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第2章 閉ざされた悪夢への誘い
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何度目の溜め息だろう。
一夜は石像のような面持ちでソファに身を沈め、鬱々とした気を巡らせていた。
弥央が出ていってすぐに、佐々蔵が探索再開だと言って大広間の方の階段を上がった。細長くせり出た2階部分の片端にドアがあり、そこから玄関ホールの真上の空間へ抜けられることを一人で喋りながら消えていった。弥央は懐中電灯を持たずに行ったが、2階で佐々蔵と落ち合うだろうから心配はしなくていいだろう。
……心配、か。
さらにどんよりとした暗雲が頭の中に立ち始め、一夜はぎゅっと目をつぶる。
弥央が何かに憑かれたように突然目の前に迫ってきた時の、虚ろな顔。陰鬱な声。明らかに様子がおかしく、まるで得体の知れない不気味な存在に思えた。
そして握られた手から伝導する ぞわりとした感覚。今まで時折感じていたものとは比べものにならなかった。びっしり小足の生えた節足動物が細長い体躯をくねらせて何匹もずるずると腕を這い上がってくるような、耐え難い生理的な嫌悪感。
無我夢中で振り払い、我に返った時には弥央はすでに部屋の外の闇に消えていた。足音が上へ行ったから行き先は2階だと分かった。後を追う気は起きず、むしろほっとした気分になった。
佐々蔵も大広間を出た後、一夜は移動した。向き合って置かれたソファの、累人が寝かされている方とは反対側に腰を下ろした。穏やかな寝顔を目にし、少しだけ心が軽くなった。
しかし安堵も束の間、トラウマのように焼き付いた虚ろの顔と声が呼び起こされ、こうして一人憂鬱な気分に浸っている。
弥央が事件のことを知っていたのは驚いた。が、全国的に話題になったことを考えれば別段不思議でもない。
だが累人と事件の関わりを勝手に話したことは、後で本人に謝らなければ。佐々蔵も含めた学校の人間の誰にも伝えていない。一夜にとっても累人にとっても、進んで他人に話したい事柄ではないのだから。
それでも弥央には語ってしまった。それは信頼のおける相手だからというより、強迫観念が故という方が近い。弥央の真顔を前にした時、まるで取り調べ室で尋問されているような雰囲気が漂っていた。
なぜそう思ったのかは分からない。それに話の途中で弥央があんな行動を取るとは予想だにしなかったし、理由すらも検討がつかない。
……本当にそうだろうか。
一夜はゆっくりと目を開ける。ローテーブルに置いた懐中電灯が手元を淡く照らす。弥央がつけた左手の爪痕はくっきりと残っている。
弥央は思ったことをすぐ口や顔に出す一方、奥底に秘めた本音を頑なに表に出さない。それがここひと月程の付き合いを通して一夜が抱いた感想だった。隠し事があるのは一夜自身も同じだから、別に追及しようという気があるわけではない。だが。
昼休憩中に3人で集っている時。部室や帰り道での弥央との会話で累人の話題になった時。露骨にではないが面白くなさそうな顔をしているのを見たのは、一度や二度ではない。だからといって本人を問い質すことはしなかった。気にはする一方で、弥央自身が何を思っていようがどうでもよかったのかもしれない。
今思えばあの態度は、無意識のうちに表面に現れていた弥央の本心だったのではないか。そして先程、累人に対する不満をはっきり口にした。存在を疎ましく思っていることは明らかだった。ちょっとした喧嘩による一過性の不仲とは恐らく違う。何がそこまで弥央の中の嫌悪を駆り立てているのだろうか。
加えて疑問なのは、弥央から一夜自身に向けられた言葉だ。同じ気持ち。一緒にいてやれる。守るためにここへ来た。断片的にしか思い出せないが、言葉の一つ一つが手に余る程の重圧を含んでいたように思う。あれらももしかしたら、今までひた隠しにしていた弥央の本音だったのかもしれない。
不意にぐらりと世界が揺れる。地震かと一瞬身構えそうになるが、すぐにただの眩暈だと思い至る。疲労が限界まできている証拠だろう。一夜は再び固く目を閉じる。
瞼の裏の暗闇に、様々な風景がコマ送りのように映し出される。教室や廊下、部室、通学路を背景に登場するのは累人と弥央。どちらも笑っている。楽しそうに何やら喋っている。
次々と切り替わる画像をぼーっと見送っていると、ふと違和感に気付いた。人物の片方、弥央の顔が何だかおかしい。表情がぎこちないというか、どこか作り物めいている。
あれは…………仮面だ。顔全体を覆う仮面が貼り付いている。
ならば、あの表情は偽物か。今まで見てきた喜怒哀楽の顔は全て仮面という嘘で、弥央はずっと本当の顔を隠してきたのか。俺はそれに気付かなかったのか。気付こうとしなかったのか。
すると、流れていた画像がとある場面で固定される。ソファで弥央と話していて、手を掴んで目の前に迫ってきた時の、あの虚無の顔。仮面ではないその生身の顔が、かえって異様に生々しく感じられる。あれが、弥央の本当の顔…………。
あぁ違う。こんなものは全部妄想だ。だがいくら固く目をつぶっても頭を振っても投影された顔は消えない。それどころかコマ送りで再生されていた画像が一面に全て表示され、黒い背景におびただしい数の作り物の顔が白く浮かび上がる。怪しくて、不気味な光景。
弥央…………辻宗弥央。お前は、一体何者だ。
その時、慌ただしい足音が上階から下りてきた。玄関ホールの方の階段からだ。
佐々蔵が面白いものを見つけたといって意気揚々と駆けてきているのだろうか、などとぼんやり考えながら目を開けると。
「一夜。佐々蔵見てないか」
大広間に飛び込んできたのは弥央だった。とっさに身構える一夜に対し、不安げな表情を向ける。
「おれと部屋を見て回ってたんだけど、気付いたら佐々蔵がいなくなってたんだ。2階の部屋全部見たけど、床に懐中電灯が落ちてただけでどこにもいない。この部屋には来てないのか」
必死に訴える様子を前に、ついさっきまで一夜の中に立ち込めていた霧が吹き飛んだ。すぐさま周囲への警戒を引き上げ、緊迫した面持ちで応じる。
「俺が見たのは2階へ上がっていく姿が最後だ。広間には戻ってきてはない。そうすると、あとは1階のあの4部屋か」
「そこはまだ見てない。一夜、いっしょに確認しに行こう」
「分かった」
即答しつつも気がかりなことを思い出して振り返る。累人を一人残して大丈夫だろうか。
「まだ寝てるならほっといていいだろ。すぐ戻ってくればいい。ほら早く」
弥央がじれったそうに催促する。わずかに逡巡したのち、一夜は意を決して大広間を出た。
この時の選択を、一夜は後になって後悔することになった。
玄関ホールを抜けた先の、1階の幅広い廊下。
数十分前(時刻を確認できるものがないため、あくまで体感だが)に弥央と共にやってきた時と同じ状況だ。違うのは探す対象が霊ではなく生身の人間という点か。
弥央が持っていた懐中電灯の光を頼りに、2人揃って各部屋を見て回る。4つ全て確認し終わったが、どこにも佐々蔵の姿はなかった。2階を全て見てきたという弥央の言葉が本当なら、この館にこれ以上探せる場所はない。
「隠し部屋とか、ひみつの地下室でもあるんじゃないか?」
と、弥央がひらめいた顔をする。
「そうだな。可能性はある」
佐々蔵の性格からして、見つけた途端に躊躇いなく踏み入るであろうことが容易に想像できる。
ひとまず大広間に戻ろうということになった。その前に玄関へ行きだめもとで扉を押してみたが、やはり開かない。先程室内を捜索した折に窓を開けようと試みた際も同様だった。佐々蔵が館の外に出た可能性は低いと考えていいだろう。
くそ。どこに行ったんだ。ただでさえ何が起こるか予測できない場所だというのに……。
相変わらずの監禁状態に加え一人が行方不明。未だ出口の見えない状況への不安と焦りがさらに倍増されていく。
「一夜、眉間にすげーシワ寄ってる。はんにゃのお面みたい」
ピリピリした場を和ませようとしたのか、単に空気が読めていないのか、隣を歩く弥央がそう呟いた。
一夜は何も返さず大広間に入る。テーブルの上に残してきた懐中電灯も、ソファの上の累人もさっきと変わりない。
安堵する一夜の傍らで、先程一夜が座っていたソファの肘掛け部分に弥央が腰を下ろした。そして、
「カミカクシって言うんだっけ、こういうの」
真面目くさった顔で唐突に切り出す。
「カミサマが子供をさらってどこかにかくす。親があちこち探し回って見つけたのはたんすの中。冷たくなった子供の死体が折りたたまれて入っていました」
「どこの民話だ」
「今作った。でもありそうじゃない?」
「だったら調べに行くか。たんすの中を」
「んー。ひょうたんから出たマコトになりたくないからいいや」
ことわざ混ざってるぞ。そう指摘するのも面倒だった。
「でもさぁ、一夜」
「何だ」
「カミカクシは昔はよくある考え方で、子供がいなくなったらカミサマのしわざだってみんな考えたわけでしょ。ユウカイされる場面を見た人でもいたの?」
「いないと思うが」
「じゃあなんでそんな考えが?」
「昔なりの救済措置だったんじゃないのか。あくまで子供の失踪という現実を受け入れるための口実として、消えた子供は神によって異界へ連れ去られたという話を作った」
「なるほど。責任テンカってやつか」
嫌な言い方をする。
じゃあさ、と弥央がなおも投げかけてくる。
「一夜はカミサマって信じる?」
「……祈れば無条件で救いを与えるような都合のいい存在は信じない」
「ふぅん。じゃあ、条件付きで限られた範囲での願いを叶えてくれる存在は信じるってこと?」
「それはもう神じゃない。悪魔だ」
「アクマ…………アクマねぇ」
ぶつぶつと上の空で繰り返している。そんなに意外な返答だっただろうか。
そんなことより今は雑談をしている場合ではない。早急に佐々蔵を見つけ出さなければ。弥央の言う通り、地下や隠し部屋があると仮定してその入口を探すべきか。
すると、
「んん…………柳?」
眠たげな声が上がる。
むくりと起き上がった累人が目をこすっていた。
一夜は思考を一旦止め、ソファへ近寄る。
「起きたか、名神。具合は__」
…………何だ。
累人の肩へ伸ばした右手が、空中で止まった。
寒気に似た違和感が一夜の全身を駆け巡る。おかしい。何かがおかしい。違和感の出所を掴もうと神経を集中させて周囲の情報を集める。
否、その必要はない。なぜなら。
目の前にいる累人こそが、違和感そのものなのだから。
「どうかした?柳」
立ち上がった累人が尋ねる。
不思議そうな顔と声。首を傾げる動作。漂ってくる気配。どれもが一夜の知っている「名神累人」とほんのわずかに違う。うまく言葉に表せないが、ともかく何かがずれている。
強いて言うなら、人間に似せて作られたロボットや人形に対する違和感に近い。本物へ寄ろうとしてかえって本物から遠ざかり、親近感が嫌悪感に変わる。「不気味の谷」へ半分落ちかかったあたりの心理状況といったところだろうか。
つまり、俺は目の前に立っている累人に対して非人間的要素を感じ取っている、ということなのか。
高速で組み上げたその結論に一夜は愕然とする。あり得ないと否定しようとしても、一度抱いた不審の感情は消えない。
「おーい。どうしたんだよ。俺の顔に何かついてる?」
なおも尋ねる累人に、一夜は無言で固い視線を送る。そして宙で停止したままの手を伸ばし、累人の腕に軽く触れ__
ぞわり
指先が当たってすぐに手を離す。
今の気配は…………(似ている……)まさか。
「なに箱の中身を当てるクイズみたいなリアクションしてんだ、一夜」
弥央の場違いな指摘を無視し、鋭い目線を突き刺したまま言い放つ。
「お前は名神じゃない。この館に残留している霊か」
累人、に見えるナニカは一瞬表情を凍りつかせ、すぐに元に戻り苦笑いする。
「いきなり何だよ。柳が冗談言うなんて珍しい__」
「俺と弥央がこの部屋を離れた間に入れ替わったんだろう。姿も声も仕草もうまく真似ているが違和感は消し切れていない。何より、その気配は明らかに生きた人間とは異なる」
累人モドキは困惑した顔で押し黙っている。時々救いを求めるような目線を少し離れた所の弥央へ送る。
やはりこいつは偽物だ。今なら(……似ている…………弥央と……)はっきりとそう確信できる。
「えぇー、うそだろ。累人がニセモノになってたなんて全然気付かなかった。よく分かったな一夜」
弥央が驚いた声を上げる。少しわざとらしいくらいに。
その一方で一夜は逡巡していた。大して凶悪でもないこの霊を祓うのは簡単だ。触れた時の感覚からして生身の肉体に霊が憑依しているのではなく、累人の姿を模倣した仮初の人影を霊が作り出している。つまり本体の累人はどこか別の場所にいるため、今この場の霊を消しても問題はない。それは間違いないはずだ。だが…………。
「……本物の名神はどこにいる」
「一夜。こいつユーレイなんだろ。ジョレイとかしなくていいのか」
弥央が口を挟んでくる。
「名神の無事を確認するのが先だ」
「それこそ後でいいじゃん。まずは目の前の問題を片付けなきゃでしょ」
「少し黙れ」
思わず口調が荒っぽくなる。
すると弥央はこれ見よがしに深い溜め息を吐いた。そして、
「ストレートに言ったら拒絶されて。遠回しに言ったら伝わらなくて。本当に一夜は累人以外はどうでもいいんだね」
いきなり何を言い出すのかと振り向くと、弥央はなぜかふてくされたような顔で頭をかいていた。そして累人に向かって、
「もういいよ、ユーレイくん。だいぶ気配は抑えられてたけど、さすがに相手がわるかった。演技はまぁまぁよかったけどね」
累人は微かに頷き、表情の消えたマネキンのように佇む。それを見た一夜に疑問の大波が押し寄せる。
「どういうことだ、弥央。お前は__」
「はぁーぁ、つまんないの。ニセモノとはいえ、一夜が累人を殺すところを見られたら少しはスカッとすると思ったのに」
…………は?
「なぁ一夜。一夜はほんとに優しいんだね。こんなにまるっきり別物なのに、ちゃんと見てくれに騙されてあげるなんて。純心すぎて直射日光みたいにまぶしい」
待て。お前は。
「見た目が同じなら中身なんか何だっていい。それが一夜の本音だった。よーくわかった。ぜひ参考にするよ。今後ドッキリ企画とかがあった時に」
お前は何を言っている。
「でもおれは、あきらめる気ないよ。いつか一夜にほんとのこと言うから、その時はおれのこと、ちゃんと見てほしいな」
混乱の暴風が吹き荒れる一夜の心中とは裏腹に、弥央の声はそよ風のように穏やかで静かだった。
一夜からの返答はないと見切りをつけたのか、弥央は目線を外し累人の元へ歩み寄る。ちょうど累人と一夜の間を塞ぐ位置に立った、次の瞬間。
弥央は右手を突き出し、累人の首を掴んでそばのローテーブルの上に押しつける。鈍い音を立てて仰向けに倒れた累人の上に、弥央は猛獣のようにのしかかる。弾みで置いてあった懐中電灯が床に転がる。
声を上げる間もない程の一瞬の出来事だった。
「かはっ…………ぁ……」
手がきつく食い込んでいるのか、累人の口から漏れるのはかすれた音ばかり。人形のような顔に苦しげな表情が浮かんでいる。
「一夜がやらないならおれがやる。でもどうせだから、おれの気晴らしに付き合ってよ」
休憩時間の雑談でもするかのような口調で弥央は言う。右手で首を押さえつけたまま、左手をナイフのように構え心臓あたりを目掛けて振り下ろす。
ズブッ、と音がして手が累人の胸に突き刺さり、ずるずると体内に入り込む。
「がっ…………あ……アァ」
「ユーレイだから痛みはないだろうけど、もうちょっとリアクションとってくれるかな。でないとこのカタブツはビビらないから」
泥の中に手を入れてまさぐっているような、ぐちゃぐちゃとした気色の悪い音が響く。
とても、見ていられる光景ではなかった。
「……やめろ」
出た声はひどく震えていた。
「ん?何か言った、一夜」
「やめろ……弥央」
「やめろ?やっぱり自分でやる気になった?なら交代してあげよっか」
ぐちゃぐちゃ。ぐちゃぐちゃ。
「やめてくれ。頼むから」
ほとんど悲鳴に近い声だった。
すると、眼鏡越しの鋭い灰眼がぬるりと向けられる。途端に千本の刃物を一斉に突きつけられたような圧迫感に襲われ、息苦しさすら感じる。
「なぁ、一ついいこと教えてあげようか。友達のことをなんにも知らないヤナギイチヤくん」
誰だこいつは。とっさにそう思ってしまう程、普段の弥央とは雰囲気のかけ離れた口調。まるで全く別のナニカが乗り移って喋っているような……。
「おれの性分はこの通り荒っぽいから、言動には注意した方がいいよ」
そう言って、左手を勢いよく引き抜いた。
同時に力なく横たわっていた累人の体が水風船のように爆ぜ、黒いヌメヌメした液体と化し飛散した。テーブルも床も弥央の全身も、墨でも浴びたように黒く染まる。
霊とは言え人体が文字通り跡形もなくはじける光景を前に、一夜は言葉が出なかった。
ただ、自身の内側から噴出しようとする感情を押さえていた蓋が、一気に弾け飛んだことは分かった。
憤然と弥央に詰め寄り、襟元を掴んで睨みつける。呼吸が荒くなり、握り締めた手が震えている。それを見返す弥央の顔はひどく冷めていて、呆れた様子だった。
「おこってるの?あんなの外側をまねただけの出来損ないマネキンなのに」
そんなことは分かっている。分かり切っている。それでも!
「もし……霊じゃなく、名神本人が相手でも…………同じことをしたのか」
「へぇ。……もちろん、って言ったらどうする。殺すのか、おれを」
「っ…………」
襟を掴む手に力が入り、弥央の首を絞め上げる形になる。
「ははっ。これがユーゲン実行ってやつ?」
にもかかわらず、弥央は笑っている。黒い飛沫で汚れた顔で、楽しそうに笑っている。
なぜ。なぜ。なぜ。形にならない疑問が後から後から湧き上がり、器から溢れ出す。
「……なんでだ。なんでそこまでして名神を……」
「なんで、か。あれでわからなかったら、一夜のことも鈍感って呼ばなきゃいけないな」
「何を__」
「おっと、ざんねん。もう夢からさめる時間だよ、一夜」
__悪魔。
無垢な子供のような笑顔を精一杯睨みつけ、心の中でそう吐き捨てる。
それを最後に、一夜の意識は電源が落ちたように暗転した。
一夜は石像のような面持ちでソファに身を沈め、鬱々とした気を巡らせていた。
弥央が出ていってすぐに、佐々蔵が探索再開だと言って大広間の方の階段を上がった。細長くせり出た2階部分の片端にドアがあり、そこから玄関ホールの真上の空間へ抜けられることを一人で喋りながら消えていった。弥央は懐中電灯を持たずに行ったが、2階で佐々蔵と落ち合うだろうから心配はしなくていいだろう。
……心配、か。
さらにどんよりとした暗雲が頭の中に立ち始め、一夜はぎゅっと目をつぶる。
弥央が何かに憑かれたように突然目の前に迫ってきた時の、虚ろな顔。陰鬱な声。明らかに様子がおかしく、まるで得体の知れない不気味な存在に思えた。
そして握られた手から伝導する ぞわりとした感覚。今まで時折感じていたものとは比べものにならなかった。びっしり小足の生えた節足動物が細長い体躯をくねらせて何匹もずるずると腕を這い上がってくるような、耐え難い生理的な嫌悪感。
無我夢中で振り払い、我に返った時には弥央はすでに部屋の外の闇に消えていた。足音が上へ行ったから行き先は2階だと分かった。後を追う気は起きず、むしろほっとした気分になった。
佐々蔵も大広間を出た後、一夜は移動した。向き合って置かれたソファの、累人が寝かされている方とは反対側に腰を下ろした。穏やかな寝顔を目にし、少しだけ心が軽くなった。
しかし安堵も束の間、トラウマのように焼き付いた虚ろの顔と声が呼び起こされ、こうして一人憂鬱な気分に浸っている。
弥央が事件のことを知っていたのは驚いた。が、全国的に話題になったことを考えれば別段不思議でもない。
だが累人と事件の関わりを勝手に話したことは、後で本人に謝らなければ。佐々蔵も含めた学校の人間の誰にも伝えていない。一夜にとっても累人にとっても、進んで他人に話したい事柄ではないのだから。
それでも弥央には語ってしまった。それは信頼のおける相手だからというより、強迫観念が故という方が近い。弥央の真顔を前にした時、まるで取り調べ室で尋問されているような雰囲気が漂っていた。
なぜそう思ったのかは分からない。それに話の途中で弥央があんな行動を取るとは予想だにしなかったし、理由すらも検討がつかない。
……本当にそうだろうか。
一夜はゆっくりと目を開ける。ローテーブルに置いた懐中電灯が手元を淡く照らす。弥央がつけた左手の爪痕はくっきりと残っている。
弥央は思ったことをすぐ口や顔に出す一方、奥底に秘めた本音を頑なに表に出さない。それがここひと月程の付き合いを通して一夜が抱いた感想だった。隠し事があるのは一夜自身も同じだから、別に追及しようという気があるわけではない。だが。
昼休憩中に3人で集っている時。部室や帰り道での弥央との会話で累人の話題になった時。露骨にではないが面白くなさそうな顔をしているのを見たのは、一度や二度ではない。だからといって本人を問い質すことはしなかった。気にはする一方で、弥央自身が何を思っていようがどうでもよかったのかもしれない。
今思えばあの態度は、無意識のうちに表面に現れていた弥央の本心だったのではないか。そして先程、累人に対する不満をはっきり口にした。存在を疎ましく思っていることは明らかだった。ちょっとした喧嘩による一過性の不仲とは恐らく違う。何がそこまで弥央の中の嫌悪を駆り立てているのだろうか。
加えて疑問なのは、弥央から一夜自身に向けられた言葉だ。同じ気持ち。一緒にいてやれる。守るためにここへ来た。断片的にしか思い出せないが、言葉の一つ一つが手に余る程の重圧を含んでいたように思う。あれらももしかしたら、今までひた隠しにしていた弥央の本音だったのかもしれない。
不意にぐらりと世界が揺れる。地震かと一瞬身構えそうになるが、すぐにただの眩暈だと思い至る。疲労が限界まできている証拠だろう。一夜は再び固く目を閉じる。
瞼の裏の暗闇に、様々な風景がコマ送りのように映し出される。教室や廊下、部室、通学路を背景に登場するのは累人と弥央。どちらも笑っている。楽しそうに何やら喋っている。
次々と切り替わる画像をぼーっと見送っていると、ふと違和感に気付いた。人物の片方、弥央の顔が何だかおかしい。表情がぎこちないというか、どこか作り物めいている。
あれは…………仮面だ。顔全体を覆う仮面が貼り付いている。
ならば、あの表情は偽物か。今まで見てきた喜怒哀楽の顔は全て仮面という嘘で、弥央はずっと本当の顔を隠してきたのか。俺はそれに気付かなかったのか。気付こうとしなかったのか。
すると、流れていた画像がとある場面で固定される。ソファで弥央と話していて、手を掴んで目の前に迫ってきた時の、あの虚無の顔。仮面ではないその生身の顔が、かえって異様に生々しく感じられる。あれが、弥央の本当の顔…………。
あぁ違う。こんなものは全部妄想だ。だがいくら固く目をつぶっても頭を振っても投影された顔は消えない。それどころかコマ送りで再生されていた画像が一面に全て表示され、黒い背景におびただしい数の作り物の顔が白く浮かび上がる。怪しくて、不気味な光景。
弥央…………辻宗弥央。お前は、一体何者だ。
その時、慌ただしい足音が上階から下りてきた。玄関ホールの方の階段からだ。
佐々蔵が面白いものを見つけたといって意気揚々と駆けてきているのだろうか、などとぼんやり考えながら目を開けると。
「一夜。佐々蔵見てないか」
大広間に飛び込んできたのは弥央だった。とっさに身構える一夜に対し、不安げな表情を向ける。
「おれと部屋を見て回ってたんだけど、気付いたら佐々蔵がいなくなってたんだ。2階の部屋全部見たけど、床に懐中電灯が落ちてただけでどこにもいない。この部屋には来てないのか」
必死に訴える様子を前に、ついさっきまで一夜の中に立ち込めていた霧が吹き飛んだ。すぐさま周囲への警戒を引き上げ、緊迫した面持ちで応じる。
「俺が見たのは2階へ上がっていく姿が最後だ。広間には戻ってきてはない。そうすると、あとは1階のあの4部屋か」
「そこはまだ見てない。一夜、いっしょに確認しに行こう」
「分かった」
即答しつつも気がかりなことを思い出して振り返る。累人を一人残して大丈夫だろうか。
「まだ寝てるならほっといていいだろ。すぐ戻ってくればいい。ほら早く」
弥央がじれったそうに催促する。わずかに逡巡したのち、一夜は意を決して大広間を出た。
この時の選択を、一夜は後になって後悔することになった。
玄関ホールを抜けた先の、1階の幅広い廊下。
数十分前(時刻を確認できるものがないため、あくまで体感だが)に弥央と共にやってきた時と同じ状況だ。違うのは探す対象が霊ではなく生身の人間という点か。
弥央が持っていた懐中電灯の光を頼りに、2人揃って各部屋を見て回る。4つ全て確認し終わったが、どこにも佐々蔵の姿はなかった。2階を全て見てきたという弥央の言葉が本当なら、この館にこれ以上探せる場所はない。
「隠し部屋とか、ひみつの地下室でもあるんじゃないか?」
と、弥央がひらめいた顔をする。
「そうだな。可能性はある」
佐々蔵の性格からして、見つけた途端に躊躇いなく踏み入るであろうことが容易に想像できる。
ひとまず大広間に戻ろうということになった。その前に玄関へ行きだめもとで扉を押してみたが、やはり開かない。先程室内を捜索した折に窓を開けようと試みた際も同様だった。佐々蔵が館の外に出た可能性は低いと考えていいだろう。
くそ。どこに行ったんだ。ただでさえ何が起こるか予測できない場所だというのに……。
相変わらずの監禁状態に加え一人が行方不明。未だ出口の見えない状況への不安と焦りがさらに倍増されていく。
「一夜、眉間にすげーシワ寄ってる。はんにゃのお面みたい」
ピリピリした場を和ませようとしたのか、単に空気が読めていないのか、隣を歩く弥央がそう呟いた。
一夜は何も返さず大広間に入る。テーブルの上に残してきた懐中電灯も、ソファの上の累人もさっきと変わりない。
安堵する一夜の傍らで、先程一夜が座っていたソファの肘掛け部分に弥央が腰を下ろした。そして、
「カミカクシって言うんだっけ、こういうの」
真面目くさった顔で唐突に切り出す。
「カミサマが子供をさらってどこかにかくす。親があちこち探し回って見つけたのはたんすの中。冷たくなった子供の死体が折りたたまれて入っていました」
「どこの民話だ」
「今作った。でもありそうじゃない?」
「だったら調べに行くか。たんすの中を」
「んー。ひょうたんから出たマコトになりたくないからいいや」
ことわざ混ざってるぞ。そう指摘するのも面倒だった。
「でもさぁ、一夜」
「何だ」
「カミカクシは昔はよくある考え方で、子供がいなくなったらカミサマのしわざだってみんな考えたわけでしょ。ユウカイされる場面を見た人でもいたの?」
「いないと思うが」
「じゃあなんでそんな考えが?」
「昔なりの救済措置だったんじゃないのか。あくまで子供の失踪という現実を受け入れるための口実として、消えた子供は神によって異界へ連れ去られたという話を作った」
「なるほど。責任テンカってやつか」
嫌な言い方をする。
じゃあさ、と弥央がなおも投げかけてくる。
「一夜はカミサマって信じる?」
「……祈れば無条件で救いを与えるような都合のいい存在は信じない」
「ふぅん。じゃあ、条件付きで限られた範囲での願いを叶えてくれる存在は信じるってこと?」
「それはもう神じゃない。悪魔だ」
「アクマ…………アクマねぇ」
ぶつぶつと上の空で繰り返している。そんなに意外な返答だっただろうか。
そんなことより今は雑談をしている場合ではない。早急に佐々蔵を見つけ出さなければ。弥央の言う通り、地下や隠し部屋があると仮定してその入口を探すべきか。
すると、
「んん…………柳?」
眠たげな声が上がる。
むくりと起き上がった累人が目をこすっていた。
一夜は思考を一旦止め、ソファへ近寄る。
「起きたか、名神。具合は__」
…………何だ。
累人の肩へ伸ばした右手が、空中で止まった。
寒気に似た違和感が一夜の全身を駆け巡る。おかしい。何かがおかしい。違和感の出所を掴もうと神経を集中させて周囲の情報を集める。
否、その必要はない。なぜなら。
目の前にいる累人こそが、違和感そのものなのだから。
「どうかした?柳」
立ち上がった累人が尋ねる。
不思議そうな顔と声。首を傾げる動作。漂ってくる気配。どれもが一夜の知っている「名神累人」とほんのわずかに違う。うまく言葉に表せないが、ともかく何かがずれている。
強いて言うなら、人間に似せて作られたロボットや人形に対する違和感に近い。本物へ寄ろうとしてかえって本物から遠ざかり、親近感が嫌悪感に変わる。「不気味の谷」へ半分落ちかかったあたりの心理状況といったところだろうか。
つまり、俺は目の前に立っている累人に対して非人間的要素を感じ取っている、ということなのか。
高速で組み上げたその結論に一夜は愕然とする。あり得ないと否定しようとしても、一度抱いた不審の感情は消えない。
「おーい。どうしたんだよ。俺の顔に何かついてる?」
なおも尋ねる累人に、一夜は無言で固い視線を送る。そして宙で停止したままの手を伸ばし、累人の腕に軽く触れ__
ぞわり
指先が当たってすぐに手を離す。
今の気配は…………(似ている……)まさか。
「なに箱の中身を当てるクイズみたいなリアクションしてんだ、一夜」
弥央の場違いな指摘を無視し、鋭い目線を突き刺したまま言い放つ。
「お前は名神じゃない。この館に残留している霊か」
累人、に見えるナニカは一瞬表情を凍りつかせ、すぐに元に戻り苦笑いする。
「いきなり何だよ。柳が冗談言うなんて珍しい__」
「俺と弥央がこの部屋を離れた間に入れ替わったんだろう。姿も声も仕草もうまく真似ているが違和感は消し切れていない。何より、その気配は明らかに生きた人間とは異なる」
累人モドキは困惑した顔で押し黙っている。時々救いを求めるような目線を少し離れた所の弥央へ送る。
やはりこいつは偽物だ。今なら(……似ている…………弥央と……)はっきりとそう確信できる。
「えぇー、うそだろ。累人がニセモノになってたなんて全然気付かなかった。よく分かったな一夜」
弥央が驚いた声を上げる。少しわざとらしいくらいに。
その一方で一夜は逡巡していた。大して凶悪でもないこの霊を祓うのは簡単だ。触れた時の感覚からして生身の肉体に霊が憑依しているのではなく、累人の姿を模倣した仮初の人影を霊が作り出している。つまり本体の累人はどこか別の場所にいるため、今この場の霊を消しても問題はない。それは間違いないはずだ。だが…………。
「……本物の名神はどこにいる」
「一夜。こいつユーレイなんだろ。ジョレイとかしなくていいのか」
弥央が口を挟んでくる。
「名神の無事を確認するのが先だ」
「それこそ後でいいじゃん。まずは目の前の問題を片付けなきゃでしょ」
「少し黙れ」
思わず口調が荒っぽくなる。
すると弥央はこれ見よがしに深い溜め息を吐いた。そして、
「ストレートに言ったら拒絶されて。遠回しに言ったら伝わらなくて。本当に一夜は累人以外はどうでもいいんだね」
いきなり何を言い出すのかと振り向くと、弥央はなぜかふてくされたような顔で頭をかいていた。そして累人に向かって、
「もういいよ、ユーレイくん。だいぶ気配は抑えられてたけど、さすがに相手がわるかった。演技はまぁまぁよかったけどね」
累人は微かに頷き、表情の消えたマネキンのように佇む。それを見た一夜に疑問の大波が押し寄せる。
「どういうことだ、弥央。お前は__」
「はぁーぁ、つまんないの。ニセモノとはいえ、一夜が累人を殺すところを見られたら少しはスカッとすると思ったのに」
…………は?
「なぁ一夜。一夜はほんとに優しいんだね。こんなにまるっきり別物なのに、ちゃんと見てくれに騙されてあげるなんて。純心すぎて直射日光みたいにまぶしい」
待て。お前は。
「見た目が同じなら中身なんか何だっていい。それが一夜の本音だった。よーくわかった。ぜひ参考にするよ。今後ドッキリ企画とかがあった時に」
お前は何を言っている。
「でもおれは、あきらめる気ないよ。いつか一夜にほんとのこと言うから、その時はおれのこと、ちゃんと見てほしいな」
混乱の暴風が吹き荒れる一夜の心中とは裏腹に、弥央の声はそよ風のように穏やかで静かだった。
一夜からの返答はないと見切りをつけたのか、弥央は目線を外し累人の元へ歩み寄る。ちょうど累人と一夜の間を塞ぐ位置に立った、次の瞬間。
弥央は右手を突き出し、累人の首を掴んでそばのローテーブルの上に押しつける。鈍い音を立てて仰向けに倒れた累人の上に、弥央は猛獣のようにのしかかる。弾みで置いてあった懐中電灯が床に転がる。
声を上げる間もない程の一瞬の出来事だった。
「かはっ…………ぁ……」
手がきつく食い込んでいるのか、累人の口から漏れるのはかすれた音ばかり。人形のような顔に苦しげな表情が浮かんでいる。
「一夜がやらないならおれがやる。でもどうせだから、おれの気晴らしに付き合ってよ」
休憩時間の雑談でもするかのような口調で弥央は言う。右手で首を押さえつけたまま、左手をナイフのように構え心臓あたりを目掛けて振り下ろす。
ズブッ、と音がして手が累人の胸に突き刺さり、ずるずると体内に入り込む。
「がっ…………あ……アァ」
「ユーレイだから痛みはないだろうけど、もうちょっとリアクションとってくれるかな。でないとこのカタブツはビビらないから」
泥の中に手を入れてまさぐっているような、ぐちゃぐちゃとした気色の悪い音が響く。
とても、見ていられる光景ではなかった。
「……やめろ」
出た声はひどく震えていた。
「ん?何か言った、一夜」
「やめろ……弥央」
「やめろ?やっぱり自分でやる気になった?なら交代してあげよっか」
ぐちゃぐちゃ。ぐちゃぐちゃ。
「やめてくれ。頼むから」
ほとんど悲鳴に近い声だった。
すると、眼鏡越しの鋭い灰眼がぬるりと向けられる。途端に千本の刃物を一斉に突きつけられたような圧迫感に襲われ、息苦しさすら感じる。
「なぁ、一ついいこと教えてあげようか。友達のことをなんにも知らないヤナギイチヤくん」
誰だこいつは。とっさにそう思ってしまう程、普段の弥央とは雰囲気のかけ離れた口調。まるで全く別のナニカが乗り移って喋っているような……。
「おれの性分はこの通り荒っぽいから、言動には注意した方がいいよ」
そう言って、左手を勢いよく引き抜いた。
同時に力なく横たわっていた累人の体が水風船のように爆ぜ、黒いヌメヌメした液体と化し飛散した。テーブルも床も弥央の全身も、墨でも浴びたように黒く染まる。
霊とは言え人体が文字通り跡形もなくはじける光景を前に、一夜は言葉が出なかった。
ただ、自身の内側から噴出しようとする感情を押さえていた蓋が、一気に弾け飛んだことは分かった。
憤然と弥央に詰め寄り、襟元を掴んで睨みつける。呼吸が荒くなり、握り締めた手が震えている。それを見返す弥央の顔はひどく冷めていて、呆れた様子だった。
「おこってるの?あんなの外側をまねただけの出来損ないマネキンなのに」
そんなことは分かっている。分かり切っている。それでも!
「もし……霊じゃなく、名神本人が相手でも…………同じことをしたのか」
「へぇ。……もちろん、って言ったらどうする。殺すのか、おれを」
「っ…………」
襟を掴む手に力が入り、弥央の首を絞め上げる形になる。
「ははっ。これがユーゲン実行ってやつ?」
にもかかわらず、弥央は笑っている。黒い飛沫で汚れた顔で、楽しそうに笑っている。
なぜ。なぜ。なぜ。形にならない疑問が後から後から湧き上がり、器から溢れ出す。
「……なんでだ。なんでそこまでして名神を……」
「なんで、か。あれでわからなかったら、一夜のことも鈍感って呼ばなきゃいけないな」
「何を__」
「おっと、ざんねん。もう夢からさめる時間だよ、一夜」
__悪魔。
無垢な子供のような笑顔を精一杯睨みつけ、心の中でそう吐き捨てる。
それを最後に、一夜の意識は電源が落ちたように暗転した。
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