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魔族VS勇者
無双のディーと慢心の魔族
しおりを挟む「寄ってらっしゃい見てらっしゃい!」
ナシュレの桜の花が咲く公園では、ちょうど満開を迎え、桜まつりが行われていた。にぎやかにお客さんを呼び込むのは旅芸人の一座。
私がナシュレに来て植えた桜が、花を咲かせ大きくなり、自然と人が集まり、桜を愛でるようになってきた。
「日本みたいだな。なんか良いよなぁ。なんでだろう?桜は心に残るよな。オレ、花はそんなに詳しくないし、特別好きでもないが、桜は違うな」
「桜を愛するのは、日本の心なのかしら?と思ったけど、みんな、感じる心は同じみたいで、嬉しくなるわ」
隣を歩くリヴィオとそんな会話をして周囲を見回す。桜の下ではお弁当を広げる人、お酒がちょっと入って陽気な宴会中の人、屋台がいくつも並んで売る人。今年は旅芸人の一座までいて、簡易な舞台まで作っちゃったりしている。懐かしくなるような光景だわと微笑んでしまう。
「セイラー!ここなのだー!」
「お花見するのだ!」
シートが敷かれているところにトトとテテ、ジーニーがいて、手を振っている。実は私達もお花見するために、準備をしていた。せっかくの桜を楽しまなきゃ!花の命は短しよ!
「ハイ。お弁当!今回は私、頑張ってみました!」
「セイラの手作り楽しみなのだ!」
「玉子焼きは入れてくれたのだ?」
ちゃんと入ってるわよーと私はバスケットの中身を広げだす。ワクワクする双子ちゃん達。
「僕はこれ持ってきたよ」
ジーニーはワインとチーズ、オリーブ漬け、ソーセージ、ナッツ類。
「おい……完全に酒飲みのラインナップだな」
「良いだろう。学園長はストレスが溜まるんだ。気分転換さ!」
「癖が強いやつ、多いもんな」
「それ、リヴィオが言うか?先生方からはいまだに『黒猫』の話題がでるぞ」
無言になるリヴィオ……。どんだけ迷惑かけてきたのよ?と半眼になる私。
トトとテテはいつの間にか屋台巡りをしてきて、これも食べるのだ!と、どっさり買い込んできていたものも並べる。焼きそば、たこ焼き、フライドポテト、いちご飴とりんご飴、ベビーカステラのような焼き菓子……かなり買っている。
「いちご飴!おいしーのだ!」
「お酒にソース味も悪くないものなのだー」
「これだけをすでに買ってあるなんて、トトとテテは素早いわね」
私はおにぎり、サンドイッチ、野菜スティック、温かなスープ、ミートのトマト煮、玉子焼き、からあげ、トマトサラダにデザートは桜餅と三色団子。
かなりたくさんの食べ物が並んだ。
「これ食べ切れるかしら……」
そんな私の心配は杞憂だった。私達が座っていると、フリッツがこんにちはー!と唐突に現れた。
「おまえ、タイミング良いな」
「護衛です!陛下より、目を離すなと言われてますから!」
ちょこんと座るフリッツにリヴィオが苦笑する。しばらくすると、お医者様のアランが来た。その後ろからトーマスや執事のクロウやアルバート達もワイワイと賑やかに話しながら、やってきた。
「妾もちゃんとこういう時は呼ぶのじゃ!」
いつの間にかアオまで現れ、私の膝の上にのった。こういう時は、呼ばなくても来るアオだった。まさか神様まで混ざって花見をしているなんて誰も思わないだろう。
どんどん賑やかになるシートの上だった。その賑やかさが、とても幸せだった。
桜の花が咲く度に、こんな幸せな気持ちになれるなんて、嬉しいわ。と、木を見上げると青空に薄いピンク色の花が映えている。フワフワヒラヒラと花びらが風で舞う中、笑い声や楽しい声が響いた。早々に散ってしまう桜は惜しい。でも……だからこそ、せつないが愛おしく感じ、皆は急いで、愛でるのかもしれない。
ナシュレの桜の花が咲く公園では、ちょうど満開を迎え、桜まつりが行われていた。にぎやかにお客さんを呼び込むのは旅芸人の一座。
私がナシュレに来て植えた桜が、花を咲かせ大きくなり、自然と人が集まり、桜を愛でるようになってきた。
「日本みたいだな。なんか良いよなぁ。なんでだろう?桜は心に残るよな。オレ、花はそんなに詳しくないし、特別好きでもないが、桜は違うな」
「桜を愛するのは、日本の心なのかしら?と思ったけど、みんな、感じる心は同じみたいで、嬉しくなるわ」
隣を歩くリヴィオとそんな会話をして周囲を見回す。桜の下ではお弁当を広げる人、お酒がちょっと入って陽気な宴会中の人、屋台がいくつも並んで売る人。今年は旅芸人の一座までいて、簡易な舞台まで作っちゃったりしている。懐かしくなるような光景だわと微笑んでしまう。
「セイラー!ここなのだー!」
「お花見するのだ!」
シートが敷かれているところにトトとテテ、ジーニーがいて、手を振っている。実は私達もお花見するために、準備をしていた。せっかくの桜を楽しまなきゃ!花の命は短しよ!
「ハイ。お弁当!今回は私、頑張ってみました!」
「セイラの手作り楽しみなのだ!」
「玉子焼きは入れてくれたのだ?」
ちゃんと入ってるわよーと私はバスケットの中身を広げだす。ワクワクする双子ちゃん達。
「僕はこれ持ってきたよ」
ジーニーはワインとチーズ、オリーブ漬け、ソーセージ、ナッツ類。
「おい……完全に酒飲みのラインナップだな」
「良いだろう。学園長はストレスが溜まるんだ。気分転換さ!」
「癖が強いやつ、多いもんな」
「それ、リヴィオが言うか?先生方からはいまだに『黒猫』の話題がでるぞ」
無言になるリヴィオ……。どんだけ迷惑かけてきたのよ?と半眼になる私。
トトとテテはいつの間にか屋台巡りをしてきて、これも食べるのだ!と、どっさり買い込んできていたものも並べる。焼きそば、たこ焼き、フライドポテト、いちご飴とりんご飴、ベビーカステラのような焼き菓子……かなり買っている。
「いちご飴!おいしーのだ!」
「お酒にソース味も悪くないものなのだー」
「これだけをすでに買ってあるなんて、トトとテテは素早いわね」
私はおにぎり、サンドイッチ、野菜スティック、温かなスープ、ミートのトマト煮、玉子焼き、からあげ、トマトサラダにデザートは桜餅と三色団子。
かなりたくさんの食べ物が並んだ。
「これ食べ切れるかしら……」
そんな私の心配は杞憂だった。私達が座っていると、フリッツがこんにちはー!と唐突に現れた。
「おまえ、タイミング良いな」
「護衛です!陛下より、目を離すなと言われてますから!」
ちょこんと座るフリッツにリヴィオが苦笑する。しばらくすると、お医者様のアランが来た。その後ろからトーマスや執事のクロウやアルバート達もワイワイと賑やかに話しながら、やってきた。
「妾もちゃんとこういう時は呼ぶのじゃ!」
いつの間にかアオまで現れ、私の膝の上にのった。こういう時は、呼ばなくても来るアオだった。まさか神様まで混ざって花見をしているなんて誰も思わないだろう。
どんどん賑やかになるシートの上だった。その賑やかさが、とても幸せだった。
桜の花が咲く度に、こんな幸せな気持ちになれるなんて、嬉しいわ。と、木を見上げると青空に薄いピンク色の花が映えている。フワフワヒラヒラと花びらが風で舞う中、笑い声や楽しい声が響いた。早々に散ってしまう桜は惜しい。でも……だからこそ、せつないが愛おしく感じ、皆は急いで、愛でるのかもしれない。
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