魔眼の剣士、少女を育てる為冒険者を辞めるも暴れてバズり散らかした挙句少女の高校入学で号泣する~30代剣士は世界に1人のトリプルジョブに至る~

ぐうのすけ

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第34話

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 あれえ?
 俺のチャンネル登録者数が100万を超えている!
 単調なゴーレムダンジョンに潜って数日、代り映えの無いダンジョン配信で皆飽きないのか?

 ウエイブウォークが俺のチャンネルを作る所を配信してくれたのと、マウンテンカノンを倒して警察のお世話になった……
 結構やらかしてるよな、俺。

 いや、待て待て父さんの言葉を思いだそう、調子に乗ってはいけない。
 今は最初のイベントが無くなっておっさんが淡々とモンスターを狩るだけの配信だ。
 配信の収入よりもあくまで冒険者としての積み上げ、そしてデュラハンを倒すために勘を取り戻す。
 地道に1歩1歩進んで行けばいいんだ。

 あ、奈良君から連絡だ。

 
 ◇


「おめでとうございます。冒険者レベル5に返り咲きです」

 パチパチパチパチ!

 カシャカシャカシャカシャ!

 冒険者組合に行くと奈良君が俺の冒険者カードを更新する。
 正確には新しく出来た実験的な制度を使ってのレベルアップになる為レベル5冒険者(仮)になる。

 そしてものすごい数のカメラとギャラリーに囲まれて拍手を受ける。
 いや、みんな誰?
 拍手している人誰?

「ゴーレムダンジョンが枯れてレベル5になった赤目達也さん、次の目標はありますか?」

 奈良君の言葉でカメラを持った人の視線が鋭くなる。
 獲物を狙う目だ。
 面白い事とか言って欲しいんだろうけどなんもない。

「いや、ただ毎日を積み重ねて戦いの勘を取り戻すだけだぞ?」
「具体的に、次はどこのダンジョンに行きますか?」
「ダンジョンってか、ごうの所に行く」

 カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ!

「デュラハン討伐の地ならし、白金豪己さんがいるスナイパーオークのダンジョンですね?」

 奈良君が解説をするように言った。

「そうそう」

 記者から質問が飛んでくる。

「次のダンジョンは何日で枯れさせますか?」
「分かりません」

「ついに豪己さんと達也さんが揃いますが今の心境をお願いします」
「焦らず1つ1つ積み重ねるだけです」

 何を言いたいのか分からなかったが今の心境を言った。

「向こうにはレベル6の冒険者パーティーデュラハンキラーがいますが彼らに何か一言アドバイスや言葉をお願いします」
「僕の方がレベルが下なのでかけられるアドバイスも言葉はありません。追いつけるように頑張ります」

「レベル6目前かと思いますが、心意気を一言お願いします」
「頑張ります」

 俺は意図の分からない質問に答えた後スナイパーオークのダンジョンに向かった。


 ◇


 ダンジョンの前にたどり着くとマスコミやその他の人であふれている。

「達也さん! ファンです!」
「今の意気込みをどうぞ!」
「目線をお願いします!」

 自衛隊が道を開ける。
 警察じゃなくて自衛隊が動いているのか。

「道を開けてください! 達也さん! 今の内に通ってください!」
「は、早く! あ! 前に出ないでください!」

 俺は自衛隊が作ってくれた道を通って何とかダンジョンに入った。
 ドローン5機を起動させて配信を始める。

『待ってた!』
『正座して待ってました。配信楽しみ』
『余裕で待機したワイは勝ち組!』

 コメントが増えて流れが早くなっていく。

「今からダンジョンなのでコメントを見る事は出来ません。ただダンジョンでモンスターを狩るだけなので退屈だとは思いますが始めます」

 俺はスマホをしまった。

『何も無いは無いと思うの』
『何もないと言いつつバズリ散らかす達也だからな』
『達也にとっては何もないんだろう。達也にとってはな』

『早速スナイパーオークをツインハンドで倒してる』
『全部ヘッドショットな件』
『硬いゴーレムを倒した時点で分かってた』
『あれえ、このダンジョンは遠距離攻撃とタフな体力を併せ持つ不人気ダンジョンなんだけどな?』

『サクサク進むよね』
『ドロップ品を拾う人を雇っても良いと思う。達也は拾う時間で多くのモンスターを倒せる』
『達也は自分で出来る事なら自分でやる感じがする。だから強くなれたのもあると思うから自分で全部やるのが悪いとは言い切れないな』

 奥に進むと人の気配があった。

「よう! 達也、良く来たな」
「ごう、それと」

 7人が俺とごうに向かって歩いてくる。

「俺はレベル6の冒険者パーティーデュラハンキラーのリーダー神童童子しんどうどうじだ」

 童子は20代くらいの剣士で背が高い。

「どうも、赤目達也です。よろしくお願いします」

 握手をした。

「早速だが勝負をしないか?」
「え? 急に?」
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