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投資の基本は節約と自己投資だよな
うさぎ族
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____________________
ジュン 男
投資家 レベル1
スキル
経験値投資
幸運値 0
戦闘力 1+1
装備
戦闘力の腕輪
回復の腕輪
____________________
レベルを見てため息をつく。
俺の戦闘力は1。
最弱だ。
俺以外の3人の転移者は戦闘系ジョブの中で最上級の力を持っている。
その力のおかげで戦闘力が高い。
戦闘力の腕輪を装備してやっと戦闘力が2になる。
タケルの言う通り、腕輪を貰わなければレベル1の魔物と同じ戦闘力しかない。
どんなに新米の剣士でも剣を装備しただけで戦闘力が1ポイント上昇する。
だが俺のスキルにそう言ったスキルは一切ない。
戦闘に役立つスキルは皆無なのだ。
俺のスキルは経験値投資のみだ。
このスキルは相手と契約しなければ効果を発揮できないがこの世界で投資家は嫌われている。
契約する事は難しいだろう。
やる気が無くなっていく。
いや、頭を切り替えよう。
まずは装備を貰う。
俺は王に励まされた後、鎧と鉄の剣を装備するが、重くてうまく動けなかった。
俺のステータスが低すぎるのだ。
皮の服と皮の靴を履いて武器は短めの木刀に変えた。
投資家ジョブには専用装備が無い為木刀を装備しても強くならない。
だが素手で殴ると手がボロボロになるらしい。
俺のステータスが低すぎる為だ。
俺は最弱の投資家なのだ。
ちなみに俺の服装は少し厚手の服を着た町人とほぼ変わらない。
モブキャラだ。
1人の男兵士に案内されつつ街のギルドや宿屋などを案内された。
この世界の街並みは元の世界の中世ヨーロッパに見える。
だが文明水準は産業革命の始め程度の文明水準だ。
科学の代わりに魔法やスキルと魔道具がある。
魔道具の力で水を出せるし、余裕のある家庭では魔道具のコンロを使える。
水道とエネルギーは魔道具で代用できる。
街の案内が終わるとすぐに初心者ダンジョンへと向かう。
戦闘力の腕輪の効果で戦闘力を強化しているがそれでも不安しかない。
「俺は元の世界で戦った事が無いんですが、大丈夫ですかね?」
「初心者ダンジョン1階の魔物はレベルも戦闘力も1なのでジュン殿でも倒せますよ」
「そ、そうなんですね。でももし集団で襲われたら俺殺されないですか?」
「大丈夫です!私が守りますよ!」
兵士の男が胸を張った。
「心強いです」
と言いはしたが怖いものは怖いのだ。
元平和ボケした日本人のおっさんなのだ。
ふつう怖いよな?
「大丈夫ですよ、心配しないで中に入りましょう」
「そうですね。やるしかないです!」
ダンジョンに入ると目の前に魔物がいた。
「す、スライムですよね?」
「倒しましょう。大丈夫です!」
俺は声を殺して近づき、スライムを木刀で殴り殺した。
スライムを倒すと石を落としてスライムが霧のように消えていく。
た、倒せた。
倒せる!普通に倒せるぞ!
「おめでとうございます。倒した後に残った魔石を拾いましょう。冒険者ギルドで売ることが出来ますから」
魔石はこの世界のエネルギーだ。
魔道具の動力源や錬金術の触媒として使用される。
「この魔物って何体倒せばレベルを上げられますかね?」
女神さまに貰ったこの世界の知識には偏りがあった。
どのくらいでレベルが上がるかは分からないのに腕輪の価値はすぐ分かった。
後で勉強が必要だ。
「同じレベルの魔物だと100体です。自分よりレベルの高い魔物を倒せばすぐにレベルが上がり、自分よりレベルの低い魔物を倒しても中々レベルは上がりません」
そこに奴らがやってきた。
「おいおい!まだこんな所でちんたらしてんのか。ま、しょうがねえよなあ!お前の戦闘力は1。たったの1だ。それに比べて俺の戦闘力は26だ。見てな!」
そう、勇者タケルだ。
タケルはありえない速度で走り、遠くにいるスライムを一瞬で斬り倒していく。
他の2人も余裕で魔物を倒す。
これがチートスキルか。
「のろまが、ま、ちまちま頑張れよ!」
捨て台詞を残し、3人は奥に進んでいった。
「はあ~やる気が無くなってきます」
チートを持った奴らはレベル上げに有利だ。
一気に最上階の10階まで登り、レベル10の魔物を倒す事で簡単にレベルが上がっていくだろう。
「戦闘力プラス25は確かにチートだよな」
「気にせずコツコツ行きましょう」
俺は疲れるまで魔物を狩り、分かった事がある。
魔物の攻撃はとても痛い。
普通だろ?と思うかもしれないが痛いものは痛いのだ。
1対1ならほぼ無傷で魔物を倒せる。
だが向こうが1体だけで来るとは限らない。
複数の魔物に同時に襲われれば傷を負うのだ。
兵士は「大丈夫です。かすり傷ですよ」と言うが、兵士の言うかすり傷は日本だと大怪我だ。
血がたくさん出てくる。
さっきから回復の腕輪が光ってめっちゃ仕事してる。
血を流しすぎた俺は街に帰る。
冒険者ギルドの前にたどり着くと、付き添ってくれた兵士は「後は一人で大丈夫そうですね。では頑張ってください」と言って帰って行った。
これからソロ活動か。
でも、不思議と充実感があった。
生きている感じがする。
ここに来て勇者達との対話は苦痛だった。
だが魔物狩りは充実感と希望があった。
コツコツレベルを上げて行けば戦闘力は上がっていく。
生活の質が良くなっていく未来が見えた。
俺は笑う。
「コツコツ、そうだよな。勇者達は気にせずコツコツ続けよう」
俺は冒険者ギルドの中に入った。
「いらっしゃいませ!私はフィルと申します。よろしくお願いします」
ギルドに入ると、美人の受付嬢が出迎える。
桃色の髪色と桃色の瞳が更に目を引く。
一瞬コスプレに見えた。
「よろしくお願いします」
「あなたは英雄様ですね?」
「いえ、転移者ですが女神さまから加護を貰っていないので英雄ではないんですよ。ジョブも投資家ですし、戦闘も苦手です」
この世界で黒目黒髪は珍しい。
見ただけで転移者だと分かるのだ。
「女神さまが連れてきてくださった方は英雄ですよ」
「う~ん、何が出来るかまだ分かりませんが、ゆっくり出来る事を探してみます。所で魔石を売りたいのです」
こうして俺はその日倒したすべての魔石を換金し、代金を受け取るとフィルがまた話しかけてくる。
「大丈夫ですか?元気がありませんよ?」
「転移初日で疲れてしまいました。今日はすぐ宿でゆっくり寝ますね」
「疲れた時はお風呂に入って美味しい物を食べて寝るのが一番です」
「そうですね、今日はお疲れさまでした」
「は~い、またお越しください」
俺はすぐ宿のベッドに横になった。
「眠い。疲れた」
今日は色々あった。
急に女神さまに呼ばれて転移してすぐに他の転移者に怒鳴られた。
その後魔物と闘った。
でも、充実感がある。
魔物との戦闘で体を動かしてお金を稼いでいくのは悪くない。
戦えば戦うほど生活が楽になる。
日本と違ってこの世界には希望があった。
俺は疲労のせいかすぐに眠りに落ちた。
次の日から毎日初心者ダンジョンで魔物を狩る。
毎日コツコツ働いて少しづつ前に進む。
レベルが上がるとケガをする回数も減った。
俺の冒険者ライフは充実していた。
上司の機嫌次第で怒られる事もない。
理不尽に責任を押し付けられることもない。
気が楽だ。
初心者ダンジョンの各階にはセーフゾーンがありそこの近くで戦えば死ぬこともない。
危なくなったらセーフゾーンに逃げれば魔物は入ってこれない。
魔物を倒しても魔物から逃げ切っても不思議と充実感を感じる。
俺はしばらく先までの優先順位は決めていた。
優先順位の1番はレベル上げだ。
自己投資こそが最大の投資。
優先順位2番は節約だ。
当面この方針で行く。
俺は毎日毎日魔物を狩った。
◇
俺はスライムを素手で殴り倒す。
「手が痛くない」
ステータスの上昇を実感する。
目が良くなり、走る速度も力も上がった。
生産ジョブの錬金術師でさえハンマーを持つことで戦闘力がプラスされるが投資家は専用武器が無い。
この点も投資家が最弱と言われる理由だ。
最弱でも一カ月間まじめにコツコツ魔物を狩ってお金を貯めればレベルを上げられた。
経験値の腕輪と回復の腕輪のおかげか。
魔物狩りは充実感があり魔物狩りにはまっていた。
魔物を狩れば狩るほどレベルが上がるしお金も稼げる。
レベルが上がれば更に稼ぎが良くなる。
この世界には日本と違い希望があった。
俺はギルドに向かう。
「いらっしゃいませ!」
美人受付嬢のフィルが元気に声をかけてくる。
「おはよう。フィル、テントが欲しいんだ」
「何に使うんですか?」
「野宿するんだ」
「宿屋に泊った方が疲れが取れますよ」
「いや、王さまに貰った戦闘力の腕輪と回復の腕輪が砕けてお金に余裕が無いんだ。節約してポーションを買いたい」
腕輪は消耗品だ。
使うほど劣化して最後には砕ける。
ポーションを買って傷をポーションで癒しつつたくさん魔物と闘いレベルを上げたい。
「う~ん、ジュンさんは毎日まじめに働いているのでお金はありますよね?レベルだって上がってますよ?それに寝て起きれば傷は治りますよ?」
この世界は元の世界と違って寝て起きれば傷が結構治る。
転移初日に傷を負った時に兵士がかすり傷だと言った理由はそこにもある。
「まだレベル5だ。足りない。早くレベルを上げたいんだ。ポーションを買う為にお金を使いたい」
俺の戦闘力は今たったの5だ。
もっと早く強くなりたい。
「確認ですが、早くレベルを上げる為にお金を節約してポーションをたくさん買ってたくさん戦いたいんですよね?」
「そうだな」
フィルはその場で考え込んだ。
「ん?変な事を言ったか?この世界の常識が良く分からないから間違いがあれば教えて欲しい」
女神ファジーから貰った知識には結構抜けている部分がある。
「いえ、間違いではありません。ただ、もしかしたら、交渉次第で安くポーションが手に入るかもしれません」
「教えて欲しい」
「うさぎ族と交渉をしてみませんか?」
うさぎ族、最弱の種族か。
ジュン 男
投資家 レベル1
スキル
経験値投資
幸運値 0
戦闘力 1+1
装備
戦闘力の腕輪
回復の腕輪
____________________
レベルを見てため息をつく。
俺の戦闘力は1。
最弱だ。
俺以外の3人の転移者は戦闘系ジョブの中で最上級の力を持っている。
その力のおかげで戦闘力が高い。
戦闘力の腕輪を装備してやっと戦闘力が2になる。
タケルの言う通り、腕輪を貰わなければレベル1の魔物と同じ戦闘力しかない。
どんなに新米の剣士でも剣を装備しただけで戦闘力が1ポイント上昇する。
だが俺のスキルにそう言ったスキルは一切ない。
戦闘に役立つスキルは皆無なのだ。
俺のスキルは経験値投資のみだ。
このスキルは相手と契約しなければ効果を発揮できないがこの世界で投資家は嫌われている。
契約する事は難しいだろう。
やる気が無くなっていく。
いや、頭を切り替えよう。
まずは装備を貰う。
俺は王に励まされた後、鎧と鉄の剣を装備するが、重くてうまく動けなかった。
俺のステータスが低すぎるのだ。
皮の服と皮の靴を履いて武器は短めの木刀に変えた。
投資家ジョブには専用装備が無い為木刀を装備しても強くならない。
だが素手で殴ると手がボロボロになるらしい。
俺のステータスが低すぎる為だ。
俺は最弱の投資家なのだ。
ちなみに俺の服装は少し厚手の服を着た町人とほぼ変わらない。
モブキャラだ。
1人の男兵士に案内されつつ街のギルドや宿屋などを案内された。
この世界の街並みは元の世界の中世ヨーロッパに見える。
だが文明水準は産業革命の始め程度の文明水準だ。
科学の代わりに魔法やスキルと魔道具がある。
魔道具の力で水を出せるし、余裕のある家庭では魔道具のコンロを使える。
水道とエネルギーは魔道具で代用できる。
街の案内が終わるとすぐに初心者ダンジョンへと向かう。
戦闘力の腕輪の効果で戦闘力を強化しているがそれでも不安しかない。
「俺は元の世界で戦った事が無いんですが、大丈夫ですかね?」
「初心者ダンジョン1階の魔物はレベルも戦闘力も1なのでジュン殿でも倒せますよ」
「そ、そうなんですね。でももし集団で襲われたら俺殺されないですか?」
「大丈夫です!私が守りますよ!」
兵士の男が胸を張った。
「心強いです」
と言いはしたが怖いものは怖いのだ。
元平和ボケした日本人のおっさんなのだ。
ふつう怖いよな?
「大丈夫ですよ、心配しないで中に入りましょう」
「そうですね。やるしかないです!」
ダンジョンに入ると目の前に魔物がいた。
「す、スライムですよね?」
「倒しましょう。大丈夫です!」
俺は声を殺して近づき、スライムを木刀で殴り殺した。
スライムを倒すと石を落としてスライムが霧のように消えていく。
た、倒せた。
倒せる!普通に倒せるぞ!
「おめでとうございます。倒した後に残った魔石を拾いましょう。冒険者ギルドで売ることが出来ますから」
魔石はこの世界のエネルギーだ。
魔道具の動力源や錬金術の触媒として使用される。
「この魔物って何体倒せばレベルを上げられますかね?」
女神さまに貰ったこの世界の知識には偏りがあった。
どのくらいでレベルが上がるかは分からないのに腕輪の価値はすぐ分かった。
後で勉強が必要だ。
「同じレベルの魔物だと100体です。自分よりレベルの高い魔物を倒せばすぐにレベルが上がり、自分よりレベルの低い魔物を倒しても中々レベルは上がりません」
そこに奴らがやってきた。
「おいおい!まだこんな所でちんたらしてんのか。ま、しょうがねえよなあ!お前の戦闘力は1。たったの1だ。それに比べて俺の戦闘力は26だ。見てな!」
そう、勇者タケルだ。
タケルはありえない速度で走り、遠くにいるスライムを一瞬で斬り倒していく。
他の2人も余裕で魔物を倒す。
これがチートスキルか。
「のろまが、ま、ちまちま頑張れよ!」
捨て台詞を残し、3人は奥に進んでいった。
「はあ~やる気が無くなってきます」
チートを持った奴らはレベル上げに有利だ。
一気に最上階の10階まで登り、レベル10の魔物を倒す事で簡単にレベルが上がっていくだろう。
「戦闘力プラス25は確かにチートだよな」
「気にせずコツコツ行きましょう」
俺は疲れるまで魔物を狩り、分かった事がある。
魔物の攻撃はとても痛い。
普通だろ?と思うかもしれないが痛いものは痛いのだ。
1対1ならほぼ無傷で魔物を倒せる。
だが向こうが1体だけで来るとは限らない。
複数の魔物に同時に襲われれば傷を負うのだ。
兵士は「大丈夫です。かすり傷ですよ」と言うが、兵士の言うかすり傷は日本だと大怪我だ。
血がたくさん出てくる。
さっきから回復の腕輪が光ってめっちゃ仕事してる。
血を流しすぎた俺は街に帰る。
冒険者ギルドの前にたどり着くと、付き添ってくれた兵士は「後は一人で大丈夫そうですね。では頑張ってください」と言って帰って行った。
これからソロ活動か。
でも、不思議と充実感があった。
生きている感じがする。
ここに来て勇者達との対話は苦痛だった。
だが魔物狩りは充実感と希望があった。
コツコツレベルを上げて行けば戦闘力は上がっていく。
生活の質が良くなっていく未来が見えた。
俺は笑う。
「コツコツ、そうだよな。勇者達は気にせずコツコツ続けよう」
俺は冒険者ギルドの中に入った。
「いらっしゃいませ!私はフィルと申します。よろしくお願いします」
ギルドに入ると、美人の受付嬢が出迎える。
桃色の髪色と桃色の瞳が更に目を引く。
一瞬コスプレに見えた。
「よろしくお願いします」
「あなたは英雄様ですね?」
「いえ、転移者ですが女神さまから加護を貰っていないので英雄ではないんですよ。ジョブも投資家ですし、戦闘も苦手です」
この世界で黒目黒髪は珍しい。
見ただけで転移者だと分かるのだ。
「女神さまが連れてきてくださった方は英雄ですよ」
「う~ん、何が出来るかまだ分かりませんが、ゆっくり出来る事を探してみます。所で魔石を売りたいのです」
こうして俺はその日倒したすべての魔石を換金し、代金を受け取るとフィルがまた話しかけてくる。
「大丈夫ですか?元気がありませんよ?」
「転移初日で疲れてしまいました。今日はすぐ宿でゆっくり寝ますね」
「疲れた時はお風呂に入って美味しい物を食べて寝るのが一番です」
「そうですね、今日はお疲れさまでした」
「は~い、またお越しください」
俺はすぐ宿のベッドに横になった。
「眠い。疲れた」
今日は色々あった。
急に女神さまに呼ばれて転移してすぐに他の転移者に怒鳴られた。
その後魔物と闘った。
でも、充実感がある。
魔物との戦闘で体を動かしてお金を稼いでいくのは悪くない。
戦えば戦うほど生活が楽になる。
日本と違ってこの世界には希望があった。
俺は疲労のせいかすぐに眠りに落ちた。
次の日から毎日初心者ダンジョンで魔物を狩る。
毎日コツコツ働いて少しづつ前に進む。
レベルが上がるとケガをする回数も減った。
俺の冒険者ライフは充実していた。
上司の機嫌次第で怒られる事もない。
理不尽に責任を押し付けられることもない。
気が楽だ。
初心者ダンジョンの各階にはセーフゾーンがありそこの近くで戦えば死ぬこともない。
危なくなったらセーフゾーンに逃げれば魔物は入ってこれない。
魔物を倒しても魔物から逃げ切っても不思議と充実感を感じる。
俺はしばらく先までの優先順位は決めていた。
優先順位の1番はレベル上げだ。
自己投資こそが最大の投資。
優先順位2番は節約だ。
当面この方針で行く。
俺は毎日毎日魔物を狩った。
◇
俺はスライムを素手で殴り倒す。
「手が痛くない」
ステータスの上昇を実感する。
目が良くなり、走る速度も力も上がった。
生産ジョブの錬金術師でさえハンマーを持つことで戦闘力がプラスされるが投資家は専用武器が無い。
この点も投資家が最弱と言われる理由だ。
最弱でも一カ月間まじめにコツコツ魔物を狩ってお金を貯めればレベルを上げられた。
経験値の腕輪と回復の腕輪のおかげか。
魔物狩りは充実感があり魔物狩りにはまっていた。
魔物を狩れば狩るほどレベルが上がるしお金も稼げる。
レベルが上がれば更に稼ぎが良くなる。
この世界には日本と違い希望があった。
俺はギルドに向かう。
「いらっしゃいませ!」
美人受付嬢のフィルが元気に声をかけてくる。
「おはよう。フィル、テントが欲しいんだ」
「何に使うんですか?」
「野宿するんだ」
「宿屋に泊った方が疲れが取れますよ」
「いや、王さまに貰った戦闘力の腕輪と回復の腕輪が砕けてお金に余裕が無いんだ。節約してポーションを買いたい」
腕輪は消耗品だ。
使うほど劣化して最後には砕ける。
ポーションを買って傷をポーションで癒しつつたくさん魔物と闘いレベルを上げたい。
「う~ん、ジュンさんは毎日まじめに働いているのでお金はありますよね?レベルだって上がってますよ?それに寝て起きれば傷は治りますよ?」
この世界は元の世界と違って寝て起きれば傷が結構治る。
転移初日に傷を負った時に兵士がかすり傷だと言った理由はそこにもある。
「まだレベル5だ。足りない。早くレベルを上げたいんだ。ポーションを買う為にお金を使いたい」
俺の戦闘力は今たったの5だ。
もっと早く強くなりたい。
「確認ですが、早くレベルを上げる為にお金を節約してポーションをたくさん買ってたくさん戦いたいんですよね?」
「そうだな」
フィルはその場で考え込んだ。
「ん?変な事を言ったか?この世界の常識が良く分からないから間違いがあれば教えて欲しい」
女神ファジーから貰った知識には結構抜けている部分がある。
「いえ、間違いではありません。ただ、もしかしたら、交渉次第で安くポーションが手に入るかもしれません」
「教えて欲しい」
「うさぎ族と交渉をしてみませんか?」
うさぎ族、最弱の種族か。
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