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第23話
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3人で朝食を食べる。
今日は高校の入学式で沙雪が高校の制服を着ている。
大きくなったなあ。
本当に大きくなった。
黒矢、白帆、沙雪は立派になったぞ。
もう涙が出そうだ。
「おじさん、今日は泣かないでね」
「駄目よ、達也さんは泣かないでって言っちゃ泣いちゃうから。しー!」
おばあちゃんが沙雪の唇を人差し指で塞いだ。
「もー!」
「今日はみんなで沙雪ちゃんの入学式を祝うわ」
俺は遠くを見て言った。
「今日から沙雪は寮生活か」
「わあ、こんなに遠い目をしている人始めて見たよ」
「今日も、いい日だ」
「豪己さんや凜さんも来るんだから、今から恥ずかしくなってきた」
俺のスマホから連絡が来た。
「後30分以内に来るらしい」
「おじさん、早く準備しないと!」
「男の準備はすぐ終わる」
「おばあちゃんは準備終わってるわ」
沙雪は俺とおばあちゃんを交互に見た後急いで食事を食べ、そして急いで用意を始めた。
ごうの車で高校に向かい体育館に座る。
俺、おばあちゃん、ごう、ウエイブウォークの3人が並んで座りその後ろには多くのマスコミがカメラを構え獲物を狙う目で見つめる。
先生が俺達に向かって歩いてくるマスコミを止める。
更に雇われた警備員も一緒にマスコミを止める。
「取材は入学式の後にお願いします! 入学式が終わるまではこのラインから出ないでください!」
「はみ出さないでください!」
「カメラのスペースが狭すぎる! 何とかしてくれ!」
「す、すぐに枠を広げます! 前に出ないでください!」
先生がラインテープを持って来てラインを広げていく。
予想より多いマスコミへの対応に追われているようだ。
入学式が始まり進行が進んだ。
「続きまして新入生の言葉をお願いします。市川沙雪さん、前へ」
「はい!」
俺は保護者として入学式の様子を見つめる。
沙雪が銀色のセミロングヘアを揺らして前に出る。
沙雪は入試の主席だ。
頑張ったんだ。
俺は両親のように立派じゃなかったけど娘は立派になったぞ。
俺は眉間を押さえて上を向いた。
沙雪には泣くなと言われたが無理なようだ。
最初は俺と目を合わせて貰えなかった。
小さな頃のようにジャンピング目覚ましをして貰う事はもう無い。
沙雪が大人になるのは嬉しい。
だが子供のままでいて欲しい気持ちとぶつかり合う。
いや、もう立派になった、なったんだ。
沙雪は立派に言葉を読み上げる。
「黒矢あ、白帆おおおお、沙雪は立派に、りっぱにいい、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあああああああああああああああああああああん!」
後ろからカメラのシャッターが切られる。
カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ!
無数のフラッシュを浴びながら俺は泣き続けた。
今日は高校の入学式で沙雪が高校の制服を着ている。
大きくなったなあ。
本当に大きくなった。
黒矢、白帆、沙雪は立派になったぞ。
もう涙が出そうだ。
「おじさん、今日は泣かないでね」
「駄目よ、達也さんは泣かないでって言っちゃ泣いちゃうから。しー!」
おばあちゃんが沙雪の唇を人差し指で塞いだ。
「もー!」
「今日はみんなで沙雪ちゃんの入学式を祝うわ」
俺は遠くを見て言った。
「今日から沙雪は寮生活か」
「わあ、こんなに遠い目をしている人始めて見たよ」
「今日も、いい日だ」
「豪己さんや凜さんも来るんだから、今から恥ずかしくなってきた」
俺のスマホから連絡が来た。
「後30分以内に来るらしい」
「おじさん、早く準備しないと!」
「男の準備はすぐ終わる」
「おばあちゃんは準備終わってるわ」
沙雪は俺とおばあちゃんを交互に見た後急いで食事を食べ、そして急いで用意を始めた。
ごうの車で高校に向かい体育館に座る。
俺、おばあちゃん、ごう、ウエイブウォークの3人が並んで座りその後ろには多くのマスコミがカメラを構え獲物を狙う目で見つめる。
先生が俺達に向かって歩いてくるマスコミを止める。
更に雇われた警備員も一緒にマスコミを止める。
「取材は入学式の後にお願いします! 入学式が終わるまではこのラインから出ないでください!」
「はみ出さないでください!」
「カメラのスペースが狭すぎる! 何とかしてくれ!」
「す、すぐに枠を広げます! 前に出ないでください!」
先生がラインテープを持って来てラインを広げていく。
予想より多いマスコミへの対応に追われているようだ。
入学式が始まり進行が進んだ。
「続きまして新入生の言葉をお願いします。市川沙雪さん、前へ」
「はい!」
俺は保護者として入学式の様子を見つめる。
沙雪が銀色のセミロングヘアを揺らして前に出る。
沙雪は入試の主席だ。
頑張ったんだ。
俺は両親のように立派じゃなかったけど娘は立派になったぞ。
俺は眉間を押さえて上を向いた。
沙雪には泣くなと言われたが無理なようだ。
最初は俺と目を合わせて貰えなかった。
小さな頃のようにジャンピング目覚ましをして貰う事はもう無い。
沙雪が大人になるのは嬉しい。
だが子供のままでいて欲しい気持ちとぶつかり合う。
いや、もう立派になった、なったんだ。
沙雪は立派に言葉を読み上げる。
「黒矢あ、白帆おおおお、沙雪は立派に、りっぱにいい、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあああああああああああああああああああああん!」
後ろからカメラのシャッターが切られる。
カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ!
無数のフラッシュを浴びながら俺は泣き続けた。
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