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章間<…if>
14:可愛くてエロい<カーティスSIDE>
しおりを挟む私は興奮していた。
ソファーに座り、余裕がある素振りを
していたが、視線は目の前のユウに釘付けだ。
愛しいユウが…女神の愛し子でもあるユウが
私が望むままに動き、
痴態を晒している。
そしてその姿を見ることができるのは
私だけなのだ。
言いようもない充足感を感じた。
私の言葉に従い、
拙い動きで自慰をするユウ。
白い肌が徐々に赤く染まる姿は官能的で、
すぐにでも、しゃぶりつきたくなる。
ユウは私が初めて愛した人だ。
私が心の全てを曝け出すことができる
唯一の人。
ヴァレリアンやスタンリーとは
幼馴染だということもあり
気さくに話ができる。
私が王子だと言うことを
忘れさせてくれる親友だと思っている。
命を預けて何度も一緒に戦ったし、
だからこそ、ユウを共に愛することを
受け入れたのだ。
他の人間であったのなら
私はきっとそいつらを殺していただろう。
そう、私は心の中に
物凄くひねくれた、残虐な自分を隠しもっている。
次期王でもなく、次期王のスペアにもなれない
3番目の王子。
何の価値もない王子など
生まれてくる意味などなかったのでは、と
何度も思った。
だからこそ、国のためになればと
ヴァレリアンやスタンリーと共に
聖騎士になった。
二人には、私の冷酷なところも、
残忍なところも見せてきたが、
それでもすべてを見せて来たわけではない。
誰も本当の私の醜い劣等感にまみれた心など
見たくないだろうし、知られたらあの二人でさえ
離れていくことは、想像できた。
だからずっと、私はそんな自分を隠して
二人の前では少し腹黒いけれど、
人当たりの良い第三王子を演じて来た。
もちろん、他人の前では
優しい第三王子の顔しか見せない。
それでいいと思っていた。
それを崩したのは、ユウだ。
ユウを愛し、本当の自分を知って欲しくなった。
甘やかして、私だけを見て欲しくて。
快楽でドロドロに溶かして
私だけを頼って欲しかった。
独占欲が生まれ、
私はユウを甘やかしながら
少しだけ意地悪をする。
ユウはいつも笑ってそれを受け止めてくれた。
大好き、って笑ってくれた。
だから私は少しづつ、意地悪の回数を増やし、
その代わりに、ユウを甘やかした。
愛を囁き、傷つかないように守り、
その代わりに自分でユウを傷つけるのだ。
けれど、ユウは何があっても
私を否定することも、
嫌がるそぶりも見せなかった。
今も、そうだ。
女神の愛し子であるユウに
こんなことをしてはならないと
理性では理解している。
でも、どうしても私はユウを
試してしまうのだ。
本当に私のことが好きなのか、と。
私のことが好きならば、
何をしても大丈夫だろう、と。
いっそ、嫌われた方が楽だと
思ったこともある。
手酷く抱いて、二度と肌を重ねたくないと
拒絶された方が、ずっと楽になると
思ったこともあった。
だが、ユウに拒絶されるなど
考えただけで死にそうになる。
なのに私は…
また、ユウを試している。
酷いことを命じて、
ユウが受け入れる姿を見て
安堵と、嬉しさと愛しさを感じるのだ。
ソファーの上で両足を広げ
だらり、と力を抜いているユウの指からは
蜜がだらだらと零れている。
恐らく自慰をした際、射精…ではないか。
ユウはまだ精液を出すことができないようなので
かわりに蜜を可愛い樹幹から吐き出したのだ。
快楽に溺れた瞳に舌なめずりしたくなる。
こんな自慰をして、惚けたユウを
誰も見たことが無いだろう。
そう、あの二人でさえも。
「ユウ、今度はその指に付いた蜜を
張型に付けてごらん」
ユウが私を見た。
まだ終わりでは無いのか、と言う顔だった。
「ほら、手元に張型があるよ」
わざと優しい声で促すと、
ユウは蜜で濡れた指で張型を持った。
ユウの指はすでに蜜でぐっしょり濡れている。
だからその指で張型に蜜を塗り付けるかと
思っていたが、ユウは張型を
蜜を吐き出した可愛い樹幹の先端に押し当てた。
グロテスクなモノがユウの白く
可愛い樹幹に触れる。
その淫靡な姿に息を飲む。
「良い子だね、ユウ。
それをぐりぐりと先端に当てて…
いいね。
張型はちゃんと蜜で濡れたかい?
じゃあ、それを……今度は入れてみようか」
ゴクリ、と唾を飲んだのは
ユウだったのだろうか。
「ユウ、しっかり足を広げて
私に見えるように…そう、いいよ」
ユウはソファーの前で
足を大きく広げて見せた。
ユウは恥ずかしいのか
顔をそむけたまま張型の先端を
秘所に当てる。
秘所は張型が触れただけで、
こぽっと蜜をこぼした。
「あぁ、甘くていい匂いだ。
さぁ、入れてごらん」
早く、と言うと、
ユウは震える指を動かした。
つぷ、っと先端が入る。
すぐにコブのような場所が来て
それはすぐに止まってしまった。
力を入れて押し込まなければ
体内に入りそうになさそうだ。
「ユウ、もっと押し込んでみて。
大丈夫、怖くないよ」
手を貸す気はない。
ユウが自分の意志で、カーティスのために
痴態を披露する姿が見たいのだ。
「う……っ」
ユウが疼くような声を出した。
コブが1つ入ったかと思うと、
おそらく力を入れ過ぎたのだろう。
そのまま、ずるり、と張型が
ユウの体内に押し込まれてしまった。
半分ぐらいは挿入されただろうか。
無機質な張型がユウの蜜で光る秘所から
突き出ている光景が、あまりにも淫靡だ。
コブが苦しいハズなのに、
ユウはキモチイイ場所を見つけたのか
腰を上下に動かした。
その姿に喉の渇きを覚える。
「ユウ、もっと奥まで……入る?」
もっと見たい。
ユウが、ただの人間のように
快楽に溺れる姿を見たい。
立ち上がり、ユウの傍に立った。
「は、はい…る」
ユウはそう言ったものの、
うまく力が入らないようだ。
「慣れるまでは、一人でするのは難しいかな?」
私は身をかがめると、
「手伝ってあげるね」と声を掛けた。
張型を持つユウの手に自分の指を重ねると
ぐいーっとそれをユウの体内に埋め込んだのだ。
「あぁーっ!」
いきなり根本まで張型を埋められ
ユウはのけぞった。
「うん、可愛い」
白い喉が曝け出される。
張型を少し出し入れするだけで
ユウは腰を振り、もっとして欲しいと
言わんばかりに足を広げた。
「このコブのところがいい?
凄いね、コブがユウの中を出るたびに
離したくないって、締め付けてくるよ」
あっという間にユウの秘所からは
蜜が溢れ出て、張型はぐじゃぐじゃと
音を立てながらスムーズに出し入れされる。
ただ、張型を引き抜こうとすると
ユウの体内が締まり、
ひっかかってしまうのだ。
ユウが快感に溺れている証拠だ。
「ユウ、自分でもやってみて」
ユウに張型を握らせ、私は身体を起こした。
ユウの痴態にまみれた真っ赤な肌を見下ろす。
すでの自身の欲棒も興奮していて
痛いほどに勃ちあがっていた。
ユウが目の前で張型を動かす。
動かし方がわからないようなので
ゆっくりと指示を出してあげる。
「出し入れしてみて…そう、イイ子だね。
キモチイ場所はわかる?
わからなかったら、体内を掻きまわすように
動かして……そう、入口のところと…
もっと奥も。
ぐりぐりと押して…いいよ、
可愛い顔だ」
ユウの動きが指示しなくても早くなる。
「すごい…綺麗だ、ユウ。
真赤になって…ユウの秘所もおいしそう」
うわずった声が出てしまった。
我慢できずに
昂る欲棒をユウの前で扱く。
ユウを見ながら、
すぐそばで自慰をしている。
ユウの身体に興奮して。
背徳感がさらに追い立てた。
「いいよ…ユウ。
出す…から……飲……うっ」
本当はユウに飲ませたかったのだが、
我慢できずに、ユウの身体に精液を吐き出した。
白い液はユウの胸に零れる。
吐き出しても、まだ扱くのをやめれなかった。
最後の一滴まで、すべてユウの身体に
ぶちまけたかった。
神聖な女神の愛し子を、
自分の性欲で穢したという背徳感は、
ユウを自分だけのものにしたと思うことができた。
ユウに自分のものだと印をつけたのだと
そう思えたからだ。
息を切らして精液を絞り出すと、
ユウはそれを受け止めながら
ビクビクと体を震わせていた。
「ユウもイったのかい?」
ユウの秘所からは
張型が入っているにもかかわらず
蜜が溢れ出ている。
「可愛いね、ユウ」
惚けた顔に口づけた。
そしてユウの体内に入っている張型を
ユウの指ごと持った。
「今度は私がしてあげよう」
はぁはぁと息を切らしているユウに
言葉は聞こえていなかったようだ。
けれども、了承の返事は期待していなかった
快感に惚けているうちに
もっといろんなことをしてみたい。
ぐい、っとユウの秘所に
半分出かかっていた張型を押し込むと
焦ったようなユウの声がした。
「え……? か、カーティスっ」
弛緩していたユウの足に力が戻る。
けれど、やめるつもりはなかった。
ガツガツと張型が押し込み、
ぐりぐりと体内を掻きまわす。
ユウは喘いだ。
「さっき良かった場所はどこ?
入口付近?
それとも奥?」
わざと乱暴に張型を動かすと、
ユウが口を開け、
荒い呼吸を繰り返した。
否定の言葉はない。
ならば、もっと快楽に溺れさせたい。
張型の動きはそのままに、
目の前で蜜を零しているユウの樹幹を
口に含んだ。
「ひゃ……っ」
どば、っと秘所から蜜がこぼれた。
やっぱり感じているんだ。
嬉しくなって、さらにユウの樹幹を舐める。
先端を舐めると、甘い匂いが
口に充満した。
女神の祝福だとユウは言っていたが、
この蜜も、甘い香りも、媚薬の効果があるのだという。
だから甘く感じてしまうのかもしれない。
もっと飲みたくなってしまうからだ。
ユウの樹幹を吸い上げ、
先端を舌先で刺激する。
もちろん、張型を動かしながら
軽く歯を立てると、ユウは口から
だらだら唾液を漏らしてて喘いだ。
「ふふ、キモチイイ? ユウ」
可愛い。
何もかもが、可愛い。
だらしなく開いた口元も、
涎を垂らして惚けた顔も。
「すっかり、ぐしょぐしょになったね。
嬉しいよ」
ユウの体内から張型を抜き出す。
「じゃあ、今度は私と一緒に
キモチイイになろう」
すでに昂ぶり、天を仰ぐほど
そそり立った欲棒を、
隠すことなくユウに見せつけた。
「見て、ユウ。
私のがユウの中に入るところを」
わざと、ゆっくりと丁寧に、
ユウに聞こえるように声を掛ける。
惚けていても、声は聞こえている筈だ。
のろのろと、ユウが視線を向けて来た。
「私と…張型とどっちが良いか、教えて?」
見せつけるように、ユウの中に
欲棒を入れていく。
深く、ゆっくりと欲棒を入れると、
性急に動きたいのを我慢して、
ユウの耳元に口を寄せた。
「ねぇ、どっちがいい?」
けれど、ユウは首を振るばかりで
答えてくれそうにない。
「しかたないなぁ」
それなら無理にでも言わせてみたい。
カーティスがいいと。
愛していると。
私はユウの身体を一旦、離して
ソファーから降りた。
床に座り、ユウの足を掴む。
そして再び欲望をユウの秘所に
押し当てると、一気にユウの身体を
ソファーから引き下ろした。
「あーっ」
体重を掛けて貫かれたからか、
甲高い声がユウから挙がった。
膝に座ったユウは
私の首にしがみついてくる。
まるで助けを求めるかのように。
「可愛い。やっぱり私がいいんだね」
ユウの仕草に心が満たされていく。
胸に沸き起こっていたどす黒い独占欲が
消えていくのを感じる。
「愛してるよ、ユウ」
愛とは、もっと崇高で美しいものだと思っていた。
優しくて、やわらかで、
可愛いユウを守るための感情だと思っていた。
けれど。
そうでないことを、ユウを愛して知ってしまった。
「愛してる」
だから、見捨てないで。
その言葉は、声にはならなかった。
代わりに、欲棒でユウを下から突き上げ、
責め立てる。
離れたくない。
離れられない。
ずっと独り占めできなくてもいい。
だから。
ずっとそばで愛することを許して欲しい。
そんな気持ちでユウを抱いた。
射精感に逆らう気もなく
ユウの中に精液を吐き出す。
瞬間。
ユウは何故か、ふにゃりと笑った。
わかっていると言われたような気がした。
どんなカーティスでも大丈夫。
大好きって、そういつもの笑顔で
言ってくれた気がした。
ユウが腕を伸ばしてくる。
その手を取り、思わず抱きしめた。
何故だか、泣きたくなった。
「カーティスがいい」
あの張型とカーティスの
どちらがいいか、という質問の
答えだったのだろうか。
だが、もうそんなことは
どうでもいい。
だから。
「私もユウが一番だ」
そう言って、涙を隠したくて。
私はさらにユウを深く抱きしめた。
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