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人に投資をするのが1番効率がいいよな
英雄会議
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俺はスラムに住む10人と経験値投資の契約をして初心者ダンジョンを進む。
途中で王城に呼ばれた。
王城の門をくぐると、元賢者のリンと目が合う。
気分が悪くなってきた。
だが不思議な事にリンはにこにこしている。
兵士に挨拶されると上品に手を振った。
だが、リンの笑顔に作ったような偽物感を感じた。
円卓の間に入ると、王と兵士長グレスだけが座る。
俺とリンが部屋に入り、扉が閉められ、結界が張られた瞬間、リンの表情が邪悪に染まる。
「リンの態度が変わりすぎじゃね?」
「ふ、王とグレスは私の性格を分かっているようですから偽る必要もないでしょうジュン悪い噂を流したら容赦しません!」
口調が早口になり、リンの性格の悪さがにじみ出る。
「おほん!今回は英雄会議の名目で集まって貰った」
「英雄は私一人しかいません出来損ないを呼ぶ必要は無いでしょう私1人だけの英雄で英雄会議ですか?」
お前、王と俺を1度に馬鹿にするか。
後その早口がむかつく。
こいつはそういう奴だよ。
だが、英雄は2人しかいない。
俺も違和感はある。
「早速結論から言おう。ここに居る3人で協力し、中級ダンジョンの魔物を一掃して欲しいのだ」
「お断りします私はただでさえグレスに連れ回されて迷惑しています」
リンはいつもより怒りを露わにてグレスを睨みつけた。
めっちゃ早口だな。
「回復魔法の使い手が不足していた。だから君にお願いしたに過ぎない」
「毎回ワザと大勢が居る前でお願いして断れないようにするのは卑怯です」
「私は英雄にお願いする事しか出来ない。兵士の命を守る為お願いしただけだ」
リンがグレスをさらに睨みつける。
「私は行きません!もう充分回復魔法を使いました!休みます」
「今はダンジョン外の魔物狩りで手一杯です」
グレスも反対する。
「まあ待て、すぐにと言っているわけではないのだ。条件が整い次第皆一丸となって臨んで欲しい」
「分かりました。王の剣として勤めを果たしましょう」
「考えておきます」
「俺はグレスとの協力は大歓迎だ」
リンとは組みたくないがな。
後リンの考えておきますはやらない奴の言い方だ。
「分かった。それで、リンとジュン、この世界に来てどうだ?足りない物や不足している点はあるか?」
王の本題は恐らくこっちだ。
元聖騎士のイツキは隣国の大国に引き抜かれたとも聞く。
不満を聞き出したいのだろう。
「俺に不満はない。正直この国は王都しか知らないが、王もグレスもうさぎ族のみんなも親切だ」
日本に居る時より恵まれているし、王も周りのみんなも協力的だ。
「それは何よりだ」
「私は個室の風呂が欲しいです。それとサウナも足りません。後冒険者ギルドの作業が遅すぎます。効率よくしてください」
早口が治った?
機嫌がよくなったのか?
「検討しよう」
王は感情を殺したような声で対応した。
「思い出しました一番良くないのは待遇の差ですジュンは立派な家を持ち私は宿暮らしです活躍している私より無能のジュンの方が待遇が良いのが許せません」
また早口に戻ったか!
その早口がむかつく!
「なんだ、喧嘩がしたいのか?」
俺は椅子から立ち上がる。
1回なら聞き流そうと思っていたがしつこい様なら喧嘩を買ってやる。
今回は容赦せず潰す!
「待て待て!リン殿は勘違いをしている」
「勘違い?何をですか?」
「ジュン殿はうさぎ族の窮地を救った。その恩からうさぎ族に家を貰ったのだ。それとジュン殿は無能ではない」
リンは鼻で笑った。
「最弱のうさぎ族を助けた程度でしょう?」
「ジュン殿はスラムの貧しい者も救おうとしている。しかも働く術を与え、自活する方向で育てているのだ。私が道半ばで出来なかった事でもある」
「しょせん弱い貧民でしょう?ジュンにはお似合いですね」
王の表情が笑顔になった。
あまりに強い怒りを覆い隠す笑顔のようにも見える。
その証拠にグレスの顔が少しだけ引きつった。
「言っておくが、リン殿よりジュン殿の方が民を救っている。リン殿はそこまで活躍していないようだが?」
「王は何も見えていないようですね私は多くの貧しい人に無償で治癒を施し更に無償で兵に治療を行いましたグレス間違いはありますか?」
「治療をしたのは事実だが、リン殿はジュン殿が成した事を軽く見すぎている。それと王への侮辱はやめて欲しい」
その後、グレスと王が何か言えばリンは何倍もの言葉を返し、収拾がつかない状態となった。
俺の怒りも冷め、リンの異常性に引いていた。
とにかく口がうまくてやたら早口だ。
人には冷酷で自分にはとにかく甘い。
「時間の無駄だ!会議を終わらせたい!」
俺は大きな声で無理やり会議を終わらせた。
「あ~疲れた」
俺は休むように椅子にもたれかかった。
リンは俺達3人をバカにするような目で見て部屋から出る。
「なあ、あいつ必要か?他国に行っても、いや、行ってもらった方が良いと思う」
「確かに厄介な存在だが、回復魔法は貴重だ」
「私もリン殿を連れて行きたくはありませんが、背に腹は変えられず、頼っている状況です」
回復魔法の使い手不足か。
「ポーションの増産をうさぎ族にお願いしてみよう出来れば兵士隊に寄付もしたい」
「ぜひ頼む!」
グレスが食いついた。
グレスも本心ではリンと同行したくないんだろうな。
途中で王城に呼ばれた。
王城の門をくぐると、元賢者のリンと目が合う。
気分が悪くなってきた。
だが不思議な事にリンはにこにこしている。
兵士に挨拶されると上品に手を振った。
だが、リンの笑顔に作ったような偽物感を感じた。
円卓の間に入ると、王と兵士長グレスだけが座る。
俺とリンが部屋に入り、扉が閉められ、結界が張られた瞬間、リンの表情が邪悪に染まる。
「リンの態度が変わりすぎじゃね?」
「ふ、王とグレスは私の性格を分かっているようですから偽る必要もないでしょうジュン悪い噂を流したら容赦しません!」
口調が早口になり、リンの性格の悪さがにじみ出る。
「おほん!今回は英雄会議の名目で集まって貰った」
「英雄は私一人しかいません出来損ないを呼ぶ必要は無いでしょう私1人だけの英雄で英雄会議ですか?」
お前、王と俺を1度に馬鹿にするか。
後その早口がむかつく。
こいつはそういう奴だよ。
だが、英雄は2人しかいない。
俺も違和感はある。
「早速結論から言おう。ここに居る3人で協力し、中級ダンジョンの魔物を一掃して欲しいのだ」
「お断りします私はただでさえグレスに連れ回されて迷惑しています」
リンはいつもより怒りを露わにてグレスを睨みつけた。
めっちゃ早口だな。
「回復魔法の使い手が不足していた。だから君にお願いしたに過ぎない」
「毎回ワザと大勢が居る前でお願いして断れないようにするのは卑怯です」
「私は英雄にお願いする事しか出来ない。兵士の命を守る為お願いしただけだ」
リンがグレスをさらに睨みつける。
「私は行きません!もう充分回復魔法を使いました!休みます」
「今はダンジョン外の魔物狩りで手一杯です」
グレスも反対する。
「まあ待て、すぐにと言っているわけではないのだ。条件が整い次第皆一丸となって臨んで欲しい」
「分かりました。王の剣として勤めを果たしましょう」
「考えておきます」
「俺はグレスとの協力は大歓迎だ」
リンとは組みたくないがな。
後リンの考えておきますはやらない奴の言い方だ。
「分かった。それで、リンとジュン、この世界に来てどうだ?足りない物や不足している点はあるか?」
王の本題は恐らくこっちだ。
元聖騎士のイツキは隣国の大国に引き抜かれたとも聞く。
不満を聞き出したいのだろう。
「俺に不満はない。正直この国は王都しか知らないが、王もグレスもうさぎ族のみんなも親切だ」
日本に居る時より恵まれているし、王も周りのみんなも協力的だ。
「それは何よりだ」
「私は個室の風呂が欲しいです。それとサウナも足りません。後冒険者ギルドの作業が遅すぎます。効率よくしてください」
早口が治った?
機嫌がよくなったのか?
「検討しよう」
王は感情を殺したような声で対応した。
「思い出しました一番良くないのは待遇の差ですジュンは立派な家を持ち私は宿暮らしです活躍している私より無能のジュンの方が待遇が良いのが許せません」
また早口に戻ったか!
その早口がむかつく!
「なんだ、喧嘩がしたいのか?」
俺は椅子から立ち上がる。
1回なら聞き流そうと思っていたがしつこい様なら喧嘩を買ってやる。
今回は容赦せず潰す!
「待て待て!リン殿は勘違いをしている」
「勘違い?何をですか?」
「ジュン殿はうさぎ族の窮地を救った。その恩からうさぎ族に家を貰ったのだ。それとジュン殿は無能ではない」
リンは鼻で笑った。
「最弱のうさぎ族を助けた程度でしょう?」
「ジュン殿はスラムの貧しい者も救おうとしている。しかも働く術を与え、自活する方向で育てているのだ。私が道半ばで出来なかった事でもある」
「しょせん弱い貧民でしょう?ジュンにはお似合いですね」
王の表情が笑顔になった。
あまりに強い怒りを覆い隠す笑顔のようにも見える。
その証拠にグレスの顔が少しだけ引きつった。
「言っておくが、リン殿よりジュン殿の方が民を救っている。リン殿はそこまで活躍していないようだが?」
「王は何も見えていないようですね私は多くの貧しい人に無償で治癒を施し更に無償で兵に治療を行いましたグレス間違いはありますか?」
「治療をしたのは事実だが、リン殿はジュン殿が成した事を軽く見すぎている。それと王への侮辱はやめて欲しい」
その後、グレスと王が何か言えばリンは何倍もの言葉を返し、収拾がつかない状態となった。
俺の怒りも冷め、リンの異常性に引いていた。
とにかく口がうまくてやたら早口だ。
人には冷酷で自分にはとにかく甘い。
「時間の無駄だ!会議を終わらせたい!」
俺は大きな声で無理やり会議を終わらせた。
「あ~疲れた」
俺は休むように椅子にもたれかかった。
リンは俺達3人をバカにするような目で見て部屋から出る。
「なあ、あいつ必要か?他国に行っても、いや、行ってもらった方が良いと思う」
「確かに厄介な存在だが、回復魔法は貴重だ」
「私もリン殿を連れて行きたくはありませんが、背に腹は変えられず、頼っている状況です」
回復魔法の使い手不足か。
「ポーションの増産をうさぎ族にお願いしてみよう出来れば兵士隊に寄付もしたい」
「ぜひ頼む!」
グレスが食いついた。
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