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安い時に買って高くなったら売る。それが出来れば金持ちだ
鉱山支援
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俺は文官とのやり取りが終わるとすぐに鉱山の洞窟に向かった。
鉱山洞窟に入ると音が聞こえる。
更に中に入るとマッスルとウサットの採掘の音が大きい。
ドゴン!ドゴン!ドゴンドゴゴン!
ガラガラガラガラー!!
「崩落が起きたぞ!」
砂煙が巻き起こり、岩からマッチョが出てくる。
「少し張り切りすぎましたかな」
「ウサット、やるようになったのであーる!」
何事も無かったようにマッチョ達は作業を再開する。
これは効率が悪い。
俺は大声で叫ぶ。
「ウサット!!! マッスル!!!今から錬金術師を呼んで洞窟の補強を行う!!!他に何か不足する物は無いか!?」
「申し訳ありません。まだこの領を把握していない為分かりません!!」
「問題無いのであーる!!」
「分かった!!出かけてくる!!」
「お願いいたします!ふぉおおおおおおおおお!!」
「任せたのであーる!うおおおおおおおおおお!!」
採掘のペースは上がったが洞窟の補強は必要だ。
マッチョが死ぬことは無いだろう。
だが崩落のたびに鉄鉱石を運び出すペースが落ちる。
俺は鉱山から出る。
「耳がキンキンする」
俺は走ってロングスパン領に戻る。
すぐにラビイ達を呼んでこよう。
「私が来たからにはもう大丈夫なのです!錬金術師部隊!すぐに洞窟の補強を始めるのです!」
ラビイと他の錬金術師で鉱山の通路を木で補強していくが、木材がどんどん無くなっていく。
まじで資材が減りに減っていく。
だが木で補強するだけでも大きな事故は減るだろう。
更に地面も慣らされて荷車での運ぶペースも上がる。
「むう!錬金術師が通路の補強を行っているようですな」
「負けてはいられないのであーる!更に掘り進めるのであーる!!!」
「「うおおおおおおおおおおおお!!!!」」
マッチョ達が採掘ペースを上げる。
「いや、勝負じゃないからな」
聞いてないか。
「ふふふ、まだなのです!地面を加工してトロッコを開通させるのです!!」
「これで私達の勝ちね」
「俺達の生産力の前に悔しがるマッチョの姿が目に浮かぶぜ」
ラビイ、お前もか。
トロッコが開通するが更に問題が発生する。
鉄で補強したトロッコが壊れ始めたのだ。
だがそれは多くの鉄鉱石を何度も何度も運び出した事を意味する。
鉄の生産量は増加しているのだ。
ラビイたちの前にマッチョが現れる。
「またトロッコが壊れちまった」
「たくさんトロッコを使い倒したからなあ」
「俺達の採掘能力にトロッコの性能が追い付いてこないって事だ!」
「この勝負、俺達の勝ちだぜ!」
「俺達の採掘能力に錬金術師は追いついてこれねーか。ま、無理もねーぜ!」
「帰った後の飯と酒が楽しみだ。はははははははははは!」
マッチョ達が立ち去るとラビイが怒りに震える。
「ラビイ、挑発は気にしなくて良い。皆成果を上げているしこれは勝負じゃない」
「……全部鉄にするです」
「ん?」
「全鉄製のトロッコを作ってやるですよ!これで簡単には壊れないです!」
鉄の生産を増やすために鉄のトロッコを作るか。
いや、鉄の供給は十分に増えている。
王都に十分鉄は運んでいる。
それに、もう作り始めてるし。
こうして鉄製のトロッコの運用が始まった。
【マッスル視点】
大変だ!
「どうしたのであーる?」
「鉄製のトロッコの運用が始まった!」
「何だって!これじゃあ錬金術師が洞窟の整備を終わらせちまう!」
「俺達も負けずに更に奥まで掘り進める」
「うろたえる必要は無いのであーる!!」
全員がマッスルを見つめる。
「確かに鉱山の整備は進んだのであーる!だが、鉄鉱石を鉄に変える為の生産には限りがあるのであーる!」
「そう言う事ですか。今まで錬金術師が押しているように見えましたが、整備が進み鉄鉱石の採掘量が増えました。その事によって製鉄施設が飽和しますな」
「そう言う事か。製鉄施設の建造は錬金術師の領域!」
「製鉄施設の製造で錬金術師の歩みは止まる!」
「その隙に俺達の採掘がぶっちぎる!」
マッスルが腕を上げると同時に全員が腕を上げる。
「一人は皆の筋肉の為に!」
「「一人は皆の筋肉の為に!」」
「皆は一人の筋肉の為に!」
「「皆は一人の筋肉の為に!」」
「「うおおおおおおおおおおおお!!!」
「マッスル子爵、さすがですな。全員の士気を大いに上げましたか」
「我は皆の筋肉の為に行ったにすぎんのであーる」
「ならば我々はマッスル子爵の筋肉の為に動きましょう」
こうしてマッチョと錬金術師のよく分からない勝負は続いた。
錬金術師が製鉄所を作っている間にマッチョ部隊が採掘を進める。
製鉄所を作り終わると錬金術師が追い上げる。
お互いの意地の張り合いが続く。
マッチョ達が無理をした事で食料の消費が急増する。
俺はロングスパン領に戻って大量の食材を補給しに戻る。
俺が大量の食料をストレージに入れ鉱山に戻ると日が沈むころには皆ぐっすり眠っていた。
「これで食料の受け渡しは終わりだ」
「ありがとうございます」
すっかり仲良くなった文官がお礼を言って来る。
「大変だ!!大量のロックゴーレムが現れたああああ!」
兵士がすぐに聞き取りを開始する。
「数は!?どこから出た!?」
「数は、わ、分かりません!みんなで必死で逃げて来ました。鉱山の洞窟から出ました!」
「避難は終わったか!」
「皆逃げ終わりました」
「出番であるなあ!」
「私も行きましょう」
マッスルとウサットが武器を持って鉱山に向かう。
「鉱山の採掘で疲れているだろ?」
「何の、まだまだ動けます」
「魔物を倒すのも領主の務めであーる」
「俺も行こう」
3人で鉱山に向かうと洞窟の入り口に数十人の兵がロックゴーレムと闘う。
1メートルから3メートルと大きさがまちまちのゴーレムが人に襲い掛かる。
ウサットとマッスルがすぐにロックゴーレムの魔物を倒した。
戦闘が終わると兵士が叫ぶ。
「「我々も行きます!」」
「3人で十分だ」
「だが、」
「マッスル様、ジュン様がいれば3人だけで大丈夫です。危なくなったら入り口まで走ります」
「分かったのであーる!皆待機であーる!器具の治療を行うのであーる!」
洞窟に入ると魔道具の照明で洞窟が薄暗く光っている。
ロックゴーレムが俺を見つけて襲い掛かって来る。
俺は一瞬で距離を詰めてロックゴーレムにパンチを叩きこんだ。
ロックゴーレムは霧に変わり、地面に落ちる前の魔石をキャッチした。
マッスルは俺の戦いを見て頷く。
「そう言う事であるか」
「はい。ジュン様こそが真の英雄にして魔王への切り札。今はお力を隠しておられます。ここに走って到着した際も余力を残して走っておりました」
順調にロックゴーレムを倒して崩落現場まで向かうと、雄たけびが聞こえる。
ぐおおおおおおおおおおおおおおおお!!
大きな岩の手が俺の居る通路を殴る。
俺に届く前に通路に引っかかって手が止まった。
「行って来る」
大きな手が引っ込んだ瞬間に俺が中に入るとそこは大部屋になっていた。
そこには40メートルを超えるロックゴーレムが居た。
俺が思いっきり飛んで胸を殴ると、胸が霧のように消えて魔石が何個もが地面に落ちる。
空いた胸の穴に小さいゴーレムが昇り、大きなゴーレムの一部に体の形を変えていく。
「そう言う事か。こいつはロックゴーレムの集合体。全部殴ればいいのか。簡単だな」
ドゴン!バキン!ゴキン!ドッゴオ!
俺は何度も何度も殴る。
そのたびに地面に魔石が落ちる。
何度も蹴る。
そのたびにロックゴーレムの腕と足が欠けていく。
ロックゴーレムの右足を何度も殴って消滅させ、左足だけになった瞬間に左足に連撃をぶちかます。
地面に押し倒すように飛んで胸を蹴る。
地面に倒れたロックゴーレムに上から連撃を浴びせて消滅させていく。
残った体が人型に変わって襲い掛かって来るがそれもすべて殴り倒す。
大部屋に居る大きいゴーレムも小さいゴーレムも全滅し、静寂に包まれた。
マッスルが声をかけてくる。
「ジュン殿は投資家と聞いた。筋肉スキルはあるのであるか?」
「いや、筋力アップとか身体強化とかそういうのは無い」
マッスルが涙を流す。
男泣きである。
「ここまで、作り上げたか。筋肉スキル無しで、ここまで筋肉道を突き進んできたか」
「いや、俺のレベルは」
「言葉は不要であーる!!!何も言わずとも分かる!分かるのであーる!」
ウサットがマッスルの肩に手を当てる。
「ジュン様は筋肉スキル無しに、苦行を乗り越え、あの体に筋肉道を宿したのです。筋肉の扉を開いたのです!」
ウサットも男泣きする。
ウサットとマッスルはヒシと抱き合い、腕を掲げるように握手した。
「……魔石、拾おうかな」
俺は2人から距離を取りつつ魔石を拾った。
「2人とも、そろそろいいか?」
「筋肉の話はもう分かった!言わなくても伝わってきたのであーる!積み上げた筋肉の重みは言わずとも伝わったのであーる!」
「そっちじゃねえよ!!この大部屋だ!鉄鉱石だらけだ」
「そうですなあ。この大部屋の鉄鉱石を掘り尽くす頃には私の筋肉の扉が更に開かれると言う事ですかな?」
「いったん離れよう。筋肉から頭を切り離せ」
「無心になって体を動かす事も筋肉に必要なのであーる!」
駄目だ。
話がかみ合わない。
「……帰ろうか」
なんだろ?
ゴーレム戦より話をしている方が疲れるんだけど?
その後大量の鉄が供給されたが、マッチョの食欲は増加した。
資材と食料を消費しつつ鉄不足問題は解決した。
鉄の供給量の増加と引き換えに他の物資を失った。
鉱山洞窟に入ると音が聞こえる。
更に中に入るとマッスルとウサットの採掘の音が大きい。
ドゴン!ドゴン!ドゴンドゴゴン!
ガラガラガラガラー!!
「崩落が起きたぞ!」
砂煙が巻き起こり、岩からマッチョが出てくる。
「少し張り切りすぎましたかな」
「ウサット、やるようになったのであーる!」
何事も無かったようにマッチョ達は作業を再開する。
これは効率が悪い。
俺は大声で叫ぶ。
「ウサット!!! マッスル!!!今から錬金術師を呼んで洞窟の補強を行う!!!他に何か不足する物は無いか!?」
「申し訳ありません。まだこの領を把握していない為分かりません!!」
「問題無いのであーる!!」
「分かった!!出かけてくる!!」
「お願いいたします!ふぉおおおおおおおおお!!」
「任せたのであーる!うおおおおおおおおおお!!」
採掘のペースは上がったが洞窟の補強は必要だ。
マッチョが死ぬことは無いだろう。
だが崩落のたびに鉄鉱石を運び出すペースが落ちる。
俺は鉱山から出る。
「耳がキンキンする」
俺は走ってロングスパン領に戻る。
すぐにラビイ達を呼んでこよう。
「私が来たからにはもう大丈夫なのです!錬金術師部隊!すぐに洞窟の補強を始めるのです!」
ラビイと他の錬金術師で鉱山の通路を木で補強していくが、木材がどんどん無くなっていく。
まじで資材が減りに減っていく。
だが木で補強するだけでも大きな事故は減るだろう。
更に地面も慣らされて荷車での運ぶペースも上がる。
「むう!錬金術師が通路の補強を行っているようですな」
「負けてはいられないのであーる!更に掘り進めるのであーる!!!」
「「うおおおおおおおおおおおお!!!!」」
マッチョ達が採掘ペースを上げる。
「いや、勝負じゃないからな」
聞いてないか。
「ふふふ、まだなのです!地面を加工してトロッコを開通させるのです!!」
「これで私達の勝ちね」
「俺達の生産力の前に悔しがるマッチョの姿が目に浮かぶぜ」
ラビイ、お前もか。
トロッコが開通するが更に問題が発生する。
鉄で補強したトロッコが壊れ始めたのだ。
だがそれは多くの鉄鉱石を何度も何度も運び出した事を意味する。
鉄の生産量は増加しているのだ。
ラビイたちの前にマッチョが現れる。
「またトロッコが壊れちまった」
「たくさんトロッコを使い倒したからなあ」
「俺達の採掘能力にトロッコの性能が追い付いてこないって事だ!」
「この勝負、俺達の勝ちだぜ!」
「俺達の採掘能力に錬金術師は追いついてこれねーか。ま、無理もねーぜ!」
「帰った後の飯と酒が楽しみだ。はははははははははは!」
マッチョ達が立ち去るとラビイが怒りに震える。
「ラビイ、挑発は気にしなくて良い。皆成果を上げているしこれは勝負じゃない」
「……全部鉄にするです」
「ん?」
「全鉄製のトロッコを作ってやるですよ!これで簡単には壊れないです!」
鉄の生産を増やすために鉄のトロッコを作るか。
いや、鉄の供給は十分に増えている。
王都に十分鉄は運んでいる。
それに、もう作り始めてるし。
こうして鉄製のトロッコの運用が始まった。
【マッスル視点】
大変だ!
「どうしたのであーる?」
「鉄製のトロッコの運用が始まった!」
「何だって!これじゃあ錬金術師が洞窟の整備を終わらせちまう!」
「俺達も負けずに更に奥まで掘り進める」
「うろたえる必要は無いのであーる!!」
全員がマッスルを見つめる。
「確かに鉱山の整備は進んだのであーる!だが、鉄鉱石を鉄に変える為の生産には限りがあるのであーる!」
「そう言う事ですか。今まで錬金術師が押しているように見えましたが、整備が進み鉄鉱石の採掘量が増えました。その事によって製鉄施設が飽和しますな」
「そう言う事か。製鉄施設の建造は錬金術師の領域!」
「製鉄施設の製造で錬金術師の歩みは止まる!」
「その隙に俺達の採掘がぶっちぎる!」
マッスルが腕を上げると同時に全員が腕を上げる。
「一人は皆の筋肉の為に!」
「「一人は皆の筋肉の為に!」」
「皆は一人の筋肉の為に!」
「「皆は一人の筋肉の為に!」」
「「うおおおおおおおおおおおお!!!」
「マッスル子爵、さすがですな。全員の士気を大いに上げましたか」
「我は皆の筋肉の為に行ったにすぎんのであーる」
「ならば我々はマッスル子爵の筋肉の為に動きましょう」
こうしてマッチョと錬金術師のよく分からない勝負は続いた。
錬金術師が製鉄所を作っている間にマッチョ部隊が採掘を進める。
製鉄所を作り終わると錬金術師が追い上げる。
お互いの意地の張り合いが続く。
マッチョ達が無理をした事で食料の消費が急増する。
俺はロングスパン領に戻って大量の食材を補給しに戻る。
俺が大量の食料をストレージに入れ鉱山に戻ると日が沈むころには皆ぐっすり眠っていた。
「これで食料の受け渡しは終わりだ」
「ありがとうございます」
すっかり仲良くなった文官がお礼を言って来る。
「大変だ!!大量のロックゴーレムが現れたああああ!」
兵士がすぐに聞き取りを開始する。
「数は!?どこから出た!?」
「数は、わ、分かりません!みんなで必死で逃げて来ました。鉱山の洞窟から出ました!」
「避難は終わったか!」
「皆逃げ終わりました」
「出番であるなあ!」
「私も行きましょう」
マッスルとウサットが武器を持って鉱山に向かう。
「鉱山の採掘で疲れているだろ?」
「何の、まだまだ動けます」
「魔物を倒すのも領主の務めであーる」
「俺も行こう」
3人で鉱山に向かうと洞窟の入り口に数十人の兵がロックゴーレムと闘う。
1メートルから3メートルと大きさがまちまちのゴーレムが人に襲い掛かる。
ウサットとマッスルがすぐにロックゴーレムの魔物を倒した。
戦闘が終わると兵士が叫ぶ。
「「我々も行きます!」」
「3人で十分だ」
「だが、」
「マッスル様、ジュン様がいれば3人だけで大丈夫です。危なくなったら入り口まで走ります」
「分かったのであーる!皆待機であーる!器具の治療を行うのであーる!」
洞窟に入ると魔道具の照明で洞窟が薄暗く光っている。
ロックゴーレムが俺を見つけて襲い掛かって来る。
俺は一瞬で距離を詰めてロックゴーレムにパンチを叩きこんだ。
ロックゴーレムは霧に変わり、地面に落ちる前の魔石をキャッチした。
マッスルは俺の戦いを見て頷く。
「そう言う事であるか」
「はい。ジュン様こそが真の英雄にして魔王への切り札。今はお力を隠しておられます。ここに走って到着した際も余力を残して走っておりました」
順調にロックゴーレムを倒して崩落現場まで向かうと、雄たけびが聞こえる。
ぐおおおおおおおおおおおおおおおお!!
大きな岩の手が俺の居る通路を殴る。
俺に届く前に通路に引っかかって手が止まった。
「行って来る」
大きな手が引っ込んだ瞬間に俺が中に入るとそこは大部屋になっていた。
そこには40メートルを超えるロックゴーレムが居た。
俺が思いっきり飛んで胸を殴ると、胸が霧のように消えて魔石が何個もが地面に落ちる。
空いた胸の穴に小さいゴーレムが昇り、大きなゴーレムの一部に体の形を変えていく。
「そう言う事か。こいつはロックゴーレムの集合体。全部殴ればいいのか。簡単だな」
ドゴン!バキン!ゴキン!ドッゴオ!
俺は何度も何度も殴る。
そのたびに地面に魔石が落ちる。
何度も蹴る。
そのたびにロックゴーレムの腕と足が欠けていく。
ロックゴーレムの右足を何度も殴って消滅させ、左足だけになった瞬間に左足に連撃をぶちかます。
地面に押し倒すように飛んで胸を蹴る。
地面に倒れたロックゴーレムに上から連撃を浴びせて消滅させていく。
残った体が人型に変わって襲い掛かって来るがそれもすべて殴り倒す。
大部屋に居る大きいゴーレムも小さいゴーレムも全滅し、静寂に包まれた。
マッスルが声をかけてくる。
「ジュン殿は投資家と聞いた。筋肉スキルはあるのであるか?」
「いや、筋力アップとか身体強化とかそういうのは無い」
マッスルが涙を流す。
男泣きである。
「ここまで、作り上げたか。筋肉スキル無しで、ここまで筋肉道を突き進んできたか」
「いや、俺のレベルは」
「言葉は不要であーる!!!何も言わずとも分かる!分かるのであーる!」
ウサットがマッスルの肩に手を当てる。
「ジュン様は筋肉スキル無しに、苦行を乗り越え、あの体に筋肉道を宿したのです。筋肉の扉を開いたのです!」
ウサットも男泣きする。
ウサットとマッスルはヒシと抱き合い、腕を掲げるように握手した。
「……魔石、拾おうかな」
俺は2人から距離を取りつつ魔石を拾った。
「2人とも、そろそろいいか?」
「筋肉の話はもう分かった!言わなくても伝わってきたのであーる!積み上げた筋肉の重みは言わずとも伝わったのであーる!」
「そっちじゃねえよ!!この大部屋だ!鉄鉱石だらけだ」
「そうですなあ。この大部屋の鉄鉱石を掘り尽くす頃には私の筋肉の扉が更に開かれると言う事ですかな?」
「いったん離れよう。筋肉から頭を切り離せ」
「無心になって体を動かす事も筋肉に必要なのであーる!」
駄目だ。
話がかみ合わない。
「……帰ろうか」
なんだろ?
ゴーレム戦より話をしている方が疲れるんだけど?
その後大量の鉄が供給されたが、マッチョの食欲は増加した。
資材と食料を消費しつつ鉄不足問題は解決した。
鉄の供給量の増加と引き換えに他の物資を失った。
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