【R18】完結・女なのにBL世界?!「いらない子」が溺愛に堕ちる!

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36:救済<クリスSIDE>

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 私は目の前の愛する人を抱きしめた。
夢ではないかと何度も思い、
腕の中のぬくもりを確かめる。

あの日、奇跡が起こった。

 朽ちた教会の礼拝堂で
私は<闇>の魔素の研究をさせていた。

女神の愛し子という子どもは
どこまでも状況を理解していない様子だったが
無垢な魂だからこそ
極上の<闇>を生みだせるのだと
私は考えていた。

それにこの子どもはおそらく
孤児だろうと、私は思った。

何故なら、土魔法も知らず、
愛し方も、愛する方法も知らないと
言っていたからだ。


少し意味がわからないことも
言ってはいたが、
親に愛されたことが無いのであれば
愛し方などわからないだろう。

おそらく、どこかの教会の孤児院に
捨てられた子どもだろうと
私は思った。

そうであれば、
この子どもが万が一、
行方不明になったとしても
誰も心配などしないし
探すこともないハズだ。

神殿は少しは探すかもしれないが
どうせまた、新しい女神の愛し子を
どこかから探してくるに違いない。

しょせんは、使い捨ての子どもだ。

可哀そうだとは思う。
だが、助けてやろうとは思わない。

私にはそんな意欲など
全くないからだ。

私は愛しい人を失い、
自分が死ぬこともできず、
私はおそらく…この世界を
滅ぼしてもいいとさえ、思っていた。

<闇>を生み出すことで
この身が滅んでもいい。

早く終焉を迎えたいと思っていたのだ。

そんな私が、不憫な子どもを
助けたいと思う気持ちがあるわけがない。

どうせ、世界は終わる。
私が終わらせる。

だからこそ、あの子どもを
早く闇に堕とすべきだと
研究員たちに命じたが、
2人は首を縦には振らない。

子どもの姿を見て、
良心が咎めだしたようだ。

研究員たちは
もう研究を止めたいとまで言い出した。

苛立った私が、
子どもを無理やりにでも
研究室となっている礼拝堂に
連れて行こうと思った時、
子どもが食堂にいないことに
気が付いた。

逃げたのかと思い、
慌てて食堂を出ると、
礼拝堂の方から、子どもの笑い声が聞こえる。

急いで礼拝堂に入ると、
子どもは…檻の中にいる<闇>の魔素を
まとった人間…一応、まだ人間である
笑顔で拍手をしていた。

手品だろうか。

うつろな目をしていた
子どもを見ることなく、
けれども、指先を動かしカードの枚数を変え、
色を変えたりしている。

どういう状況かわからずに、
私も、研究員たちも固まった。

目の前では子どもが
惜しみない拍手と賞賛を送っている。


カードが花に変わった。


「檻を開けて!」

子どもが振り返った。

「早く!」

今までの無邪気な顔ではなく、
切羽詰まった…真剣な声だった。

しかも、拒否できないような
気迫さえあった。

研究員がその気迫に押されて
ポケットに入れていた鍵を
手元に出した途端、

子どもはそれ奪い取り、
檻のカギを開けてしまう。

危険だと思った。

<闇>の魔素を身にまとった人間は
いつ魔獣になってもおかしくはない。

今は、自分の人生を呪い、
絶望した反動で
<闇>の魔素に侵されても
自我を失い、うずくまっているだけだったが
それがいつまで続くかわからない。

だが子どもは脅えることなく、
檻の中に入り、扉を閉めた。

そして、差し出された造花を
丁寧に受け取る。

「すごいですね。
手品は今まで見たことが無いので
ビックリしました」

子どもが、優しい声を出す。

「……たくさん、練習したんですね」

その言葉を聞いたの瞳から
濁った黒い涙が出て来た。

子どもは何故か淡く光る指先で
その涙に触れる。

子どもが触れた涙が、輝いた。

すると、だった男が
いきなり、子どもから飛び退く。

そしてその瞳に意思を宿したかと思うと、
ぽろぽろと、透明の涙を落し、
慟哭しはじめた。

あまりのことに…
誰も、何も言えなかった。

<闇>の魔素をまとったものは
闇に取り込まれ魔獣になるか、
闇を受けとめることができずに
衰弱して死を迎えるかのどちらかだ。

意志を取り戻すなどありえないはずだ。


その慟哭する男はそのままに、
子どもは檻から出てきた。

そして礼拝堂の奥を見る。

天井のステンドグラスから
満月の光が差し込み、
その下には、布をかぶせた
女神像がある。

子どもがその像の下に立った時、
扉も窓も閉まっている筈なのに、
何故か風が吹き、
布が落ちた。

女神像が…月の光を浴び
輝いている。

子どもはその像の足元で
「女神ちゃん」
と、呟いた。

声は静かな礼拝堂に響き渡る。

「いいの?
こんな世界を、女神ちゃんは
望んでいたの?」

子どもが、泣く。
まるで女神に訴えるかのように。

「努力しても報われない。
理不尽に愛する人と引き別れる。

そんな世界は、私だって嫌だよ。

私は愛されたことが無かったから、
愛されて生きる幸せがわからなかった。

でも、こんな私でも、
今、皆と…女神ちゃんと
離れてしまったら、辛いし、寂しい。

頑張って『聖樹』を蘇らせても、
幸せになる人がいなかったら、
やっぱり辛い。

頑張ったのに、って思っちゃうよ」

満月の光が…さらに輝き、
女神像の足元にいた子どもに注がれる。

奇跡を見ているのかと思った。
声すら、出ない。

「救ってあげてよ、女神ちゃん。
人間たちの運命を変えることはできないって
そんなことはわかってる。

だけど。
もう少し、人間たちを見てあげて?

皆が、女神ちゃんを信じて、
頑張って生きてるんだよ」

ぽた、と水が落ちる音がした。

私が見ている前で、
満月の光に輝く女神像が涙を落としている。

「涙…」

神々しい女神像の姿に、
私は呟いていた。

女神は存在したのか?

ならば、何故、私は…
愛しい人は救われなかったのか。


「女神ちゃん、力を貸して。
できるだけのことは…するから」

子どもの声が、私の中の憎しみに触れた。

女神が…女神の愛しが子
救いを与えてくれるのか。

女神像が輝く。

暖かな光だった。

私の中の憎しみを癒すような光だ。

胸を閉めていた生き苦しさが消え、
涙があふれる。

子どもが…女神の愛し子が私を見た。

「浄化…します。
きっと<闇>の魔素を
操ることはできません。

何故なら、魔素は女神ちゃんですら
操作できないものだからです。

それがこの世界の理だから。

人間は魔素を操ることが
できないように、
作られているのです」

そもそも、どんなに実験を繰り返しても
決して成果は出ないのだと、
女神の愛し子は無情なことを言う。

だが、その言葉を否定する気にはなれなかった。

すとん、と、
と、
その事実が、胸に落ちた。

女神の愛し子は檻に向かって手を伸ばす。

その指先から光が漏れた。

光はどんどん広がり、
女神の愛し子の身体も輝き始める。

光は礼拝堂を満たし、外へと…
咄嗟に窓を見ると、
周囲の森の方へまで光は伸びていた。

神々しい…と言う言葉を
私は初めて理解した。

無条件で跪きたくなるものだった。

私が膝を折ると、
輝きを放っていた光が
徐々に淡く消えていく。

女神の愛し子は、
そっと私を見た。

「あなたの望みは…なんですか?」

ふらつきながら、
けれど真剣な瞳で聞かれ、
私は…首を振った。

わからない。

魔王になりたいなど、
本気で思っていたわけでは無い、

研究に拘っていたが
それも本心ではなかった。

私が望むのは、
愛しい人と共に過ごす日々だけだ。

だから今の私に、
望むものなど無い。

だが、
女神の愛し子は、私ではなく
私の隣に話しかけていた。

私の隣には誰もいないのに。

「クリスさんを守っていたのですか?」

誰に言っているのかわからない。

私が隣を見ていると、
女神の愛し子は、私の隣に指を伸ばした。

淡くゆびさきが光る。

「メル!」
まさか、と思った。

私の隣に、愛しい人が立っていたのだ。

亡くなった時と同じ姿で、
私の隣に寄り添ってくれている。

「メルさん…というんですね。
メルさんは何を…望みますか?
今なら、女神ちゃんに頼むことができると思います」

女神の愛し子が言う。

だがメルは首を振った。

「今のまま、クリスさんを見守るだけでいいのですか?」

メルは寂しそうに頷いた。

「待ってくれ!
メル! 
メルはずっと私のそばにいてくれたのか?!」

メルは困ったように頷く。

「なんて…なんてことだ。
私は……」

メルに会いたくて、
死に急いだ。

メルに会いたくて
<闇>の魔素に手を出した。

みじめで愚かな私を、
こんな私をずっとメルは
見捨てずに寄り添ってくれていたのか。

メルの手が、私の肩に触れる。

だが、感覚はない。

触れられているという気がするだけだ。

メルは魂だけの状態になっても
私のそばにいてくれたのだ。

私が気が付かなかっただけで。

いや、本来の…聖なる力を使えていた
私であれば、気が付いたかもしれない。

だが、メルを失い、
聖なる力も失った私の目は曇り、
本当に得たいものが見えなくなっていたのだ。

メルはずっと私のそばにいてくれたのに。


「女神ちゃんに、恨みはないのですか?」

メルは首を振った。
私は女神を恨み、憎んだと言うのに。

『ユウ』

その時、厳かな声がした。

周囲を見回したが、
私たち以外、誰もいない。

『わしは人間たちが
人間たちの手で決めた運命を
変えることはできん。
世界の理も、じゃ』

女神の声だ、と直感した。

「わかってる。
人間たちの運命は
女神ちゃんが決めたんじゃなくて
人間たちが、自分で選び、
行動した結果なんだもんね」

私は思わず、息を飲んだ。
人間の運命とは、
女神が決めたものではなかったのか。

すべては人間たちに委ねられ、
人間たちがそれぞれに選んだ結果、
それが運命になるのか。

それはつまり、メルを失った結果も
女神が決めたわけでは無く
人間たちの…様々な人間たちの思惑が
絡み、人間たちが行動した結果ということだ。

私は足元がぐらつくのを感じた。

女神を憎むことで、なんとか生きて来た。
<闇>の魔素を使い、
魔王を生み出すという目的があったから
それでも人生を続けることができた。

全ての原動力は、女神を憎むことだった。

その私が、女神を憎むこと自体が
間違っていると理解してしまったら…

私はどうすればいいのか。

『じゃが…世界の理を
曲げている存在がいるのであれば
それを正すのも、わしの役目じゃ』

泣き崩れる私の前で、
再び、女神の愛し子の身体が輝く。

「いいの?
私の判断に任せて貰って」

『良い。
わしはユウを信頼しておるからな』

女神の愛し子は、女神の信頼を得ている存在だった。

『わしを…わしの世界を
より良き方向に進めてやってくれ、
ユウ。
そなたが頼りじゃ』

「……うん。ありがとう、女神ちゃん」

その言葉を最後に、
礼拝堂は静かになった。

私の胸には後悔しかない。

そんな私の隣にいたメルに
女神の愛し子は話しかけた。

「聞いての通り、女神ちゃんは
私に采配をゆだねてくれました。

メルさんは今、世界の理を歪めています」

メルは頷いた。
死んだ者がいつまでもこの世界に
留まることは、世界の理に反していると
いうことだろう。

「メルさんは、どうしたいですか?
このままでは、世界の理が歪んでしまいます。

……生まれ変わるために、
天に還るのであれば、
手伝います」

メルは首を振った。

嬉しいと、思ってしまった。

胸には後悔しかないし、
世界の理を歪めているような状態でも。

メルが私と共にあることを
望んでいてくれる。

それだけで、嬉しいと思った。

私はメルの手を取った。

メル、メル、愛しいメル。
魂の存在でもいい。
ずっとそばにいて欲しい。

「できるかどうかわからない…けど、
試してみますか?」

女神の愛し子が何かを提案した。
私は意味がわからなかったが、
メルは頷く。

「どんな結果になるかわかりません。
私も…そうでしたし」

不安な言葉が聞こえたが、
それでもメルは頷いた。

女神の愛し子は手を伸すと、
メルと私を引き離した。

もう、一時も離れたくない。

「メル!」

メルの手を掴もうとした私を
メルが手を上げて止めた。

真剣なメルの瞳に、私は動きを止めた。

私の前で、女神の愛し子は
メルの手を取った。

小さく幼い指先が光を帯びる。

幼い指先に触れたメルの指が、腕が…
どんどん輝き、光がメルの身体を包み込んだ。

まぶしくて、見ていることができない。

咄嗟に腕で目をかばった。

教会の扉が開く音がする。

大きな音に驚いた。

この教会の扉は、何をしても
開くことは無かったのに。

これも女神の力なのか。

私は目を閉じ、
光が収まるのをひたすら
待つことしかできなかった。






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