深刻な女神パワー不足によりチートスキルを貰えず転移した俺だが、そのおかげで敵からマークされなかった

ぐうのすけ

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投資の基本は節約と自己投資だよな

ラビイ無双

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 俺は家に帰るとラビイとメイド全員が出迎えた。

「お帰りです」
「ただいま」


「頼みがあるんだ。女神の件は片付いたから、また経験値投資のスキルを使いたい」
「明日の朝になってもいいのです?」
「構わない確かに急に呼ぶのは良くないよな。明日の朝からにしよう」
「いえ、夜の、何でもないです」
「そ、そうか」
 今日の図書室で見たうさぎ族の性欲は最強の文字が頭に浮かんだ。
 ラビイは激しいのが好きだと言っていた気がする。
 きっと気のせいだろう。

「経験値投資の件は伝えておくです」
 ラビイが合図するとメイドがすぐに連絡係として動き出す。

「今日はお疲れ様です。ディナーが出来ているのです」
「ありがとう」
 テーブルに着くと、ごちそうが用意されていた。

 山芋のすりおろし。
 パン。
 魚介類のスープが並ぶ。
 スープは具が多く、特に貝類が多く入っており、ニンニクの匂いが食欲をそそる。

 気のせいかもしれないが、精の付きそうな食材が多い気がする。
 いや、きっと気のせいだ。
 気になったのはパンと山芋のすりおろしは合わないだろ?

 皆で大きな円卓を囲んで座り食事を摂る。
 魚介のクリームスープは濃厚でニンニクの風味がガツンと来るが、癖になるようなうまさがあった。
 パンにつけて食べると更に合う。

 だが、山芋のすりおろしはパンに合わないと思う。
 うまいんだけど。

「うん、旨い」
「良かったのです」
「所で、他にもお願いがあるんだけど、俺の戦闘力を偽装するような魔道具とか無いかな?」

「出来ると思うです。丁度今ジュンの服と靴を新しくする計画があるのです。服と靴に効果を付与出来るか試してみるのです」
 どういう計画?
 俺の知らない所でプロジェクトが色々動いているんですけど?
 すでに服も靴も作ってもらっているんだが?

「聞きたいんだけど、その計画って他に何があるんだ?」

 ラビイは首を傾げて考える。
「メインはうさぎ族のレベルとスキルアップ計画なのです。他には農産物増産計画・家畜増産計画・魔道具増産計画・ポーション増産計画・屋敷新築計画・治安維持強化計画・それとジュンの教えの経典を作る計画などなど多岐にわたるのです」

「お、おう。そうか」
 ラビイって意識高い系だよな。
 村長はウサットがやって王との連携を取っているけど、プロジェクトはすべてラビイが管理してるっぽい。

 だが、経典ってなんだ?
 俺大したことは言っていないと思うぞ?
 ……聞かないでおこう。

「俺は毎日ゴロゴロして本を読んでるだけで経験値が入り楽をしているけど、何か手伝えることはあるか?」
「ジュンは経験値投資のスキルで負担をかけているのです!これ以上負担をかけることは出来ないのです!」
 周りのメイドも騒ぎ出す。

「そ、そうか」
 経験値投資のスキルを使ってもだるくなるだけでそこまで負担は無いけど、みんなは俺が苦痛を味わって無理をしていると誤解している。
 誤解を解こうとすればするほどこんがらがっていくから最近あまり言わないようにしている。

「ごちそう様、美味しかった」
「それは良かったのです。更に私達うさぎ族は進化し続けて行くのです」
 どういうアピール?

「他に要望は無いのです?」
「う~ん……考えておく。いや、良くしてもらってるし十分助かっている」

「分かったのです。でも何かあればなんでも言って欲しいのです」
「今日は勇者と会って疲れたから風呂に入ってすぐ休む」
 俺は食事を終えて風呂に入ってベッドに横になる。
 日本の旅館越えのサービスだ。



 ◇


【次の日の朝】
 ラビイと寝たが、やはりうさぎ族の性欲は最強だ。
 経験値投資のスキルを使ってギルドの図書室に向かった。

 俺はデーモンの事が気になっていた。
 デーモンの本を探す。
 


 見つけた!どれどれ?
 デーモンの戦闘力は50。
 魔将や魔王から加護を受ける事でスキルが変化する特性があり、知能が高い為厄介な相手か。
 スキル次第で戦闘力は50から更にプラスされる。

 デーモンの知能が高いのは厄介だよな。
 この世界の魔王や魔将は舐めプしない。

 過去の歴史を調べると1人の英雄を倒す為魔王とその配下の魔将すべてで英雄を取り囲んで殺しに来ている。
 その時デーモンもすべて投入したらしい。

 その当時魔王は【軍の魔将】の力で周りの支援を完全に断った上で英雄を疲弊させ、更にアンデットの魔将を捨て駒にして英雄に呪いをかける事で英雄は打ち取られている。
 その当時英雄を倒せる可能性を持った者はアンデットの魔将と魔王だけだったらしい。

 今の俺の戦闘力は100だ。 
 囲まれたら終わりだな。

 今経験値投資のスキルを使っているが俺のレベルは100で止まっている。
 レベルの上限は100ではないが、スキルをもっと強化しないとこれ以上レベルを上げられないようだ。
 ゲームの限界突破のようなものらしい。

 今後の方針を考える。
 やはり、考えても結論は変わらない。
 俺は弱いと思われた方が有利だ。

 出来れば魔王を倒す直前まで力を隠し、相手が俺達の対策を取る前に一気に潰す。
 俺のレベルアップは止まっている。
 ならばみんなの力を底上げする。

 このカインドワールド、いや、この国の王都を見ると、生産力が足りない。
 生産力が足りない為武具やポーションなどの物資の値段が高い。
 その為冒険者や兵士の能力が伸びにくいし死にやすい。
 戦う為の土台が十分とは言えないのだ。
 
 うまくいくか分からないが方針は決まった。
 俺のスキルを磨きつつうさぎ族のレベルを上げる。
 帰ろう。



 家に帰るとメイドが出迎えた。
「ラビイは?」
「ラビイは今ジュン様の服と靴を作ってるよ」

 そういえば昨日の夜は俺の体をやたらと触ったり舐めたりしていたけど、俺の体の寸法を測っていたのか!?
 前に測ったけど昨日も測るとは!
 完璧な物を作りたかったのかもしれない。
「か、完成したです!」

 ラビイが疲れた顔をして姿を現す。
 手にはGパンとYシャツ、そして皮の靴が握られていた。
「早速着て欲しいのです!」

「わ、分かった」


 着替えると着心地が良く、守られている感覚がする。

「着心地がいい」
「要望通り、見た目は目立たず、町人に解けこむようにし、耐寒・耐熱・偽装・浄化・速乾の効果をつけたです」
「凄いな」
「えへへへへ」

 ラビイは満足すると、椅子に座りながら眠ってしまった。
 ラビイはベッドに運ばれ、行き違いになるように食事が運ばれてくる。
「ジュン様、今日のディナーはガーリックステーキですよ」

 うさぎ族はニンニクが好きなのか?
 旨いんだけど、にんにくの風味がいつも強い。

 その後風呂に入ると9人のメイドが一緒に中に入って来るし、風呂から上がると俺に密着するようにしてワインを飲ませてきた。




 チュンチュン!
 小鳥のさえずりで目を覚ます。
 朝起きると、ベッドの上には9人のメイド全員が全裸で眠っていた。
 脱いだ服が辺りに散乱し、俺に絡みつくようにメイドが密着する。

 扉が開かれラビイが入ってくる。
「……」
「……」

「わ、私もするのです!」
「な、何を!?」
「するのです!」

 その日のほとんどを俺はベッドで過ごした。
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