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投資はコツコツ続ける地味な作業だ
衰退するエルウィン王国
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俺達はエルウィン王国の王都にたどり着いた。
王都と言っても人口は1000程度で、ロングスパン領より規模は小さい。
エルフの多くが動物の狩りや採取で暮らしているので、定住派が少ないのだ。
「今から王城に案内しますわ。全員は入れないので、兵士代表のグレスさんと、ジュン様、それとマナ様だけ王城に行く形にしますわね」
「そうだな、全員入るのは無理がある」
城というより、少し大きめの屋敷と言った感じで、全部木で出来ている。
大きくは無いが、おしゃれで丸みを帯びたデザインはドリアード族の木の城を思い出す。
やはりマナも必須か。
ドリアード族はエルフに人気だ。
そうなる気はしていた。
マナが俺におんぶされる。
ウッドゴーレムは外に待機だ。
ウッドゴーレムは地面に足を埋めて休眠状態になる。
「おかあさ、母がこの国の王ですわ」
俺達は城に入る。
「おお!あなたがマナ様ですね!」
エルルの母と思われる女性がマナに近寄る。
エルルと似ているが、エルルよりきれい系だ。
エルルも綺麗ではあるが少し童顔なのだ。
「は!失礼!私はこの国の王、アルルです」
そう言ってマナの事をまるで赤ちゃんを可愛がるように撫でる。
取り巻きのおばあちゃんも集まり、お菓子を与え始めた。
「リンゴのタルト、食べるかい?」
「食べる」
「はちみつレモン、あるよ」
「飲む」
「み、皆さん、失礼ですよ!」
アルルが皆を注意するが孫が来た時のおばあちゃんのように皆話を聞かない。
「礼儀とかはガチガチじゃない方がこちらも助かる」
「アルル様、ダンジョンの消滅とこの国の案内をお願いします」
グレスが笑顔で言った。
グレスは紳士なんだよな。
「そうですね、エルル!案内と説明をするのです!」
丸投げだ。
そう言ってマナに集まった集団に入っていく。
「分かりましたわ。この王都を回りましょう」
俺とグレスはエルルの後に続く。
鍛冶工房にたどり着く。
「鍛冶工房か、エルフは斥候と魔法使いのイメージだけど、錬金術師も居るんだな」
「はい、確かに斥候と魔法使いは多いですが、他のジョブも居るんですよ」
「ジョブの多様性はあるのか」
「人間族に比べれば偏りはありますが、それでも多様性は確保されていますわね」
「しかもみんなレベルが高いのか」
「そうですわね。皆大人になる試練として中級ダンジョンの30階にパーティーで挑みますわ。
それが出来ない者は大人として認められませんわね。
「ジュン様がうさぎ族を助ける為、苦しみながら経験値投資のスキルを使う機会は無いかと思いますわ」
「ん?」
「小説に書いてありましたわ『俺はどんなに苦しい代償を負ってでもみんなを助ける』と叫ぶシーンが好きですわ」
……んんんんんんんん!!!
言ってないし!
「エルル、小説を見せてくれないか?」
「いけませんわ!個人で楽しみ、内容を言わない約束をした上で買いましたもの」
ウサットだな。
今回はラビイじゃなくウサットだ。
法や約束で縛って来るのはウサットのやり方だ。
俺達が工房から出ると、外から戻ってきたエルフのパーティーが居た。
「丁度いいですわ。狩りの成果も見学しますわね」
パーティーについて行くと、川の近くの解体場で狩ったうさぎや鳥、猪をストレージから出す。
魔物ではない普通の動物も居るのだ。
「ストレージも使えるのか」
「はい、ストレージを使える者を出来るだけパーティーに入れる伝統があるのですわ」
「生産系のジョブもパーティーに入れるか」
「そうですわね」
しっかりしている。
俺が王都のうさぎ族を助けた時は、生産ジョブを訓練する余裕が無かった為大きく伸びた。
だが、エルフはストレージを使い、生産ジョブのレベルも上げる伝統があるか。
生産ジョブを育成する手も使えない。
その後、王都を回ったが、俺のスキルはことごとく使えない事が分かった。
唯一アイテム投資だけは希望があるが、あのスキルは魔力を使う。
それに、今微妙に不足している物資を集めてセットしなければアイテム投資は使えない。
微妙に不足するアイテムを回収してしまえば、アイテムは本格的に不足する。
アイテム投資は前もって不足するアイテムを予想してセットしておく先見性があって初めて効果を発揮する。
俺はステータスを開いた。
ジュン 男
投資家 レベル 500
スキル
経験値投資
ストレージ
アイテム投資
時空魔法
幸運値 1000
戦闘力 500
経験値投資もストレージもアイテム投資も使えない。
残った時空魔法も範囲が狭く、発動に時間がかかりすぎ、大量の魔力を消費する。
今はフィルに魔力を供給している状態だ。
そもそもスキルをフルに使うのはまずい。
魔力を消費する。
俺のスキルで解決する計画はすべて潰れた。
そして、1つの大きな問題は見つからない。
王の権限が絶対という事も無く、貴族の腐敗のような事もない。
エルフは人口は少ないものの皆レベルが高い。
スキルの能力も高い。
その後物資や資材管理などの紙を見せてもらったが、この国には致命的に不足する素材も無かった。
微妙に不足する物資が複数あるといった感じだ。
人口はすぐに解決できない。
物資が複数微妙に足りないのもやりにくい。
まだこれだけが致命的に足りないという状況の方が解決しやすかった。
分かりやすく魔将がいる方がやりやすかった。
インサイダーのような分かりやすい腐敗があった方が分かりやすかった。
エルフの種としての衰退。
解決という意味では厄介だ。
「ジュン様、この国の問題をどう捉えますか?ご意見を頂きたいのですわ」
「大きな問題が無い、この国の問題、それは一言で言うと」
「一言で言うと?」
王都と言っても人口は1000程度で、ロングスパン領より規模は小さい。
エルフの多くが動物の狩りや採取で暮らしているので、定住派が少ないのだ。
「今から王城に案内しますわ。全員は入れないので、兵士代表のグレスさんと、ジュン様、それとマナ様だけ王城に行く形にしますわね」
「そうだな、全員入るのは無理がある」
城というより、少し大きめの屋敷と言った感じで、全部木で出来ている。
大きくは無いが、おしゃれで丸みを帯びたデザインはドリアード族の木の城を思い出す。
やはりマナも必須か。
ドリアード族はエルフに人気だ。
そうなる気はしていた。
マナが俺におんぶされる。
ウッドゴーレムは外に待機だ。
ウッドゴーレムは地面に足を埋めて休眠状態になる。
「おかあさ、母がこの国の王ですわ」
俺達は城に入る。
「おお!あなたがマナ様ですね!」
エルルの母と思われる女性がマナに近寄る。
エルルと似ているが、エルルよりきれい系だ。
エルルも綺麗ではあるが少し童顔なのだ。
「は!失礼!私はこの国の王、アルルです」
そう言ってマナの事をまるで赤ちゃんを可愛がるように撫でる。
取り巻きのおばあちゃんも集まり、お菓子を与え始めた。
「リンゴのタルト、食べるかい?」
「食べる」
「はちみつレモン、あるよ」
「飲む」
「み、皆さん、失礼ですよ!」
アルルが皆を注意するが孫が来た時のおばあちゃんのように皆話を聞かない。
「礼儀とかはガチガチじゃない方がこちらも助かる」
「アルル様、ダンジョンの消滅とこの国の案内をお願いします」
グレスが笑顔で言った。
グレスは紳士なんだよな。
「そうですね、エルル!案内と説明をするのです!」
丸投げだ。
そう言ってマナに集まった集団に入っていく。
「分かりましたわ。この王都を回りましょう」
俺とグレスはエルルの後に続く。
鍛冶工房にたどり着く。
「鍛冶工房か、エルフは斥候と魔法使いのイメージだけど、錬金術師も居るんだな」
「はい、確かに斥候と魔法使いは多いですが、他のジョブも居るんですよ」
「ジョブの多様性はあるのか」
「人間族に比べれば偏りはありますが、それでも多様性は確保されていますわね」
「しかもみんなレベルが高いのか」
「そうですわね。皆大人になる試練として中級ダンジョンの30階にパーティーで挑みますわ。
それが出来ない者は大人として認められませんわね。
「ジュン様がうさぎ族を助ける為、苦しみながら経験値投資のスキルを使う機会は無いかと思いますわ」
「ん?」
「小説に書いてありましたわ『俺はどんなに苦しい代償を負ってでもみんなを助ける』と叫ぶシーンが好きですわ」
……んんんんんんんん!!!
言ってないし!
「エルル、小説を見せてくれないか?」
「いけませんわ!個人で楽しみ、内容を言わない約束をした上で買いましたもの」
ウサットだな。
今回はラビイじゃなくウサットだ。
法や約束で縛って来るのはウサットのやり方だ。
俺達が工房から出ると、外から戻ってきたエルフのパーティーが居た。
「丁度いいですわ。狩りの成果も見学しますわね」
パーティーについて行くと、川の近くの解体場で狩ったうさぎや鳥、猪をストレージから出す。
魔物ではない普通の動物も居るのだ。
「ストレージも使えるのか」
「はい、ストレージを使える者を出来るだけパーティーに入れる伝統があるのですわ」
「生産系のジョブもパーティーに入れるか」
「そうですわね」
しっかりしている。
俺が王都のうさぎ族を助けた時は、生産ジョブを訓練する余裕が無かった為大きく伸びた。
だが、エルフはストレージを使い、生産ジョブのレベルも上げる伝統があるか。
生産ジョブを育成する手も使えない。
その後、王都を回ったが、俺のスキルはことごとく使えない事が分かった。
唯一アイテム投資だけは希望があるが、あのスキルは魔力を使う。
それに、今微妙に不足している物資を集めてセットしなければアイテム投資は使えない。
微妙に不足するアイテムを回収してしまえば、アイテムは本格的に不足する。
アイテム投資は前もって不足するアイテムを予想してセットしておく先見性があって初めて効果を発揮する。
俺はステータスを開いた。
ジュン 男
投資家 レベル 500
スキル
経験値投資
ストレージ
アイテム投資
時空魔法
幸運値 1000
戦闘力 500
経験値投資もストレージもアイテム投資も使えない。
残った時空魔法も範囲が狭く、発動に時間がかかりすぎ、大量の魔力を消費する。
今はフィルに魔力を供給している状態だ。
そもそもスキルをフルに使うのはまずい。
魔力を消費する。
俺のスキルで解決する計画はすべて潰れた。
そして、1つの大きな問題は見つからない。
王の権限が絶対という事も無く、貴族の腐敗のような事もない。
エルフは人口は少ないものの皆レベルが高い。
スキルの能力も高い。
その後物資や資材管理などの紙を見せてもらったが、この国には致命的に不足する素材も無かった。
微妙に不足する物資が複数あるといった感じだ。
人口はすぐに解決できない。
物資が複数微妙に足りないのもやりにくい。
まだこれだけが致命的に足りないという状況の方が解決しやすかった。
分かりやすく魔将がいる方がやりやすかった。
インサイダーのような分かりやすい腐敗があった方が分かりやすかった。
エルフの種としての衰退。
解決という意味では厄介だ。
「ジュン様、この国の問題をどう捉えますか?ご意見を頂きたいのですわ」
「大きな問題が無い、この国の問題、それは一言で言うと」
「一言で言うと?」
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