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高等部に進級しました
177:知恵熱
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タウンハウスに戻って
キールが馬車の扉を開けてくれたけど
俺はぐったりで目を開けることもできなかった。
驚くキールの声と
キリアスやサリーの声も
聞こえたけれど、
俺は返事もできない。
身体が抱き上げられる感覚がして
きっとキールが俺を
運んでくれているのだろう。
サリーの心配そうな声と
「旦那様とジェルロイド様に
ご連絡を!」と言うキリアスの声と。
「すぐに医者が参ります」と
言ったキールの声だけは理解して。
俺は部屋に戻り、
服だけは簡易なものに着替えて
ベットに寝かされた。
身体が熱い。
疲れてぐったりだけど
あのティスの、
顔を真っ赤にして
俺を見つめた顔を思い出して
俺はさら体を熱くする。
あんな目で、俺を見るなんて。
熱い、熱がはらんだ瞳だった。
俺は今まで誰かの前で泣くなんて
したことなかったのに。
俺はずっとお兄ちゃんだったから
泣いたりしたらダメだったのに。
……泣いてしまった。
こんなことは初めてだった。
自分の感情がわからず、
泣くなんて。
俺はシーツに潜る。
そこに扉を叩く音がして
サリーが高齢の医者を連れて来た。
この医者は俺が幼い頃から
いつも来てくれている医者で、
公爵家の専属の医師だ。
俺たちだけでなく、
公爵家で働く使用人たちも
体調が悪い時は、
個人で治療費を払うことなく
この医者にかかることができるようになっている。
こんなことをしているのは
公爵家ぐらいだが、
父は使用人たちも大事な家族だと
言う考え方で、少なくとも
公爵家に関わる者が
「治療費が払えないから治療ができない」
ということが無いようにしている。
それは俺は父の凄いところだと思う。
医者は俺を診察して
「風邪か、疲れが溜まっているのでしょう」と
そう言って、熱さましの薬を
サリーに渡した。
サリーの後ろにはキリアスがいて
医者に俺が一週間前から
今日を楽しみにしていたことを
暴露する。
幼い頃から俺を知っているので
医者は笑った。
「はしゃぎすぎたのでしょうな」
……いえ、知恵熱です。
と俺は心の中で返事をしつつ、
医者にお礼を言う。
このやりとりで
キリアスたちには
遠足前にはしゃぎすぎて
当日熱を出す子どもみたいだと
思われたに違いない。
医者が部屋から出て行くと
サリーが冷たいタオルで
俺の顔を拭いてくれた。
冷たくて気持ちがいい。
俺はそのまま眠りに落ちた。
次に目を覚ますと、
俺の手を誰かが握っている。
目を開けると、
父が号泣しながら俺の手を握っていた。
「とーさま?」
まるで俺の死に際だったように
俺が生きてて良かったと
俺を抱きしめる父に
俺は少し笑って顔を押し付けた。
父の過剰な愛は、
じつは、嬉しい。
心が弱っている時は
気恥ずかしいとか考える余裕もなく
甘えたくなってしまう。
父は俺の髪を撫で、
「父様が付いてるから
もう大丈夫だ」と言う。
だが泣いている姿を見たら
俺よりも父の方が
大丈夫ではなさそうだ。
「父上、鼻水がアキルティアに
ついてしまいます」
父にハンカチが差し出され
そちらを見ると
義兄が父にハンカチを
差し出している。
父がハンカチを受け取り
顔を拭いている間に
俺は義兄の顔を見上げた。
心配そうな顔をしている。
だから、もう大丈夫だと言う意味で
笑顔を作って見せたが、
義兄の眉間にしわが寄った。
「無理をしなくてもいい。
欲しいものはないか?」
義兄の言葉に俺は
喉が渇いていることに気がついた。
「お水が飲みたい」
「よし! 水だな」
義兄ではなく父が返事をする。
「それから……」
「それからなんだ?」
前のめりの父に、
俺は普段では絶対に
言わないであろうことを
言ってしまった。
「母様に会いたい」
俺の言葉に
父も義兄も固まった。
「父様ではダメか?
そんなにつらいのか?
しんどいのか?」
父が俺に言い寄ってくる。
「義母上を連れてくるのは
難しいが、アキルティアの
熱が下がれば領地に
戻ることもできるだろう。
それまで我慢できるか?」
義兄も驚いた顔をしつつ
冷静に答えてくれる。
でも俺は。
なんだか無性に母に会いたくなっていて。
我が儘を言って、
父や義兄を困らせたくなっていて。
後から考えたらきっと
俺の混乱した感情を
理解して欲しかっただけかも
しれないとは思ったが。
この時の俺は「やだ」と
人生初の、わがまま&駄々をこねるを
やってしまった。
「今すぐ母様に会いたい!
会いたい! 会いたい!」
って俺がわめくと
父は慌てたように俺を抱しめ
「父様がいるよ」という。
「ヤダ、父様はヤダ。
母様がいい」
父はショックを受けた顔をしたが
余裕のない俺は
フォローもしない。
義兄は俺の変わりように
口を開いたまま固まっている。
「母様に会いたい―」
わーん、と声を挙げて
俺は泣いた。
アキルティアとしてだけでなく
秋元秋良として生きて来た
人生の中でも、こんな風に
泣いたのは初めてのことだった。
それぐらい、俺は混乱していて
誰かに助けて欲しかったのだ。
俺は散々泣いて、
父を困らせ、義兄を固まらせ、
そして疲れて、寝た。
幼児の時ならともかく、
16歳にもなって
何をやっているんだと、
翌朝目が覚めて
自分の失態に悶えてしまったが。
目が覚めた俺は、
サリーを呼んで水を
飲ませて貰った。
すぐに父が部屋にやってきて
着替えもすることなく
父にシーツごとくるりと
包まれて抱き上げられた。
何事かと思ったが、
そのまま父と一緒に馬車に乗る。
俺は朝ご飯も食べることなく
義兄にもルイにも会えず。
どこに行くのかと思ったが、
父は無言で俺を悲しい目で見るばかり。
何がどうなっているのかと思ったが、
馬車が停まり、扉を開けた先は
領地の公爵家だった。
父は昨夜の俺の様子から
母に会わせるしかないと
判断したのだろう。
それに母も、話を聞いていたのだと思う。
母が玄関前まで出てきていて、
俺を優しく迎えてくれた。
俺はなんだか胸が熱くなった。
母に話を聞いて欲しくて。
「母様」と呟いた。
母はお帰りなさいと
俺と父に言い、
俺をすぐさま自室のベットに
寝かせるように父に言う。
「今日は母様がずっと
そばにいるわね」
ベットに寝た俺に
母は言う。
そして「あなたは仕事に
いってらしゃい」と
父に笑顔で言っていた。
父は悲しそうな顔をしていたが
「行ってくる」とだけ言い、
部屋から出て行く。
母は笑って、
俺の髪を撫でた。
「母様じゃないとダメだって
泣いてしまったと聞いたわ」
「うん。ごめんなさい」
我が儘を言った自覚はある。
「いいわよ。
嬉しかったもの。
お腹は空いてない?
移動してしんどかったでしょう。
もう少し寝た方が良いかしら」
俺は首を振った。
「母様。
母様と話がしたい」
母は俺の言葉に、やんわりと笑う。
「やっぱり我が子に
甘えられるのは嬉しいわね」
母はそう言い、
近くにいた侍女に
水を持ってくるように言う。
そして俺はベットに
半身を起こして水を飲み、
母はそのそばに用意された椅子に座った。
俺が水を飲み干し、
侍女が居なくなってから
母は俺を見る。
「いいわよ。
誰にいじめられたか
母様に言ってごらんなさい」
にこやかな笑顔に、
穏やかで優しい母は、
本当はこんなに
好戦的だったのかと
俺はそんなことを思ってしまった。
キールが馬車の扉を開けてくれたけど
俺はぐったりで目を開けることもできなかった。
驚くキールの声と
キリアスやサリーの声も
聞こえたけれど、
俺は返事もできない。
身体が抱き上げられる感覚がして
きっとキールが俺を
運んでくれているのだろう。
サリーの心配そうな声と
「旦那様とジェルロイド様に
ご連絡を!」と言うキリアスの声と。
「すぐに医者が参ります」と
言ったキールの声だけは理解して。
俺は部屋に戻り、
服だけは簡易なものに着替えて
ベットに寝かされた。
身体が熱い。
疲れてぐったりだけど
あのティスの、
顔を真っ赤にして
俺を見つめた顔を思い出して
俺はさら体を熱くする。
あんな目で、俺を見るなんて。
熱い、熱がはらんだ瞳だった。
俺は今まで誰かの前で泣くなんて
したことなかったのに。
俺はずっとお兄ちゃんだったから
泣いたりしたらダメだったのに。
……泣いてしまった。
こんなことは初めてだった。
自分の感情がわからず、
泣くなんて。
俺はシーツに潜る。
そこに扉を叩く音がして
サリーが高齢の医者を連れて来た。
この医者は俺が幼い頃から
いつも来てくれている医者で、
公爵家の専属の医師だ。
俺たちだけでなく、
公爵家で働く使用人たちも
体調が悪い時は、
個人で治療費を払うことなく
この医者にかかることができるようになっている。
こんなことをしているのは
公爵家ぐらいだが、
父は使用人たちも大事な家族だと
言う考え方で、少なくとも
公爵家に関わる者が
「治療費が払えないから治療ができない」
ということが無いようにしている。
それは俺は父の凄いところだと思う。
医者は俺を診察して
「風邪か、疲れが溜まっているのでしょう」と
そう言って、熱さましの薬を
サリーに渡した。
サリーの後ろにはキリアスがいて
医者に俺が一週間前から
今日を楽しみにしていたことを
暴露する。
幼い頃から俺を知っているので
医者は笑った。
「はしゃぎすぎたのでしょうな」
……いえ、知恵熱です。
と俺は心の中で返事をしつつ、
医者にお礼を言う。
このやりとりで
キリアスたちには
遠足前にはしゃぎすぎて
当日熱を出す子どもみたいだと
思われたに違いない。
医者が部屋から出て行くと
サリーが冷たいタオルで
俺の顔を拭いてくれた。
冷たくて気持ちがいい。
俺はそのまま眠りに落ちた。
次に目を覚ますと、
俺の手を誰かが握っている。
目を開けると、
父が号泣しながら俺の手を握っていた。
「とーさま?」
まるで俺の死に際だったように
俺が生きてて良かったと
俺を抱きしめる父に
俺は少し笑って顔を押し付けた。
父の過剰な愛は、
じつは、嬉しい。
心が弱っている時は
気恥ずかしいとか考える余裕もなく
甘えたくなってしまう。
父は俺の髪を撫で、
「父様が付いてるから
もう大丈夫だ」と言う。
だが泣いている姿を見たら
俺よりも父の方が
大丈夫ではなさそうだ。
「父上、鼻水がアキルティアに
ついてしまいます」
父にハンカチが差し出され
そちらを見ると
義兄が父にハンカチを
差し出している。
父がハンカチを受け取り
顔を拭いている間に
俺は義兄の顔を見上げた。
心配そうな顔をしている。
だから、もう大丈夫だと言う意味で
笑顔を作って見せたが、
義兄の眉間にしわが寄った。
「無理をしなくてもいい。
欲しいものはないか?」
義兄の言葉に俺は
喉が渇いていることに気がついた。
「お水が飲みたい」
「よし! 水だな」
義兄ではなく父が返事をする。
「それから……」
「それからなんだ?」
前のめりの父に、
俺は普段では絶対に
言わないであろうことを
言ってしまった。
「母様に会いたい」
俺の言葉に
父も義兄も固まった。
「父様ではダメか?
そんなにつらいのか?
しんどいのか?」
父が俺に言い寄ってくる。
「義母上を連れてくるのは
難しいが、アキルティアの
熱が下がれば領地に
戻ることもできるだろう。
それまで我慢できるか?」
義兄も驚いた顔をしつつ
冷静に答えてくれる。
でも俺は。
なんだか無性に母に会いたくなっていて。
我が儘を言って、
父や義兄を困らせたくなっていて。
後から考えたらきっと
俺の混乱した感情を
理解して欲しかっただけかも
しれないとは思ったが。
この時の俺は「やだ」と
人生初の、わがまま&駄々をこねるを
やってしまった。
「今すぐ母様に会いたい!
会いたい! 会いたい!」
って俺がわめくと
父は慌てたように俺を抱しめ
「父様がいるよ」という。
「ヤダ、父様はヤダ。
母様がいい」
父はショックを受けた顔をしたが
余裕のない俺は
フォローもしない。
義兄は俺の変わりように
口を開いたまま固まっている。
「母様に会いたい―」
わーん、と声を挙げて
俺は泣いた。
アキルティアとしてだけでなく
秋元秋良として生きて来た
人生の中でも、こんな風に
泣いたのは初めてのことだった。
それぐらい、俺は混乱していて
誰かに助けて欲しかったのだ。
俺は散々泣いて、
父を困らせ、義兄を固まらせ、
そして疲れて、寝た。
幼児の時ならともかく、
16歳にもなって
何をやっているんだと、
翌朝目が覚めて
自分の失態に悶えてしまったが。
目が覚めた俺は、
サリーを呼んで水を
飲ませて貰った。
すぐに父が部屋にやってきて
着替えもすることなく
父にシーツごとくるりと
包まれて抱き上げられた。
何事かと思ったが、
そのまま父と一緒に馬車に乗る。
俺は朝ご飯も食べることなく
義兄にもルイにも会えず。
どこに行くのかと思ったが、
父は無言で俺を悲しい目で見るばかり。
何がどうなっているのかと思ったが、
馬車が停まり、扉を開けた先は
領地の公爵家だった。
父は昨夜の俺の様子から
母に会わせるしかないと
判断したのだろう。
それに母も、話を聞いていたのだと思う。
母が玄関前まで出てきていて、
俺を優しく迎えてくれた。
俺はなんだか胸が熱くなった。
母に話を聞いて欲しくて。
「母様」と呟いた。
母はお帰りなさいと
俺と父に言い、
俺をすぐさま自室のベットに
寝かせるように父に言う。
「今日は母様がずっと
そばにいるわね」
ベットに寝た俺に
母は言う。
そして「あなたは仕事に
いってらしゃい」と
父に笑顔で言っていた。
父は悲しそうな顔をしていたが
「行ってくる」とだけ言い、
部屋から出て行く。
母は笑って、
俺の髪を撫でた。
「母様じゃないとダメだって
泣いてしまったと聞いたわ」
「うん。ごめんなさい」
我が儘を言った自覚はある。
「いいわよ。
嬉しかったもの。
お腹は空いてない?
移動してしんどかったでしょう。
もう少し寝た方が良いかしら」
俺は首を振った。
「母様。
母様と話がしたい」
母は俺の言葉に、やんわりと笑う。
「やっぱり我が子に
甘えられるのは嬉しいわね」
母はそう言い、
近くにいた侍女に
水を持ってくるように言う。
そして俺はベットに
半身を起こして水を飲み、
母はそのそばに用意された椅子に座った。
俺が水を飲み干し、
侍女が居なくなってから
母は俺を見る。
「いいわよ。
誰にいじめられたか
母様に言ってごらんなさい」
にこやかな笑顔に、
穏やかで優しい母は、
本当はこんなに
好戦的だったのかと
俺はそんなことを思ってしまった。
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