【完結・R18】「いらない子」が『エロの金字塔』世界で溺愛され世界を救う、そんな話

たたら

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隣国へ

144:まずは月を愛でましょう

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 夕食を食べ、片付けを終えてから
私たちは3人でお風呂に入ることになった。

あの小屋は家の外にあるので
着替えを持っていくのはやめた。

寝間着で外を歩くのもどうかと思うし。

元の世界だったら
浴衣で行くとかになるとは思うのだけど。

なのでタオルと水筒を持って
私は風呂小屋へと向かう。

マイクは先に行って
新しい湯を浴槽に入れてくれている。

ディランは「寒くないか?」なんて
私を気遣いながら隣を歩いてくれた。

「ディラン、昼間……その、
したから、もうおしまいね」

私は恥ずかしかったが、
思い切ってディランに宣言する。

マイクも一緒だし、
今日はもう抱かれるつもりはないと
言っておかなければならないと
そう思ったのだ。

「んー」
ディランはその言葉に
揶揄うような視線を向けて来た。

「あいつがユウに手を出さないなら
今日は諦めてもいいが。
ユウが俺を求めるかもしれないだろ?」

ニヤ、って笑われて。
そんなことしないもん、と
小さくつぶやく。

一瞬、ディランが私の髪を撫でる心地よさに
体が熱くなったけど、
気のせいだと思うことにする。

本当に『エロの祝福』を受けた私の身体は
正直すぎるほど正直だ。

すぐに状況に流され、
キモチイイに期待する。

「早く行こう、マイクが待ってる」

私はディランの手を掴み
小屋に入った。

急いで服を脱いで脱衣室に置く。

浴室の扉を開けようと手を伸ばすと
先に扉が開いた。

「ユウさま」
マイクだ。

「湯の準備が整いましたので
お呼びしようと思っておりました」

良かった、すれ違いにならなくて。

「うん、ありがとう。
一緒に入ろう?」

「はい、お誘いいただき光栄です」

うっとりするようにマイクは言って、
腕まくりをしていたシャツを脱ぐ。

そんなマイクの横を通り、
すでに服を脱いでいたディランが
私の背を押した。

「早く行こうぜ」

マイクを待つ気配もない。
私は迷ったけれど、
マイクもすぐに来ると思って
「待ってるね」とマイクに声を掛けて
ディランと一緒に浴室へと向かった。

夜になり、空気は冷えて来たけれど
お湯が温かいのだろう。

寒いという感覚はない。

すぐに後ろからマイクが浴室に
入ってくる気配がして
扉が閉まった。

穴が開いた屋根を見上げると
円い月が輝いているのが見える。

金色の…女神ちゃんの髪と同じ色だ。
そして、この国の王族の色。

「綺麗だな」
ディランが上を見上げて言う。

「そうだね、綺麗」

「はい、お綺麗です」

マイクだけが、私を見て言った。

ちょっと変だと思ったけれど
あえて何も言わない。

マイクはこれが通常運転なのだと
最近、わかってきたからだ。

すぐにでも湯に入りたかったけど
汗もかいていたので
まずは体を洗ってからだ。

「体を洗って、早く入ろう」
私は二人にそう提案したのだが。

今度は2人がどちらが私の身体を洗うかで
また揉め始めた。

この場合、
各自が自分で自分の体を洗うと言うことで
まるく収まると思うのだけど
その提案は却下された。

なぜだ。

「じゃ、じゃあ、3人で洗いっこしよう」

私は施設の弟妹たちを
洗ってあげていたことを思い出す。

施設では年長組が小さい子たちを
お風呂に入れていた。

だから私も小さな子たちの
体を洗うのは得意…だとは思う。

目の前の二人は私よりも大きいけれど。

「つまりユウが俺の身体を
洗ってくれるのか?」

「うん」

「へぇ、そりゃいいな」

「な、なにを!
ユウさま、そんなことをする必要は
ありません」

「じゃあ、マイクも私が洗ってあげる」

「え?? は、あの…っ」
マイクは目を見開いて小さく
……光栄です、と呟いた。

よし。
言質は取ったぞ。

洗いっこというよりも
私は二人を洗うような形に
なったけど、まあいいや。

この浴室には浴室用の椅子はなかったので
私は床に湯を流して二人に並んで座ってもらった。

まずは背中からだ。

マイクがどこからか石鹸を
見つけてきてくれたので、
私はそれを泡立てる。

そして両手に泡を付けて、
右手でマイクを。
左手でディランの背中を洗っていく。

一人づつでも良かったけど、
そうするとどっちが先かでまた
揉めそうだったから一緒に洗うことにしたのだ。

とはいえ、2人の身体は大きくて、
背中だけでも片手で洗うと疲れてくる。

うーん、どうしようか。
私は泡だらけの手を見て、ひらめいた。

「ユウさま?」

「ユウ?」

「待って、もっと石鹸を足すね」

私は水と石鹸で泡を大量に使い、
私の身体を洗った。

胸もお腹も手も足も
全部泡だらけにする。

そしてそのまま、
マイクの背中に抱きついた。

「ユウさまっ」

驚くマイクに、
「じっとしてて」と動きを制して
体を動かし、マイクの背を洗う。

洗濯するときに、衣類を擦りあわせるのと同じ要領だ。

こうしたら私も一緒に体を洗えるし、
手も疲れない。

「今度はディランね」

硬直したように動かないマイクを置いて
私は隣に座っていたディランの背にも
抱きついて上下左右に体を動かす。

「手で洗うよりも、この方が早いでしょ?」

「あぁ、そうだな、
めちゃくちゃ気持ちいいぞ」

ん?
気持ちいい?

ディランの言葉に首を傾げたけれど
体を洗ってもらって気持ちいいということだろうか。

「はい、終わり。
じゃあ今度は前を洗うから二人ともこっち向いて」

と言ったら二人は…ディランは嬉しそうに。
マイクは戸惑うように振り返って
私の正面に座り直してくれた。

「そんで?
ユウは俺に抱きついて、
お前の身体で俺を洗ってくれるのか?」

ディランがにやにやしながら言う。

「え? うん?」

そのつもりだったけどダメだった?

「この方法だと汚れ…落ちないかな?」
手っ取り早いと思ったけど、ダメか。

「汚れが落ちるかどうかわからんが
汚れるのは確かだな」

ディランが不穏なことを言う。

「汚れる?
どう言う意味?……マイク?」

ディランの言葉の意味がわからず
マイクを見ると、マイクは頬を赤くしている。

「汚れるだろ? ユウ。
こんな可愛い突起を俺の背中に擦りつけてきて
勃つなという方が無理だ」

ディランが立っていた私の手を掴んだ。

泡だらけの手を引き寄せられ、
泡まみれの胸から顔を出していた赤い突起と
指先でつつかれる。

「無意識に誘ってたのか?
それとも抱かれたくなったか?」

ディランの声に、違う、って言おうと思った。
のに。

その声に胸が鳴った。
抱かれたいって…思ってた…?

違うって言える?

「ユウ…さま」

マイクが小さく声を出す。

「私は……お赦しいただけるのであれば
貴方に触れたい……」

伸ばされた手を、私は拒めない。

「ユウ、な、いいだろ?
今は独り占めしたいなんて言わねぇから」

ディランの甘い誘惑に私は唾を飲み込んだ。

伸ばされたマイクの手を取り、
私はディランの胸に顔を寄せる。

それが…情事の合図になった。






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このお話の前作です。
良ければ、ご覧ください。

【R18】女なのでBとLのみの世界は勘弁してください!「いらない子」が溺愛に堕ちる!

このお話の前作です。第一章↑には、番外編として悠子と入れ替わった男の子、勇くんと
年上残念イケメンとの男×女R18 サイドストーリーも掲載しています。

ご興味があれば、併せてご覧ください。
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