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第一部 2章 指差して
第4話
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「そんな人は少なくともこの街にはいない。もっと田舎の方へ行きなさい」
警官は冷たくそう答えると、ユースケを鬱陶しそうに睨みながら離れ、何事もなかったかのように帰宅途中らしい生徒たちの集団を再び眠そうに眺め始めた。あまりの素っ気なさに呆然としたユースケは警官と帰宅する生徒たちを交互に見たが、どちらもユースケのことはもう気にしていないようで他の人とわいわいしたり、警官も頑なにユースケの方に視線を戻さずにじっと街の様子を眺めていた。しばらく見比べていたユースケも力なく踵を返して、自転車を押しながら別の方向へとぼとぼと向かった。
ユースケは再び塩むすびを食べた田んぼの方へと向かって行った。その間、改めて街行く人の様子を観察してみた。どの人も隣を歩く人に朗らかな笑みを零しながら話したり、一人でいる人も忙しそうに手元のメモ帳らしきものと睨めっこしながら移動している。服装も今までユースケが地元で看てきた服装と違い、その人の個性を表すかのように多種多様で一定以上の華やかさがあった。途端に地元の皆のことが思い起こされ、まだ一日も経っていないにもかかわらず皆の声が聞きたくなった。
ふいにユズハの言葉が頭の中で蘇った。将来は真っ暗で、誰もが未来に期待できないで不安に思いながら暮らしているという。そんな話はユースケが今まで知らなかっただけで、あちこちにそのような話は転がっていて、それを知る機会はいくらでもあった。それほど当たり前の認識となっている話だった。ユースケはその話を目の前の人たちに当てはめようとしてみた。この街を歩くどの人も、ユースケ以上に色んなことを知っていて、ユースケ以上にしっかりしているように見え、物やお金も恐らくユースケの地元以上に溢れているこの場所で暮らす人たちはとても将来を案じているようには思えなかった。それでも、その表情の裏にそんな不安を隠してこうして歩いているのだと無理やり当てはめてみると、途端に何だか心細い気持ちになり、どうして人生をそう案じる必要があるのかとユースケには不思議で仕方なくなかった。もし本当にこんな賑やかな街を優雅に、自然に歩いて行ける人たちも将来を暗く見ているのだとしたら、ひどく窮屈な生き方をしているとユースケは思った。
ユースケはもう一度踵を返し、警官の方に駆け付けた。再び現れたユースケの姿に警官も多少驚いている様子だったが、迷惑そうに眉を顰めていた。しかしユースケももうそのような態度を気にしてはいなかった。
「すみません、田舎ってどっちの方にありますか」
ユースケの率直な質問に、警官は目をぱちくりさせたが、やがて偉そうに腰に手を当てながらもう片方の手で自身の後ろを指差した。
「あっちにまっすぐ行ったところにでかい校庭のある学校が見えるから、その学校をさらに通り過ぎてまっすぐ行くと、この街から出られる。そこからさらにひたすらまっすぐ行くと小さな田舎町があるっていう話だよ」
警官の話し方はぶっきらぼうだったが、少なくとも先ほど質問したときほど冷たい声ではなかった。ユースケは素直に警官に感謝し頭を下げた。黒い影の落ちた地面を見つめながら、さっきは自分の訊き方も悪かったんだなと反省し、顔を上げると、警官はさっきまでのように再び街の様子をぼんやり眺めていた。ユースケは念の為もう一度頭を下げて、警官の指し示してくれた方向へと向かって歩いていった。人の通りが少なければ自転車で飛ばしていきたかったのだが、この街は何かと人の通りが多く、仕方なく歩いていくことにした。
しばらく歩いていくと、確かに警官の話していた通り校庭とその背後に学校が見えたが、少なからずその学校にユースケは驚いた。警官はでかい校庭と話していたが、その校庭はユースケの学校のものほど広くなく、厳かな黒いフェンスで囲われたその校庭は一層窮屈に見えた。それに反してその背後に聳え立つ校舎は、この街で色々と見てきた建物のように格調高く、焦げ茶色のシックな感じでユースケの学校にはない高貴な雰囲気を纏っていた。校庭では白黒のボールを追いかけている人たちが見え、タケノリの活動を時折見ていたユースケには、それがすぐにフットサル部の活動であることが分かった。ユースケは、今目の前で走っている男たちとタケノリのどっちが上手いのだろうかと考えながら、校庭のフェンスを這うように回っていき、フェンスが直角に曲がるところでユースケはまっすぐ進み始めた。少し学校に残っていたのだろうか、帰宅途中らしい生徒たちとすれ違いながらやがて校舎の横を通り過ぎていった。
まばらに歩く生徒を避けながら歩くのが面倒に感じ、ユースケはとうとう自転車に乗りその生徒たちを追い越して行った。ちょうど学校を中心にして街の反対側を駆け抜けて移動しているが、基本的に今まで見てきた街の様子とほぼ変わらず、どの人も同じように忙しそうに、しかし賑やかに歩いていた。唯一違う点として、こちら側では背の低い子供がちらほらと歩いているのが見えた。このような街で育った子供は大きくなったらこの世界のことをどんな風に感じるのだろうかと、その子供たちの内情が気になったユースケだったが、警官の話してくれた方角をひたすら目指すことに意識を集中させた。
学校の反対側はさほど広くなく、煌びやかな街並みも次第に落ち着いていき、自然の匂いがかすかに向かいから香ってきた。人の通りも少なくなり、ユースケは弾みをつけて自転車を勢いよく漕いでいくと、背の低い建物がいくらか続いた後に田園風景が再び見え始めた。陽がわずかに傾き始め、影が伸び、赤く照らされる田畑を背景に、ユースケは自転車を最大限まで速度を飛ばした。賑やかな街から離れて辺りが静かになると、からからと回る車輪の音と、リィンと綺麗に鳴く虫の声が途端に主張を始めた。それらを心地良く聞きながらユースケは漕ぐ脚に力を込めたが、お腹がぐうっと鳴ったことで空腹だったことを思い出させられた。街へ引き返そうか迷ったユースケだったが、どうせ高くてろくに食べられないだろうと決めつけ、ユースケはお茶を飲み干し、二本目のお茶をがぶがぶと飲んで空腹を紛らせることにした。
それからはひたすら自転車を漕ぐ時間が続いた。街の中で自転車を押していた時間が長かった反動でちらほらと田畑で作業している人は見かけるものの何にも遮られずに漕ぎ続けられる快感が心地良く、ユースケはどんどんそのスピードを上げていった。それでも緑豊かな風景はしばらく変わらず続いた。
今朝通ってきた地元の風景と変わらないなあと感想を抱いていたが、次第にその緑も薄くなっていき雲行きが怪しくなってきた。アップダウンがそれなりに激しく、時折立ち漕ぎして昇ったり、一気に力を込めて疲れた足を休めながら下ったりを繰り返していくうちに、ところどころ枯れ果てた様子の木々が見受けられるようになった。そして、ひと際高い丘に差し当たり、それを何とか立ち漕いで登り切って開けた風景に、ユースケは思わず漕ぐ脚を止めその風景を見下ろした。
後ろを振り向けば、枯れた木々がいくつか見えるものの、その景色はユースケの地元とほとんど変わるところはなかった。しかし、今ユースケの目の前には、その景色から緑色だけを脱色させたような殺風景な景色が広がっていた。
警官は冷たくそう答えると、ユースケを鬱陶しそうに睨みながら離れ、何事もなかったかのように帰宅途中らしい生徒たちの集団を再び眠そうに眺め始めた。あまりの素っ気なさに呆然としたユースケは警官と帰宅する生徒たちを交互に見たが、どちらもユースケのことはもう気にしていないようで他の人とわいわいしたり、警官も頑なにユースケの方に視線を戻さずにじっと街の様子を眺めていた。しばらく見比べていたユースケも力なく踵を返して、自転車を押しながら別の方向へとぼとぼと向かった。
ユースケは再び塩むすびを食べた田んぼの方へと向かって行った。その間、改めて街行く人の様子を観察してみた。どの人も隣を歩く人に朗らかな笑みを零しながら話したり、一人でいる人も忙しそうに手元のメモ帳らしきものと睨めっこしながら移動している。服装も今までユースケが地元で看てきた服装と違い、その人の個性を表すかのように多種多様で一定以上の華やかさがあった。途端に地元の皆のことが思い起こされ、まだ一日も経っていないにもかかわらず皆の声が聞きたくなった。
ふいにユズハの言葉が頭の中で蘇った。将来は真っ暗で、誰もが未来に期待できないで不安に思いながら暮らしているという。そんな話はユースケが今まで知らなかっただけで、あちこちにそのような話は転がっていて、それを知る機会はいくらでもあった。それほど当たり前の認識となっている話だった。ユースケはその話を目の前の人たちに当てはめようとしてみた。この街を歩くどの人も、ユースケ以上に色んなことを知っていて、ユースケ以上にしっかりしているように見え、物やお金も恐らくユースケの地元以上に溢れているこの場所で暮らす人たちはとても将来を案じているようには思えなかった。それでも、その表情の裏にそんな不安を隠してこうして歩いているのだと無理やり当てはめてみると、途端に何だか心細い気持ちになり、どうして人生をそう案じる必要があるのかとユースケには不思議で仕方なくなかった。もし本当にこんな賑やかな街を優雅に、自然に歩いて行ける人たちも将来を暗く見ているのだとしたら、ひどく窮屈な生き方をしているとユースケは思った。
ユースケはもう一度踵を返し、警官の方に駆け付けた。再び現れたユースケの姿に警官も多少驚いている様子だったが、迷惑そうに眉を顰めていた。しかしユースケももうそのような態度を気にしてはいなかった。
「すみません、田舎ってどっちの方にありますか」
ユースケの率直な質問に、警官は目をぱちくりさせたが、やがて偉そうに腰に手を当てながらもう片方の手で自身の後ろを指差した。
「あっちにまっすぐ行ったところにでかい校庭のある学校が見えるから、その学校をさらに通り過ぎてまっすぐ行くと、この街から出られる。そこからさらにひたすらまっすぐ行くと小さな田舎町があるっていう話だよ」
警官の話し方はぶっきらぼうだったが、少なくとも先ほど質問したときほど冷たい声ではなかった。ユースケは素直に警官に感謝し頭を下げた。黒い影の落ちた地面を見つめながら、さっきは自分の訊き方も悪かったんだなと反省し、顔を上げると、警官はさっきまでのように再び街の様子をぼんやり眺めていた。ユースケは念の為もう一度頭を下げて、警官の指し示してくれた方向へと向かって歩いていった。人の通りが少なければ自転車で飛ばしていきたかったのだが、この街は何かと人の通りが多く、仕方なく歩いていくことにした。
しばらく歩いていくと、確かに警官の話していた通り校庭とその背後に学校が見えたが、少なからずその学校にユースケは驚いた。警官はでかい校庭と話していたが、その校庭はユースケの学校のものほど広くなく、厳かな黒いフェンスで囲われたその校庭は一層窮屈に見えた。それに反してその背後に聳え立つ校舎は、この街で色々と見てきた建物のように格調高く、焦げ茶色のシックな感じでユースケの学校にはない高貴な雰囲気を纏っていた。校庭では白黒のボールを追いかけている人たちが見え、タケノリの活動を時折見ていたユースケには、それがすぐにフットサル部の活動であることが分かった。ユースケは、今目の前で走っている男たちとタケノリのどっちが上手いのだろうかと考えながら、校庭のフェンスを這うように回っていき、フェンスが直角に曲がるところでユースケはまっすぐ進み始めた。少し学校に残っていたのだろうか、帰宅途中らしい生徒たちとすれ違いながらやがて校舎の横を通り過ぎていった。
まばらに歩く生徒を避けながら歩くのが面倒に感じ、ユースケはとうとう自転車に乗りその生徒たちを追い越して行った。ちょうど学校を中心にして街の反対側を駆け抜けて移動しているが、基本的に今まで見てきた街の様子とほぼ変わらず、どの人も同じように忙しそうに、しかし賑やかに歩いていた。唯一違う点として、こちら側では背の低い子供がちらほらと歩いているのが見えた。このような街で育った子供は大きくなったらこの世界のことをどんな風に感じるのだろうかと、その子供たちの内情が気になったユースケだったが、警官の話してくれた方角をひたすら目指すことに意識を集中させた。
学校の反対側はさほど広くなく、煌びやかな街並みも次第に落ち着いていき、自然の匂いがかすかに向かいから香ってきた。人の通りも少なくなり、ユースケは弾みをつけて自転車を勢いよく漕いでいくと、背の低い建物がいくらか続いた後に田園風景が再び見え始めた。陽がわずかに傾き始め、影が伸び、赤く照らされる田畑を背景に、ユースケは自転車を最大限まで速度を飛ばした。賑やかな街から離れて辺りが静かになると、からからと回る車輪の音と、リィンと綺麗に鳴く虫の声が途端に主張を始めた。それらを心地良く聞きながらユースケは漕ぐ脚に力を込めたが、お腹がぐうっと鳴ったことで空腹だったことを思い出させられた。街へ引き返そうか迷ったユースケだったが、どうせ高くてろくに食べられないだろうと決めつけ、ユースケはお茶を飲み干し、二本目のお茶をがぶがぶと飲んで空腹を紛らせることにした。
それからはひたすら自転車を漕ぐ時間が続いた。街の中で自転車を押していた時間が長かった反動でちらほらと田畑で作業している人は見かけるものの何にも遮られずに漕ぎ続けられる快感が心地良く、ユースケはどんどんそのスピードを上げていった。それでも緑豊かな風景はしばらく変わらず続いた。
今朝通ってきた地元の風景と変わらないなあと感想を抱いていたが、次第にその緑も薄くなっていき雲行きが怪しくなってきた。アップダウンがそれなりに激しく、時折立ち漕ぎして昇ったり、一気に力を込めて疲れた足を休めながら下ったりを繰り返していくうちに、ところどころ枯れ果てた様子の木々が見受けられるようになった。そして、ひと際高い丘に差し当たり、それを何とか立ち漕いで登り切って開けた風景に、ユースケは思わず漕ぐ脚を止めその風景を見下ろした。
後ろを振り向けば、枯れた木々がいくつか見えるものの、その景色はユースケの地元とほとんど変わるところはなかった。しかし、今ユースケの目の前には、その景色から緑色だけを脱色させたような殺風景な景色が広がっていた。
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