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安い時に買って高くなったら売る。それが出来れば金持ちだ
伯爵の爵位授与
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俺はフィル・リースと共に王城へと向かう。
王都の南門が騒がしい。
「パレードの準備がされているにゃあ」
「南門はスルーして東門から入るか」
「もう手遅れみたいにゃあ」
俺が進路を変えようとすると兵士が4人走って来る。
「こ、困ります!南門から入ってください!それと今回の授与式は広場で行います」
「王城じゃないのか」
「王都の民から、授与式を見たいとの要望が多く出ました」
「パレードは大げさじゃないか?」
「もうあのパレードを通らないと話が進まないのです!来てもらわないと話がおかしくなるのです!」
「そ、そうです!行きましょう!」
パレードを終えると、広場はお祭り状態になっていた。
会場付近には屋台が並び、更に椅子が用意され、俺は腰かけた。
次から王都に来なくていいように策を練るか。
王都の街は前より発展していた。
この広場しかみんなが集まれる場所は無いんじゃないか?
王がひときわ大きな椅子に座り、皆が配置に着くと、儀式が始まった。
「内政の英雄ジュン、前へ」
王の呼びかけで俺が前に出ると儀式が始まる。
その瞬間。
「まてーい!ワシを無視して儀式を始めるな!」
インサイダーがやってきた。
「インサイダー侯爵か。無理に出席しなくても構わない。もうお前は公爵ではないのだから出席を遠慮しても良かったのだ」
ギャラリーから笑い声が起こる。
「笑うな!貴様ら平民どもがワシを笑うな!なぜこいつが伯爵なのだ!」
「前伝えた通りだ。ゴブリンの群れを討伐し、中級ダンジョンのスタンピードも防いだ。
元英雄のリンの救出も成功している。
更に軍の魔将の討伐にも貢献しドリアード族の窮地を救った。
その他にもにロングスパン領の移転により王都の人口問題を緩和し、大量の物資を王家に支援した。
その事でグレス率いる兵士隊は多大な成果を上げることが出来たのだ。
極めつけはポーションの安定的な供給だ。
お前の領地からポーションが入ってこない穴を内政の英雄ジュン殿が埋めてくれた。
これで爵位を引き上げない方がどうかしている」
「ポーションなどどうとでもなる!」
「インサイダーの領地からポーションは納入されていない!やってからものを言ってもらおう!それと、お前の爵位を伯爵に引き下げる検討を行っている。必死で領地の経営に励むことだな」
インサイダーは明らかに嫌がらせでポーションを王都に供給していない。
ポーションは兵士の活動に欠かせない。
更に魔物に襲われた際の民の死亡率を左右する。
ポーションは元の世界の病院と同じ役割を果たす。
嫌がらせで病院を全部閉めますと言ったら大問題になる。
インサイダーはそれと同じことをしている。
こうして騒ぐインサイダーを無視して俺は爵位を受け取った。
無事グレスも爵位を受け、伯爵になったがしかし、インサイダーがうるさい。
周りからあんなに馬鹿にされながらまだ言い続けるあの特殊さは常軌を逸している。
「儀式は終わったがマネック子爵!発表があるようだな!」
王がインサイダーの言葉をかき消すように大きな声で言った。
「僕は!インサイダー侯爵の派閥を抜け!内政の英雄の派閥に入る事をここに宣言します!!」
「何だと!認めん!ワシがお前の借金をチャラにしてやったのだ!認められるわけがない!」
「さらに私から発表がある!インサイダー派の3貴族が貴族の地位を失った!理由は領地を維持できなくなった為だ!!」
「なん、だと!馬鹿な!早すぎる!4貴族全てを失ったのか!」
観覧席から声が聞こえる。
「インサイダーは落ち目だぜ」
「早く潰れればいいのにな」
「でもお金だけは持ってるでしょ」
「金だけはな」
「誰だあああ!誰が言ったああああ!誰がワシを落ち目だと言ったああ!でえええてえこおおおい!!!」
「爵位の授与式はこれにて閉幕とする。皆はこの祭りを存分に楽しんで欲しい」
王は一切インサイダーを相手にしていない。
さんざん怒鳴るインサイダーを無視し続けていた。
前に出ようとするとすぐグレスがインサイダーを止めに入る。
鉄壁だな。
そのおかげで儀式はスムーズに進んだ。
それに比べてインサイダーは落ち目のイメージが定着した。
周りで見ているとインサイダーが間抜けに見える。
インサイダーの悪い噂が広まるだろう。
そのための広場での授与式か。
王の行動により、インサイダーに協力する貴族は減るだろう。
ここまで露骨に落ち目のイメージがつけばインサイダーは以前より軽んじられる。
インサイダーは圧力に屈してポーションの供給を再開するか、じわじわと爵位を引き下げられる苦渋の二択を迫られる。
これは、王の勝ち確定じゃないか?
新作の投稿開始について
【NTRエロゲの世界に転移した俺、ヒロインの好感度は限界突破。レベルアップ出来ない俺はスキルを取得して無双する。~お前らNTRを狙いすぎだろ~】
の投稿を開始しました。
NTRエロゲの世界にクラス転移した主人公がレベルアップ出来ないという理由で追放され、固有スキルのLVアップによって力をつけ、成り上がりつつヒロインを救っていくお話です。
皆さん、読んでいただけると嬉しいです。
ではまた!
王都の南門が騒がしい。
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「南門はスルーして東門から入るか」
「もう手遅れみたいにゃあ」
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「王城じゃないのか」
「王都の民から、授与式を見たいとの要望が多く出ました」
「パレードは大げさじゃないか?」
「もうあのパレードを通らないと話が進まないのです!来てもらわないと話がおかしくなるのです!」
「そ、そうです!行きましょう!」
パレードを終えると、広場はお祭り状態になっていた。
会場付近には屋台が並び、更に椅子が用意され、俺は腰かけた。
次から王都に来なくていいように策を練るか。
王都の街は前より発展していた。
この広場しかみんなが集まれる場所は無いんじゃないか?
王がひときわ大きな椅子に座り、皆が配置に着くと、儀式が始まった。
「内政の英雄ジュン、前へ」
王の呼びかけで俺が前に出ると儀式が始まる。
その瞬間。
「まてーい!ワシを無視して儀式を始めるな!」
インサイダーがやってきた。
「インサイダー侯爵か。無理に出席しなくても構わない。もうお前は公爵ではないのだから出席を遠慮しても良かったのだ」
ギャラリーから笑い声が起こる。
「笑うな!貴様ら平民どもがワシを笑うな!なぜこいつが伯爵なのだ!」
「前伝えた通りだ。ゴブリンの群れを討伐し、中級ダンジョンのスタンピードも防いだ。
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更に軍の魔将の討伐にも貢献しドリアード族の窮地を救った。
その他にもにロングスパン領の移転により王都の人口問題を緩和し、大量の物資を王家に支援した。
その事でグレス率いる兵士隊は多大な成果を上げることが出来たのだ。
極めつけはポーションの安定的な供給だ。
お前の領地からポーションが入ってこない穴を内政の英雄ジュン殿が埋めてくれた。
これで爵位を引き上げない方がどうかしている」
「ポーションなどどうとでもなる!」
「インサイダーの領地からポーションは納入されていない!やってからものを言ってもらおう!それと、お前の爵位を伯爵に引き下げる検討を行っている。必死で領地の経営に励むことだな」
インサイダーは明らかに嫌がらせでポーションを王都に供給していない。
ポーションは兵士の活動に欠かせない。
更に魔物に襲われた際の民の死亡率を左右する。
ポーションは元の世界の病院と同じ役割を果たす。
嫌がらせで病院を全部閉めますと言ったら大問題になる。
インサイダーはそれと同じことをしている。
こうして騒ぐインサイダーを無視して俺は爵位を受け取った。
無事グレスも爵位を受け、伯爵になったがしかし、インサイダーがうるさい。
周りからあんなに馬鹿にされながらまだ言い続けるあの特殊さは常軌を逸している。
「儀式は終わったがマネック子爵!発表があるようだな!」
王がインサイダーの言葉をかき消すように大きな声で言った。
「僕は!インサイダー侯爵の派閥を抜け!内政の英雄の派閥に入る事をここに宣言します!!」
「何だと!認めん!ワシがお前の借金をチャラにしてやったのだ!認められるわけがない!」
「さらに私から発表がある!インサイダー派の3貴族が貴族の地位を失った!理由は領地を維持できなくなった為だ!!」
「なん、だと!馬鹿な!早すぎる!4貴族全てを失ったのか!」
観覧席から声が聞こえる。
「インサイダーは落ち目だぜ」
「早く潰れればいいのにな」
「でもお金だけは持ってるでしょ」
「金だけはな」
「誰だあああ!誰が言ったああああ!誰がワシを落ち目だと言ったああ!でえええてえこおおおい!!!」
「爵位の授与式はこれにて閉幕とする。皆はこの祭りを存分に楽しんで欲しい」
王は一切インサイダーを相手にしていない。
さんざん怒鳴るインサイダーを無視し続けていた。
前に出ようとするとすぐグレスがインサイダーを止めに入る。
鉄壁だな。
そのおかげで儀式はスムーズに進んだ。
それに比べてインサイダーは落ち目のイメージが定着した。
周りで見ているとインサイダーが間抜けに見える。
インサイダーの悪い噂が広まるだろう。
そのための広場での授与式か。
王の行動により、インサイダーに協力する貴族は減るだろう。
ここまで露骨に落ち目のイメージがつけばインサイダーは以前より軽んじられる。
インサイダーは圧力に屈してポーションの供給を再開するか、じわじわと爵位を引き下げられる苦渋の二択を迫られる。
これは、王の勝ち確定じゃないか?
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【NTRエロゲの世界に転移した俺、ヒロインの好感度は限界突破。レベルアップ出来ない俺はスキルを取得して無双する。~お前らNTRを狙いすぎだろ~】
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皆さん、読んでいただけると嬉しいです。
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