【R18】睡姦から始まる恋。僕の性癖と可愛い彼女の楽しい(?)日々

たたら

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愛は変態を助長させる

25:嫉妬と意地悪【先輩SIDE】

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 柊の彼女……悠子ちゃんの
手料理は贔屓目なしに美味しかった。

手作りの弁当なんて
子どもの頃に母の作った物を
食べて以来、口にしていない。

中学生になる頃には
購買日でパンを買ってたし、
高校に入って以降は
常に学食だった。

俺が付き合ってきた女性は
手料理を作るよりは
お洒落な店で料理を
食べたい女性ばかりだったし、

料理を作るには
爪が長く、綺麗な色を
塗っている女性ばかりだ。

バレンタインの時は
手作りのチョコレートや
クッキーを差し入れてくる女性もいたが、
逆に下心満載で、受け取ったものの
口に入れるのは怖くてできなかった。

だって、何が入っているか
わからないだろう?

媚薬とかそんなのは無いと思いたいが、
どのような過程で作られているかも
わからないのに、
それを食べる気にはなれない。

だが悠子ちゃんのお弁当だけは違った。

純粋な彼女の姿を
見ていたからだろう。

出汁の利いた卵焼きを食べた時は
幼いころに食べた卵焼きを
思い出して懐かしく、
涙が出そうになった。

俺が子どもの頃食べていた味と
同じだったからだ。

世間では卵焼きと言うと
何故か甘い卵焼きが出てくる。

外食すると、
必ずと言っていいほど、
卵焼きは甘い。

だが俺は心の中で
「卵焼きは甘い味はしない」と
ずっと思っていた。

もちろん、
子どもじゃあるまいし
わざわざ口にすることは無かったが。

彼女の作った卵焼きは
そんな俺の心の主張を
受け止めてくれたような気がした。

それからは、
箸が止まらなかった。

最後には、弁当箱を独り占めして
ほとんど俺が食べてしまった。

柊は苦笑していたが、
お前はいつでも彼女の手料理を
食べれるのだから
いいだろう?と言ってやる。

そろそろ昼の休憩時間も終わりだ。
屋上とはいえ、
日陰を選んで座ったが、
徐々に暑くなってきた。

「なぁ、お前と彼女、
どこまでいってんの?」

俺はペットボトルのお茶を飲み
柊を見た。

「どこまで?」

「抱いたか、ってこと」

そう言うと、柊は
目を見開いて、
みるみる顔を赤くする。

なんだ、まだか?

「そ、そんなプライベートの
ことは、言えません」

って柊は顔を背ける。

まだ初々しい二人だし、
動物園デートで満足している
こいつらにはまだ早いか?

俺はふーん、と鼻を鳴らす。

意地悪してやろうかな。

そんな気持ちがムクムクと
湧いてきた。

「なぁ、やっぱり俺と
ダブルデートしようぜ」

俺はにやり、と笑って見せる。

「この前お前に教えた
俺のお気に入りのホテル、
予約してやるよ」

どうせこいつのことだ。
裏会員のサイトのことなど
気が付いてないだろう。

一応、パスワードをメモっておいたが
何も言わずにホームページの
アドレスが載っているカードを
渡しただけだったしな。

「車も出してやるし、
心配するな」

柊は嫌そうな顔をしたが
もちろん、拒否はしない。

真面目なお前は
先輩の俺に拒否なんて
できないよな?

「で、でも、その……」

なんだ?
嫌がるのか?

「俺、あまり金が無くて……」

そうか。
そういやこいつ、
奨学金で学校に行ってたって
言ってたよな。

正攻法で勉強して
弁護士になるには
結構金がかかる。

塾代や学費も馬鹿にならないしな。

だから弁護士になるやつは
実家が金持ちなヤツが多いのだが
こいつは違った。

努力でここまで来た奴だ。

だから俺はコイツを
気に入っていたのだが。

そういう俺も、
じつは金に不自由はしていない。

俺はある有名政治家が
妾に生ませた子どもだ。

いわゆる婚外子というやつだが
認知はされているので
母も俺たちきょうだいも、
お金には苦労していない。

実際、
俺の銀行口座には実の父親から
毎月
振り込まれている。

おそらく母たちもそうなのだろう。

そしてこの弁護士事務所も
父親のコネで入った。

この事務所のボスはやり手だし、
弱い者は助けるタイプだが、
強い者にも忖度をする。

そして弁護士資格を取得した俺を
父がボスに紹介して、
俺はそのままこの事務所に入った。

そして柊だが。

俺の勘だが、柊も
それなりにだと思っている。

何故なら、俺が最初にボスに
柊を紹介したとき、
ボスの目が驚いたように見開いたからだ。

柊は何も知らない様子だが、
俺と同じように
どこかの政治家か大企業の偉いさんか。

とにかく権力と金を持っている者の
縁者のように感じた。

だからこそ、柊を紹介してすぐに
ボスが柊をこの事務所に
来るよう勧めろと言ってきたし、
事務所に来たばかりの新人では
ありえない待遇で、仕事をさせている。

新人でしょっぱなから
チームに入って取引先に行くなど
通常ではありえない。

そして今抱えている仕事が落ち着けば
この次は別の大企業を俺と一緒に
担当するようにボスからは言われている。

俺も含めて物凄い出世だ。

俺はこの大企業の社長か会長が
柊の関係者だとにらんでいるのだが
現状では俺が知る術もない。

俺と柊は同じ婚外子だというのに、
こうも違うものなのかと
たまに思う。

だがこいつはお金には
苦労しているようだが、
純粋無垢な彼女を恋人にできたのだから
世の中、金がすべてではないということだろう。

俺も柊と出会い、
彼女と出会あわなければ、
金と経験さえあれば
【運命の女性】に出会えると信じていたしな。

俺は柊を見てにやりと笑った。

「金のことなら心配しなくていいぞ」

それぐらい出してやると言いたいが、
そういうと、こいつは絶対に
受け取らないだろう。

だから、少しだけ嘘を付く。
俺は腹が黒いから
自分が楽しむために、
笑って嘘だって言う。

「この事務所は夏のボーナスとは別に
営業の成績順に褒賞が出るんだよ」

それは本当だ。

「俺のオススメしたホテルも
その褒賞で俺は知ったんだよ」

これは嘘。
本当は、かなり前に
父親の秘書に教えてもらったのだ。

「去年、俺は結構成績が良くてな。
このホテルの特別券を貰ったんだ。
だが、
結局、忙しくて使えなかったんだよ。

有効期限は一年だから、
もうすぐ切れるし、
折角だから彼女と一緒に
消化しようと思ってたんだ。

このまま使わなかったら
捨てるだけだし、
もったいないだろ?」

「余ってるんですか?」

ほらな。
柊はすぐに騙される。

「あぁ、特別券は2枚だけど、
1枚で二人使えるペア券だったんだ」

柊は迷っている顔をした。
だから俺はもう一押しする。

「それに悠子ちゃんも
喜ぶと思うぜ。

エビチリについてた殻で
あんなに驚くぐらい、
世間知らずなんだろ?

シティホテルで俺の彼女と
エステに行かせてやったら
物凄く喜ぶと思うぞ。

四人でプールに入ってもいいし」

彼女の名前を出すと、
柊は途端に、表情を変える。

初々しいなぁ。
やっぱり嫌がらせしたくなる。

「わ……かりました。
悠子ちゃんに聞いてみます」

「おっけー。
じゃぁ、今の仕事を片付けて
休みの日を調整しようぜ」

いやぁ、楽しみだ。

どの部屋を予約するかな。

可愛い部屋やゴージャスな部屋もいいが、
あからさまに卑猥な部屋を予約して
柊と彼女に使わせてもいいかもしれない。

あのホテル、金持ちたちが
お忍びでエロいことをするために
良く使われるホテルだから
ホテルの部屋も種類が豊富だし、
どんなでも
楽しめるようになっている。

あの彼女が恥ずかしがる姿も
見て見たいが、
「こんな趣味が!?」と
思われて蔑まれる柊の姿も見て見たい。

ただの八つ当たりで嫉妬で
嫌がらせだが、これぐらいいいだろう。

万が一、こいつと彼女がこじれたら
俺が彼女をなぐさめてやろう。

そう思うと、さらに楽しみになってくる。

「先輩、楽しそうですね?」

柊が不信そうな顔をする。

「そりゃ、楽しみだろ?
どの子と行くか悩むしな」

というと、柊は呆れた顔をする。

だがどの女性と行くかも重要だ。

彼女に優しく接することが
できる女性でないと無理だしな。

俺は頭の中で
一緒に行ける女性をピックアップしていく。

そんな俺を柊は嫌そうな顔で見ていたが
無視してやった。

俺、こいつが俺に振り回されてる姿を
見るのも、結構、好きなんだよな。

「あんまりイジメると、
俺、拗ねますよ」

と、本当に拗ねた顔をするから笑ってしまう。

こいつ、俺になんだかんだ言って
懐いてきてるから、
それが可愛くてイジメてるのに、
そういうのにも気が付かないんだよな。

彼女もコイツも純粋で
腹が黒くなってきた俺には
少しだけ、まぶしく思う。

「ホテルで何ができるか、
ちゃんとネットで調べておけよ」

俺はそう言って、この話は終了した。
まずは今抱えている仕事を終えないとな。

「よし、行くか」

俺が立ち上がると、
柊もすぐに立ちあがる。

「彼女にお礼を言っておいてくれ」

「はい」

柊が空の弁当箱を片付けるのを待って
俺たちは歩き出す。

彼女の温かい手料理を俺も食べてみたい。

そう思った気持ちを、
俺は消すように屋上の扉を閉じた。



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