野狐と大正妖奇譚

狛枝ころや

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狼×狐

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「ぁ、あっ♡や、嫌やッ♡もうやめ、ぁ♡」
「…っ篠崎…ッ」
ばちゅんっと奥を突かれて篠崎は一際大きな声を上げた。


数時間前。
「なぁ、ここだけの話な?漢三やから聞くんやけどな…?」
「勿体ぶってないで話せよ篠崎」
「え~その…あの、ほれ…ウチってそんなに…スケベかのぉ…?」
もじもじと指先を弄びながら口を尖らせ、チラ、と見て聞いてきたのは、狐のような目の下にピアスと刺青のある長髪の男。
「はぁ…どうしてそんな質問に?」
「いや…ぁ~…ちょっと、近ぅ寄ってや。」
きょろきょろと視線を泳がせた男は自分に耳打ちした。
「こないだ銭湯でチカンにおうてな…」
「…は?」
「せ、せやから!チカンに…」
「何された!!」
「あーあー!声が大きい!………言いにくいんやけど…ぁー…おか、されたんよ」
「はぁ?」
ブチ切れそう。いや、ブチ切れた。ぷつん、と脳内で音がして、椅子を蹴倒して立ち上がった。
財布から多めの代金を取り出して机に叩きつけ、篠崎の腕を引っ掴んで喫茶から出た。
「え?ちょっと!なに?なんなん?」

無言でズンズンと歩き続け、自分の家に直行する。
「なぁ!おい、なんなんや!腕痛いねんけど!」
ガラッ!ッタン!…ダン!
勢いよく引き戸を開けて閉め、困惑の声を上げる篠崎を玄関先に押し倒した。
「い、ッタ…!ちょ…ちょいちょい!ちょい待ち、お前さん何しようとして…」
「お前を喰うのは俺が最初だと思ってたんだがな。」
「は?」

がぶり、と篠崎の唇に食らいついた。
「…ッ!ふ、ん…!んーん!んん!」
篠崎が肩を押して引き剥がそうとしてくるが、その指に己の指を絡めて繋ぎ合わせて組み敷いた。
ぢゅ、じゅる、じゅるる、と涎を啜り、口内を荒らす。くちゅくちゅ、ぢゅる、と水音を立てて舌を絡め口蓋をなぞれば篠崎は苦しいのか顔を上気させた。
「ぶは、はぁ、はっ、待ちぃや!なにしてはんの!ウチは相談しにきただけやのに!」
「へぇ。それは男にモテてしょうがねぇって相談か?」
「…ゔ、」
バツの悪そうな顔をして黙り込んだ篠崎にイラついてぱしん、と頬を平手で打つ。
「ぃ、た…!」
「お前は無防備すぎるんだよ。いくら百年生きてきて大抵のことは流せるって言ったって自分の身は自分で守らなきゃダメだろうが」
「そ、そんなこと言われてもやな…」
「どうだか!化け狐が聞いて呆れる!俺のこの気持ちにも気づいてなかったくせに!」
「な、なにおう!き、気付いてたわそんなもん!」
「…ほぉ…?気付いてた上で俺にそんな相談持ちかけたのか?なんて良い性格の狐さんだよ」
「ぁ、ちが…」
「違わねェだろ?俺が、お前を、ひん剥いて、ぐちゃぐちゃの、ドロドロに犯してえと思ってた事に気付いてたんだろ!?」
胸ぐらを掴まれて怒鳴られた。
「ひ、嘘だよォ…知らなかった、悪かったよォ…」
じわ、と涙が目に溜まる。ぱ、と手を離されて強かに頭を打ち付けた。

「はーーー…もう言っちまったから、俺は遠慮しねえからな」
「…?」
ずび、と鼻を啜った篠崎に覆いかぶさり頬を撫でる。びくり、と体を強張らせた篠崎をよそにそのまま首筋と、着物の襟から手を忍ばせてシャツの上から乳首を撫でて着物の袖を脱がせた。
「ちょ、」
「黙ってな」
そう言ってまた篠崎の唇に自分の唇を合わせる。そして篠崎の乳首に開いたピアスを弄ぶ。バーベルを摘んでくにくにと捻ったり、乳首を押しつぶしたり。

「ふ、んん…!ん…!…ぷはっはぁ、」
「は…やらし」
ペロ、と舌舐めずりをして篠崎を見下ろすと、シャツのボタンを数個開けて下から引っ張りあげてずぼっと脱がせた。
豊満な筋肉とそこに刻み込まれた刺青、そして胸元に光るいくつものピアスが扇情的な光景を醸し出していた。
「あ~…やっぱり、いつ見ても…エッロいなぁ…」
「いやや!見んといてや…!」
がば、と胸を女子のように隠して篠崎は言うが、するりと腰を撫でられるとぶる、と震えて「…は、」と吐息を漏らした。

「これだけでそんなに感じて…。そいつらにどんだけ開発されたんだよ。なぁ?」
「んな、こと言われても…んん」
また唇を塞ぎ、両手で乳首を捏ねる。コリコリ、きゅ、とつまみ上げればぴくりと篠崎の腰が跳ねた。

「ん、は…ッ」
太腿で股間をぐり、と押し上げれば少し固くなった篠崎の股間が分かる。
ああ、教え込まれてしまったんだな。と本能的に知ってしまって嫌になった。

「今まで何人の男とヤッたの」
「…それ答える必要あります?」
「答えないと犯すよ」
「ヒ…ご、5人…だったかな…いや、6…?」
「とんだ経験者じゃねえか…!」
「わぁー!悪かったよォオ!ウチのせいやないもん!みんな勝手に…」
「クソ、こんな淫乱になっちまってただなんて…」
「せやからなりたくてなったワケやな…んむ」
「…もういい、なにも考えなくて良いって事は分かった。」
篠崎の唇に当てた人差し指でそのまま唇を割り開く。親指も入れて大きく開けさせると、興奮しているのか唾液が糸を引いた。

「しゃぶって。」
「…?」
篠崎は困惑しながらその指を舐める。時々舌についているピアスが触り、硬い金属の感触を受けた。
ちゅぱちゅぱと指をしゃぶる篠崎は(何がしたいん?)と不思議そうな顔で続ける。俺は指を増やしたり、口内で指を動かして舌を掴んだりした。……篠崎の口の端から涎が垂れる。とろ…と粘性のある唾液が床に落ちた。
「お前さ、それ、狙ってやってんのか…?」
「ふぇ…?」
怒張が張り詰めて痛い。挿れたい。篠崎の口から指を引き抜き、着物をずらして陰茎を露わにする。
凶悪な形になったソレを見て、ようやく理解したのか篠崎は「ヒィ!」と声を上げた。

「こっちもしゃぶってくれよ。なぁ?篠崎サンよぉ」
壁にもたれた篠崎に跨って、ぐい、と唇にソレを押し付ける。にちゃ…と我慢汁がついて顔を汚した。
(ひ~ん…イカくさいよォ…)篠崎はイヤイヤ、と顔を振るが、陰茎を手で支えてびたびたと頬に打ち付けてやると観念したのか口を開いた。
「ああ…もう…下手やとか言っても知らんからね…」

おずおずと舌を出してぺろ、と舐める。
(しょっぱ!)
ム、眉をしかめるが、「はやく」と言われてしまったのでもう一度ぺろぺろと舐めてやる。
「口に含んで」
うーー、と腹を決めてぱくりと咥え込む。咥えた中で舌を動かして裏筋を舐めた。
そのまま顔を前後に動かしてじゅこじゅこと出し入れしてやると、荒い息遣いが聞こえて来て思わずチラリと上を見る。
欲に塗れた男の顔がそこにあった。
(ぉお、怖…)

(そこで上目遣いは反則だろ…)
ついに我慢出来なくなって腰を動かした。
「ん、ぶ、?」
ぢゅぽ、ぢゅぽっと奥を突いては抜いて突いては抜いて、そして喉奥に突っ込んだ。
「ン゛!!」
苦しいのか、きゅう、と喉が締まって気持ちがいい。そのままドクンと射精してしまった。

ふー…と一息つき、ずる、と喉から陰茎を抜くが、まだ足りないらしく形を保ったままだった。
「ぉ゛え…まず…」
でろ…と口から精液を垂れ流してぐったりと放心する篠崎のベルトを外しにかかる。
案外すんなり外れて、ズボンも下げてやる。露わになった篠崎の下半身を撫でさすると、さすがの篠崎も声を荒げた。
「ちょ、お前さんええかげんにせぇよ!!」
「五月蝿い」
ごつ、と額を突き合わせて睨めば悔しそうな顔で歯を食いしばり黙った。
篠崎の後孔につぷりと人差し指を挿れる。篠崎の口から垂れた精液を絡めとって潤滑剤にした。
ぬち、ぬちゅ、と指を出し入れする間、篠崎は壁に縋り付いて声を抑えた。
だいぶ慣れてきたので中指も挿れてやる。「く、ぅ…」と呻く声が聞こえた。内壁に添うように探していくと、こり、と当たるものが。
「ん、ぁ…!」
ひくり、篠崎の後孔が締まりぶる、と震える。
「ここか?」
こり、こり…と擦ってやると
「ぅ、ん…んん…!」
爪先がきゅ、と握り込まれた。
は、はぁ、と息を荒げる篠崎をもっと喘がせたくて前も弄る。ぬちぬちと扱いてやればすぐにギチギチに勃って、ひくひくと揺れた。

(あー…たまんね…)
スッと冴えた脳内でそう考え、指を抜いて陰茎を孔に当てた。
ぷちゅ…。ゆっくりと中心に力を込めればずぶ、と入っていく。
ズッポリと挿入ってしまえば、開発されたとはいえまだまだ初心な篠崎のナカにぎゅうぎゅうと搾り取られるようだった。

「く…ぅ、は…ぁ…やべぇ、持ってかれそう…」
「あ、ぁ…♡」
きゅん、きゅんと締め付けられる。ゆっくり引き抜いて、ゆっくりまた挿れた。
「は、ぁ…♡」
篠崎は首を反らせて呼吸する。長髪の張り付いた首筋が全部見えていやらしい。
ずぶ、と奥に突っ込んで、背中に手を回し抱え込んで首筋を舐めた。
「ん、ぁ…!」
ひく、と震えた篠崎が背中に手を回ししがみつく。
猛烈に興奮して、ガブリと篠崎の首筋に歯を立てた。狼特有の尖った犬歯が首に刺さり、血を滲ませ跡を作る。
フーッフーッ、グルル、と喉を鳴らし、ずこっずこ、と突いてやる。
「んぁ、あっお、お前さん、耳、尻尾、ん、出てるよっ…化けの皮、剥がれちまってら…っ♡」
喘ぎながら言った篠崎に言い返してやる。
「うるせえ、お前もだよ」

狐と狼、雄同士だしどうせ叶いっこないと半ば諦めていた願い。叶ってしまったらそれはもう、中途半端になんて終わらせたくなくて。

「は、はっ♡あ♡」
「…篠崎ッ」
ごつ、ごつっと激しくナカを抉る。腰を揺らすたびに篠崎の下がった狐耳がひくひくと揺れた。

「や、んッ♡くるじ♡ぐるじい♡ぁ♡あッ♡」
ごちゅ、ごつん、と突く。どうやら陰茎まで術が解けてきたらしい。自身が大きくなったせいでナカが更に狭くなった。
「く、はぁ、キツ…」
「あ゛、あ♡ダメッ♡壊れちゃ♡あっ♡」
がくん、と胸を反らせて快感を逃がそうとする篠崎を抱え込んで穿つ。
ご、ごつ、がつ、ごちゅっぐ、ぐっぐっ
「あ♡ぁ♡あ♡♡♡や♡ぁ、やッ♡♡♡」
ぐ、ぐっがっ…ガポンッ!
「あ゛ーーーーーーッッッッ!!!♡♡♡♡」
とうとう入ってはいけないところに到達したらしい。びぐびぐッと篠崎は身体を痙攣させた。
「ぁ、あ゛♡や゛♡♡♡もぉ、やめ♡♡♡やら゛ぁ゛♡♡♡♡♡」
「っ、は、はぁ、はぁッ」
がぽ、ぐぽっごちゅ、がぼッ!
「ん゛ぁ゛あ゛あ゛ッ♡♡♡♡♡」
ギュウウ、とこれ以上ないほど締め付けられて、我慢出来ずにビュルルッと最奥へ精を放つ。
「…っく…!」
「んぁ♡あ♡あ…♡」
熱い精液が内壁に当たる感覚で篠崎はまた身体を震わせた。
漢三はぐったりした篠崎の頭を優しく撫でる。
「…ずっと好きだった」
ぎゅ、と抱きしめて頬にキスをした。



「………」
「これで分かっただろ」
「聞きとうない」
「俺がお前のことどう思ってたのか」
「せやから」
「お前は俺のこと」
「聞きとうない!!!」
「…分かったよ」

ぐちゃぐちゃの着物の上でグズグズと泣き崩れる篠崎の頭を撫でた。
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