【R18】完結・女なのにBL世界?!「いらない子」が溺愛に堕ちる!

たたら

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BとLの世界は厳しい激エロの金字塔だった

28:初めてなのに3人となんて聞いてないーーーーー!!

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何がどうなってるのかわからない。
何がって、が。


お風呂でカーティスとキスをしてしまった。


私の呪…祝福のせいだ。


でも、カーティスとのキスは気持ちよくて、
男性と手を繋いだことすらなかったのに、
もっと、って思ってしまった。


ダメなのに、流される!


そう思った時、助けが来た。


ヴァレリアンとスタンリーだ。


キスを見られた羞恥心で体が熱くなり、
私はうつむくしかできなかった。


怒られてるのか責められてるのか、
胸がバクバクしすぎて、
彼らの言葉が頭に入ってこない。


ヴァレリアンとスタンリーに腕や手を掴まれ、
パニックをおこしかけていると、
カーティスが優しく、
湯に浸かろうと耳元でささやいた。


そんなことだけで、
さらに顔が赤くなってしまう。


私は顔を見られたくなくてカーティスの首にしがみついた。


ところが、湯舟に入った途端、
何か言ってきたスタンリーの
膝の上に下されてしまう。


カーティスの裸だけでも目のやりどころに困っていたのに、
スタンリーやヴァレリアンまで一緒にお風呂なんて
どこを見ていいかわからない。


スタンリーは、カーティスより少し背が高く、
膝に乗せられると、筋肉がしっかりついているのがわかった。


カーティスより、がっちりしている気がする。


私を膝の上に乗せたスタンリーは、
優しく私の髪を撫でてくれたが、
すぐにまたカーティスの腕に
体が抱き寄せられた。


すると、スタンリーの腕が私のお腹に添えられる。

子どもがおもちゃを取り合うように、
二人が私の体を取り合う。


力任せに引っ張られることは無いが、
硬い筋肉のついた男性の腕に、
しかも2人の男性に交互に抱きしめられるというのは、
形容しがたい気が恥ずかしさだ。


抵抗できず、
女神の祝福があるので目を合わせることもできず。
ただ、おろおろするしかない。


そんな状況をヴァレリアンが一転させた。


私を抱き上げ、湯舟から出ると、
湯舟の淵に立ち、
わたしを逃がしてしまった二人を見下ろしたのだ。

ヴァレリアンは二人に強い口調で友情を語る。
こんな状況なのに、何を言っているのかと正直思った。


すると、突然、ヴァレリアンが私の名を呼び、
顎を優しく掴んできた。

まるで強引にキスするような仕草に、私は息をのむ。


だが、キスは無かった。
それ以上に、驚くような言葉が、
ヴァレリアンの口から飛び出したのだ。


「今日からユウは俺たち3人のものだ。
いいな。

お前が誰かを選ぶまで、俺たちがお前のそばにいる。
俺たちがお前を守る。

だから…お前を愛し、触れるのを、許してくれ」


いいな、と力強く。
どう聞いても、命令のような口調だったのに。


まるで愛の告白のように。
神に許しを請うかのように。

苦しそうにヴァレリアンは私に告げる。


その意味がわからないほど、私は子どもではない。


一応、22年も生きてきたのだ。
一度も彼氏などいなかったが、それでも、
この3人と愛し合おうと言われていることぐらいは理解できる。


元の世界の私だったら、絶対に拒否してた。

というか、そんなことできるとは思えなかった。


でも女神ちゃんの祝福のせいで倫理とか貞操とか
なんかそういうのが緩んでいるせいか。

さっきのカーティスのキスで思考が蕩けているせいか。


私はこのヴァレリアンの提案に、自然とうなずいていた。


たぶん、ヴァレリアンたちは、私の「匂い」に気が付いて
ここまで来てくれたのだ。


女神の祝福…私の体臭も体液も、すべてが媚薬になるというやつ。

このせいで私はきっと、カーティスとのキスで
媚薬を振りまいていたのだろう。

本来ならその祝福に負けて、
私に襲い掛かっても良いぐらいなのに、
ヴァレリアンも、スタンリーも、


そして今はカーティスも、
理性ですべてを抑え込んでくれているようだった。


辛そうな声に、表情に、私は陥落した。


たとえ祝福があったとしても、私は誰かに
これほどまでに必要とされたことがなかった。


いつだって「いらない子」だったのに、
こんなの激しく求められたら…受け入れるしかない。


友情とか愛情とか、そんなのどうでも良くなってきた。


ただ、彼らを受け入れたいと思った。


私を命に代えても守るといってくれた彼の決断を。

彼らの愛情を。

たとえ、彼らが祝福から目を覚まし、
私から離れて行ってしまったとしても、
私はこの決断を後悔はしないだろう。


「皆さんがそれを望むなら…」


私はそうつぶやいた。


本当は、私が彼らを望んでいたのかもしれない。
でもそれを言ってしまうと、
彼らを縛り付けてしまうようで言えなかった。


責任転嫁していると、自己嫌悪に陥るが、
そんな罪悪感もすぐに消えた。


ヴァレリアンの唇が激しく重なってきたからだ。


唇を吸い上げられ、思わず口を開けると、
舌先がぺろりと、私の唇の間を舐めた。


羞恥に身もだえてしまう。


こういう時、どうリアクションしていいかわからない。


焦るばかりで、体が硬直してしまう。


たぶん、体が硬直してしまうのは
勇くんの体の記憶もあるからだとは思っている。


男性に触れられるのが苦手な私と、
他人を拒絶していた勇くんと。


体が条件反射のように、こわばってしまうのだ。


そんな私の内心の動揺も関係なく、
私はこわばった体をスタンリーに抱き上げられ
濡れた体を布で拭かれた。


大きな布のタオルで体を包まれると
そのまま寝室まで抱き上げられたまま
連れてこられた。

そして、ベットに体を下される。


タオルの中は何も来ておらず、文字通りの素っ裸だ。


展開が急すぎてついていけない。
なに? なんなの?


今度はスタンリーと一緒にベットインなの?


3人がどうとか言ってたあれはどうなったの?


別に3人で愛し合うとか、
そういうのがしたいとかではなく。


いや、そうじゃなくて、そうじゃなくて。
考えよう。


スタンリーはきっと、あの二人から
私を遠ざけてくれたのだ。


私がパニくってたから。


そして…えっと私が3人と愛し合うってことは
3人とお付き合いするってことだよね?


お付き合い。

……なんて、いままでしたことないけど、
あれでしょ?

手をつないだりとか
き、キスしたりとか…。


あ、キスはもうしたけど。


でも、付き合うってその、
デートしたりとか、
お弁当持ってピクニックとかして、
お互いのことを知っていくんだよね??


付き合いして、手順と順序を踏んで、
そしてーーーーー!!


脳をフル回転していたら、
スタンリーにキスされたまま、押し倒された。


息が苦しくなるほど何度も唇が重なり、
口を開けたら、スタンリーの舌がもぐりこんでくる。


カーティスより強引で…
熱い感情をぶつけられているようようなキスだった。


「おい、先に始めるな」


ノックもなしに、ヴァレリアンが寝室に入ってきた。


その後ろからカーティスも続いてくる。
その手には水差しが乗っていた。


入ってきた二人にスタンリーは、らしくもなく
小さく舌打ちして、ベットから下りる。


私は頭の芯がくらくらしていて、
カーティスに背中を抑えられながら起き上がった。

「喉が渇いていると思って、水を持ってきたんです。
飲むでしょう?」


カーティスは言いながら、グラスを渡してくれた。
私はカーティスに支えられながら水を飲んだ。


「じゃ、始めるか。
あのヒヨコ共が戻ってくる前にな」
ヴァレリアンが言うと、カーティスが私からグラスを取りあげた。


はじめる?


始めるの?


何を…?


じゃないか。
でも、……3人で?


お付き合いの最初は手をつないで公園デートとか
そういうのから始まるんじゃなかったの!?

なんて言葉は、すぐにカーティスの口の中に消えた。


キスされてると思った時には、体に巻いていたタオルがはぎ取られて、
私の体をヴァレリアンが見下ろしている。


まるで獲物を前にした猛獣のような目だった。


そんなヴァレリアンの視線を遮るように、
スタンリーが優しく私の足元までくると、そっと内股を撫でる。


「君は何も考えなくていい」

スタンリーの声は優しかった。

「そうだな、俺たちに身を任せておけ」


ヴァレリアンもベットの脇までくるといつものように膝をついた。

「大丈夫。傷つけるような真似はしないよ」


カーティスの声はうっとりするほど、美しかった。


私はつばを飲み込み、
体に覆いかぶさってくる3人の吐息を感じた。




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