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金持ちは株か不動産だよな
リースの故郷救済
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俺は領地に帰った後投資を始めた。
5人のうさぎ族の男を部屋に呼ぶ。
「よく来てくれた。早速結論から入る。皆に投資をしたい」
「投資ですか?」
「そうだ、ここに呼ばれた5名は商業の分野で特に成果を上げ、フィルの見立てでも一押しの逸材達だ。王都での商店の出店資金の援助を行いたい」
「しかし、私はすでに店を持っています」
「もっと規模を拡大して欲しい。皆は優秀だ。このまま行けば数年で大きい店を持つことになるだろう。だがそれまで時間がかかる。投資資金を使って一気に大きな店を切り盛りして欲しい。今回の投資は発展の加速と考えて欲しい」
「ですが、もし店が失敗した場合責任を取れません」
「心配ない。君たちは利益の10%を毎月払ってもらえれば後は責任を取る必要は無い」
「それだけですか?」
「そうだ」
この国は経済を発展させる必要がある。
通常なら優秀な者でも規模を拡大するまで数年の時間がかかる。
それを加速するのが投資だ。
投資で一気に大きい店を持ってもらい商売をしてもらう。
そうする事で一気に経済を発展させる。
俺は5人に資金を渡した。
ウサットが次の報告をする為控える。
「報告します。インサイダー侯爵の収入源ですが、主力はポーションの販売でその次が魚介類の販売のようです。支出についてはこれといった特徴は見当たりませんでした」
「分かった。お疲れ様」
「ただ、気になった事があります」
「話してくれ」
「最近インサイダー領からポーションの販売が止まっているのです。それによりポーションの価格が高騰しています。原因は不明です」
そこにグレスが訪ねてきた。
「ジュン殿、お願いがあります」
「ポーションを王都に販売して欲しいのです」
「分かった」
「ジュン様、よろしいのですか?ポーションを集めていたと思いましたが?」
「ウサット、株の基本は安いときに買い、高いときに売るんだ。今はポーションの値段が高騰している。今は売る」
アイテム投資は限界までポーションをセット済みだ。
残りは全部吐き出そう。
「大変だにゃあ!」
「今度はなんだ?」
「私の故郷の港町が重税で苦しんでいるにゃあ。その港町はインサイダーの領地だにゃあ」
「すぐに向かおう」
「私も一緒に向かいます」
「私も行くにゃあ」
「ウサット、領の管理を頼む」
「かしこまりました」
俺とグレス、そしてリースはインサイダーの治める港町に向かった。
ついでに王都で大量のポーションを売った。
◇
「ここが港町だにゃあ」
「一見普通に見える」
「税金が高くなったのは最近だにゃあ」
「あ、りーすだ!」
子供が叫ぶ。
子供の声で港町のネコ族が集まって来る。
「もう安心だにゃあ。内政の英雄が助けに来たにゃあ」
「まず、状況を知りたい。今この街はどうなっているんだ?」
「今までこの港街は平和に暮らしていた。でも最近インサイダーが来て街の税金を2倍に上げた!」
「どうして2倍に上げたんだ?何か理由があるのか?」
「リースが内政の英雄の眷属になったのが許せないって言ってたの。今まで税金を安くしてやってたのに許せないって言ってたの」
「そんな理由でか?ここの人は関係ないと思うんだが?」
「インサイダー侯爵はそういう性格です」
「……そうだったな。そういう人間だ。この港街の税金は安かったのか?」
「そんなことは無いにゃあ。普通より少しだけ高かったにゃあ」
「普通より少し高かったのに2倍に上げたら生活していけるのか?」
「苦しい生活になるにゃあ」
「苦しい者は移民するか?ちょうどロングスパン領の海辺は空いている」
「いいのかにゃ?」
「何とかなるだろ」
「簡単に言いますが、うさぎ族の生産計画を大幅に修正する事になるでしょう」
「そうだな。またうさぎ族にお願いする事になると思う」
「ジュン!ありがとうにゃあ!」
リースが抱き着いてくる。
「皆に知らせてくるにゃあ」
港町の全員が荷物をまとめ、集合した。
「ネコ族全員が来るのか?」
「そうにゃあ」
「全員で何人居るんだ?」
「大体500人くらいにゃあ」
俺はだらだらと汗をかく。
一気に500人か。
受け入れきれるか?
「リース、シャドウでウサットに手紙を出して欲しい」
「分かったにゃあ」
俺が書いた手紙をリースのシャドウが届けに行った。
ネコ族が不安げな顔をした。
「あの、護衛は居ないんですか?」
「魔物に襲われたら大変だよ」
「安心してくれ。この国最強のグレスと、その次に強いリースがしっかり守る」
「……私が皆を守る!」
「……頑張って斥候するにゃあ」
2人とも俺が嘘ついてるみたいな目で見てくる。
俺は二人の視線をスルーした。
「さあ!出発だ!」
◇
俺達は無事ロングスパン領に帰還する。
海辺を見ると港町の建設が始まっていた。
「帰ってきたのです」
「ただいま」
「お帰りなのです」
「ラビイ、計画を何度も変えて本当にすまない」
「それはいいですがみんなに払う為の給金が底をつくです」
俺はストレージからポーションを売って手に入れたお金を全て出した。
「これを使ってくれ」
グレスが割って入る。
「それはポーションを売って手に入れた貴重な資金でしょう。全部使っていいのですか?」
旅路を終えたネコ族がうるうると目を潤ませる。
「私達の為に貴重な資金を全て使うのですか!」
「迷惑をかけてしまったようです」
リースが叫ぶ。
「これが内政の英雄だにゃあ!皆を救う為すべての資産を差し出しているんだにゃあ!」
ネコ族の大歓声が巻き起こる。
なかなか終わらない。
場が落ち着くとリースが完成した家に案内していく。
「ラビイ、多分しばらくの間経営が苦しくなる。ネコ族のみんなはお金がない。住んでもらう家は賃貸として毎月家賃を払ってもらおう」
「は!それはジュンの名言集にあった『金持ちは株と不動産』では!」
知らない内に名言集が作られていた。
リースはしばらくの間お仕事モードとなり中級ダンジョンで魔石を集めに集めた。
5人のうさぎ族の男を部屋に呼ぶ。
「よく来てくれた。早速結論から入る。皆に投資をしたい」
「投資ですか?」
「そうだ、ここに呼ばれた5名は商業の分野で特に成果を上げ、フィルの見立てでも一押しの逸材達だ。王都での商店の出店資金の援助を行いたい」
「しかし、私はすでに店を持っています」
「もっと規模を拡大して欲しい。皆は優秀だ。このまま行けば数年で大きい店を持つことになるだろう。だがそれまで時間がかかる。投資資金を使って一気に大きな店を切り盛りして欲しい。今回の投資は発展の加速と考えて欲しい」
「ですが、もし店が失敗した場合責任を取れません」
「心配ない。君たちは利益の10%を毎月払ってもらえれば後は責任を取る必要は無い」
「それだけですか?」
「そうだ」
この国は経済を発展させる必要がある。
通常なら優秀な者でも規模を拡大するまで数年の時間がかかる。
それを加速するのが投資だ。
投資で一気に大きい店を持ってもらい商売をしてもらう。
そうする事で一気に経済を発展させる。
俺は5人に資金を渡した。
ウサットが次の報告をする為控える。
「報告します。インサイダー侯爵の収入源ですが、主力はポーションの販売でその次が魚介類の販売のようです。支出についてはこれといった特徴は見当たりませんでした」
「分かった。お疲れ様」
「ただ、気になった事があります」
「話してくれ」
「最近インサイダー領からポーションの販売が止まっているのです。それによりポーションの価格が高騰しています。原因は不明です」
そこにグレスが訪ねてきた。
「ジュン殿、お願いがあります」
「ポーションを王都に販売して欲しいのです」
「分かった」
「ジュン様、よろしいのですか?ポーションを集めていたと思いましたが?」
「ウサット、株の基本は安いときに買い、高いときに売るんだ。今はポーションの値段が高騰している。今は売る」
アイテム投資は限界までポーションをセット済みだ。
残りは全部吐き出そう。
「大変だにゃあ!」
「今度はなんだ?」
「私の故郷の港町が重税で苦しんでいるにゃあ。その港町はインサイダーの領地だにゃあ」
「すぐに向かおう」
「私も一緒に向かいます」
「私も行くにゃあ」
「ウサット、領の管理を頼む」
「かしこまりました」
俺とグレス、そしてリースはインサイダーの治める港町に向かった。
ついでに王都で大量のポーションを売った。
◇
「ここが港町だにゃあ」
「一見普通に見える」
「税金が高くなったのは最近だにゃあ」
「あ、りーすだ!」
子供が叫ぶ。
子供の声で港町のネコ族が集まって来る。
「もう安心だにゃあ。内政の英雄が助けに来たにゃあ」
「まず、状況を知りたい。今この街はどうなっているんだ?」
「今までこの港街は平和に暮らしていた。でも最近インサイダーが来て街の税金を2倍に上げた!」
「どうして2倍に上げたんだ?何か理由があるのか?」
「リースが内政の英雄の眷属になったのが許せないって言ってたの。今まで税金を安くしてやってたのに許せないって言ってたの」
「そんな理由でか?ここの人は関係ないと思うんだが?」
「インサイダー侯爵はそういう性格です」
「……そうだったな。そういう人間だ。この港街の税金は安かったのか?」
「そんなことは無いにゃあ。普通より少しだけ高かったにゃあ」
「普通より少し高かったのに2倍に上げたら生活していけるのか?」
「苦しい生活になるにゃあ」
「苦しい者は移民するか?ちょうどロングスパン領の海辺は空いている」
「いいのかにゃ?」
「何とかなるだろ」
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「そうだな。またうさぎ族にお願いする事になると思う」
「ジュン!ありがとうにゃあ!」
リースが抱き着いてくる。
「皆に知らせてくるにゃあ」
港町の全員が荷物をまとめ、集合した。
「ネコ族全員が来るのか?」
「そうにゃあ」
「全員で何人居るんだ?」
「大体500人くらいにゃあ」
俺はだらだらと汗をかく。
一気に500人か。
受け入れきれるか?
「リース、シャドウでウサットに手紙を出して欲しい」
「分かったにゃあ」
俺が書いた手紙をリースのシャドウが届けに行った。
ネコ族が不安げな顔をした。
「あの、護衛は居ないんですか?」
「魔物に襲われたら大変だよ」
「安心してくれ。この国最強のグレスと、その次に強いリースがしっかり守る」
「……私が皆を守る!」
「……頑張って斥候するにゃあ」
2人とも俺が嘘ついてるみたいな目で見てくる。
俺は二人の視線をスルーした。
「さあ!出発だ!」
◇
俺達は無事ロングスパン領に帰還する。
海辺を見ると港町の建設が始まっていた。
「帰ってきたのです」
「ただいま」
「お帰りなのです」
「ラビイ、計画を何度も変えて本当にすまない」
「それはいいですがみんなに払う為の給金が底をつくです」
俺はストレージからポーションを売って手に入れたお金を全て出した。
「これを使ってくれ」
グレスが割って入る。
「それはポーションを売って手に入れた貴重な資金でしょう。全部使っていいのですか?」
旅路を終えたネコ族がうるうると目を潤ませる。
「私達の為に貴重な資金を全て使うのですか!」
「迷惑をかけてしまったようです」
リースが叫ぶ。
「これが内政の英雄だにゃあ!皆を救う為すべての資産を差し出しているんだにゃあ!」
ネコ族の大歓声が巻き起こる。
なかなか終わらない。
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「ラビイ、多分しばらくの間経営が苦しくなる。ネコ族のみんなはお金がない。住んでもらう家は賃貸として毎月家賃を払ってもらおう」
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