深刻な女神パワー不足によりチートスキルを貰えず転移した俺だが、そのおかげで敵からマークされなかった

ぐうのすけ

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人に投資をするのが1番効率がいいよな

キャンプ休憩

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 皆でキャンプを始めるが、全員の動きが重い。

 全員魔物との戦闘で疲弊している。
 女神!文句言ってやる!

『危なく犠牲が出る所だったし、俺の戦闘力を晒す事になった。大事な事はもっと早く言ってくれ!』
『ごめんなさい』
 素直だな。
 女神の性格は悪くないんだよな。

『しばらくしたらジュン好みの美人の眷属を送るから許して』
『その話詳しく』
『ジュンも知っている子だよ』
『誰!だれだれ!?』

『軍のスライムが終わってからね。楽しみにしてて。それと、ダンジョンを消滅できたのはジュンのおかげだよ。ありがとね』
 俺好み?
 美人?
 誰だ?

 気になる。
 気になりすぎる。

 は!女神に話を逸らされた!
 だけど、怒りは収まった。
 




【ラビイ視点】

「順調に中級ダンジョンを消滅させることが出来たです」

 ラビイと9人のメイド、そしてネコ忍者のリースが団子のように固まって会議を始めていた。

「スライムを倒したら、是非ともフィルをジュンの眷属に加えるです」
「フィルは、忍者の私より人を見る能力が高いにゃあ」
「そうなのです!フィルの見抜く能力!ジュンに気に入られている点!優しい人格!眷属として100点満点なのです」
 会議はよく話が脱線し、女子会が始まるのだ。

 話を戻しメイドたちと今の進捗状況を共有していく。
「……話を続けるわね。食料の備蓄率は1.5年分のストックがあるわ。と言っても、ジュンの領民になりたい人が多いから、ジュンの領民の増え方次第で備蓄率は大きく下がると思うわ」

「帰還後に再チェックが必要なのです」
「それと、食料全体の備蓄率はプラスだわ。でも、家畜の増産は、生まれるのを待つしかないから、増産が遅れているわ。購入も視野に入れた方が良いわね。ファーマー部門の報告は以上よ」

「分かったです」

 その後木材や石材、鉄などの素材の報告が行われ、次にラビイの加工部門の番になった。

「ポーションの生産力は皆のレベルが10から30になった事と、レベルアップでスキルを多く使えるようになりスキルが強化されている点、ダンジョンから大量の薬草を採取した事で前期の6倍の生産力を持っているです。ただ、今は戦闘を行っている事で効率が落ちているのです」

「更に、武具を兵士に寄付した事で武具のストックが底をつきかけているです」

「スライムの魔将を倒せば全部解決するにゃあ」
 素材はたっぷりある。
 うさぎ族全員が生産モードになれば完成品は増え始める。

「倒せるかな?」
「【軍】の魔将は厄介ってジュン様が言ってたよ?」

「大丈夫なのです。その為の中級ダンジョンでのレベル上げだったのです。わざわざ時間をかけて兵士のレベルを30まで引き上げたのはジュンの考え!すべてはジュンの計画通り。ここからが本番なのです!」

「ちょっと魔将の様子を見てくるにゃあ」
「頼むですよ」

 シュン!
 リースが颯爽と消えた。

「私夕食を作って来るね」
 メイドも居なくなり、会議は終わった。



【フィル視点】

「な、なななな、なんですか!なんで私がジュンの眷属になることになっているんですか!?」
 女神と一緒に会議の様子を見ていた私は女神さまに問いかけた。

「そっかー。言ってなかったね。フィルはスライム事件が解決したら、私じゃなくジュンの眷属になって貰うね」

「ふぇ!」

「もう話はしてあるの」

「はつ、耳です」
「言ってなかったね。忘れてたよ」

「な、なんでですか?なんでそうなってるんですか!?」
「私の女神力はいつも枯渇してるから、フィルの力が出なくなってるでしょ?それにジュンにはチートの加護をあげることが出来なかったから、何かプレゼントしたいなーって」

「わ、私は物じゃありません!」
「ふふふ、それに」
「それに?」

「ジュンもフィルの事を気にいってるし、フィルはジュンの事が好きでしょ?」
「な、それは、その、あ、えええええ!?」

「それと、フィルは私の眷属な事を隠してジュンと接してる。それを気にしてたよね?」
「それはあ、そうですけどぉ」

「はい、地上に戻って。考える時間も必要だよね」
 魔法陣が出現して私は地上に戻る。
 急に地上に戻された。

 顔が赤くなる。
 でも、女神は気づいていない。

 私は女神に作られ、女神の因子を強く受けている。
 ジュンの眷属になったラビイやリース、メイドもそう。
 違う特性が発現していても、みんなの見た目はどこか女神と似ている。

 ラビイやリース達の気質も女神と似ている。
 そういう者はすべてジュンに引かれる。
 ジュンの好みも女神に似た者を選んでいる気がする。

 ジュンと女神は惹かれ合っている。
 感覚で動く女神と合理的なジュンの相性はきっといい。
 そう思った。

「ああ、でも、私も女神さまと似ている。私も女神さまと同じ」
 フィルはベッドに飛び込んで布団を被った。
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