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婚約騒動が勃発しました
67: 禁断の兄弟愛と真実
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俺はその日、るんるんで茶会を終えた。
タウンハウスに戻ってからは
ぬいぐるみを持って、
「可愛い」「素敵ですね」と
侍女や侍従、メイドたちの
賞賛の声を浴びるために
屋敷内をうろついた。
クマの衣装自慢をしたかったのだ。
俺は夕食を食べた後も、
キールやサリーに
クマの服をベットの上に並べて見せて
今日はどれで寝ようかと
相談までした。
二人には付き合わせて
申し訳なかったけれど、
興奮しすぎて一人では
感情を処理できそうになかったのだ。
俺、この世界で
身分とかそういうのに
関わりなくおしゃべりしたのって
初めてだったからさ。
そして俺は何もしてないのに、
純粋な善意で、こんなに
ぬいぐるみの服を頑張って
作ってくれた二人のことが
嬉しくて仕方が無かった。
俺、彼女たちとなら
親友になれるかも。
……女子だけど。
本当なら義兄にも
自慢したかったのだが、
残念ながら義兄は俺が
起きている時間には
戻ってこなかった。
そして、翌日も、
その翌日も、義兄には
会えなかった。
どうやら今、王宮は
かなり忙しらしい。
そういえばティスの顔も
しばらく見ていない。
学園を休んで、王子としての
仕事をしているのだろうか。
隣国とのスイーツ交流会の
話もあれからどうなったのか
全くわからない。
モヤモヤするが
俺に何かできるはずもなく
数日俺は、
学園に行く以外の時間は
クマを連れて屋敷を巡り、
メイドや侍女、侍従たちに
「可愛い」「お似合いです」
なんて言われて過ごした。
何が「お似合いです」かは
最初はわからなかったが
クマと衣装が似合うということなのだろう。
クマはさり気に俺が
普段着ている服に
似たような衣装もあって、
サリーはいつも俺と
クマの服をお揃いにしたがるが
さすがに毎日、お揃いにはできない。
今日はちょうど俺の着ているシャツと
お揃いのクマの衣装が
洗濯を終えて
仕上がってきた日だった。
サリーが「クマさんも
お召替えを致しましょう」なんて
俺のクマを着替えさせる。
俺の抱き枕だが、
俺はサリーにだけは
触れられるのを許していた。
だってサリーは俺が
子どもの頃から知っている
侍女だし、今は俺の
専属侍女だ。
そしてクマを洗う時は
サリーが丁寧に、
どうやってクマを洗うのかを
洗濯メイドに指示してくれているらしい。
そこまでしてくれているのに
「恥ずかしいから触るな」とは言い難い。
時刻はもうすぐ夜になる。
俺は夕食もすでに取っていて、
風呂にも入ったし、
あとは明日の準備をするだけで
寝るだけの状態だった。
そんな時だ。
義兄が俺の部屋を訪ねて来た。
「では、アキルティア様。
御用があればお呼びください」
クマを着替えさせて
サリーがそそくさと部屋を出る。
何故そんなに急ぐ?
しかも顔を赤くして。
もしかしてサリーは
義兄のことが好きなのか?
でも、義兄はダメだ。
応援したいけど、
俺のことをすぐに
子ども扱いしては、
楽しそうにするやつだ。
少し真面目で、
固い考え方をするサリーには、
素直に愛情表現をする男が
似合うに決まっている。
サリーが扉から出て行くと
義兄が俺とクマを見た。
「……お揃い?」
「そうだけど」
俺が言うと、
疲れたような顔をしていた
義兄が、笑った。
「あはは。
可愛いなぁ、さすがだ」
は?
何を言ってんだ。
頭が沸いたのか?
「ぬいぐるみを抱っこして
幼児のように自慢して
屋敷内を歩いてるみたいじゃないか」
義兄の目は俺をからかう
前世弟の目だった。
「……嬉しかったから」
悪いか?!
俺が非難の目を向けると
義兄は楽しそうに笑った。
「悪くないけど、
可愛いなぁ、と思って」
義兄は俺のそばに来ると
頭をぐりぐり撫でる。
「子ども扱いすんな」
俺が小声で言うと
義兄は「してないよ。
子どもじゃなくて
幼児扱いしてるんだ」と
悪びれも無く言う。
俺は唇を尖らせた。
「そんな拗ねた顔しなくても」
義兄は俺のベットに座った。
俺は義兄の近くに座る。
「今日はどうしたの?兄様」
俺は弟の顔で、兄を見る。
俺を揶揄うためだけに
この部屋に来たわけでは無いだろう。
兄は苦笑した。
そして「兄貴さ」と言う。
どうやら義兄は
弟に戻りたいらしい。
「なんだ?」
「茶会で俺と兄貴が同じ匂い袋を
使ってるってばらしただろ」
「ばらしたって、
そんなおおげさな。
一緒の家に住んでる家族で
同じ家の庭から取れた
花を使ってるんだぞ?
同じ匂いになって
当たり前じゃないか」
何を言ってんだ?
俺が言うと。
「……前世の感覚では
そうなんだけどさ」
義兄は苦笑する。
「俺も香水とか好きじゃないし、
日本じゃそんなの、
付けたことなかったから
兄貴の作ってくれた匂い袋は
正直助かってたんだよ」
そうなのか。
それは嬉しい。
俺も匂いがきついのは辛い。
でも汗臭いのは
やはりダメだ。
この世界には制汗剤も
汗拭きシートも無い。
義兄は騎士団で稽古を
付けて貰っていたから
汗臭い義兄になったら
嫌だと思ってこの匂い袋を
常時作るようになったんだ。
季節ごとに花が変わるから
匂いもその度に変わるし、
結構良い出来だと自分では思っている。
「俺も貴族は成人を迎えたら
調講師に言って自分の香りを
持つものだと教えられたけど、
香水って、ちょっと
前世のイメージから言えば
臭いって感じだったしさ」
それは俺もわかる。
「だけど、この世界では
同じ香水を付けてる二人は
深い仲だと思われる」
義兄はため息を付くように言った。
「兄弟でもか?」
「そこは……微妙だけど」
義兄は大きく息を吐いた。
「社交場で俺と兄貴が、
ジャスティス殿下に
仲を引き裂かれる悲劇の恋人
……という話になっている」
はぁ?
俺は開いた口がふさがらなかった。
タウンハウスに戻ってからは
ぬいぐるみを持って、
「可愛い」「素敵ですね」と
侍女や侍従、メイドたちの
賞賛の声を浴びるために
屋敷内をうろついた。
クマの衣装自慢をしたかったのだ。
俺は夕食を食べた後も、
キールやサリーに
クマの服をベットの上に並べて見せて
今日はどれで寝ようかと
相談までした。
二人には付き合わせて
申し訳なかったけれど、
興奮しすぎて一人では
感情を処理できそうになかったのだ。
俺、この世界で
身分とかそういうのに
関わりなくおしゃべりしたのって
初めてだったからさ。
そして俺は何もしてないのに、
純粋な善意で、こんなに
ぬいぐるみの服を頑張って
作ってくれた二人のことが
嬉しくて仕方が無かった。
俺、彼女たちとなら
親友になれるかも。
……女子だけど。
本当なら義兄にも
自慢したかったのだが、
残念ながら義兄は俺が
起きている時間には
戻ってこなかった。
そして、翌日も、
その翌日も、義兄には
会えなかった。
どうやら今、王宮は
かなり忙しらしい。
そういえばティスの顔も
しばらく見ていない。
学園を休んで、王子としての
仕事をしているのだろうか。
隣国とのスイーツ交流会の
話もあれからどうなったのか
全くわからない。
モヤモヤするが
俺に何かできるはずもなく
数日俺は、
学園に行く以外の時間は
クマを連れて屋敷を巡り、
メイドや侍女、侍従たちに
「可愛い」「お似合いです」
なんて言われて過ごした。
何が「お似合いです」かは
最初はわからなかったが
クマと衣装が似合うということなのだろう。
クマはさり気に俺が
普段着ている服に
似たような衣装もあって、
サリーはいつも俺と
クマの服をお揃いにしたがるが
さすがに毎日、お揃いにはできない。
今日はちょうど俺の着ているシャツと
お揃いのクマの衣装が
洗濯を終えて
仕上がってきた日だった。
サリーが「クマさんも
お召替えを致しましょう」なんて
俺のクマを着替えさせる。
俺の抱き枕だが、
俺はサリーにだけは
触れられるのを許していた。
だってサリーは俺が
子どもの頃から知っている
侍女だし、今は俺の
専属侍女だ。
そしてクマを洗う時は
サリーが丁寧に、
どうやってクマを洗うのかを
洗濯メイドに指示してくれているらしい。
そこまでしてくれているのに
「恥ずかしいから触るな」とは言い難い。
時刻はもうすぐ夜になる。
俺は夕食もすでに取っていて、
風呂にも入ったし、
あとは明日の準備をするだけで
寝るだけの状態だった。
そんな時だ。
義兄が俺の部屋を訪ねて来た。
「では、アキルティア様。
御用があればお呼びください」
クマを着替えさせて
サリーがそそくさと部屋を出る。
何故そんなに急ぐ?
しかも顔を赤くして。
もしかしてサリーは
義兄のことが好きなのか?
でも、義兄はダメだ。
応援したいけど、
俺のことをすぐに
子ども扱いしては、
楽しそうにするやつだ。
少し真面目で、
固い考え方をするサリーには、
素直に愛情表現をする男が
似合うに決まっている。
サリーが扉から出て行くと
義兄が俺とクマを見た。
「……お揃い?」
「そうだけど」
俺が言うと、
疲れたような顔をしていた
義兄が、笑った。
「あはは。
可愛いなぁ、さすがだ」
は?
何を言ってんだ。
頭が沸いたのか?
「ぬいぐるみを抱っこして
幼児のように自慢して
屋敷内を歩いてるみたいじゃないか」
義兄の目は俺をからかう
前世弟の目だった。
「……嬉しかったから」
悪いか?!
俺が非難の目を向けると
義兄は楽しそうに笑った。
「悪くないけど、
可愛いなぁ、と思って」
義兄は俺のそばに来ると
頭をぐりぐり撫でる。
「子ども扱いすんな」
俺が小声で言うと
義兄は「してないよ。
子どもじゃなくて
幼児扱いしてるんだ」と
悪びれも無く言う。
俺は唇を尖らせた。
「そんな拗ねた顔しなくても」
義兄は俺のベットに座った。
俺は義兄の近くに座る。
「今日はどうしたの?兄様」
俺は弟の顔で、兄を見る。
俺を揶揄うためだけに
この部屋に来たわけでは無いだろう。
兄は苦笑した。
そして「兄貴さ」と言う。
どうやら義兄は
弟に戻りたいらしい。
「なんだ?」
「茶会で俺と兄貴が同じ匂い袋を
使ってるってばらしただろ」
「ばらしたって、
そんなおおげさな。
一緒の家に住んでる家族で
同じ家の庭から取れた
花を使ってるんだぞ?
同じ匂いになって
当たり前じゃないか」
何を言ってんだ?
俺が言うと。
「……前世の感覚では
そうなんだけどさ」
義兄は苦笑する。
「俺も香水とか好きじゃないし、
日本じゃそんなの、
付けたことなかったから
兄貴の作ってくれた匂い袋は
正直助かってたんだよ」
そうなのか。
それは嬉しい。
俺も匂いがきついのは辛い。
でも汗臭いのは
やはりダメだ。
この世界には制汗剤も
汗拭きシートも無い。
義兄は騎士団で稽古を
付けて貰っていたから
汗臭い義兄になったら
嫌だと思ってこの匂い袋を
常時作るようになったんだ。
季節ごとに花が変わるから
匂いもその度に変わるし、
結構良い出来だと自分では思っている。
「俺も貴族は成人を迎えたら
調講師に言って自分の香りを
持つものだと教えられたけど、
香水って、ちょっと
前世のイメージから言えば
臭いって感じだったしさ」
それは俺もわかる。
「だけど、この世界では
同じ香水を付けてる二人は
深い仲だと思われる」
義兄はため息を付くように言った。
「兄弟でもか?」
「そこは……微妙だけど」
義兄は大きく息を吐いた。
「社交場で俺と兄貴が、
ジャスティス殿下に
仲を引き裂かれる悲劇の恋人
……という話になっている」
はぁ?
俺は開いた口がふさがらなかった。
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