【完結・R18】「いらない子」が『エロの金字塔』世界で溺愛され世界を救う、そんな話

たたら

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新しい世界

101:二人っきりの夜

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 私とマイクは宿に戻った。
お腹いっぱい食べて、夜か明日の朝にでも食べるかも、と
ご飯を食べた店で、軽食と果実水とお酒を買った。

お酒は欲しいわけではなかったけれど、
テイクアウトを頼む際に、やっぱりお酒は
買わなければならないようだった。

この世界では酒場でお酒以外の物だけを頼めない、
というか、お酒を飲まないのに、
酒場に行く人はいない、という認識らしい。

そんなわけで、
酒場で何かを買うのならお酒も一緒に買わないと
妙に勘繰られたり、反感を買われることも
あるので、目立たないように、と
マイクは少し多めにお酒を買ったようだ。

マイクはテーブルに買った品を置くと
すぐに浴室を確認しに行った。

「ユウさま、この宿の湯殿は
水魔石で湯がかけ流しになっているようです。
すぐに入れますが如何いたしましょう」

「入る!」

馬車にずっと乗っていたから
あったかい湯に浸かりたい。

ついでに、服も髪も砂だらけだと思うから
身体も洗いたい。

そういうと、マイクは笑顔で
ではこちらに、と案内してくれる。

いや、マイクも疲れてるだろうし
一人で拭くぐらい脱げるよ?

と、遠回しに伝えたけれど
マイクはお手伝い致します、と
私の服を脱がせた。

ついでに自分の服を脱ぐと
私を連れて浴室い入る。

いつもよりも強引なマイクに
もしかして酔ってる?
って不安になった。

ちっとも顔に出てないけれど、
かなりお酒を飲んでいたかもしれない。

マイクは私を浴室の椅子に座らせて
丁寧に体を洗ってくれた。

髪も洗い、砂っぽさが無くなると、
私を湯に浸からせてくれる。

「はーっ」と息が出た。

マイクが身体を洗うのを
ぼんやりと見ながら、私は手足を伸ばす。

浴槽は大きくて、
私が手足を伸ばしてもまだまだ余裕だ。

「ユウさま」

ふと、マイクに呼ばれた。

「ご一緒しても?」

「うん」

私が足を曲げると、マイクも私の前に座った。

2人で入っても十分な広さだ。

「気持ちいいね」

マイクが入ってきたので、
湯がザーッと浴槽から溢れた。

「ユウさま」

「うん?」

「……触れても?」

マイクが指先を伸ばしてくる。

「……う、うん」

マイクはいつも私に許可を求めてくる。

私を抱っこするときは
そんなこと聞いてこないのに、
情事を求めるときはいつも、こうだ。

気恥ずかしいけど、
女神ちゃんの信徒であるマイクには
必要なことなんだろうと思う。

「初めて…です」

マイクが私を抱き上げ、
膝に乗せた。

「何が?」

「こうして…ユウさまを
何にも、誰にも邪魔される心配もなく
独り占めできることが」

そうだっけ?
と思ったけれど。

確かに私の傍にはいつもディランがいた。

マイクと二人っきりになったこともあったけど
ディランの存在が無かったわけではない。

そういう意味では、朝まで、などの時間制限もなく
ずっと二人だけで一緒に居ると言うのは
初めてかもしれない。

「幸せです」

と、本当にこのまま昇天しそうなぐらい
幸せそうな声で言われ、
めちゃくちゃ恥ずかしくなった。

なに、これ。
羞恥プレイ?

「ユウさま、白い肌を真っ赤にされて。
本当に可愛らしい」

マイクが私の指を取り、
指先に口づけてくる。

ちゅっと指先が吸われ、
そのまま指がマイクの口の中に消えた。

舌で…舐められる。

ゾクゾクとした感覚が背中を襲う。

マイクは私の指を開放すると
背中から抱きしめてきた。

私の首の後ろ当たりに…たぶん、
唇だと思う。

何度も肌が触れるような感覚がして、
私は期待に…そう、期待に震えた。

マイクに抱かれることを予感して
喜んでいるんだ、私は。

後ろからマイクは私の胸の突起を
いじりはじめた。

指の腹で捏ねるように回したかと思うと、
先端を摘まんで引っ張ったりする。

私は思わず、息を漏らした。

「感じていらっしゃるのですね」

マイクが私の首元で囁く。

「大丈夫です、ユウさま。
私の指をどうぞ感じてください」

マイクは私の足の付け根に触れ、
そこを握った。

「ふ…ぁ」

「ふふ、声まで可愛らしい」

なんて言うマイクの声が妖艶で
私は内心、パニックだった。

絶対にマイクは酔ってると思う。

だって、いつもはこんなに
性急に行為を進めてこないもの。

マイクはいつも丁寧に
私の身体を解してくる。

もういい、と何度言っても
指で、舌で、私を快感に追い詰める。

いつもならこんなふうに、
いきなり私の足の付け根に
触れてきたりはしない。

指先や、足の先から。
焦らずように、じらすように、
私に触れてくるのだ。

「マイク…酔ってる?」

一応、聞いてみた。

「はい。ユウさまに…酔っております」

うん。酔ってる。絶対に。

お酒に酔っている時に
お風呂に入るのは良くない。

私はマイクに湯から上がろうと誘う。

「そのように…私を性急に
求めてくださるのとは」

嬉しそうに言うマイクに
どう声を掛ければいいのか。

そういうわけでは無いとは言えなくて。

とにかく浴槽から上がると、
マイクはそのまま私を抱きしめて来た。

私を壁に押し付けて、
腕を掴んで抱き込まれた。

こんなに強引なマイクは初めてだ。

何もかもビックリで。

「お慕いしています、ユウさま」

硬直した私にマイクは懺悔のように言う。

「あの男が乱暴にユウさまを抱くのを
私は忌々しく思っておりました」

ディランのことだと言うことはすぐにわかる。

「ですが…私は、羨ましかったのです。
ユウさまの同意もなく、
けれども乱暴にユウさまを抱いても
咎めだてもされないあの男を」

マイクの瞳が、私を見た。

『祝福』が発動される前に
マイクが私の唇に、口づけた。

「私も…あのように
あの男のように抱いても…
許されるのでしょうか」

私は、何も言えなかった。

代わりに、マイクの背に腕を回す。

マイクはそれを了承と取ったのだろう。

私の顔を覗き込み、
そのまま深く…口づけた。





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このお話の前作です。
良ければ、ご覧ください。

【R18】女なのでBとLのみの世界は勘弁してください!「いらない子」が溺愛に堕ちる!

このお話の前作です。第一章↑には、番外編として悠子と入れ替わった男の子、勇くんと
年上残念イケメンとの男×女R18 サイドストーリーも掲載しています。

ご興味があれば、併せてご覧ください。
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