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第53話
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【次の日の放課後】
ヒトミがスマホで事前に連絡を取ってくれた。
教室で2人待っているとアマミヤ先生が来て教室にいた全員が先生を見た。
「遅れてすまないな」
「いえ、忙しい中すいません」
「アマミヤ先生、私の相談に乗ってください。フトシ君も一緒でいいですか?」
「ああ、構わないぞ」
「カフェに行きましょう。奢りますよ」
「アオイ、借金があるだろう?私が出す」
ヒトミは気を使って自分の相談と言った。
俺の相談なのにな。
みんなが注目している。
早く移動しよう。
「それより早く移動しましょう。お腹が空いてしまって」
「そうだな、行こう」
先生の車に乗ってカフェに入った。
カフェというよりは、食事のメニューが豊富なイタリアンレストランよりだ。
俺だけ3食分を注文した。
「最近温かくなってきて、もうすぐ夏か」
「ですね」
「オオタ、すっかり顔色がよくなったな。アオイも元気になった。2人は元気でやっているか?」
「元気すぎて3食分も頼みました」
「私は毎日充実しています。フトシ君もご両親もみんな優しいです」
「良かった。で、相談というのは?」
「実は相談は俺の事なんです……」
ハザマを出せる事、そしてオーガの金棒を処理する方法について迷っている事を相談した。
「事情は分かった。一番簡単なのはオオタが中級に上がる事だが、早めに金棒を加工して武器販売をしたいのだろう?」
「そうです!毎日魔力が切れるまでアイテムも武器も作り続けたいです!」
「そうだな、すぐに作りたいとなれば他には、個人店で傷んだ金棒を安く買って来た事にする、それと私がオオタと同行してオーガのハザマに向かう事だが、最近オーガのハザマが消えている」
そう言ってアマミヤ先生は俺を見た。
俺がハザマを消したと思われている!
俺が原因なわけがない。
「オオタ、マイルームで戦っている所を見せてくれないか?」
「実は、マイルームが進化中で今は使えません」
「進化!進化中!?」
「昨日進化を開始して後9日かかります」
「……色々と規格外だな」
通常の進化に時間はかからない。
しかも冒険者ランクが初級なのに進化する例は聞いた事がない。
でも、マイルームのスキル自体が特殊だから変わった部分はあると思う。
「オーガの金棒を少しだけなら使っても問題無いだろう。何か言われた場合は、オオタと一緒に個人店を回って安い金棒を手に入れたと言えば学校で不審には思われる事は無いだろう。オオタはアイテムボックスを持っているからな。キイロのパーティーからオーガの金棒を実際に買い取ってもいい。長期的には私とオオタでダンジョンに定期的に入る事でごまかせるだろう」
「ありがとうございます」
「大したアドバイスはしていない。食事を楽しもう」
「そうですね」
食事中にアマミヤ先生を見る。
左手で髪を押さえながら上品にパスタを食べている。
アマミヤ先生と一緒にハザマに行けるのか。
やはり俺は運がいいのかもしれない。
ヒトミが俺の顔を見る。
「どうした?」
「大人の色気が大事なんですね、参考になりました」
俺の目線がバレたか。
俺は黙々と食べてトイレに行くフリをして会計を済ませた。
流石に3食も頼んで奢られるつもりはない。
店を出ると先生がお金を渡そうとしてきたが俺は受け取らずに帰った。
ヒトミがスマホで事前に連絡を取ってくれた。
教室で2人待っているとアマミヤ先生が来て教室にいた全員が先生を見た。
「遅れてすまないな」
「いえ、忙しい中すいません」
「アマミヤ先生、私の相談に乗ってください。フトシ君も一緒でいいですか?」
「ああ、構わないぞ」
「カフェに行きましょう。奢りますよ」
「アオイ、借金があるだろう?私が出す」
ヒトミは気を使って自分の相談と言った。
俺の相談なのにな。
みんなが注目している。
早く移動しよう。
「それより早く移動しましょう。お腹が空いてしまって」
「そうだな、行こう」
先生の車に乗ってカフェに入った。
カフェというよりは、食事のメニューが豊富なイタリアンレストランよりだ。
俺だけ3食分を注文した。
「最近温かくなってきて、もうすぐ夏か」
「ですね」
「オオタ、すっかり顔色がよくなったな。アオイも元気になった。2人は元気でやっているか?」
「元気すぎて3食分も頼みました」
「私は毎日充実しています。フトシ君もご両親もみんな優しいです」
「良かった。で、相談というのは?」
「実は相談は俺の事なんです……」
ハザマを出せる事、そしてオーガの金棒を処理する方法について迷っている事を相談した。
「事情は分かった。一番簡単なのはオオタが中級に上がる事だが、早めに金棒を加工して武器販売をしたいのだろう?」
「そうです!毎日魔力が切れるまでアイテムも武器も作り続けたいです!」
「そうだな、すぐに作りたいとなれば他には、個人店で傷んだ金棒を安く買って来た事にする、それと私がオオタと同行してオーガのハザマに向かう事だが、最近オーガのハザマが消えている」
そう言ってアマミヤ先生は俺を見た。
俺がハザマを消したと思われている!
俺が原因なわけがない。
「オオタ、マイルームで戦っている所を見せてくれないか?」
「実は、マイルームが進化中で今は使えません」
「進化!進化中!?」
「昨日進化を開始して後9日かかります」
「……色々と規格外だな」
通常の進化に時間はかからない。
しかも冒険者ランクが初級なのに進化する例は聞いた事がない。
でも、マイルームのスキル自体が特殊だから変わった部分はあると思う。
「オーガの金棒を少しだけなら使っても問題無いだろう。何か言われた場合は、オオタと一緒に個人店を回って安い金棒を手に入れたと言えば学校で不審には思われる事は無いだろう。オオタはアイテムボックスを持っているからな。キイロのパーティーからオーガの金棒を実際に買い取ってもいい。長期的には私とオオタでダンジョンに定期的に入る事でごまかせるだろう」
「ありがとうございます」
「大したアドバイスはしていない。食事を楽しもう」
「そうですね」
食事中にアマミヤ先生を見る。
左手で髪を押さえながら上品にパスタを食べている。
アマミヤ先生と一緒にハザマに行けるのか。
やはり俺は運がいいのかもしれない。
ヒトミが俺の顔を見る。
「どうした?」
「大人の色気が大事なんですね、参考になりました」
俺の目線がバレたか。
俺は黙々と食べてトイレに行くフリをして会計を済ませた。
流石に3食も頼んで奢られるつもりはない。
店を出ると先生がお金を渡そうとしてきたが俺は受け取らずに帰った。
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