深刻な女神パワー不足によりチートスキルを貰えず転移した俺だが、そのおかげで敵からマークされなかった

ぐうのすけ

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安い時に買って高くなったら売る。それが出来れば金持ちだ

サマーフェスタ3000

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 ウサットのお祭りの指示が落ち着くと、俺はウサット、そして9人のうさぎ族メイドと共に中級ダンジョンの30階に向かった。
 全員と経験値投資の契約を結び戦闘力は10ポイントアップしている。
 
 ポーションの生産は増加した。
 それに上限までアイテム投資にセットしてある。

 次に足りない魔石を集める為とウサットの筋肉スキルを上げる為魔物と闘っている。

 魔石は高く売れるのはもちろんの事、魔力の代用として使用できる。
 瞬間的に魔力を引き出す必要がある戦闘には向かない。
 だが錬金術や植物の成長促進などを魔石の魔力を使って行うことが出来る。
 更に魔道具の材料にも使われる。

 魔石はこの世界のエネルギーなのだ。


 ウサットはファーマーだが何故か筋肉系のスキルを多く覚える。
 クワを持っているし農業も出来るが戦闘ジョブと言っていいほど戦いに向いていた。

 今もクワで魔物を惨殺している。
 うさぎ族のメイド達も魔物を狩る。
 俺は魔物の注意を引き付けてウサット達の元におびき寄せる役を買って出た。

「もう1セット行けるか?」
「どんどん行きましょう!」
「「行けるよ」」



 魔物狩りが終わるとウサットは自分の筋肉を確かめるように腕に力こぶを作る。

「満足できたか?」
「ええ、心遣い、感謝します。筋肉も喜んでおります」

「そ、そうか。明日は帰還するか?」
「そうですな。サマーフェスタ3000とそして」
「そして?」
「筋肉会合もありますので」

 サマーフェスタ3000は領民3000人突破のお祭りだ。
 それはいい。
 だが筋肉会合ってなんだ!?
 何をやってるんだ?
 興味がありすぎる。

「ウサット、俺の筋肉はそこまでないが、筋肉会合を見学しに行っていいか?」
「ジュン様、筋肉の前では皆平等です。ぜひともご参加をお待ちしております」
「いや、参加は遠慮するが、見学をしたい」
「そうですか。ぜひともお待ちしております」

「そ、そうか。ウサットの食事を早めに出してくれ。10人前で頼む」
「ジュン様、あなたはやはり筋肉道を分かっていらっしゃる」
「そうか、今日はたくさん食べて休んでくれ」

 ウサットはたくさんの食事を摂り、入浴して眠った。
 ウサットが眠った瞬間 メイド全員が俺の所に寄ってきた。

「そろそろしよっか」
「今日は気絶するまでして欲しい」
「日付が変わるまで良いよね?」





 俺はこうして朝起きてダンジョンを後にした。

 俺達がダンジョンから出るとホラ貝が鳴る。
 そして花火が打ち上る。

「始まったようですな」
「ジュンが帰って来てからサマフェスをする手はずだったんだよ」

 そこにマッチョの男が現れた。

「ウサットさん、あんたの出番が来たようだぜ。筋肉腕相撲の開催だ!」
「血がたぎりますなあ!」
「こっちだ!もちろんウサットさんはシードだぜ!」



 会場に着くと、イベントとして腕相撲大会が開かれていた。

「筋肉腕相撲の予選受付はこちらになっております!力自慢の方はご参加ください」

 フィルは司会をしている。

 ラビイは賭けの会場を運営していた。
 魔石をせしめる気だろう。
 さすが、大雑把で法の整備されていない世界だ。
 何でもありか。

「さあ、試合が始まるですよ!うまくいけばお金を増やすチャンスなのです!」

 賭けはにぎわっている。
 運営元を仕切ったらそれ、絶対儲かるやつだろ!

 ラビイの横ではマナは並んでいるエルフと握手をして、終わるとエルフがお金を置いていく。
 まるでお布施だ。

「ドリアードTシャツを販売しているのです。期間限定なのです」

 マナと握手が終わったエルフにラビイが赤いTシャツを売っていく。
 通常の3倍の値段だが売れ行きは好調だ。

「シャドウ!焼き鳥を買って来るにゃあ」

 リースは俺の腕に絡みついて来てシャドウに屋台の食べ物を買ってこさせる。
 しかも何故かビキニを着ている。
 意味が分からない。


 どん!どん!どん!どん!どんどんどんどんどんどん!
 
 マッチョが半裸で太鼓を叩く。

「筋肉腕相撲!かあーいいさあーい!!」

 マッチョが声を合わせて叫ぶ。

 筋肉腕相撲開催の合図か。
 トーナメントを見るとウサットがシードだがトップ8の所までシードになっている。

 そしてウサットはきりっとした顔で筋肉相撲の会場を腕組みして見守る。

 この祭りは色々おかしいぞ。
 フィル以外全員突っ込む部分が多すぎる!

 いや、みんな笑顔だ。
 よしとしよう。

 筋肉相撲が進み、ベスト8が決まると休憩となった。

 ラビイがニマニマしながら近づいてきた。

「これでいっぱい錬金術を使えるです。たくさん儲けが出たですよ」

 マナが俺におんぶされに来る。

「次は余興のゴーレムファイトなのです。私の作った8体のゴーレムで戦い、賭けをしてもらうです。どのゴーレムが強いかは全部わかっているのです。賭け運営の利益と私の賭けの分で二重に儲けるのです」

「ラビイ、あんまりやると幸運値が下がるぞ」
「大丈夫なのです。それにどっちも本気で戦うので勝敗は分からないのです。幸運値は少ししか下がらないですよ」
「下がるんじゃないか」

「それにゴーレムの耐久力テストにもなるです。ゴーレムは壊れるので大きな利益は出ないのですよ」

 そう言ってラビイは賭けの運営会場に戻っていく。

「次はゴーレムファイトなのです!賭けの会場はこちらなのです!」

 5メートルほどの円形の闘技場の周りに小さいゴーレム8体が並べられていく。

 小さいゴーレム同士が1対1で戦い、その勝敗を賭けていく。
 すべてのゴーレムがハンマーを装備しており、完全にゴーレムが破壊されるまで勝負は続く。
 前にゴーレムを作っていた時より動きが滑らかになっている。
 完全に二足歩行してステップを踏み走っている。
 見ていて飽きない。

 思っていたより面白い。
 会場も盛り上がる。

 ラビイは高い勝率で賭けに勝ち、更に賭けの運営費も利益に上乗せする。
 そしてゴーレムの戦闘結果のメモも取り満足げな表情を浮かべた。

「楽しいのです」
「ほどほどにな」

「さあ、筋肉腕相撲、後半の部、スタートです!」

 フィルの再開の宣言と共にウサットが前に出る。
 ウサットと対峙するのはウサットより一回りい大きい大男だ。

「へへ、あんたがウサットか。俺は王都では怪力で有名なんだ。わざわざ王都の冒険者の仕事を空けてここに来た」

「それは楽しみですなあ」

 お互いが睨み合う。
 両者が腕をセットし、フィルがその横に立つ。

「試合!開始です!」






 お知らせ 

【NTRエロゲの世界に転移した俺、ヒロインの好感度は限界突破。レベルアップ出来ない俺はスキルを取得して無双する。~お前らNTRを狙いすぎだろ~】

 の投稿を開始しました。

 NTRエロゲの世界にクラス転移した主人公がレベルアップ出来ないという理由で追放され、固有スキルのLVアップによって力をつけ、成り上がりつつヒロインを救っていくお話です。

 皆さん、読んで頂けると嬉しいです。

 ではまた!


 
 
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