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第55話
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配信を終わらせ、休憩をはさんで配信を再開した。
次はウエイブウォークの訓練を見る。
レベル6のみんなは見学をしている。
「まず新」
「やっと来たぜ!」
「うん、新は自分より強い人間と打ち合う事があまりない、樹と打ち合うくらいだ。そこでここにいるレベル6冒険者の先生と打ち合って欲しい。童子」
俺は童子の肩を叩いた。
「童子は新の先にいる人間だ。みんなを引き上げる事が出来る場所にいる、新を導くことが出来るかもしれない」
童子が褒められてやる気になっている。
『達也が童子の扱いをマスターしつつある』
『童子が嬉しそうに微笑んだ』
『新もやる気満々だ』
「任せてくれ!」
「へへへ! やってやるぜ!」
「黒魔法を使ってもいい! 本気でこい!」
「当然」
勢いのある2人が打ち合う。
『童子をうまく使っておる』
『ワイ、にやにやしながら見とる』
『2人は疲れるまで打ち合わせてればいいよ』
『新君、勝つ気でいるのが可愛い』
『犬扱いで草』
俺は解説する。
「新は勘が良い、童子もそういうタイプだと思う。パッと見ただけでざっくりとした正解を導く事が出来る。新は格上の相手と打ち合う事で伸びるだろう。出来ればハンドスピナーやデュラハンキラーの先生方とも打ち合って欲しいけど、無理か」
新が童子の連撃で防戦一方になる。
新が先に疲れて動けなくなるだろう。
「次、凜は豊香にショットの魔法を教えて欲しい」
「私が教えるの!?」
「うん、やってみて」
豊香が歩いてきた。
「達也さん、私が面倒だから凜ちゃんに押し付けてませんか?」
「……そんな事はない、今回は樹の訓練で手が離せなくなる。で、凜はこのまま伸びればいい感じになる、人を教えるのもうまいし教える事で発見があったりする」
凜は高い魔力容量がある今の訓練を継続で問題無いだろう。
「分かりました」
「出来れば誰か的になって避けて欲しいな」
ハンドスピナーの5人が前に出た。
「「我らが受けよう」」
5人同時にハンドスピナーを回した。
シュルシュルシュルシュル!
「うん、お願いします」
「我らにとってはご褒美だ」
ハンドスピナーのネタ発言でコメントが盛り上がる。
凜と豊香は普通に訓練を始めた。
凜のコミュ力が高すぎる。
ハンドスピナーは攻撃を受けて面白く吹き飛ぶ遊びを始めて配信を盛り上げる。
「樹、今日はピンポイントバリアの練習な」
「よろしくお願いします」
「うん、で前回は魔法弾が来るのに合わせて角度をつけたピンポイントバリアを発生させる所まで教えた」
「でも達也先生みたいに沢山は出せないよ」
「大丈夫だ、今回はそれの発展形をやって貰う、習得までには時間がかかると思う」
俺は右手をグー、左手をパーにしてパーをパンチした。
俺は樹にだけ分かる動きをしている事に気づいて我に返った。
「あ、左手のパーがバリアで右手のグーが相手が使ってくる魔法弾ね、今までがこんな感じ、角度をつけるだけだった」
『OK』
『これが達也の自然体か、好感が持てる』
『偉そうに言わないのが良き』
「で、今回はバリアをキャッチするように魔法弾がヒットする瞬間に下げる、新、バリアでやってみて」
樹がバリアを発生させる。
俺のパンチを新のピンポイントバリアがヒットの瞬間に下げた。
「で、キャッチをするように後ろに下げつつも手で弾くイメージでやってみて、バリアは同時に2つだけで全然問題無い、まずは2つを自在に操ろう」
「こ、こう、かな?」
俺は何度も樹のバリアをパンチしながら指導をする。
「違う、受け止めるタイミングをもっと引き付けて。回転させるんじゃなくて手で弾くイメージ、手はこう、ただ回転するんじゃなくて手で弾くイメージで、この動きをバリアで再現だ。良くなってきた。パンチを早くする、動きが乱れてきた。この速さでも弾けるようにしよう、バリアは2つだけ出せるようにすればいいから、ほら、2発同時に受けるとまた動きがぎこちなくなる。何度も何度も受けて慣れよう」
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
樹は2つのバリアを発生させて俺の攻撃を防ぐ。
樹にパンチを続けた。
樹はだらだらと汗を掻き、息を荒げる。
「はい休憩、頑張ったな」
樹はダラダラと汗を掻き地面に座り込む。
「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、ありがとう、ございました」
『逆ミット打ち』
『地獄やん! あれ絶対きついって!』
『達也は言うのは10秒とか言ってるけど絶対10秒どころじゃない手間がかかってるわ!』
『あそこまでやらないと指導にならないのか!』
『俺白魔法使いだけど今画面を見ながらやってみて心が折れた、2つを小さく出すだけできつい。これが冒険者レベル5の能力か』
『樹の持ち味は精密機械のような積み上げられた練度だからな、3人の持ち味を生かす訓練、全員オーダーメイドの訓練やで、手間がかかりまくりや!』
『樹君の苦しそうな顔にゾクゾクする』
『いつもさらっと言って済ませてるけど指示がめっちゃ細かい』
『しかも樹は杖無しでアレをやってるからな。樹も十分化け物だ』
『樹の訓練が解像度高すぎ』
ごうが話しかけてきた。
「達也、樹の訓練が解像度が高いと書き込みがあった」
「そうだぞ? 樹の長所は技量の高さだ。樹の技量ならもっと伸びる」
「凜にピンポイントバリアは教えないんだな」
「凜はシールド型のバリアを2つ同時に張る所までは教えている。凜は高い魔力容量があるから魔力容量をどんどん増やしてもらう方がいいと思ってる」
ごうは分かった上で質問をし配信を見ている人に間接的に説明をした。
分からない役は重要なのだ。
「皆、手を休めて集まって欲しい!」
ごうが皆を呼んだ。
次はウエイブウォークの訓練を見る。
レベル6のみんなは見学をしている。
「まず新」
「やっと来たぜ!」
「うん、新は自分より強い人間と打ち合う事があまりない、樹と打ち合うくらいだ。そこでここにいるレベル6冒険者の先生と打ち合って欲しい。童子」
俺は童子の肩を叩いた。
「童子は新の先にいる人間だ。みんなを引き上げる事が出来る場所にいる、新を導くことが出来るかもしれない」
童子が褒められてやる気になっている。
『達也が童子の扱いをマスターしつつある』
『童子が嬉しそうに微笑んだ』
『新もやる気満々だ』
「任せてくれ!」
「へへへ! やってやるぜ!」
「黒魔法を使ってもいい! 本気でこい!」
「当然」
勢いのある2人が打ち合う。
『童子をうまく使っておる』
『ワイ、にやにやしながら見とる』
『2人は疲れるまで打ち合わせてればいいよ』
『新君、勝つ気でいるのが可愛い』
『犬扱いで草』
俺は解説する。
「新は勘が良い、童子もそういうタイプだと思う。パッと見ただけでざっくりとした正解を導く事が出来る。新は格上の相手と打ち合う事で伸びるだろう。出来ればハンドスピナーやデュラハンキラーの先生方とも打ち合って欲しいけど、無理か」
新が童子の連撃で防戦一方になる。
新が先に疲れて動けなくなるだろう。
「次、凜は豊香にショットの魔法を教えて欲しい」
「私が教えるの!?」
「うん、やってみて」
豊香が歩いてきた。
「達也さん、私が面倒だから凜ちゃんに押し付けてませんか?」
「……そんな事はない、今回は樹の訓練で手が離せなくなる。で、凜はこのまま伸びればいい感じになる、人を教えるのもうまいし教える事で発見があったりする」
凜は高い魔力容量がある今の訓練を継続で問題無いだろう。
「分かりました」
「出来れば誰か的になって避けて欲しいな」
ハンドスピナーの5人が前に出た。
「「我らが受けよう」」
5人同時にハンドスピナーを回した。
シュルシュルシュルシュル!
「うん、お願いします」
「我らにとってはご褒美だ」
ハンドスピナーのネタ発言でコメントが盛り上がる。
凜と豊香は普通に訓練を始めた。
凜のコミュ力が高すぎる。
ハンドスピナーは攻撃を受けて面白く吹き飛ぶ遊びを始めて配信を盛り上げる。
「樹、今日はピンポイントバリアの練習な」
「よろしくお願いします」
「うん、で前回は魔法弾が来るのに合わせて角度をつけたピンポイントバリアを発生させる所まで教えた」
「でも達也先生みたいに沢山は出せないよ」
「大丈夫だ、今回はそれの発展形をやって貰う、習得までには時間がかかると思う」
俺は右手をグー、左手をパーにしてパーをパンチした。
俺は樹にだけ分かる動きをしている事に気づいて我に返った。
「あ、左手のパーがバリアで右手のグーが相手が使ってくる魔法弾ね、今までがこんな感じ、角度をつけるだけだった」
『OK』
『これが達也の自然体か、好感が持てる』
『偉そうに言わないのが良き』
「で、今回はバリアをキャッチするように魔法弾がヒットする瞬間に下げる、新、バリアでやってみて」
樹がバリアを発生させる。
俺のパンチを新のピンポイントバリアがヒットの瞬間に下げた。
「で、キャッチをするように後ろに下げつつも手で弾くイメージでやってみて、バリアは同時に2つだけで全然問題無い、まずは2つを自在に操ろう」
「こ、こう、かな?」
俺は何度も樹のバリアをパンチしながら指導をする。
「違う、受け止めるタイミングをもっと引き付けて。回転させるんじゃなくて手で弾くイメージ、手はこう、ただ回転するんじゃなくて手で弾くイメージで、この動きをバリアで再現だ。良くなってきた。パンチを早くする、動きが乱れてきた。この速さでも弾けるようにしよう、バリアは2つだけ出せるようにすればいいから、ほら、2発同時に受けるとまた動きがぎこちなくなる。何度も何度も受けて慣れよう」
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
樹は2つのバリアを発生させて俺の攻撃を防ぐ。
樹にパンチを続けた。
樹はだらだらと汗を掻き、息を荒げる。
「はい休憩、頑張ったな」
樹はダラダラと汗を掻き地面に座り込む。
「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、ありがとう、ございました」
『逆ミット打ち』
『地獄やん! あれ絶対きついって!』
『達也は言うのは10秒とか言ってるけど絶対10秒どころじゃない手間がかかってるわ!』
『あそこまでやらないと指導にならないのか!』
『俺白魔法使いだけど今画面を見ながらやってみて心が折れた、2つを小さく出すだけできつい。これが冒険者レベル5の能力か』
『樹の持ち味は精密機械のような積み上げられた練度だからな、3人の持ち味を生かす訓練、全員オーダーメイドの訓練やで、手間がかかりまくりや!』
『樹君の苦しそうな顔にゾクゾクする』
『いつもさらっと言って済ませてるけど指示がめっちゃ細かい』
『しかも樹は杖無しでアレをやってるからな。樹も十分化け物だ』
『樹の訓練が解像度高すぎ』
ごうが話しかけてきた。
「達也、樹の訓練が解像度が高いと書き込みがあった」
「そうだぞ? 樹の長所は技量の高さだ。樹の技量ならもっと伸びる」
「凜にピンポイントバリアは教えないんだな」
「凜はシールド型のバリアを2つ同時に張る所までは教えている。凜は高い魔力容量があるから魔力容量をどんどん増やしてもらう方がいいと思ってる」
ごうは分かった上で質問をし配信を見ている人に間接的に説明をした。
分からない役は重要なのだ。
「皆、手を休めて集まって欲しい!」
ごうが皆を呼んだ。
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