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安い時に買って高くなったら売る。それが出来れば金持ちだ
軍の縮小
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鉄問題が解決し、ダンジョンは1つ消滅された。
目標である最後1つの中級ダンジョンを残したが、問題が発生した。
俺はグレスの居る中級ダンジョンに向かった。
「グレス、今話しをしたいけどいいか?」
「大丈夫です」
「最後のダンジョンはきついだろ?」
「そうですね。街から距離が遠いです」
「それだけじゃなく魔物の発生数も多いだろ?ダンジョンは瘴気を吸い取って魔物を発生させる仕組みだが、周りのダンジョンが無くなった影響で瘴気が集まりやすくなっているはずだ」
「その通りです」
「更に最近領地周辺の魔物狩りがおろそかになっている。貴族から魔物狩りの要望も出ている」
「ダンジョン討伐の軍は解散でしょうか?」
「王と話をしてきたが、解散はしない。引き続きダンジョンの魔物狩りを続けて欲しい。だが、軍の縮小は行う。領地の魔物狩りは各貴族に行ってもらう予定だ。3000の軍を2000に縮小する」
「分かりました。すぐに準備を始めます」
「グレス」
「何でしょう?」
「無理はしなくていい。長い戦いになるからな。また様子を見て軍を縮小すると思う」
「分かりました」
こうして俺は王への連絡の為ダンジョンを出た。
◇
俺はまたグレスの元を訪れる。
「また軍の縮小が決まった」
「今度はどの程度でしょう?」
「1000に縮小して欲しい。そして、グレスの信頼できる者だけを選んで残して欲しい」
「分かりました」
「何度も言うが信頼できる者だけを残してくれ」
「何かあるのですね。分かりました」
「俺は用事があるから帰る」
「はい」
「グレス、王は時間がかかる事を分かっている。兵は消耗させず兵の疲労が溜まりすぎないようにして欲しい」
「何かの作戦ですか?」
「そうとも言えるが、皆には疲れすぎないようにとだけ伝えて欲しい」
「分かりました」
こうして俺は帰路についた。
◇
「グレス、元気でやっているか?」
「ええ、また軍の縮小ですか?」
「そうだ、次は500にしてくれ」
「分かりました」
「物資はどうなっている?」
「今紙を、これですね」
グレスから渡された紙を見た。
「……分かった」
足りそうなのは食料だけだ。
と言っても余裕があるわけではない。
インサイダーに供給されていたポーションは途中で無くなる。
各領地で魔物狩りを行う事でポーションの消費はさらに増えた。
更に各領の魔物狩りによって鉄の需要が上がった。
鉄の値段は高騰している。
「今から帰って王とインサイダーで会議がある」
「それは、大変ですね」
「ま、行って来るよ。この紙の写しを欲しい」
「すぐに用意させます」
【王都の会議室】
俺が会議室に入ると王とインサイダーが座っていた。
「内政の英雄よ。最期のダンジョンに苦戦しているようだな。なんでも兵の数を1000に縮小したと聞いた」
「さっき500に減らした」
「ははははは!大変ではないか。更に各地の魔物討伐を貴族に任せているようだな」
「仕方あるまい。女神の力が落ちているのだ。我々全員で一丸となり対処するほかあるまい」
「インサイダー。もっとポーションを送ってくれないか?」
俺の言葉にインサイダーは口角を釣り上げた。
「わしも協力したいのはやまやまではある。だが今までワシは破格の値段でポーションを供給してきた。これ以上はワシの領地の経営が厳しいのだ」
「だが、もう一息でダンジョンを消滅できるのだ」
「もう約束は果たした。これからは低価格でポーションを売ることは出来ん。今ワシが我が領地を魔物から守る必要がある。鉄も高騰しておる。物資の値段も上がった。ポーションだけ安く出すのは無理があるだろう」
「それは残念だ。所でグレスの500の軍の物資の状況だ。目を通してくれ」
インサイダーは紙に目を通して笑い出す。
「はははははは!ボロボロではないか!このままではすべての物資が枯渇する!内政の英雄にはさらに頑張ってもらわねばな!!」
【インサイダー視点】
やっとポーションが底をつく。
待ちに待った。
王都のポーションの在庫も時期尽きる事は確認済みだ。
グレスの軍のポーションが枯渇するのも時間の問題。
ワシはもう公爵の地位を取り戻した。
もうポーションを安値で渡す約束も果たしてある。
ロングスパン領からポーションは入ってきていない。
更に安くポーションを流したことで王都の錬金術師がポーション工房を閉めつつある。
半分以上の工房主が賃料を払えず出て行きおった。
ポーション作りをする者が工房を手放しつつある。
後は仕上げにワシが支度金を握らせてポーション工房を借り上げる。
金に困った工房主はワシの要望を飲む。
王都だけではない。
ロングスパン領の錬金術師もだ。
ポーションの値段が暴落した事でポーションを作るものは減った。
ポーションを作る多くの者がロングスパン領や王都の住宅の建設を行っておる。
更に鉄の供給不足により多くの錬金術師が鉱山に向かった。
ロングスパン領にもポーションを作るものは減っておる。
多くの錬金術師が工房を失ったタイミングでワシがポーションを高く売る。
ワシは女神に愛されておる。
魔物との戦いで鉄が不足した。
王都とロングスパン領に民が流れた結果住宅も不足した。
これによりポーションを作る錬金術師は多く職を変えおった。
これでワシはポーションの価格をコントロールできる。
ワシの逆襲が始まる!
インサイダーは気づいていない。
ジュンの作戦に。
目標である最後1つの中級ダンジョンを残したが、問題が発生した。
俺はグレスの居る中級ダンジョンに向かった。
「グレス、今話しをしたいけどいいか?」
「大丈夫です」
「最後のダンジョンはきついだろ?」
「そうですね。街から距離が遠いです」
「それだけじゃなく魔物の発生数も多いだろ?ダンジョンは瘴気を吸い取って魔物を発生させる仕組みだが、周りのダンジョンが無くなった影響で瘴気が集まりやすくなっているはずだ」
「その通りです」
「更に最近領地周辺の魔物狩りがおろそかになっている。貴族から魔物狩りの要望も出ている」
「ダンジョン討伐の軍は解散でしょうか?」
「王と話をしてきたが、解散はしない。引き続きダンジョンの魔物狩りを続けて欲しい。だが、軍の縮小は行う。領地の魔物狩りは各貴族に行ってもらう予定だ。3000の軍を2000に縮小する」
「分かりました。すぐに準備を始めます」
「グレス」
「何でしょう?」
「無理はしなくていい。長い戦いになるからな。また様子を見て軍を縮小すると思う」
「分かりました」
こうして俺は王への連絡の為ダンジョンを出た。
◇
俺はまたグレスの元を訪れる。
「また軍の縮小が決まった」
「今度はどの程度でしょう?」
「1000に縮小して欲しい。そして、グレスの信頼できる者だけを選んで残して欲しい」
「分かりました」
「何度も言うが信頼できる者だけを残してくれ」
「何かあるのですね。分かりました」
「俺は用事があるから帰る」
「はい」
「グレス、王は時間がかかる事を分かっている。兵は消耗させず兵の疲労が溜まりすぎないようにして欲しい」
「何かの作戦ですか?」
「そうとも言えるが、皆には疲れすぎないようにとだけ伝えて欲しい」
「分かりました」
こうして俺は帰路についた。
◇
「グレス、元気でやっているか?」
「ええ、また軍の縮小ですか?」
「そうだ、次は500にしてくれ」
「分かりました」
「物資はどうなっている?」
「今紙を、これですね」
グレスから渡された紙を見た。
「……分かった」
足りそうなのは食料だけだ。
と言っても余裕があるわけではない。
インサイダーに供給されていたポーションは途中で無くなる。
各領地で魔物狩りを行う事でポーションの消費はさらに増えた。
更に各領の魔物狩りによって鉄の需要が上がった。
鉄の値段は高騰している。
「今から帰って王とインサイダーで会議がある」
「それは、大変ですね」
「ま、行って来るよ。この紙の写しを欲しい」
「すぐに用意させます」
【王都の会議室】
俺が会議室に入ると王とインサイダーが座っていた。
「内政の英雄よ。最期のダンジョンに苦戦しているようだな。なんでも兵の数を1000に縮小したと聞いた」
「さっき500に減らした」
「ははははは!大変ではないか。更に各地の魔物討伐を貴族に任せているようだな」
「仕方あるまい。女神の力が落ちているのだ。我々全員で一丸となり対処するほかあるまい」
「インサイダー。もっとポーションを送ってくれないか?」
俺の言葉にインサイダーは口角を釣り上げた。
「わしも協力したいのはやまやまではある。だが今までワシは破格の値段でポーションを供給してきた。これ以上はワシの領地の経営が厳しいのだ」
「だが、もう一息でダンジョンを消滅できるのだ」
「もう約束は果たした。これからは低価格でポーションを売ることは出来ん。今ワシが我が領地を魔物から守る必要がある。鉄も高騰しておる。物資の値段も上がった。ポーションだけ安く出すのは無理があるだろう」
「それは残念だ。所でグレスの500の軍の物資の状況だ。目を通してくれ」
インサイダーは紙に目を通して笑い出す。
「はははははは!ボロボロではないか!このままではすべての物資が枯渇する!内政の英雄にはさらに頑張ってもらわねばな!!」
【インサイダー視点】
やっとポーションが底をつく。
待ちに待った。
王都のポーションの在庫も時期尽きる事は確認済みだ。
グレスの軍のポーションが枯渇するのも時間の問題。
ワシはもう公爵の地位を取り戻した。
もうポーションを安値で渡す約束も果たしてある。
ロングスパン領からポーションは入ってきていない。
更に安くポーションを流したことで王都の錬金術師がポーション工房を閉めつつある。
半分以上の工房主が賃料を払えず出て行きおった。
ポーション作りをする者が工房を手放しつつある。
後は仕上げにワシが支度金を握らせてポーション工房を借り上げる。
金に困った工房主はワシの要望を飲む。
王都だけではない。
ロングスパン領の錬金術師もだ。
ポーションの値段が暴落した事でポーションを作るものは減った。
ポーションを作る多くの者がロングスパン領や王都の住宅の建設を行っておる。
更に鉄の供給不足により多くの錬金術師が鉱山に向かった。
ロングスパン領にもポーションを作るものは減っておる。
多くの錬金術師が工房を失ったタイミングでワシがポーションを高く売る。
ワシは女神に愛されておる。
魔物との戦いで鉄が不足した。
王都とロングスパン領に民が流れた結果住宅も不足した。
これによりポーションを作る錬金術師は多く職を変えおった。
これでワシはポーションの価格をコントロールできる。
ワシの逆襲が始まる!
インサイダーは気づいていない。
ジュンの作戦に。
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