痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ

文字の大きさ
上 下
25 / 191

第25話

しおりを挟む
【ツムギユイ視点】

 今日は1年生の身体測定と体力テストだ。
 身体測定を終えたフトシが落ち込んでいる。

「フトシ、どうしたの?」

 レンが代わりに答えた。

「65キロを目指していて、67キロまでしかダイエット出来なかったみたいだよ」
「えええ!もう充分痩せたよね?ダイエットはもういいよ!」
「ユイ、ありがとう。でも俺、まだまだだから」

「身長が伸びたから、体重の目標も変わるよ。ダイエットは終わりでいいと何度も言ったよ。でも何を言っても聞かないんだ」
「俺、まだまだだから」
「何度言ってもこうなんだ」

「男子は1500メートルのタイムを測定する!すぐに集まれ!」

 レンとフトシが先生の所に集まっていくと女子が集まって来た。

「ねえねえ、最近フトシ君がカッコよくなったよね?」
「レン君とフトシ君が一緒にいるよ」
「私、フトシ君に告白しようかな?」

「え?」

 心がざわざわした。
 レンとフトシが一緒に走り出すとフトシはズボンを押さえながら走っていた。
 体操服のサイズがまた合わなくなったようだ。

 レンが先頭を走り、次にフトシが走る。

 アマミヤ先生が話しかけてきた。

「最近キイロだけじゃなく、オオタも人気だな」
「そう、ですね」
「オオタは背が伸びて痩せた、少し痩せすぎだがな。それに、体力測定は1年男子の中でキイロとオオタが二強だ」

 フトシは痩せすぎている、でも、減量中のボクサーのようでも、顔立ちが整っている。

「オオタは今でもゴブリンを倒しているようだ。他の生徒は料金を払い、違うモンスターと闘っている」
「そうみたいですね」

「所でこんな仮説がある。魔石を食べた時の成長率は魔石の大きさに対して一定であると、だがその仮説には矛盾が出てくる。ゴブリンの魔石はその大きさに対して能力値の伸びが低い割にスキルも覚えられない。となれば仮説は間違いである事になる」

 先生はフトシが頑張っているのを見ながら嬉しそうに話を続けた。

「リトルスケルトンの魔石は攻撃力アップのスキルを覚え、ベビーガーゴイルの魔石は攻撃魔法を覚える。そしてリトルゴーレムは防御力アップスキルだ。だがゴブリンだけは何もスキルを覚えられない。ゴブリンだけが魔石の大きさに対して成長率が低すぎる」

 戦士タイプは攻撃力アップと防御力アップのスキルを覚えやすく、魔法タイプは攻撃魔法を覚えやすい。
 リトルスケルトンの魔石とリトルゴーレムの魔石は戦士タイプに人気でベビーガーゴイルの魔石は魔法タイプに人気なのだ。

「仮説が間違っているんですか?」

「いや、私はそうは思わない。ゴブリンの魔石は能力値の伸びがあまりにも小さい。魔石の大きさに対して効果が小さい。その差は、自覚できないスキルに使われていると思っている」
「自覚できない、スキル」

「そうだ、それが何かは分からない。だが、その研究がアメリカで行われている。しばらくすれば結果が出るだろう」

「フトシは殆ど、ゴブリンの魔石だけを食べて強くなっています」
「珍しい行動、効率が悪いと言われる行動も案外バカに出来ないのかもしれない。私たち人間は自分で思うほど頭のいい生き物ではないからな」

「フトシは、何かスキルを覚えているかもしれないんですか?」
「ああ、ゴブリン狩りを馬鹿にする人間が、悔しい思いをする、そういう未来もありえなくはない」


 フトシは毎日ゴブリンを狩っている。
 体操着のサイズがどうでもよくなるくらいゴブリン狩りに熱中している。
 小学校の頃、ダンスに熱中している頃のフトシを思い出した。
 ズボンを押さえて走るフトシはゴブリン狩りのどこに熱中しているんだろう?

 放課後になるとクラスメートの女子がフトシに告白しに行った。
 そして教室に戻ってきて振られたと言って落ち込んでいた。

 私は、

 それを見て、

 ほっとしていた。

 窓を見るとフトシは忍者のように3メートルの高さがある学校のフェンスを飛び越えて走って行った。
 フトシは、どこに向かっているんだろう?

 幼馴染なのにフトシが変わってしまうような、不思議な感覚を覚えた。




 あとがき
 お盆より早いですがフライングして連続投稿します!

 作品のフォローや星を頂けますとやる気が上がります。
 どうかお盆中もよろしくお願いします。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。 玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。 「きゅう、痩せたか?それに元気もない」 ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。 だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。 「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」 この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)

チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。 主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。 ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。 しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。 その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。 「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」 これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。 僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。 そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに…… パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。 全身ケガだらけでもう助からないだろう…… 諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!? 頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。 気づけば全魔法がレベル100!? そろそろ反撃開始してもいいですか? 内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】 その攻撃、収納する――――ッ!  【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。  理由は、マジックバッグを手に入れたから。  マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。  これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~

蒼田
青春
 人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。  目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。  しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。  事故から助けることで始まる活発少女との関係。  愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。  愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。  故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。 *本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。

処理中です...