痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ

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第61話

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 山にたどり着くとオーガのハザマを出した。

「おお!本当に出たな!」
「ですね、行きましょう」
「そうだな」

 先生を見ると緊張した顔をしている。 
 先生のランクは中級だ。
 オーガは緊張するのだろう。
 
「先生、もし駄目だったら逃げましょう」
「そうだな、無理はいけない」

 実際は金棒の1撃で倒せるが、先生を安心させたかった。
 先生と手を繋いだ。
 そしてオーガのハザマに入った。
 前に歩くとオーガが7体迫って来る。

「「グオオオオオオオオオ!」」

「砦にワープします。砦!」

 俺達は第三階層にワープした。

 第一階層は矢の道
 第二階層はシャドーの訓練場
 第三階層はテスラゴーレムの闘技場
 となる。

 観客席に座って外の様子を映し出す。
 オーガがスタート地点の魔法陣から矢の道に入って来た。
 そして1キロ先にある次の階層への魔法陣を目指して走って来る。

「行け!アロー!」

 1秒に1回、10発分の矢がオーガに突き刺さった。
 先頭を走るオーガが何度も矢を受けて倒れた。
 2体目、3体目もアローであっけなく倒れた。
 
「TUEEE!おっしゃあああああ!」
「これは、第二階層に来る前に全部倒してしまうんじゃないか?」
「お!ですね!アローを止めますか」

 アローの攻撃を止めると残ったオーガが進み、魔法陣に乗ってワープした。
 第二階層のシャドーの闘技場では13体の金棒を持ったシャドーが対峙する。

「シャドーを減らせないか?」
「4体に減らします」

 4体を残してシャドーが消えた。
 4体のシャドーと4体のオーガがお互いに金棒を持って戦闘を開始する。

「シャドーの方が、強いようだ」
「いいですね!オーガを押しています!」

 圧倒的な差はないが、シャドーの方が勢いがある。

「……2体だけオーガを倒したらシャドーを消します」

 オーガ2体を倒した所でシャドーを消した。
 すると第三階層に進む魔法陣が出現した。
 シャドーが全部消えると第三階層への魔法陣が現れるのか。

「次はテスラゴーレム対オーガ2体です」
「すぐにオーガが倒されて終わるだろう」

 第三階層は体長5メートルほどのゴーレムが電気をバチバチと発生させながらオーガの近くに歩いた。
 そして上から叩き潰すようにパンチを繰り出した。

 グシャ!グシャ!

「……終わりましたね」
「……そうだな。驚くべき進化だ。まだ解放していない階層があるんだろ?」
「ですけど、プライベートルームとかそういうのですよ?」
「いいじゃないか。将来家賃を払う必要はないな」

「ですね。さてっと、オーガの魔石が6つとオーガの金棒が1つ、金棒だけ貰いますね」
「気を使わなくていい。私は才能が無かった。魔石を食べても無駄だ」

「なるほど、じゃあ食べましょう。先生も授業で言っていましたよね?スキルの伸びは人によって個性があるって。今から伸びるかもしれないじゃないですか」
「……私のスキルを言っていなかったな」

「そう言えばそうですね」
「きゅう!」

 ぽん!

 白くて小さくて丸いぬいぐるみのようなマスコットが現れ宙に浮いた。

「私のスキルはきゅうだ。オオタと同じ召喚タイプになる」

 本来召喚タイプはこういうものなのだ。
 きゅうはアマミヤ先生の頬に飛んで顔を擦りつけた。
 可愛いな。

 ……同じ召喚タイプ、だからアマミヤ先生は俺の指導係になったのか。
 俺と同じ召喚タイプの先生が指導をした方が教えやすい。
 他の先生ならそう考えるだろう。
 
 更に珍しい召喚系の中でも更に特殊な俺のようなタイプは教育しにくい。
 思わぬトラブルが多い。
 保守的な先生は面倒を見たがらないだろう。

「先生、もしかして、他の先生に付き添いを押し付けられてます?」
「いや、私が立候補した。召喚タイプのスキルは癖が強い事が多い。特にオオタのスキルは異質だ。少しでも同じ悩みを持つオオタを助けたかった」

「……もし良ければ、いえ、言いたくないなら言わなくても大丈夫なんですが先生のスキルが気になります」
「そうだな、きゅうを召喚している間は私の自然治癒力がすべて上がる。飛んで私についてくる、以上だ」
「うわ!大変でしたね。いえ、悪い意味じゃなくてです」

「ああ、分かっている。でも、私は嫌いじゃない。柔らかくて温かく、手間がかからない」

 先生がきゅうを撫でると気持ちよさそうに目を細めた。

「先生にぴったりかもしれませんね」
「意外だな、似合わないと言われる事が多いんだが」

「いえ、素の先生には似合っています」
「素の、私」
「魔石を食べましょう」
「いいんだ」

「俺ドロップ率100%なので、俺はいいんです。何かお礼をしたくて。だって何も出来なくて力が無かった俺を先生は助けてくれました」
「それが仕事だ」
「他の先生なら嫌がってやってくれなかったと思います。基礎訓練が終わる前に癖のある俺のスキルで戦って何かあれば先生に責任が行きます。それでも助けてくれましたよね?食べましょう」

「……分かった。ありがたく貰おう。だが、貰うのはこれで終わりだ」
「分かりました」

 先生の手に魔石を乗せた。

「きゅう♪」

 先生、ではなくきゅうが魔石を食べた。
 
「きゅうが食べても大丈夫なんですか?」
「ああ、私が食べるのと効果は変わらない」
「……可愛いですね」

「きゅうは魔石が好きなんだ」
「学校できゅうを出すと生徒が寄ってきそうですね」
「そうだな、仕事が進まなくなるだろう」
「もう一個あげたいです」
「だめだ」

 きゅうが輝きを放った。
 魔石を食べると光るのか。

「え!?」
「どうしました?」

「スキルを、覚えた」
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