痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ

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第73話

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「フトシ、驚いてないで食べなさい」
「いや、だって、アマミヤ先生が今月中に辞めてユイとヒトミが家に住むって」
「あーそうそう、ユイちゃん、まだ言ってなかった事があったわよね?」
「なんで母さんだけ!俺幽霊みたいになってない!俺いるよな!」
「フトシは集中してて気軽に話しかけられないオーラを出してたでしょ?」
「……え?何それ?」

「フトシ、食べて口を塞ぎなさい。大事な話よ」
「大事な話を食べながら聞くのは悪い気がする」
「いいよ、気軽に聞いて、そこまでの事じゃないから」
「そ、そっか。ユイが言うなら」

 俺はサイダーをごくごくと飲んだ。
 く~~~~!
 サイダーが体にしみるぜええ!

「私ね、レンのパーティーを抜けたの」
「ごぼおお!げほ、げほ」

 俺は口を押えてサイダーを太ももにこぼす。

「それ大した事だからな」
「私が拭いてあげますよ」

 ヒトミが俺の太ももを拭き、股間まで拭こうとする。

「だ、大丈夫だから」
「拭けるだけ拭きます」
「い、いいから、な、何で辞めたんだ?いや、言いたくないならいいんだけどさ」

「私、火力不足で、レンのパーティーについて行けなくて」
「あー、いや、弓はほら、倒すってよりはひるませたり、ターゲットを取って注意を引いたり、そういう立ち回りがあるだろ?」
「それだけじゃないの、ベビーガーゴイルの魔石を食べると魔法を覚えられたりするでしょ?でも、覚えたかった回復魔法どころか、1つも魔法を覚えられなくて」

 かけられる言葉が無かった。
 ユイの火力不足は本人が気にしているだけだと思う。
 でも、何を言ってもユイは気にし続ける。
 レンの事だ、何度も何度も説得してそれでも駄目だったんだろう。
 俺が言っても駄目だったしこれからだってそうだろう。

 次に俺が出来る事は、魔石を渡す事だけど、ユイは魔石をプレゼントしても受け取らない。
 受け取って貰えなかった。
 ユイは人に気を使いすぎる。
 魔石を食べればスキルの火力は上がるかもしれないが受け取って貰えないのだ。

 俺に出来る事はないのか?

「なあ、皆、悩みとかはあるか?俺に出来る事が何かあるかもしれない」
「私は素材が足りません!たくさん欲しいです!」

 ヒトミはしゅばっと手を挙げた。

「私は何も無い」

 アマミヤ先生は考えがあって先生を早く辞める、俺なんかより色々考えて決断をしている。
 出来る事は思いつかない

「私は、もっと弓のスキルを強くしたいかな」

 ユイの悩みは難しい。
 発想を変えよう。

「これからやりたい事とかはあるかな?」
「フトシ君のお嫁さんです!」

「私は車を処分してFIREを目指そうと思っている。ユイ、同じ中級だ。一緒にハザマに行こう。私は召喚系で弱い、都合がいいだろう」

 アマミヤ先生は人を助ける時間が欲しいんだろうな。
 先生は自分の為と言いつつユイを助けようとしている。

「私は、フトシと、遊びに行きたいかな?」
「遊びに行くくらいなら、夏休みが近いし、行こうか」
「私のお嫁さんは!?」
「まだ高校生だし」
「じゃあ私も遊びに行きたいです!」

「夏休みになってから考えよう。スキルのチェックも遊びも、色々出来る気がする」
「ユイは、強化合宿の選抜メンバーに選ばれている」

 強化合宿の選抜メンバー。
 要は、『夏休みはハザマ近くの旅館に泊まってモンスターを狩ってね、夏休み無し』の刑だ。
 強い順にメンバーに選ばれる、中級以上は基本選ばれる。

 ユイは自分が思っているより優秀なのだ。
 強化合宿、俺には縁が無い話だ。
 選抜メンバーは才能があるか努力が出来る、もしくは親が金持ちが選ばれる。
 高校生で初級レベル7は結構いる。
 俺は選ばれない。
 となれば夏休みはゆっくりとスキルをチェックする、これは確定っと。

「それに、オオタも、夏休みは時間を空けておいて欲しい。まだ決まってはいないが予定が入るかもしれな……
「はい?分かりました」
「あ、アマミヤ先生も合宿に行きます?」
「そうだな。私は引率を任されている」

 他の先生は中級じゃなかったり、事故の責任を取りたがらない。
 アマミヤ先生は召喚系で自分が苦労しているのに、人を助けようとしている。
 俺も皆を助けたい。

 でも、なんだかんだで、ユイも、ヒトミも、アマミヤ先生も優秀なんだよなあ。

 アマミヤ先生とユイは合宿。
 俺とヒトミは居残り組か。

 グレートオーガのキングを倒して、虚しさがあった。
 グレートオーガの次が無い虚しさ、まるでゲームをクリアした後のような……
 ゆっくりスキルのチェックしよう。

 夏休み。
 魔石を集めて力を蓄えよう。
 心を整えよう。
 

「嫌な予感がします」
「ヒトミ、どうした?」
「私がのけ者にされる予感がします!」

 ヒトミがくわっと目を見開いた。
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