【R18】完結・女なのにBL世界?!「いらない子」が溺愛に堕ちる!

たたら

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BとLの世界は厳しい激エロの金字塔だった

25:お風呂って激エロですよね?

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ホワイトをこの屋敷で飼えることになってから、
3日ほど経っていた。


あんなに頑張って「飼いたい」と主張したものの、
ホワイトはとても自由だった。


餌も必要なかったし、もちろん、トイレの躾もいらない。


ときおり、翼を広げて
窓からどこかに出かけて行って、
ふらりと帰ってきては、
私のベットのそばに寝そべっている。


自由だ。

さすが聖獣というべきか。


最初から、この屋敷があってもなくても、
私がいてもいなくても、ホワイトには
何の支障もなかったみたい。


だよねー。
聖獣だもん。


「私のために来てくれたのだから
絶対に私が飼うぞ!」なんて
使命感に燃えたけど、意味なかったなー。


なんて思いつつ、私は寝るための
着替えの準備をした。


体調が悪い時は、着替えなどの介助を
カーティスに頼んでいたけど、
一人でできることは、
できるだけ一人でするように心がけている。


今から、お風呂だ。


ノックがして、扉が開いた。

「ユウ、準備はできた?」

カーティスだ。

「はい、大丈夫です」


着替えの準備は一人でできるが、
じつはお風呂はいつも、カーティスと一緒だ。


だって、一人じゃ入れないんだもん。


この世界には、電気もガスもない。
魔法で生活は成り立っている。


つまり、お風呂にお湯を入れたり、
シャワーみたいに水をだしたりするのも、
魔法が必要だということだ。


私にもたぶん、
女神の恩恵を山ほど持っているだろうから
お湯ぐらい出せるとは思うのだけど。


やったことないし、
魔力とかわかんない。


練習した方が良いのかもしれないけど、
学ばなくてもカーティスがいてくれると
何もしなくても良くなっていて。


面倒くさくて、
ついカーティスに頼るようになってしまった。


こういうの、ダメだとはわかってるんだけどね。


この屋敷のお風呂はとても大きくて、
大人が3人とか4人とかでも入れそうなぐらい。


もしかしたら、
家族みんなでお風呂を楽しめるように作ったのかもしれない。


脱衣所らしきところで、
私はカーティスがお風呂にお湯を溜めて
お風呂の空気があったかくなるのを待つ。


本当は、魔術が使えなくても、
魔石という魔力を入れた石を使えば、
生活に困らない程度のことはできるらしい。


魔石一つで、電気水道ガスを賄えるというやつだ。


でもやっぱり私は、魔石の使い方がわからないし、
カーティスがいるから不自由はしていない。


それにしても。


私がもらった女神ちゃんの【祝福】って
どんなものがあるのだろう。


あの呪いと思える5つの祝福以外の話だ。


まとめて「困ることが無いように」
祝福を贈ってくれたみたいだけど
そもそも、女神ちゃん自身が
どんな祝福を贈ったか覚えていないらしいのだ。


そんなポンコツ女神も、どうかと思うけど、
挙句に女神ちゃんは
「困ることが無いように」の主語があいまいだ。


私が困ることが無いように、なのか、
それとも、女神ちゃんが困ることが無いように、
なのかもわからない。


こういった場合、
「私が」困ることが無いように祝福をもらうのが普通だろうが
あの女神ちゃんのことだから、はっきり言って怪しい。


それに私はこの世界の破滅を止めるためにここに来たのに、
現状、何もできていない。


女神ちゃんの話を聞いて、あのファンブックを見て。

いや、あのBとLの成人向けファンブックを見てしまったが故に、
もう、何をどうすればいいかわからない。


世界の破滅を止めるのではなかったのか。

いや、わからない、とは言えないか。


たぶん…というか、なんとなく、わかってる。


だからと言って、私にそれができるとは思えない。



「お湯が入ったよ」
とカーティスは脱衣所に戻ってくると、
すぐに私の服を脱がしにかかった。


変な意味ではなく、
カーティスは私の世話をするのが楽しいみたいなのだ。


熱を出していた時から、
申し訳ないほど、カーティスは私の面倒を見てくれていた。


食事介助だけでなく、薬を飲ませてくれたり、
着替えはもちろん、お風呂に入れないときは
濡れたタオルで体を拭いてくれることもあった。


さすがに元気になってから、
それは甘え過ぎだと思って、
初めてお風呂に入るときに「一人でできるから大丈夫」
と伝えた時のカーティスの残念そうな顔は忘れられない。


綺麗な琥珀色の瞳が潤んで…
捨てられた子犬の…レトリバーのようになってしまったのだ。


私は罪悪感満載になってしまい、
お風呂の使い方がわからないから、と理由を付けて
その日は一緒に入ってもらうことにした。


その時、お風呂には魔力が必要だと言うことを知り、
一人で入らなくて良かったと胸をなでおろしたのだけど。


お風呂に入ると、
カーティスは私の体を丁寧に洗ってくれる。


そんなことしてもらわなくてもいいし、
気恥ずかしいのだが。


でも、私はカーティスに身を任せる。


だって。
恥ずかしいのだ。


カーティスに洗ってもらうより、
自分で自分の体を洗う方が、何百倍も、恥ずかしい。


……勇くんの裸を見るのが。


だって、ずっと22年間、私は女子だったのだ。
そんな私の、今の体には。


下半身には見慣れないものが、ある。


そう、勇くんの、、だ。


正直、それに気が付いたときは
恥ずかしくて悶えた。


トイレは仕方ない。
生理現象は止められない。


でも、でも。
お風呂で体を洗うには…
ちょっと…ちょっと…戸惑う。


男性の体など、見たことが無い。


そんな私に、をどう扱えというのか。


そんな私の戸惑いや
羞恥心など知るはずもないのに、
カーティスは、当たり前のように私の体を洗ってくれた。


カーティスの体を見るのも恥ずかしかったが、
子どもの頃からずっと一緒に育ってきた
家族同然の勇くんの体に触れ、

見たこともないとか
他人には絶対に見せれない場所を洗うなど
私には無理だったのだ。


第一、洗い方もよくわからない。


洗っちゃいけない場所なんてないとは思うけど、
でも私がユウくんの体に触れるのは
なんだかイケナイことをしているような気がしてしまう。


今この体は私のものなのに、やっぱり勇くんのもので。
不思議な感覚だ。


そして今日も、カーティスは私の体を
丁寧に洗ってくれている。


髪も、腕も、背中も、お腹も。

カーティスが触れてない場所などない。


カーティスは布ではなく、
大きな手を泡だらけにして洗ってくれる。


何せ、彼らにとって私は
10歳程度の子供に見えているようだ。


妙に恥ずかしがるのは
カーティスを異性として意識しているみたいで
それすらも恥ずかしい。


ただ。
確かに私は、カーティスの指先にドキドキしている。


まるでカーティスに恋心を抱いているかのように。


でも、これは本物の恋じゃない。

あのファンブックと同じ、
自分で体験するのではなく
傍観者として楽しむ恋だ。


この体は勇くんのもの。
カーティスは、私や勇くんとは別の世界の人。


決して交わることがない、
生まれるはずもない恋心だ。


それに、と思う。


勇くんは美形だと思っていたけど、
それだけでなく、やっぱり可愛い。


そんな勇くんの体をカーティスが洗っている姿は
なんだかイケナイ想像をしてしまいそうで
こっそり笑ってしまう。


あのOLさんに今の姿を見せてあげたい。
きっと狂喜乱舞してくれるだろう。


この体は勇くんのもの。
あの女神は、そんなことは気にしなくてもいいと言ったけど。

でも私は、なかなか割り切れない。


「どうしたの?」
カーティスが手を止めた。

「石鹸が目に入っちゃった?」

「いえ、大丈夫です」

「そう?」


私が考え事をしていたからか、
カーティスが心配そうに顔を覗き込んできた。


「はい」と言った時、カーティスと視線が絡んだ。


時が止まったかのように、見つめあう。


あ、と思った。

女神ちゃんの祝福を思い出したからだ。


【私が好意を持った相手と目が合うとみだらな行為をしたくなる祝福】


これ、やばいんじゃない?
だって私、カーティスのこと…


早く視線を外さなくっや!


と、思った瞬間、柔らかな唇が、触れた。


抵抗できない。


女神ちゃんの余計な祝福が、私の思考を邪魔していく。


たぶん、アレだ。

貞操感が緩まり、快楽に流される祝福とかいうやつだ。


だって、もう…気持ちいい。


キス…されていた。
カーティスに。


男の人と、手、すら繋いだことなかったのに。


でも、唇が重なるだけで、気持ちいい。


こんなことってあるのだろうか。


重なった唇をぺろりと舐められ、
焦って声を挙げようとしたところに、
カーティスの舌が入ってきた。


驚いたけど、
カーティスの舌を噛んじゃいけないと思って。


早く出て行ってほしくて、
自分の舌で押し出そうとしたけど、
逆にカーティスに舌を差し出したような形になってしまった。


舌を吸われた。
カーティスの舌は口内を這いまわり、
舐めまわし、思い出したように舌を吸う。


唾液がこぼれおち、
そういえば、体液が媚薬になる祝福も受けていたと思い出した。


カーティスは女神の祝福で、
理性を無くしているのだろう。


そう思うと、悲しくなる。


だって、彼の意志で
こんな状況になっているわけではないのだから。


彼は、私を求めているわけではない。


そして私もまた、
彼を求めているわけではない…はずだ。


その事実が、私を打ちのめす。


けれども、体は気持ちよくて。
カーティスの指は、乱暴なのに、優しくて。


涙がこぼれた。


それすらも、カーティスは舐めとり、
私の体を拘束する。


「なんて…甘い香りだ」


カーティスはうめくように言った。


女神の呪い…祝福は、強烈なようだった。


このままだと流されちゃう…。


そう思った瞬間、
大きな音がして、お風呂場の扉が開いた。


扉の先には、ヴァレリアンとスタンリーがいた。



ど、どういうこと?





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