10 / 15
予想外の仕事
しおりを挟む
機嫌のよくなったお嬢様をご自宅まで無事に送り届けた後、遅くなってしまったが、昼休憩を取るため、駐車場完備の行きつけの定食屋に向かうことにした。
午後2時を過ぎるとお客さんも少ないため、いつも注文した定食を食べ終わってから少し車を停めさせてもらっている。
社用車の後部座席を少し倒してから座り、ヘッドギアを装着して、最近はまっているVRゲームの中に入っていく。
職務上、最新ゲームが発売される前に必ず一通りやりこみ、お客様に適切に指導できるようにしてはいるのだが、このお気に入りのドラゴンシリーズは、シリーズ内なら自分のレベルやステータスをそのまま移譲して使えるので、一から育てる必要が無いため、ありがたい。
2年前にドラゴンアタックが発売された時にのめり込んで、レベルが99でカンストするまで毎晩頑張ってしまい、その後発売されたドラゴンスレイヤーズやドラゴンウォーリアなどを攻略する際、非常に楽になった。
シリーズ累計5作目となるドラゴンハンターは、いろいろな場所で現れるドラゴンを倒しながら、宝箱をゲットしていき、すべて攻略すると、報酬がもらえる仕様になっているが、今のところまだ誰にも攻略されていない。
昨日9匹目のドラゴンと戦い、ぎりぎりのところで負けてしまったので、今日リベンジしたいところだ。
赤竜王と名乗る竜のブレスは半端なく熱く、直撃を避けても皮膚が焼け爛れてしまうがドラゴンスレイヤーの称号と共に得たドラゴニックオーラを纏うと、瞬く間に皮膚が再生されていく。
前作で手に入れた竜滅剣にもドラゴニックオーラを纏わせ、赤竜王を切りつけていく。
管理者権限で緊急見守りモードを発動し、時間の経過が無いように設定してあるので、時間は無限にある。
数時間にも及ぶ激闘を制し、何とか赤竜王を撃破した僕は、倒れそうになる体にムチ打ち、討伐した証の宝箱の前まで行き、宝箱を開けた。
『congratulation!』
文字音声が花火と共に宝箱から飛び出し、長かった竜討伐のゲームの終わりが見えたと思った瞬間、上空に巨大な竜が現れ、僕に話しかけてきた。
『このゲームを最初にクリアした者に褒美を取らせようぞ。』
手元に現れた褒美の一覧を見て、迷わず2番を選択する。
1番目に書かれていたのが、さらなる強者との戦いで、
2番目が自宅に届くお宝で、
3番目が当社ゲーム購入時に使える1万ポイントとなっていたのだ。
社員だからダメということもないと思い、お届け先に自宅の住所を入力し、送信した。
休憩時間を終えた僕は、その後2軒ほどお客様の家を訪問したが、特に午前中のようなトラブルは起きなかったので、5時には横浜支社に戻って来ることができた。
「お疲れ様です!」
自分のデスクに座り、今日の作業報告をまとめ終え、明日の訪問予定をチェックしていると、自分が所属しているカスタマーサービス部に、突然専務が来訪してきた。
部長が専務に呼ばれ、その後、僕が呼ばれ、訳が分からないまま、部長と専務がいらっしゃる所に向かった。
「君が斎藤達也君かね。」
専務に問いかけられたので、素直にそうですと応える。
「君、World Fantasyで活動経験があるそうじゃないか。」
! 我が社が取り扱っているゲームは基本パーソナルゲームが主流のため、各家庭で個人的に楽しむゲームばかりだが、世界的企業のマイクロソとグーグとソニなどが共同で作り上げた仮想世界の中で最も数多くの人たちが争い合うゲームに、誰でも1度は興味を示してログインするのは当たり前のことで、僕も過去に活動していた時期もあったが、最近はログインすらしていない。
何かお叱りを受けるのかと思っていたら、予想だにしていない話を聞かされ、戸惑ってしまった。
専務の話をかいつまんで話すと、最近World Fantasy内でPKと呼ばれる殺戮行為が頻発していて、それを発見し粛清して欲しいと世界的ゲーム合資会社Miglenyの方から競合各社に依頼があり、我が社もそれを受けたので、僕に出張してきて欲しいということのようだ。
「我が社のゲーム内で蓄積された君のステータスを向こうのサーバー内に持ち込めるように調整してくれるようだから、受けてくれるよな。」
その話が本当なら、かなり上位のレベルでゲームに入れるから、そのプレイヤーキラーを見つけるのも難しくないかもしれないと思い、快諾の意を表すと、専務にとても喜ばれた。
「今日中に技術班に詰めさせ、明日には君をフル装備のままWorld Fantasyにログインできるように調整させるから、それまで自宅に待機していてくれ。」
「君も自宅からログインした方がいいだろう?」
「それに、この話を受けてもらえると思って、自宅に届くお宝は最新型ゲーミングベッドにしておいたから、それも明日の午前中までに届けさせるから頑張ってくれたまえ。」
「それって今日僕が昼休憩の時にクリアしたドラゴンハンターのクリア報酬ですよね。ありがとうございます。大切に使わせていただきます。」
まさか最新のゲーミングベッドをいただけるとは、なんてありがたいことだ。
午後2時を過ぎるとお客さんも少ないため、いつも注文した定食を食べ終わってから少し車を停めさせてもらっている。
社用車の後部座席を少し倒してから座り、ヘッドギアを装着して、最近はまっているVRゲームの中に入っていく。
職務上、最新ゲームが発売される前に必ず一通りやりこみ、お客様に適切に指導できるようにしてはいるのだが、このお気に入りのドラゴンシリーズは、シリーズ内なら自分のレベルやステータスをそのまま移譲して使えるので、一から育てる必要が無いため、ありがたい。
2年前にドラゴンアタックが発売された時にのめり込んで、レベルが99でカンストするまで毎晩頑張ってしまい、その後発売されたドラゴンスレイヤーズやドラゴンウォーリアなどを攻略する際、非常に楽になった。
シリーズ累計5作目となるドラゴンハンターは、いろいろな場所で現れるドラゴンを倒しながら、宝箱をゲットしていき、すべて攻略すると、報酬がもらえる仕様になっているが、今のところまだ誰にも攻略されていない。
昨日9匹目のドラゴンと戦い、ぎりぎりのところで負けてしまったので、今日リベンジしたいところだ。
赤竜王と名乗る竜のブレスは半端なく熱く、直撃を避けても皮膚が焼け爛れてしまうがドラゴンスレイヤーの称号と共に得たドラゴニックオーラを纏うと、瞬く間に皮膚が再生されていく。
前作で手に入れた竜滅剣にもドラゴニックオーラを纏わせ、赤竜王を切りつけていく。
管理者権限で緊急見守りモードを発動し、時間の経過が無いように設定してあるので、時間は無限にある。
数時間にも及ぶ激闘を制し、何とか赤竜王を撃破した僕は、倒れそうになる体にムチ打ち、討伐した証の宝箱の前まで行き、宝箱を開けた。
『congratulation!』
文字音声が花火と共に宝箱から飛び出し、長かった竜討伐のゲームの終わりが見えたと思った瞬間、上空に巨大な竜が現れ、僕に話しかけてきた。
『このゲームを最初にクリアした者に褒美を取らせようぞ。』
手元に現れた褒美の一覧を見て、迷わず2番を選択する。
1番目に書かれていたのが、さらなる強者との戦いで、
2番目が自宅に届くお宝で、
3番目が当社ゲーム購入時に使える1万ポイントとなっていたのだ。
社員だからダメということもないと思い、お届け先に自宅の住所を入力し、送信した。
休憩時間を終えた僕は、その後2軒ほどお客様の家を訪問したが、特に午前中のようなトラブルは起きなかったので、5時には横浜支社に戻って来ることができた。
「お疲れ様です!」
自分のデスクに座り、今日の作業報告をまとめ終え、明日の訪問予定をチェックしていると、自分が所属しているカスタマーサービス部に、突然専務が来訪してきた。
部長が専務に呼ばれ、その後、僕が呼ばれ、訳が分からないまま、部長と専務がいらっしゃる所に向かった。
「君が斎藤達也君かね。」
専務に問いかけられたので、素直にそうですと応える。
「君、World Fantasyで活動経験があるそうじゃないか。」
! 我が社が取り扱っているゲームは基本パーソナルゲームが主流のため、各家庭で個人的に楽しむゲームばかりだが、世界的企業のマイクロソとグーグとソニなどが共同で作り上げた仮想世界の中で最も数多くの人たちが争い合うゲームに、誰でも1度は興味を示してログインするのは当たり前のことで、僕も過去に活動していた時期もあったが、最近はログインすらしていない。
何かお叱りを受けるのかと思っていたら、予想だにしていない話を聞かされ、戸惑ってしまった。
専務の話をかいつまんで話すと、最近World Fantasy内でPKと呼ばれる殺戮行為が頻発していて、それを発見し粛清して欲しいと世界的ゲーム合資会社Miglenyの方から競合各社に依頼があり、我が社もそれを受けたので、僕に出張してきて欲しいということのようだ。
「我が社のゲーム内で蓄積された君のステータスを向こうのサーバー内に持ち込めるように調整してくれるようだから、受けてくれるよな。」
その話が本当なら、かなり上位のレベルでゲームに入れるから、そのプレイヤーキラーを見つけるのも難しくないかもしれないと思い、快諾の意を表すと、専務にとても喜ばれた。
「今日中に技術班に詰めさせ、明日には君をフル装備のままWorld Fantasyにログインできるように調整させるから、それまで自宅に待機していてくれ。」
「君も自宅からログインした方がいいだろう?」
「それに、この話を受けてもらえると思って、自宅に届くお宝は最新型ゲーミングベッドにしておいたから、それも明日の午前中までに届けさせるから頑張ってくれたまえ。」
「それって今日僕が昼休憩の時にクリアしたドラゴンハンターのクリア報酬ですよね。ありがとうございます。大切に使わせていただきます。」
まさか最新のゲーミングベッドをいただけるとは、なんてありがたいことだ。
1
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
男女比がおかしい世界に来たのでVtuberになろうかと思う
月乃糸
大衆娯楽
男女比が1:720という世界に転生主人公、都道幸一改め天野大知。 男に生まれたという事で悠々自適な生活を送ろうとしていたが、ふとVtuberを思い出しVtuberになろうと考えだす。 ブラコンの姉妹に囲まれながら楽しく活動!
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる