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第15話
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俺は生活を変えた。
レンを助けられたわけじゃない、でも、自分が変われば何かが変わる気がした。
なにかが出来るようになる気がした。
それが何かは分からない。
1つだけ言える。
俺は人生で1番やる気が出ている。
普通の食生活に変えた事で一気に体重は90キロ未満まで減った。
俺が変えた事は歩く事と食事制限だけ、いや、普通に食べるようになっただけだ。
休日の朝になりずり落ちそうになるズボンを手で押さえながら台所に向かうと母さんが呆れたように言った。
「新しい服を買いなさい。ズボンを手で押さえて歩くのはおかしいでしょ」
レンの悲しそうな顔が頭をよぎった。
「大丈夫、制服はサイズを変えたから」
「私服も変えなさい。ユイちゃんに連絡するから、服に変えましょう」
「自分で選ぶから」
「ダメよ。フトシはオタクみたいな変な服しか買わないでしょう」
そう言って母さんはユイに連絡を始めた。
トーストを食べ、コーヒーを飲みながら父さんがにやにやと笑う。
「ほら、ユイちゃんが来る前に早く食べなさい」
「フトシ、父さんもその服は無理があると思うぞ」
これは、もう無理だな。
俺は諦めて食事を食べて制服に着替えた。
まともに着られる服がこれしかないのだ。
全部父さんと母さんから貰っている。
自転車から徒歩に変えて、食生活を変えても心がもやもやする。
「フトシ、ユイちゃんが来たわよ」
「今行くー」
玄関を出るとユイのフレアスカートと髪がそよ風でふわっと舞った。
いつもと違いポニーテールをほどいており少し大人っぽく感じる。
「悪い待たせた」
「うんう、待ってないよ」
「行こう」
2人で歩き出した。
「場所は決まってるのか?」
「駅のデパートに行こう」
「そっか、行こう」
「……」
「どうしたんだ?」
「夏休みで急に痩せたね」
「俺は、まだまだだから」
「性格も変わった気がする」
「もっと真剣にやろうと思っただけだぞ?まだ変えている途中だ」
「やっぱり変わったよ」
変わったのはユイとレンだ。
俺は、中学の頃に戦闘訓練をやらなかった。
……いや、前からユイとレンは凄かったんだろう。
結果が見えるようになっただけか。
コツコツ続けられる人間は強い。
ユイとレンは昔から凄かった。
「今は学校の近くにある中級ハザマに行ってるんだろ?」
「……うん」
「何かあったのか?」
「私ね、先輩やレンに付いていけなくて」
「それを言うなら俺が一番遅れているだろ。いや、暗い話はやめておこう」
「そうかも、うん、そうしよう。それじゃあバイキングとか」
「ユイには話しておくけど俺は本気でダイエットをしている」
「うんうん、そうなんだね。じゃあ、和食とか?」
「そうだな」
ユイには話しておくと言った瞬間にユイの機嫌がよくなった気がする。
本当はバイキングに行きたくなかったのか?
「でもその前に服を買おう。下着以外は全部買うからね」
「お願いします」
「……決めた」
「何が!」
「髪を切ろうよ。夏休み明けに前に見た目を変えようよ」
「まず痩せたいんだけど?」
「フトシは形から入るタイプだよね」
「そうだな、そう言われればそうか」
ダンスを始める時は服を揃えた。
料理を始めると言って無駄にコック帽を買い父さんと母さんに笑われた。
ちなみに今は全く使っていない。
俺は形から入るタイプだ。
俺はユイプロデューサーの元、髪を切り、清潔感のある無地の服を買った。
「うんうん、いいよ。今できる事は全部やった感じ」
「今できる事、か。今も朝と放課後にハザマに行っているのか?」
「そうだよ?」
ユイは悩んでいる。
中学の時から戦闘訓練を地道に続け、朝も午後もハザマに行って努力した上で悩んでいる。
俺は、ユイの気を紛らわそうと思っていた。
何か言える事はないかと考えていた。
でも、俺は努力していない。
夏休みで時間はあった、それなのにゴウタさんのハザマに毎日1回しか行っていない。
俺は、ユイに何も言えない。
ダイエットはまだ途中だ。
しかもユイの半分しか動いていない。
朝練すらしていない俺は何も言えない。
まずは自分が動こう。
そうしないとユイには何も言えない。
レンにも何も言えない。
自信をもって言いたい事を言える自分になろう。
本当は分かっていた、魔石を取り込めば毎日走っても膝が痛くなることはない。
魔石を食べる事=レベルアップだ。
魔石を取り込めば取り込むほど本気を出していない自分の行動が雑念に変わっていった。
俺はまだ全然本気を出していなかった。
本気を出そう。
「そうか……俺は」
「どうしたの?」
最近能力値が上がって体力が有り余っている。
気にしていた膝は全く、一切、これっぽっちも痛くならない。
膝を痛める予兆すらない。
本気を出していない自分が雑念になっていく。
そう言えば、母さんには昔から体が丈夫だと言われていた。
一日3食普通に食べてお菓子を辞めただけで急激に痩せた。
更に1日2回ハザマに行けば施設まで2往復して20キロのウォーキングかランニングになる。
その上で一日に2倍、いや、それ以上にハザマでゴブリンを狩る。
ゴウタさんの施設にあるゴブリンのハザマを狩り尽くす勢いでハザマダイエットを続けてみよう。
本当はどうすれば良いか分かっていた。
母さんが作ってくれた高たんぱく、低脂肪の食事。
毎日の運動、その積み重ねだ。
よく寝て質の良い食事と運動、望むだけで俺はすべて手に入った。
やればいいだけだ。
「俺ももう少し頑張ってみよう」
「え?もう充分頑張ってると思うけど」
「もう少し頑張ってみる。思ったより膝が痛くないし、俺も朝もハザマに行ってみる。ユイ、ありがとう」
「え?え?そ、そう?う、うん」
ユイは困惑したような顔で曖昧に頷いた。
レンを助けられたわけじゃない、でも、自分が変われば何かが変わる気がした。
なにかが出来るようになる気がした。
それが何かは分からない。
1つだけ言える。
俺は人生で1番やる気が出ている。
普通の食生活に変えた事で一気に体重は90キロ未満まで減った。
俺が変えた事は歩く事と食事制限だけ、いや、普通に食べるようになっただけだ。
休日の朝になりずり落ちそうになるズボンを手で押さえながら台所に向かうと母さんが呆れたように言った。
「新しい服を買いなさい。ズボンを手で押さえて歩くのはおかしいでしょ」
レンの悲しそうな顔が頭をよぎった。
「大丈夫、制服はサイズを変えたから」
「私服も変えなさい。ユイちゃんに連絡するから、服に変えましょう」
「自分で選ぶから」
「ダメよ。フトシはオタクみたいな変な服しか買わないでしょう」
そう言って母さんはユイに連絡を始めた。
トーストを食べ、コーヒーを飲みながら父さんがにやにやと笑う。
「ほら、ユイちゃんが来る前に早く食べなさい」
「フトシ、父さんもその服は無理があると思うぞ」
これは、もう無理だな。
俺は諦めて食事を食べて制服に着替えた。
まともに着られる服がこれしかないのだ。
全部父さんと母さんから貰っている。
自転車から徒歩に変えて、食生活を変えても心がもやもやする。
「フトシ、ユイちゃんが来たわよ」
「今行くー」
玄関を出るとユイのフレアスカートと髪がそよ風でふわっと舞った。
いつもと違いポニーテールをほどいており少し大人っぽく感じる。
「悪い待たせた」
「うんう、待ってないよ」
「行こう」
2人で歩き出した。
「場所は決まってるのか?」
「駅のデパートに行こう」
「そっか、行こう」
「……」
「どうしたんだ?」
「夏休みで急に痩せたね」
「俺は、まだまだだから」
「性格も変わった気がする」
「もっと真剣にやろうと思っただけだぞ?まだ変えている途中だ」
「やっぱり変わったよ」
変わったのはユイとレンだ。
俺は、中学の頃に戦闘訓練をやらなかった。
……いや、前からユイとレンは凄かったんだろう。
結果が見えるようになっただけか。
コツコツ続けられる人間は強い。
ユイとレンは昔から凄かった。
「今は学校の近くにある中級ハザマに行ってるんだろ?」
「……うん」
「何かあったのか?」
「私ね、先輩やレンに付いていけなくて」
「それを言うなら俺が一番遅れているだろ。いや、暗い話はやめておこう」
「そうかも、うん、そうしよう。それじゃあバイキングとか」
「ユイには話しておくけど俺は本気でダイエットをしている」
「うんうん、そうなんだね。じゃあ、和食とか?」
「そうだな」
ユイには話しておくと言った瞬間にユイの機嫌がよくなった気がする。
本当はバイキングに行きたくなかったのか?
「でもその前に服を買おう。下着以外は全部買うからね」
「お願いします」
「……決めた」
「何が!」
「髪を切ろうよ。夏休み明けに前に見た目を変えようよ」
「まず痩せたいんだけど?」
「フトシは形から入るタイプだよね」
「そうだな、そう言われればそうか」
ダンスを始める時は服を揃えた。
料理を始めると言って無駄にコック帽を買い父さんと母さんに笑われた。
ちなみに今は全く使っていない。
俺は形から入るタイプだ。
俺はユイプロデューサーの元、髪を切り、清潔感のある無地の服を買った。
「うんうん、いいよ。今できる事は全部やった感じ」
「今できる事、か。今も朝と放課後にハザマに行っているのか?」
「そうだよ?」
ユイは悩んでいる。
中学の時から戦闘訓練を地道に続け、朝も午後もハザマに行って努力した上で悩んでいる。
俺は、ユイの気を紛らわそうと思っていた。
何か言える事はないかと考えていた。
でも、俺は努力していない。
夏休みで時間はあった、それなのにゴウタさんのハザマに毎日1回しか行っていない。
俺は、ユイに何も言えない。
ダイエットはまだ途中だ。
しかもユイの半分しか動いていない。
朝練すらしていない俺は何も言えない。
まずは自分が動こう。
そうしないとユイには何も言えない。
レンにも何も言えない。
自信をもって言いたい事を言える自分になろう。
本当は分かっていた、魔石を取り込めば毎日走っても膝が痛くなることはない。
魔石を食べる事=レベルアップだ。
魔石を取り込めば取り込むほど本気を出していない自分の行動が雑念に変わっていった。
俺はまだ全然本気を出していなかった。
本気を出そう。
「そうか……俺は」
「どうしたの?」
最近能力値が上がって体力が有り余っている。
気にしていた膝は全く、一切、これっぽっちも痛くならない。
膝を痛める予兆すらない。
本気を出していない自分が雑念になっていく。
そう言えば、母さんには昔から体が丈夫だと言われていた。
一日3食普通に食べてお菓子を辞めただけで急激に痩せた。
更に1日2回ハザマに行けば施設まで2往復して20キロのウォーキングかランニングになる。
その上で一日に2倍、いや、それ以上にハザマでゴブリンを狩る。
ゴウタさんの施設にあるゴブリンのハザマを狩り尽くす勢いでハザマダイエットを続けてみよう。
本当はどうすれば良いか分かっていた。
母さんが作ってくれた高たんぱく、低脂肪の食事。
毎日の運動、その積み重ねだ。
よく寝て質の良い食事と運動、望むだけで俺はすべて手に入った。
やればいいだけだ。
「俺ももう少し頑張ってみよう」
「え?もう充分頑張ってると思うけど」
「もう少し頑張ってみる。思ったより膝が痛くないし、俺も朝もハザマに行ってみる。ユイ、ありがとう」
「え?え?そ、そう?う、うん」
ユイは困惑したような顔で曖昧に頷いた。
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