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投資の基本は節約と自己投資だよな
ラビイ【ラビイ視点】
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私は貧乏だった。
両親は投資家に騙されて契約を結んだ。
体を壊しすまで奴隷のように働き、亡くなった。
小屋のような家にうさぎ族の孤児が集まって床に毛布を敷いて寝る。
夢を見た。
女神さまが出てくる夢。
『黒目黒髪の投資家の言う事を聞きなさい。そうすれば救われます』
朝起きると私は泣いていた。
助かるの?
でも、投資家は怖い。
食べてないから、体が寒い。
たまにパンをくれるフィルが、来たらいいな。
今日もギルドに行って仕事を探すけど、私に出来るのは安い給金の仕事だけ。
フィルが居ない。
やっぱり、何も起きない。
私は家に帰った。
ただの夢だった。
家に帰るとすぐにフィルがウサットおじさんの元を訪ねてきた。
私はそこに呼ばれた。
フィルと一緒に黒目黒髪の男の人が居た。
この人だ!
私を救ってくれる英雄様!
フィルが私とジュン様の契約を進めてきた。
ジュンは投資家。
でも私のお父さんとお母さんを殺した悪い人も投資家。
手が震える。
怖い!怖い怖い怖い!
ジュン様が私の事を気にして契約を辞めようとする。
逃げちゃダメ!
怖いけど逃げちゃダメ!
投資家と契約してはいけないと言われた。
でも、この人なら大丈夫。
フィルも見ていてくれる。
大丈夫。
ジュンと経験値投資の契約が終わると、何も悪い事はされなかった。
ジュン様は私にご飯をたくさん食べさせてくれた。
ジュン様は私に装備を買ってくれた。
でも、戦闘力を全部私に貸しだして、ジュン様は具合が悪そうにしていた。
ジュン様を見るとボロボロの服を着ていた。
靴の右側に穴が開いていた。
決心した。
絶対にレベルを上げる。
私がジュン様の服も靴も家も作る。
レベル10になったら帰ってきてくれと言われた。
すぐにレベル10まで上げる。
必要な物を買ってすぐダンジョンに向かう。
それからは毎日毎日戦った。
魔石を換金してみんなに食事を配る。
ジュンはいい人ですぐ仲良くなった。
『レベル3になりました』
頑張る!
毎日戦った。
『レベル6になりました』
ジュンの力になりたい!
毎日毎日戦った。
『レベル10になりました』
次もまたうさぎ族と契約を結んで欲しい。
すぐにジュンの元に向かう。
すぐに街に戻り、ジュンの元に向かう。
またうさぎ族と契約してもらおう。
頼めばジュンはまた他のうさぎ族と契約してくれる。
最弱のうさぎ族と契約してもジュンの得にならない。
戦闘ジョブの新人と契約した方がジュンは楽になる。
お金持ちの人と契約した方がお金を貰えてジュンは楽を出来る。
生産ジョブばかりのうさぎ族じゃ迷惑をかけるって分かってる。
全部分かってる。
でもそれでもみんなを助けたい。
ジュンにお願いすると、『頑張り屋さんで、強くなったらみんなを助けそうな人と契約したい』と言ってくれた。
『戦闘ジョブかどうかは大きな問題じゃない』と言ってくれた。
そんなはずないのに。
私は全力で走って一緒に住んでいる孤児の子を連れて行った。
2人が契約してもらえると、私は2人を連れてダンジョンに向かった。
毎日ダンジョンに向かった。
◇
それから奇跡が起きた。
次も、その次もうさぎ族とジュンは契約してくれた。
ジュンの経験値投資が強化されて一気に10人と契約できるようになった。
皆どんどん強くなって、うさぎ族は豊かになる。
食べ物を買える。
次はジュンの助けになりたい。
私はうさぎ族のまとめ役、ウサットおじさんの所に行った。
女神さまの夢の話。
ジュンのお金が無くなっている事。
あった事全部を話した。
「……話は分かった。ジュン様を助けたいんだね?」
「そうなのです。今度は恩返しをしたいのです」
「皆を集めて私から話をしよう。英雄の中でジュン様だけが我々を助けてくれた。出来る限りの手を尽くそう」
ジュンはその後も助けてくれた。
皆の装備を買い揃え、私にポーションの材料を何度もくれた。
何度もポーション作りを失敗しても何度も何度も材料をくれた。
ジュンはテントで生活している。
いつも具合が悪そうに寝ているらしい。
いつも苦しんでいると聞いた。
ジュンはもうお金が無いらしい。
私達の為にお金を全部使っている。
だからテントで暮らしているんだ。
皆がジュンに食べ物を持って行くようになった。
今ジュンは苦しい思いをしている。
でももう少しでジュンの家が出来る。
ジュンの住む家が出来る。
家を作ってジュンを呼んだ。
ジュンに住んでもらえた。
今まで味わったことのない幸福感に包まれる。
私はジュンに選ばれて結ばれた。
夢が何度も叶っている。
ジュンと寝るのは気持ちいい。
もっと役に立とう。
ジュンが着る最高の服を作ろう。
ジュンが履く最高の靴を作ろう。
もっと大きい屋敷を作ろう。
たくさんポーションを作ろう。
ジュンの役に立つのが気持ちいい。
ジュンと一緒に寝るのが気持ちいい。
今日もジュンに抱かれる。
最高の気分。
両親は投資家に騙されて契約を結んだ。
体を壊しすまで奴隷のように働き、亡くなった。
小屋のような家にうさぎ族の孤児が集まって床に毛布を敷いて寝る。
夢を見た。
女神さまが出てくる夢。
『黒目黒髪の投資家の言う事を聞きなさい。そうすれば救われます』
朝起きると私は泣いていた。
助かるの?
でも、投資家は怖い。
食べてないから、体が寒い。
たまにパンをくれるフィルが、来たらいいな。
今日もギルドに行って仕事を探すけど、私に出来るのは安い給金の仕事だけ。
フィルが居ない。
やっぱり、何も起きない。
私は家に帰った。
ただの夢だった。
家に帰るとすぐにフィルがウサットおじさんの元を訪ねてきた。
私はそこに呼ばれた。
フィルと一緒に黒目黒髪の男の人が居た。
この人だ!
私を救ってくれる英雄様!
フィルが私とジュン様の契約を進めてきた。
ジュンは投資家。
でも私のお父さんとお母さんを殺した悪い人も投資家。
手が震える。
怖い!怖い怖い怖い!
ジュン様が私の事を気にして契約を辞めようとする。
逃げちゃダメ!
怖いけど逃げちゃダメ!
投資家と契約してはいけないと言われた。
でも、この人なら大丈夫。
フィルも見ていてくれる。
大丈夫。
ジュンと経験値投資の契約が終わると、何も悪い事はされなかった。
ジュン様は私にご飯をたくさん食べさせてくれた。
ジュン様は私に装備を買ってくれた。
でも、戦闘力を全部私に貸しだして、ジュン様は具合が悪そうにしていた。
ジュン様を見るとボロボロの服を着ていた。
靴の右側に穴が開いていた。
決心した。
絶対にレベルを上げる。
私がジュン様の服も靴も家も作る。
レベル10になったら帰ってきてくれと言われた。
すぐにレベル10まで上げる。
必要な物を買ってすぐダンジョンに向かう。
それからは毎日毎日戦った。
魔石を換金してみんなに食事を配る。
ジュンはいい人ですぐ仲良くなった。
『レベル3になりました』
頑張る!
毎日戦った。
『レベル6になりました』
ジュンの力になりたい!
毎日毎日戦った。
『レベル10になりました』
次もまたうさぎ族と契約を結んで欲しい。
すぐにジュンの元に向かう。
すぐに街に戻り、ジュンの元に向かう。
またうさぎ族と契約してもらおう。
頼めばジュンはまた他のうさぎ族と契約してくれる。
最弱のうさぎ族と契約してもジュンの得にならない。
戦闘ジョブの新人と契約した方がジュンは楽になる。
お金持ちの人と契約した方がお金を貰えてジュンは楽を出来る。
生産ジョブばかりのうさぎ族じゃ迷惑をかけるって分かってる。
全部分かってる。
でもそれでもみんなを助けたい。
ジュンにお願いすると、『頑張り屋さんで、強くなったらみんなを助けそうな人と契約したい』と言ってくれた。
『戦闘ジョブかどうかは大きな問題じゃない』と言ってくれた。
そんなはずないのに。
私は全力で走って一緒に住んでいる孤児の子を連れて行った。
2人が契約してもらえると、私は2人を連れてダンジョンに向かった。
毎日ダンジョンに向かった。
◇
それから奇跡が起きた。
次も、その次もうさぎ族とジュンは契約してくれた。
ジュンの経験値投資が強化されて一気に10人と契約できるようになった。
皆どんどん強くなって、うさぎ族は豊かになる。
食べ物を買える。
次はジュンの助けになりたい。
私はうさぎ族のまとめ役、ウサットおじさんの所に行った。
女神さまの夢の話。
ジュンのお金が無くなっている事。
あった事全部を話した。
「……話は分かった。ジュン様を助けたいんだね?」
「そうなのです。今度は恩返しをしたいのです」
「皆を集めて私から話をしよう。英雄の中でジュン様だけが我々を助けてくれた。出来る限りの手を尽くそう」
ジュンはその後も助けてくれた。
皆の装備を買い揃え、私にポーションの材料を何度もくれた。
何度もポーション作りを失敗しても何度も何度も材料をくれた。
ジュンはテントで生活している。
いつも具合が悪そうに寝ているらしい。
いつも苦しんでいると聞いた。
ジュンはもうお金が無いらしい。
私達の為にお金を全部使っている。
だからテントで暮らしているんだ。
皆がジュンに食べ物を持って行くようになった。
今ジュンは苦しい思いをしている。
でももう少しでジュンの家が出来る。
ジュンの住む家が出来る。
家を作ってジュンを呼んだ。
ジュンに住んでもらえた。
今まで味わったことのない幸福感に包まれる。
私はジュンに選ばれて結ばれた。
夢が何度も叶っている。
ジュンと寝るのは気持ちいい。
もっと役に立とう。
ジュンが着る最高の服を作ろう。
ジュンが履く最高の靴を作ろう。
もっと大きい屋敷を作ろう。
たくさんポーションを作ろう。
ジュンの役に立つのが気持ちいい。
ジュンと一緒に寝るのが気持ちいい。
今日もジュンに抱かれる。
最高の気分。
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