君だけで行います」
「そ、そうですか」
俺・レイカさん・アマミヤ先生、そして後ろからドローンが配信を行いつつハザマに入った。
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