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第31話

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 ハザマに入りマイルームに入るがおかしい。
 ゴブリンの数が少ない。
 雑魚が31体だけか?
 最近ハザマのゴブリンが少ない気はしていた。
 だが偽者と闘う時はゴブリンが常に100体いたはずだ。

 いや、今は戦闘に集中する。
 マイルームに雑魚と偽キングが入って来るが、今回は偽キングが先行して来た。
 雑魚を後ろに置いたまま走って来る。

 そうか、一気に俺を倒す気か。
 俺は門を開けた。

 偽キングがアローの攻撃を受けながら走って部屋に入って来た。
 出し惜しみはしない!

「ダブル!」

 アローの魔法陣が2つに増え、シャドーランサーが2体に増えた。
 偽キングに総攻撃を仕掛けた。
 だが異変が起きた。

 俺が金棒で殴った瞬間、偽キングが壁に吹き飛ばされた。
 偽キングが弱く感じる。

「はあ!」

 舐めプか!?
 俺如きはいつでも倒せると、そう言いたいのか!
 ふざけるなよ!

「本気で戦え!」
「グギイイ!グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」

 偽キングが赤い光をまとった。
 その瞬間に恐怖を感じた。
 前回の戦いでは偽キングが赤い光をまとって金棒で攻撃を受けた瞬間に俺は吹き飛ばされたんだ。

 自分で挑発しておきながら怖い?
 俺は何を考えているんだ?
 逃げるな!
 戦え!
 全力で迎え撃つ!それだけだ!

 偽キングが横壁を蹴り、飛び込むように俺に迫る。
 だが、それでも速く感じない。
 いや、敵を甘く見積もるな!
 油断するな!調子に乗るな!死んだら終わりだ!

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 金棒を振り下ろすと偽キングの大剣が下に弾かれた。
 偽キングの顔に金棒を振ると偽キングが吹き飛んだ。
 その瞬間渾身の攻撃を叩きこむと金棒が折れた。

 なん、だと!
 こんな時に!
 丈夫なはずの金棒が折れた!
 今折れるのか!

 俺は金棒を捨てて素手で殴った。

「おりゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!

 偽キングが魔石に変わった。
 拳で殴っただけで終わりか?
 俺は魔石を飲み込む。
 スキルが強くなり、更に新しいスキルを覚えた。

 倒した?これで終わりか?
 あっけない。
 マイルームの外を確認すると景色がぼやけていく。
 それでも確信が持てない。
 マイルームを解除してハザマに出ると景色がぼやけていく。

 そして山に戻って来た。

「終わった?のか?」

 少し寂しくなった。
 もう、終わり、なのか?
 ハザマ狩りをすると時間を忘れられた。
 没頭出来て、幸せだったのかもしれない。
 目標の偽キングを倒して、俺は次何をすれば、目標……
 あ、ダイエットをしていたんだ。

 ふと、体重の事が気になった。
 最近体重計に乗っていない。
 家に帰って体重計に乗ろう。

 俺は家に帰った。


 家に帰ると、母さんが出迎えた。

「フトシ、最近痩せすぎじゃない?」
「そんな事は、いや、体重計に乗って来る」
「そうしなさい」

 俺は体重計に乗った。

「58.9キロ!!達成した!目標達成だ!」
「フトシー、痩せすぎよ!」

 達成した!
 やっと達成したんだ!

 ぐ~~~~~~~!
 お腹が空く。
 それよりも、眠い。
 スキルの確認は後でいい。
 今日は寝よう。

「最近、走りすぎたみたいだ。今日はシャワーを浴びて寝る」
「その前に食べなさい。何になりたいの!減量中のボクサーみたいよ」
「運動しすぎて、本当に眠いんだ」

 俺は水を飲んでおにぎりを1個だけ食べてその日は眠った。

 小学校の頃、ダンスをしていたあの感覚を思い出す。

 疲れているのに体は熱く、興奮していて、その熱が冷えていくと俺は眠りに落ちていく。
 小学校の頃と、同じ感覚だ。
 ダンスの大会で優勝して、嬉しいのに、目標を失ってむなしい様な、不思議な感覚。

 俺は、眠りに落ちて行った。
 
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