上 下
55 / 56
愛は変態を助長させる

54:初エステ

しおりを挟む
 ホテルの部屋に
大興奮していたら
綾子さんから連絡が来た。

ホテルのエステと
プールの貸きり予約が
出来たと言う。

僕はその旨を
真翔さんに伝えて、
財布だけ持って
ホテルのフロントに向かった。

綾子さんの話では
すぐにエステの予約ができて
その後、すぐにプールに
行けるらしい。

僕の話に真翔さんは
妙な顔をしたような
気がしたけれど
何も言わなかった。

フロントに行くと
綾子さんと先輩さんが
すでに待っていてくれた。

綾子さんは先輩さんと
真翔さんに、時間が来たら
先にプールで待っておくように言う。

ほんと、女王様みたいだ。

真翔さんは心配そうに
僕を見ていたけれど
綾子さんは
「悠子は私が可愛がってあげるのよ」
なんて言って、
僕の手を引く。

僕もやっぱり綾子さんには
逆らえなくて。

真翔さんに、またあとで、
と小さく言って、
綾子さんとホテルの
エレベーターに乗った。

なんでもホテルの3階に
女性向けのフロアがあるらしい。

綾子さんは慣れた様子で
僕の手を引き、
エレベーターを降りた。

「こっちよ」

言われるままに
廊下を歩くと、
すぐに白衣を着た女性たちに
出迎えられた。

ここがエステらしい。

僕、こういうの
初めてなんだけど、
大丈夫かな。

僕がおどおどしながら
お店に入ると、
綺麗な女の人が来て
「本日の施術を
担当させていただきます」と
名前を名乗ってくる。

「じゃあ悠子、あとでね」

と綾子さんはそのまま
いなくなってしまうし、
僕、いったいどうしたら……?

「お嬢様はこちらへ」

とスタッフの人が
僕をベットが1つだけある
小さな部屋に案内してくれて
服を脱いで下着を
履き替えるように言った。

渡された下着は
紙でできていて、
これを履くの?と思ったけれど。

もちろん、僕には
その疑問を口にする勇気はない。

言われるがまま
下着を履き替えて、
服を小さなテーブルの上の
かごの中に入れる。

ベットにうつぶせになるように
言われていたので
僕はベットに寝転がった。

寝るためのベットではなく
施術用のベットなのだろう。

ちょっとだけ狭い。

僕が横になると
すぐに女性の声がして
部屋の中に入って来た。

「全身コースをご予約いただいておりますが
それでお間違いはなかったでしょうか」

なんて言われるけれど
僕は「はい」しか言えない。

だって何も聞かされてないんだもん。

「では、はじめさせていただきますね」

と、スタッフの女性は
僕の背中に大きなタオルを乗せて
肩からゆっくりと僕の身体を
解していく。

気持ちがいい……。

気が付くと、
いつのまにかバスタオルが
無くなっていて、
背中にあたたかいオイルが
垂らされ、まんべんなく背中に塗られる。

「痛いところがあれば
おっしゃってくださいね」

なんて言われたけれど。
驚くほど気持ちが良かった。

背中だけでなく、
腕も、足も、お尻まで
オイルで丁寧に揉んだり、
こすったり。

僕はリンパマッサージと
言うのだと教えてもらい、
老廃物が溜まっている場所は
痛みがあるのだと言われたが
幸い、僕は痛いと
思う場所はなかった。

仰向けになったら
胸の所だけはタオルで
隠されたけれど、
スタッフさんは遠慮なく
僕を全身、オイルまみれにする。

胸もタオルの下に
手を差し込まれて
マッサージされたけれど、
スタッフさんは真剣で
僕は恥ずかしがる暇もなかった。

全身のマッサージが終わったら
僕は体のオイルをタオルで
拭かれ、今度は頭に
オイルを垂らされた。

このまま頭皮もマッサージ
するのだという。

もう、僕このまま寝てもいいかな?

体中の力が抜けて
布団の中に潜りたくなってくる。

「お疲れさまでした」

スタッフさんの声に
僕は、はっと目を開けた。

思わずうとうとしてしまった。

「この後はシャワーを
浴びていただいて終了となります」

スタッフさんは
僕の背中に手を添えて
ベットから体を起こすのを
手伝ってくれた。

「ありがとうございます」

僕はお礼を言って
シャワールームに案内してもらうと
そこには綾子さんがいた。

「悠子、どうだった?」

「物凄く気持ちよかったです」

「でしょう?」

綾子さんは得意そうな顔をする。

「さぁ、早くシャワーを浴びてらっしゃい」

「はい」

「この後はプールよ」

プール。
大丈夫かな。
僕、寝ちゃったりしないだろうか。

僕は急いでシャワーを浴びて
オイルを洗い流す。

シャワーを出ると、
紙の下着を捨てるゴミ箱と
僕の着替えが入った服。
それとタオルがすでに
準備してある。

僕は体を拭いて
大急ぎで着替えた。

着替えてすぐに
シャワールームを出ると
綾子さんが待っていてくれて
パウダールームに連れて行ってくれた。

髪の毛をここで乾かしたり
お化粧したりするらしい。

僕たちがパウダールームに行くと
このお店のスタッフさんとは
また別の制服を着た女性たちが
僕たちを待っていた。

「お待ちしておりました」

その声に綾子さんに頷くと
「見せて頂戴」という。

「急ぎ御用しましたが」

と制服を着た女性が
もっていたのは水着だった。

「悠子、どれがいい?」

3人の女性たちが
それぞれ2つづつ
ハンガーにかかった水着を
手にして僕に見せてくる。

全部で6種類だ。

どれも体を覆う面積が
少ない気がするのは
気のせいだろうか。

女性の水着って、
下着よりも布面積が少ないものなの?

「一人じゃ決めれない?
そうねぇ。
じゃあ……その端のがいいわ。
ピンクで、背中にリボンが付いて
可愛らしいし。

ビキニじゃないのが
残念だけど、
パニエと一体型も悠子にはきっと似合うわ」

パニエってなに?

わからないけど、
綾子さんが示してくれたのは
6着の中で一番、布面積があって
身体が隠れる水着だった。

それだけで僕はもう満足だ。

僕はなんども、
それにしますと大きく頷いた。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた

楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。 この作品はハーメルン様でも掲載しています。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

処理中です...