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if (もしもの話)SS

前世で起きたナイショごと(ルイ×アキラ)【ルイSIDE】

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 白い肌が赤く染まっていく。
アルコールに弱いアキラは
少し飲んだだけで
顔を真っ赤にした。

 俺はアキラと他愛の無い話をしながら
徐々にアキラとの距離を縮める。

最初はソファーに向かい合わせに
座っていたが、今は隣同士に座っている。

こんな大きなソファーセットなど
一人で住むのに必要ないと思っていたが
強引に家具を買った母親に
感謝するしかないな。

俺が他人とこんなに
近しい存在になるとは思わなかった。

アキラのそばは心地が良い。

もっと近づきたかったし、
俺はアキラの【特別】になりたかった。

でも俺が思う【特別】とは
どういう存在なのかと考えると
それが良くわからない。

ただ、友人とか、友達とか
親友とか、そんなのでは
足りないと思う。

じゃあ、伴侶?

家族になったら
違うのではないかと思い、
俺はアキラに
「嫁に来る?」と誘うようになった。

俺がそんな言葉を言うのは
アキラにだけだ。

どんな女性にも言ったことが無いし
アキラ以外の人間と
家族になれるとも思えない。

俺がその言葉を
会社で言い始めると
何を勘違いしたのか、
女子社員たちが俺に

「結婚願望があるの?」

とか

「私で良ければいつでも」

なんて言い出した。

俺は閉口してしまったが、
人間関係を崩したくないので
笑顔で「俺はアキラ以外に
嫁にするつもりはないんだ」と
ウインクするようにしている。

そうすると女子社員たちは
冗談だと思うし、
中には「秋元君との仲を
取り持ってあげようか?」
なんて言う女子社員も出て来た。

もちろん、丁重にお断りしている。

自分でアキラの【特別】に
ならないと意味が無いからだ。

アキラから弟の話や
開発部の人間の話を聞くと
こころの奥がざわついて
イライラしてくる。

これが嫉妬だと気が付いてから
俺はますます、
アキラの【特別】になりたくなった。

俺だけがアキラを【特別】に
思っているだけじゃ
満足できない。

アキラも俺を【特別】に
思って欲しい。

俺は誰にでも人当たり良く
接することができるが
それができるのは
誰にも特別関心が無いからだ。

どうでもいいから
優しくできるだけだ。

でもアキラは違う。

アキラだけは
ずっと俺のそばで、
俺だけを見ててほしい。

それが無理なら
せめてアキラの【特別】になりたい。

そう思っても、
希薄な人間関係しか
築いたことが無い俺は
どうすればアキラの【特別】に
なれるのかわからなかった。

今までは俺が何もしなくても
周囲のやつらが俺に
話しかけ、まとわりついてきたからだ。

俺はアキラが弟を一人で
育てていることを知ってからは
わざと食材を大量に用意して
アキラをマンションに呼ぶようにした。

アキラは驚いていたが、
俺が準備したとも知らずに、
無邪気に笑って
料理を作ってくれる。

一番最初に料理を作ってくれた日に
「塩も胡椒も無い家は初めてだ」と
言われてから、
俺は食材と一緒に
調味料も買うようになった。

俺は調味料と言われたら
塩と砂糖、しょうゆぐらいしか
思い浮かばないから、
目についたものは
何でも買った。

するといつもアキラは
俺が買って置いてある調味料を見ては
「こんな本格的な調味料、
ルイに使えるわけないだろう」
と笑うのだ。

その顔が見たくて
俺は今日も奇妙な葉が入った
瓶を用意していた。

案の定、アキラはその葉を
見つけて笑った。

「次はこれでシチューか
何か作ってやるよ」

と言われて、
俺は胸の奥が熱くなる。

ブランデーを1杯飲み干したアキラは
頬を蒸気させていて、
結構、エロい。

俺はさらにブランデーを
アキラのグラスに注ぐ。

俺は他人と親しくなる手段を
1つしか知らない。

それは肌を重ねることだ。

どんなに嘘を付いていても
肌を重ねてみたら、わかる。

相手が俺を本当に
愛してるかどうかだって
肌のぬくもりや、
視線の動きですぐに気が付く。

俺はそうやって生きて来た。

だから……
俺はアキラに触れることにした。

アキラの【特別】になるために。

アキラの【気持ち】を知るために。

アキラが俺を利用するために
俺に優しくしているとは思わない。

思わないが、それでも
俺の臆病な心がアキラの本心を
暴きたいと訴えるのだ。

だから俺は前もって
食材と酒の準備をして
アキラが残業するであろう日を、
この日が来るのを待っていた。

アキラはたいてい
休日の前の日は残業する。

だからこそ、俺はわざと
終電を逃すタイミングで
開発部に足を運んだのだ。

俺の気持ちなど知らないアキラは
暢気にブランデーを舐め、
可愛い弟の話をする。

次は開発部の同僚の話だ。

俺は話半分で聞きながら
ソファーに座るアキラの
膝に片手を置いた。

だがアキラは何も言わない。

酔ってるからだろう。
感覚が麻痺してきているのかもしれない。

俺はアキラの膝を撫でながら
我ながら良いシャツを
見つけたと自画自賛した。

アキラに着せたシャツは
確かに女性用のワンピースだった。

海外ブランドの物で
大柄な女性のためのサイズだったため
俺でも着れるぐらいのサイズだ。

モデルの仕事先で
サイズが合わずに誰も着れないと
衣装担当がぼやいていたので
俺はそれを貰って帰って来た。

アキラの寝間着にできると
思ったからだ。

アキラがいつここに
泊まってもいいように、
アキラの私物をマンションに
置いておくのも良いかもしれない。

アキラの着ているワンピースは
柔らかい薄い生地だ。

アキラは気が付いていないようだが
椅子に座ると、
肌がうっすらと透けて見える。

それに立っていれば
膝下ぐらいだったワンピースも
座れば丈は短くなる。

俺が触れる膝が素肌になるぐらいには。

アキラは酒に弱い。

ブランデーを2杯も飲めば
かなり酔いも回っている筈だ。

俺がちらりとアキラを見ると
アキラは目をこすりながら
眠そうな顔をしている。

俺はアキラの膝を撫でながら
「寝るか?」と聞く。

「うーん、もうちょっと」

飲みたいと言うことか?

ならば、と俺はアキラに
水を飲ませてから
今度はウイスキーをアキラに見せる。

これも俺が選んだ
とっておきの酒だ。

氷をたっぷり入れて
その上から水を淹れて薄めてやると
アキラは嬉しそうに
グラスを受け取り、
両手で包み込むようにして
コクコク飲んだ。

美味しそうに飲むが
アキラは洋酒は苦手だった筈だ。

美味い酒だが、
飲み方が豪快過ぎる。

これはかなり酔ってるな。

俺はアキラの足元に座った。

「ルイ?」

テーブルとソファーの間に
俺が座り込んだのだ。

さすがにアキラも
不信に思ったようだ。

「酔ったのか?
しょうがないなぁ」

とアキラは笑うが
酔っているのはアキラの方だろう。

だって。

「この方が、アキラに
さわりやすいだろう?」

と言って俺がアキラの
ふくらはぎを撫でてやると
「それもそうか」と
返事をしたのだから。

何故触るんだ?とか
そんなことも言わない。

アキラは俺の指を受け入れている。

俺はふくらはぎから
膝へと指を移動させた。

アキラは首をかしげたが
何も言わない。

「どうした?」

わざと聞いてやると、
アキラは、なんかくすぐったい、という。

俺が触ってることに
気が付いてないのか?

俺はそのまま指を進めて
太ももに触れる。

ちょうどワンピースの縁あたりで
見えるか見えないかぐらいの場所だ。

ぴくん、とアキラの
身体が揺れだ。

「どうした?」

「うん? 俺、変?」

「何が?」

「なんか、触られてる?」

よくわかってないようなアキラに
俺は笑いを押さえられない。

「触られてる?
誰に?」

俺が知らんぷりして言うからか
アキラは混乱しているようだ。

「ルイ、は触ってない?
あれ?」

首を傾げるアキラは
可愛いと思う。

「酔ったのか?」

「そうかも。
そうかも?」

不思議そうなアキラの肌を
俺はゆっくりと触る。

男を抱いたことはない。
だが、誘われたことはある。

俺の知るモデルたちは
同性同士でも友情や
愛情を深めるために
肌を重ねたり、

寂しさを埋めるために
一夜だけ激しく
求め合うこともある。

それは恋愛は関係が無く、
誘っても誘われても、
一夜あけると互いに
引きずらない。

それが暗黙の了解になっていた。

俺は男を抱きたいとも
思わないし、
もちろん、抱かれたいとも
思わない。

だから誘われる度に
断っていたが、
この誘いは暗黙の了解の上での
誘いだったから
断ったからと言って
何がどうなることもない。

ただ俺がアキラの肌を
感じたいと思った時、
俺は過去に俺を誘った
男性モデルに、
男をどうやって抱くのかと
聞いてみた。

彼は驚いたようだが
色々と教えてくれた。

実践する?
と言われた時は遠慮したが
男でも女と同じように
抱かれて気持ち良くなるらしい。

なら俺もアキラを
気持ち良くさせることが
できるのではないだろうか。

俺はアキラのワンピースの中に
手を入れてみた。

アキラは相変わらず
よくわかってない様子で
挙動不審になっている。

「アキラ?」

優しく名前を呼んでみると
アキラは涙で潤んだ目で
俺を見た。

「な、なんか、俺、変?
ゆーれい?」

何故そうなるのか。
俺は笑いたくなる。

「幽霊?
アキラ、どうした?」

俺が言うと
アキラは涙目で
誰か俺に触ってる、なんて言う。

なんで俺が触ってるって
思わないんだろうなぁ。

こういう天然なところが
俺は好きなんだけど。

「触られてる?
じゃあ、俺が見てやる」

って俺は真面目な顔をして
座ってるアキラの
ワンピースをたくし上げた。

「誰もいないぞ」

真面目に言うが、当たり前だ。
俺が触ってるんだから。

「うん。
俺、酔ってる……かも」

膝の間に俺を挟みながら
アキラは呟くように言う。

俺はアキラと会話しつつ、
指先で内股を撫でる。

アキラは動揺しているようだが
俺がアキラを見つめて
会話をしているからだろう。

何も言おうとはしない。

ヤバっ。
可愛すぎて、舐めまわしたくなる。

純情そうな女子を抱いたときも
こんな気持ちにはならなかったのにな。

「アキラ、ちょっと立ってみて」

俺の言葉に従い、
アキラがソファーの前に立つ。

座った俺の顔の前に
アキラの下半身がある。

「誰かに触られた?」

俺が聞くと、アキラは多分、と言う。

俺はアキラを見上げて
「シャツをめくってみて」と言った。

「え?」

「アキラのシャツの中に
なにも無いか確認してやるよ」

俺の言葉を善意に受け取ったのか
アキラはシャツをめくって
俺に下半身をさらけだした。

俺がアキラのために買った
紫の下着が目に入ってくる。

少し派手な色合いだが
思った通り、アキラの
白い肌に映えると思う。

俺はアキラに「何もいないぞ」
と言いながら、
やんわりとアキラの欲棒を
下着の上から握った。

「え? ほ、ほんとに?」

アキラの狼狽える声が聞こえる。

たくしあげたシャツで
俺の手元が見えないのだろう。

俺はアキラを見上げて
「どうした?」と聞くと
アキラは顔を真っ赤にした。

俺はその姿に
舌なめずりをしたくなる。

俺は立ち上がり、
一度、アキラをソファーに
座らせた。

落ち着かせるように
アキラの手を握り、

「幽霊なんていなかったぞ。
それに俺がいるし、
大丈夫だ」

と言うと、
アキラは感激したように
俺を見る。

素直すぎて
ほんとに、心配になる。

アキラは誰にでも好かれるし
先に俺が唾を付けてもいいよな。

「そうだ。
幽霊とかはさ、
普段は見えないから、
見える存在に気が付くと
嬉しくて寄ってくるって
聞いたことがあるぞ」

「え?
じゃ、じゃあ、俺、
やっぱり何も感じてない」

慌てて言うアキラが可愛く見える。

「それじゃ信憑性いないって。
幽霊なんて気にならないぐらい
別のことをしたら
いいと思うんだけどな」

俺は口元を歪めていう。
もうこれでアキラは俺のもんだ。

「気にならないこと?」

「そう。
たとえば性行為とか、
退魔に効くって聞いたことがあるぞ」

「せいこうい?」

意味がわからなかったのか
アキラは俺の言葉を繰り返す。

俺は我慢していたのに、
とうとう笑ってしまった。

そうだな。
アキラは自慰もしそうにないもんな。

弟と二人暮らしで
一緒に寝ているらしいし、
そういうのもできないのかもしれない。

「教えてやるよ」

俺は座ったアキラの
欲棒にもう一度触れる。

「え? ルイ?」

アキラが俺を見る。

「今、触ってるのは幽霊?」

「ぷはっ。違う、俺」

アキラは俺に触られていることより
居もしない幽霊の方が
気になるらしい。

「こういう欲って、
幽霊を撃退できるらしいぞ」

そんなの知らないが、
適当に言っておく。

アルコールで頭が
まわってないアキラに
理論で説得などする必要はない。

欲棒を指先で撫でまわし、
思考を吹き飛ばせばいいんだ。

思った通り、
アキラは俺の行動に
ついていくことができず、
ただ、下着の中で
欲棒は着実に育っている。

「なぁ、アキラ。
自分で触ったりしないのか?」

「自分で?」

「お前、彼女とかいないし、
性欲とかどうやってんだ?」

俺がくるくると指先で
下着の上から欲棒を
いじってやると、
アキラは、顔を真っ赤にして
首を振る。

「そんなの、しない。
するわけないだろ」

いや、しない方がおかしいだろう。
健全な健康男児で自慰をしない
方がおかしい。

と思ったが、
アキラは健全な健康男児では
なかったのかも、と思い直した。

あまり裕福ではない家庭環境で
食費も事欠く感じだったようだし、
性欲の前に食欲を満たす方が
重要だったのかもな。

「じゃあさ、試してみるか?」

「何を?」

「幽霊が来ない方法」

俺がそう言うと、
アキラは何の疑問も持たずに
素直に頷いた。




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