2 / 191
第2話
しおりを挟む
「やる気があるのはいい事だ。引率役に立候補させてくれないか?」
美人新人教師の雨宮いのり(アマミヤイノリ)が俺に近づいて来た。
髪の長さはセミロングで前髪を目の上で分けた清潔感のある髪型。
体型にぴったり合うスーツ
見た目は美人アナウンサーのようだ。
レンとユイが立ち上がった。
「アマミヤ先生、よろしくお願いします」
「先生、ご迷惑をおかけします」
3人にみんなの視線が集まる。
美男美女か、レンが羨ましい。
俺は、レンに嫉妬しているのか?
自分で勝手に太っているのに、痩せていてモテるレンに嫉妬してしまう。
そんな自分が嫌になる。
俺はその感情を見て見ぬふりをするように違う事を考えた。
良くなる事だけを考えよう。
ダイエットが出来れば俺も変われるかもしれない。
3人を見てそう思った。
◇
放課後になると4人でハザマがある施設に向かう。
ユイとアマミヤ先生が並んで楽しそうに話をする。
俺とレンは後ろをついていく。
「先生、今は入学シーズンで忙しいのに本当に助かりました」
「仕事だからな。それにハザマに行く積極性はいいと思うぞ」
「ハザマに行く許可がすんなり出て良かったです」
「そう、だな」
レンが前に出て会話に参加する。
「他の先生には僕が話をしたんだ。僕に父親が居なくて経済的に苦しい事と、ハザマ施設はユイの父がやっていて引率を協力してもらうよう話をしてあること、アマミヤ先生に引率をお願いした事、危なくなったら逃げる事を言ったら書類提出だけですぐ許可が出たよ」
高校入学一カ月まではハザマに行かない暗黙の了解がある。
許可を出す先生側としては問題を起こしたくない。
特に公務員は保守的だ。
でも、レンは先生に責任が行かないように持っていく事でうまく許可を取ったのだ。
自分が貧乏である事を言って許可を与えるしかないように持って行った。
しかも何か問題があった場合証拠が残るよう自分で書類を書いた。
「レン、いつもすげえな」
「早く働きたいからね。早く強くなって母さんを助けたいんだ」
「施設についたよ」
『初級ハザマ施設』と大きく青文字の看板が掲げられている。
その下に施設名が小さく表示されていた。
間違いがあれば人が死ぬため、初級ハザマ施設の文字だけはフォントの形から色まで統一されており、ルール違反があれば国の注意が入るのだ。
スマホをかざして建物に入ると武具やアイテムの売店があったが見ないようにした。
金が無いのだ。
宵越しの金は持たず、今を楽しく、それが俺の生き方だ。
「私が着替えるまで地下には入らないでくれ、ここで待機だ」
「「はい」」
俺は荷物をロッカーに入れて鏡に映った自分を見る。
横幅が広く、メガネをかけて髪はぼさぼさだ。
いかにもオタクのような見た目だ。
ハザマダイエットで痩せよう。
みんなには食事制限を勧められた。
確かに運動より食事の方が効果は高いらしい。
でも、二兎を追う者は一兎をも得ずだ!
俺は気持ちを切り替えて移動する。
少し待つと先生が着替えて出てきた。
凹凸のはっきりしたスタイルが目に飛び込んできた。
ダイバースーツのような見た目の青い防具を着ており、左腰には刀を2本差、右腰から太ももにかけてアイテム入れを取り付けてある。
冒険者の男性客が先生をちらちらと見る。
アマミヤ先生は、目立つよな。
「お父さんは扉の中にいるって」
「行くか」
地下室に降り、金庫のように厳重な扉に先生がスマホをかざすと扉がゆっくりと開く。
扉を通り過ぎると自動で扉が閉まり、また2つ目の厳重な扉にスマホをかざすと2つ目の扉が開いた。
二重の扉を抜けるとすぐに2人の見張りが居て、上を見ると監視カメラがいくつも設置されている。
かなり厳重な施設だが、これでも初心者向けの小規模施設なのだ。
ハザマは異界からモンスターがこの世界に侵入するための中継地点と言われている。
ハザマを放置するとモンスターがこの世界に出てくる。
見張り2人でモンスターを止められなかった場合厳重な二重扉は普通に突破される。
扉は冒険者が集まり包囲するまでの時間稼ぎをするためにあるのだ。
「生で始めてハザマの入り口を見た。緊張する」
「僕も緊張するよ」
周りを見渡すと100近い魔法陣が並ぶ、この魔法陣1つ1つがハザマへの入り口だ。
1つの魔法陣を見ると、地面に三角形の魔法陣が光り、くるくると回っている。
魔法陣によって光の色や強さが違っていた。
ユイの父、紬剛太(ツムギゴウタ)がニコッと笑って俺達に手を挙げた。
「よお!来たな、見習い冒険者!初のハザマ行きを案内するぜ!」
声が大きいし背が大きくてマッチョ、冒険者のイメージにぴったりだ。
美人新人教師の雨宮いのり(アマミヤイノリ)が俺に近づいて来た。
髪の長さはセミロングで前髪を目の上で分けた清潔感のある髪型。
体型にぴったり合うスーツ
見た目は美人アナウンサーのようだ。
レンとユイが立ち上がった。
「アマミヤ先生、よろしくお願いします」
「先生、ご迷惑をおかけします」
3人にみんなの視線が集まる。
美男美女か、レンが羨ましい。
俺は、レンに嫉妬しているのか?
自分で勝手に太っているのに、痩せていてモテるレンに嫉妬してしまう。
そんな自分が嫌になる。
俺はその感情を見て見ぬふりをするように違う事を考えた。
良くなる事だけを考えよう。
ダイエットが出来れば俺も変われるかもしれない。
3人を見てそう思った。
◇
放課後になると4人でハザマがある施設に向かう。
ユイとアマミヤ先生が並んで楽しそうに話をする。
俺とレンは後ろをついていく。
「先生、今は入学シーズンで忙しいのに本当に助かりました」
「仕事だからな。それにハザマに行く積極性はいいと思うぞ」
「ハザマに行く許可がすんなり出て良かったです」
「そう、だな」
レンが前に出て会話に参加する。
「他の先生には僕が話をしたんだ。僕に父親が居なくて経済的に苦しい事と、ハザマ施設はユイの父がやっていて引率を協力してもらうよう話をしてあること、アマミヤ先生に引率をお願いした事、危なくなったら逃げる事を言ったら書類提出だけですぐ許可が出たよ」
高校入学一カ月まではハザマに行かない暗黙の了解がある。
許可を出す先生側としては問題を起こしたくない。
特に公務員は保守的だ。
でも、レンは先生に責任が行かないように持っていく事でうまく許可を取ったのだ。
自分が貧乏である事を言って許可を与えるしかないように持って行った。
しかも何か問題があった場合証拠が残るよう自分で書類を書いた。
「レン、いつもすげえな」
「早く働きたいからね。早く強くなって母さんを助けたいんだ」
「施設についたよ」
『初級ハザマ施設』と大きく青文字の看板が掲げられている。
その下に施設名が小さく表示されていた。
間違いがあれば人が死ぬため、初級ハザマ施設の文字だけはフォントの形から色まで統一されており、ルール違反があれば国の注意が入るのだ。
スマホをかざして建物に入ると武具やアイテムの売店があったが見ないようにした。
金が無いのだ。
宵越しの金は持たず、今を楽しく、それが俺の生き方だ。
「私が着替えるまで地下には入らないでくれ、ここで待機だ」
「「はい」」
俺は荷物をロッカーに入れて鏡に映った自分を見る。
横幅が広く、メガネをかけて髪はぼさぼさだ。
いかにもオタクのような見た目だ。
ハザマダイエットで痩せよう。
みんなには食事制限を勧められた。
確かに運動より食事の方が効果は高いらしい。
でも、二兎を追う者は一兎をも得ずだ!
俺は気持ちを切り替えて移動する。
少し待つと先生が着替えて出てきた。
凹凸のはっきりしたスタイルが目に飛び込んできた。
ダイバースーツのような見た目の青い防具を着ており、左腰には刀を2本差、右腰から太ももにかけてアイテム入れを取り付けてある。
冒険者の男性客が先生をちらちらと見る。
アマミヤ先生は、目立つよな。
「お父さんは扉の中にいるって」
「行くか」
地下室に降り、金庫のように厳重な扉に先生がスマホをかざすと扉がゆっくりと開く。
扉を通り過ぎると自動で扉が閉まり、また2つ目の厳重な扉にスマホをかざすと2つ目の扉が開いた。
二重の扉を抜けるとすぐに2人の見張りが居て、上を見ると監視カメラがいくつも設置されている。
かなり厳重な施設だが、これでも初心者向けの小規模施設なのだ。
ハザマは異界からモンスターがこの世界に侵入するための中継地点と言われている。
ハザマを放置するとモンスターがこの世界に出てくる。
見張り2人でモンスターを止められなかった場合厳重な二重扉は普通に突破される。
扉は冒険者が集まり包囲するまでの時間稼ぎをするためにあるのだ。
「生で始めてハザマの入り口を見た。緊張する」
「僕も緊張するよ」
周りを見渡すと100近い魔法陣が並ぶ、この魔法陣1つ1つがハザマへの入り口だ。
1つの魔法陣を見ると、地面に三角形の魔法陣が光り、くるくると回っている。
魔法陣によって光の色や強さが違っていた。
ユイの父、紬剛太(ツムギゴウタ)がニコッと笑って俺達に手を挙げた。
「よお!来たな、見習い冒険者!初のハザマ行きを案内するぜ!」
声が大きいし背が大きくてマッチョ、冒険者のイメージにぴったりだ。
2
お気に入りに追加
667
あなたにおすすめの小説
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
男女比1:10000の貞操逆転世界に転生したんだが、俺だけ前の世界のインターネットにアクセスできるようなので美少女配信者グループを作る
電脳ピエロ
恋愛
男女比1:10000の世界で生きる主人公、新田 純。
女性に襲われる恐怖から引きこもっていた彼はあるとき思い出す。自分が転生者であり、ここが貞操の逆転した世界だということを。
「そうだ……俺は女神様からもらったチートで前にいた世界のネットにアクセスできるはず」
純は彼が元いた世界のインターネットにアクセスできる能力を授かったことを思い出す。そのとき純はあることを閃いた。
「もしも、この世界の美少女たちで配信者グループを作って、俺が元いた世界のネットで配信をしたら……」
目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう
果 一
ファンタジー
目立つことが大嫌いな男子高校生、篠村暁斗の通う学校には、アイドルがいる。
名前は芹なずな。学校一美人で現役アイドル、さらに有名ダンジョン配信者という勝ち組人生を送っている女の子だ。
日夜、ぼんやりと空を眺めるだけの暁斗とは縁のない存在。
ところが、ある日暁斗がダンジョンの下層でひっそりとモンスター狩りをしていると、SSクラスモンスターのワイバーンに襲われている小規模パーティに遭遇する。
この期に及んで「目立ちたくないから」と見捨てるわけにもいかず、暁斗は隠していた実力を解放して、ワイバーンを一撃粉砕してしまう。
しかし、近くに倒れていたアイドル配信者の芹なずなに目撃されていて――
しかも、その一部始終は生放送されていて――!?
《ワイバーン一撃で倒すとか異次元過ぎw》
《さっき見たらツイットーのトレンドに上がってた。これ、明日のネットニュースにも載るっしょ絶対》
SNSでバズりにバズり、さらには芹なずなにも正体がバレて!?
暁斗の陰キャ自由ライフは、瞬く間に崩壊する!
※本作は小説家になろう・カクヨムでも公開しています。両サイトでのタイトルは『目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう~バズりまくって陰キャ生活が無事終了したんだが~』となります。
※この作品はフィクションです。実在の人物•団体•事件•法律などとは一切関係ありません。あらかじめご了承ください。
錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。
いいたか
ファンタジー
小説家になろうにて130万PVを達成!
この世界『アレスディア』には天職と呼ばれる物がある。
戦闘に秀でていて他を寄せ付けない程の力を持つ剣士や戦士などの戦闘系の天職や、鑑定士や聖女など様々な助けを担ってくれる補助系の天職、様々な天職の中にはこの『アストレア王国』をはじめ、いくつもの国では不遇とされ虐げられてきた鍛冶師や錬金術師などと言った生産系天職がある。
これは、そんな『アストレア王国』で不遇な天職を賜ってしまった違う世界『地球』の前世の記憶を蘇らせてしまった一人の少年の物語である。
彼の行く先は天国か?それとも...?
誤字報告は訂正後削除させていただきます。ありがとうございます。
小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで連載中!
現在アルファポリス版は5話まで改稿中です。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。
昼寝部
キャラ文芸
天才子役として活躍した俺、夏目凛は、母親の死によって芸能界を引退した。
その数年後。俺は『読者モデル』の代役をお願いされ、妹のために今回だけ引き受けることにした。
すると発売された『読者モデル』の表紙が俺の写真だった。
「………え?なんで俺が『読モ』の表紙を飾ってんだ?」
これは、色々あって芸能界に復帰することになった俺が、世の女性たちを虜にする物語。
※『小説家になろう』にてリメイク版を投稿しております。そちらも読んでいただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる