41 / 308
閑話2
俺の義弟が可愛い……気がする【義兄・ジェルロイドSIDE】
しおりを挟む
とうとう、というか、やっと俺は
義弟と前世の話をすることができた。
やっぱりアキルティアは俺の前世の兄だった。
嬉しくて。
俺は兄貴を守る気満々だったのに。
兄貴は、いやアキルティアは言った。
「もうお互いに死んだんだ。
新しい人生を歩んでるんだぞ。
昔のことはおいておいて、
この世界で、俺たちは幸せになるべきだ」
何ていう。
そんなことわかっている。
だが、だけど。
俺の幸せは兄貴を守ることだ。
俺を守ってくれた兄貴のために、
俺は人生を使いたいんだ。
俺がそう訴えても、
兄貴は俺の気持ちをわかってくれそうにない。
すると兄貴は
「兄弟として守ってくれ」という。
「まだ10歳だし、
何かと手助けしてくれたら助かる」
その言葉は嬉しかったけれど、
俺には物足りなくて。
するとアキルティアは
俺と一緒に寝ようと言う。
甘えたいのか?と思い、
逆に俺を甘やかしたいのかとも思う。
アキルティアは俺の手を引き、
ベットに上った。
「小さいころ、一緒に寝てやったろ?」
といつものドヤ顔で言われたので、
「……いつの頃の話だよ」
と拗ねて見せる。
いつまでたっても兄貴面をするのはやめて欲しい。
今は俺が兄だ。
俺がベットに入ると、
アキルティアの小さな体は
俺の腕の中にすっぽり入った。
こんなに小さな体だったのかと俺は驚く。
その動揺に気づかれないように
俺は昔話を持ち出した。
「昔、兄貴に子守唄を歌ってもらったよな」
懐かしい思い出だ。
「兄貴は音痴で、全然、寝れなかった」
今だからこそ言える真実を伝えるが
アキルティアは嘘だと言う。
「ウソつけ。すぐに寝てたぞ」
分かってないなぁ、兄貴は。
「寝たふりしてたんだよ、
じゃないと兄貴がいつまでも歌うから」
俺がどれだけ兄貴に気を遣っていたか
兄貴は知らないだろう。
俺も兄貴の苦労なんて
全く気が付かなかったけど。
するとアキルティアは
「そんなこと言うなら、お前が歌ってみろよ。
今はお前が兄貴だろ」
なんて言ってくる。
俺はアキルティアを抱きしめた。
「そうだね。
今は俺がお兄ちゃんだ。
兄貴はこんなに小さくなって。
俺が守ってやらないと」
きっと前世兄も、
俺と一緒の布団に入って
そう思ったんだろうな。
7歳の年の差はデカイ。
俺が前世の記憶を持っていなくても
こんなに小さなアキルティアは
守らなくてはならないと
思っただろう。
俺は兄が歌っていた歌を
ゆっくりと口ずさんだ。
もしかしたら母も歌ってくれていたかもしれないが
俺にその記憶はない。
俺に子守唄を歌ってくれたのは
いつだって兄だった。
俺が歌い始めると
アキルティアはすぐにウトウトしはじめる。
子どもだからか体温がすぐに温かくなってきた。
俺はアキルティアの背中を
とんとん、とリズムよく叩きながら
その瞳が閉じるのを見つめていた。
アキルティアが眠りに落ちる。
俺はアキルティアの寝顔に、
前世で兄が死んだときのことを思い出した。
いつもいつも頑張っていた兄が
ようやく穏やかな顔をしたと、
俺はあの時思った。
俺のためにいつも必死だった兄が、
ようやく楽になれたんだと、
そう思ったのだ。
その兄が。
いや、兄の魂を持ったアキルティアが
こうして俺の目の前で
穏やかに眠っている。
俺の……前世の罪は、少しは許されたのだろうか。
こうしてアキルティアの眠りを守ることで
俺が前世で兄の人生を踏み台にしたと言う罪を
少しは償うことができるのだろうか。
俺の腕の中で、アキルティアが
ぎゅっと俺の腕を握ってきた。
まるで俺を守るかのように
顔を俺の胸に摺り寄せて。
「……だい……すき……だ……」
小さなつぶやきに、
俺はとうとう隠しきれず、涙を落とす。
聞こえたつぶやきは、
途切れ途切れだったけれど、
確かに前世での俺の名を呟いていた。
俺も。
俺も本当は兄貴のことが大好きだったんだ。
なかなか言えなくて。
うまく口がまわらなくて。
うぜえとか、そんな言葉ばかり
ぶつけてしまっていたけれど。
ほんとは、本当は。
ごめん、って。
反抗ばかりしてごめんって言いたかった。
もっと休んでくれって、
兄貴のことが心配だって言いたかった。
だからさ。
前世のことに拘るなって言われても
俺は素直に頷けない。
それに。
俺は今、アキルティアの兄貴なんだ。
兄が弟を守るのは当たり前のことだろう?
だから、いいよな。
俺が兄貴の幸せを守っても。
兄貴は、前世の分まで
好きなことを好きなようにやればいい。
俺がちゃんと、サポートするから。
俺はアキルティアを抱き込み、
目を閉じた。
いつのまにかそのまま眠ってしまったらしい。
俺たちが目を覚ますと、
いつの間にか屋敷は騒動になっていて。
なんでもアキルティアを探して
屋敷中を探していたらしい。
いや、すぐ隣で寝てたんだが。
やっちまったー、って感じだ。
結局俺はこの件で叱られることは無かったが、
アキルティアは随分と護衛に怒られたらしい。
不公平だとアキルティアは
頬を膨らませていたが、
そんな姿は純粋に可愛いと思う。
そう、前世兄とは違った顔だ。
当たり前だが前世兄とアキルティアは
同じ魂かもしれないが別人なんだと
ふと俺は思った。
そして俺も前世と今の俺とでは別人なんだ。
当たり前だが、今まで気が付かなかったことに
俺はようやく気がついた。
そしてアキルティアのことを
前世兄かも、前世兄だ、とやたらと
比較をして見ていたけれど。
そんなことをする必要は
無かったのかもしれない。
だって俺は、アキルティアが
兄貴だろうが義弟だろうが、
結局はこの命を懸けて守るつもりなのだから。
俺は決意を新たにする。
だがこの日以降、
どうやら俺が夜中に泣いたことに
気が付いたアキルティアが
俺と夜、寝る時間が重なる度に
大きなぬいぐるみを持って部屋を
尋ねるようになった。
「寂しいなら貸してあげる」と
アキルティアは笑顔で言うが、はっきり言う。
17歳にもなって、
夜に寂しくて泣く男はいないし、
ましてやぬいぐるみを抱きしめて寝る趣味はない。
それでも俺はアキルティアの善意を断れない。
仕方なくぬいぐるみごとアキルティアを
部屋に招き入れ、他愛ないおしゃべりをする。
まぁ、いいか。
こうやって兄弟になっていくのは面白い。
血は繋がっていないのに、
前世以上に、今は俺とアキルティアは
お互いのことを話しているし、
仲が良いと思う。
俺はきっと。
兄貴とこんな兄弟になりたかったんだ。
前世からの夢が叶ったのだと
俺はそんな風に思うことにした。
義弟と前世の話をすることができた。
やっぱりアキルティアは俺の前世の兄だった。
嬉しくて。
俺は兄貴を守る気満々だったのに。
兄貴は、いやアキルティアは言った。
「もうお互いに死んだんだ。
新しい人生を歩んでるんだぞ。
昔のことはおいておいて、
この世界で、俺たちは幸せになるべきだ」
何ていう。
そんなことわかっている。
だが、だけど。
俺の幸せは兄貴を守ることだ。
俺を守ってくれた兄貴のために、
俺は人生を使いたいんだ。
俺がそう訴えても、
兄貴は俺の気持ちをわかってくれそうにない。
すると兄貴は
「兄弟として守ってくれ」という。
「まだ10歳だし、
何かと手助けしてくれたら助かる」
その言葉は嬉しかったけれど、
俺には物足りなくて。
するとアキルティアは
俺と一緒に寝ようと言う。
甘えたいのか?と思い、
逆に俺を甘やかしたいのかとも思う。
アキルティアは俺の手を引き、
ベットに上った。
「小さいころ、一緒に寝てやったろ?」
といつものドヤ顔で言われたので、
「……いつの頃の話だよ」
と拗ねて見せる。
いつまでたっても兄貴面をするのはやめて欲しい。
今は俺が兄だ。
俺がベットに入ると、
アキルティアの小さな体は
俺の腕の中にすっぽり入った。
こんなに小さな体だったのかと俺は驚く。
その動揺に気づかれないように
俺は昔話を持ち出した。
「昔、兄貴に子守唄を歌ってもらったよな」
懐かしい思い出だ。
「兄貴は音痴で、全然、寝れなかった」
今だからこそ言える真実を伝えるが
アキルティアは嘘だと言う。
「ウソつけ。すぐに寝てたぞ」
分かってないなぁ、兄貴は。
「寝たふりしてたんだよ、
じゃないと兄貴がいつまでも歌うから」
俺がどれだけ兄貴に気を遣っていたか
兄貴は知らないだろう。
俺も兄貴の苦労なんて
全く気が付かなかったけど。
するとアキルティアは
「そんなこと言うなら、お前が歌ってみろよ。
今はお前が兄貴だろ」
なんて言ってくる。
俺はアキルティアを抱きしめた。
「そうだね。
今は俺がお兄ちゃんだ。
兄貴はこんなに小さくなって。
俺が守ってやらないと」
きっと前世兄も、
俺と一緒の布団に入って
そう思ったんだろうな。
7歳の年の差はデカイ。
俺が前世の記憶を持っていなくても
こんなに小さなアキルティアは
守らなくてはならないと
思っただろう。
俺は兄が歌っていた歌を
ゆっくりと口ずさんだ。
もしかしたら母も歌ってくれていたかもしれないが
俺にその記憶はない。
俺に子守唄を歌ってくれたのは
いつだって兄だった。
俺が歌い始めると
アキルティアはすぐにウトウトしはじめる。
子どもだからか体温がすぐに温かくなってきた。
俺はアキルティアの背中を
とんとん、とリズムよく叩きながら
その瞳が閉じるのを見つめていた。
アキルティアが眠りに落ちる。
俺はアキルティアの寝顔に、
前世で兄が死んだときのことを思い出した。
いつもいつも頑張っていた兄が
ようやく穏やかな顔をしたと、
俺はあの時思った。
俺のためにいつも必死だった兄が、
ようやく楽になれたんだと、
そう思ったのだ。
その兄が。
いや、兄の魂を持ったアキルティアが
こうして俺の目の前で
穏やかに眠っている。
俺の……前世の罪は、少しは許されたのだろうか。
こうしてアキルティアの眠りを守ることで
俺が前世で兄の人生を踏み台にしたと言う罪を
少しは償うことができるのだろうか。
俺の腕の中で、アキルティアが
ぎゅっと俺の腕を握ってきた。
まるで俺を守るかのように
顔を俺の胸に摺り寄せて。
「……だい……すき……だ……」
小さなつぶやきに、
俺はとうとう隠しきれず、涙を落とす。
聞こえたつぶやきは、
途切れ途切れだったけれど、
確かに前世での俺の名を呟いていた。
俺も。
俺も本当は兄貴のことが大好きだったんだ。
なかなか言えなくて。
うまく口がまわらなくて。
うぜえとか、そんな言葉ばかり
ぶつけてしまっていたけれど。
ほんとは、本当は。
ごめん、って。
反抗ばかりしてごめんって言いたかった。
もっと休んでくれって、
兄貴のことが心配だって言いたかった。
だからさ。
前世のことに拘るなって言われても
俺は素直に頷けない。
それに。
俺は今、アキルティアの兄貴なんだ。
兄が弟を守るのは当たり前のことだろう?
だから、いいよな。
俺が兄貴の幸せを守っても。
兄貴は、前世の分まで
好きなことを好きなようにやればいい。
俺がちゃんと、サポートするから。
俺はアキルティアを抱き込み、
目を閉じた。
いつのまにかそのまま眠ってしまったらしい。
俺たちが目を覚ますと、
いつの間にか屋敷は騒動になっていて。
なんでもアキルティアを探して
屋敷中を探していたらしい。
いや、すぐ隣で寝てたんだが。
やっちまったー、って感じだ。
結局俺はこの件で叱られることは無かったが、
アキルティアは随分と護衛に怒られたらしい。
不公平だとアキルティアは
頬を膨らませていたが、
そんな姿は純粋に可愛いと思う。
そう、前世兄とは違った顔だ。
当たり前だが前世兄とアキルティアは
同じ魂かもしれないが別人なんだと
ふと俺は思った。
そして俺も前世と今の俺とでは別人なんだ。
当たり前だが、今まで気が付かなかったことに
俺はようやく気がついた。
そしてアキルティアのことを
前世兄かも、前世兄だ、とやたらと
比較をして見ていたけれど。
そんなことをする必要は
無かったのかもしれない。
だって俺は、アキルティアが
兄貴だろうが義弟だろうが、
結局はこの命を懸けて守るつもりなのだから。
俺は決意を新たにする。
だがこの日以降、
どうやら俺が夜中に泣いたことに
気が付いたアキルティアが
俺と夜、寝る時間が重なる度に
大きなぬいぐるみを持って部屋を
尋ねるようになった。
「寂しいなら貸してあげる」と
アキルティアは笑顔で言うが、はっきり言う。
17歳にもなって、
夜に寂しくて泣く男はいないし、
ましてやぬいぐるみを抱きしめて寝る趣味はない。
それでも俺はアキルティアの善意を断れない。
仕方なくぬいぐるみごとアキルティアを
部屋に招き入れ、他愛ないおしゃべりをする。
まぁ、いいか。
こうやって兄弟になっていくのは面白い。
血は繋がっていないのに、
前世以上に、今は俺とアキルティアは
お互いのことを話しているし、
仲が良いと思う。
俺はきっと。
兄貴とこんな兄弟になりたかったんだ。
前世からの夢が叶ったのだと
俺はそんな風に思うことにした。
215
お気に入りに追加
1,181
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる